監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)
食事補助は現金支給も可能ですが、原則として給与扱いとなり課税対象になります。一方で、一定の条件を満たせば非課税枠を活用して運用できる方法もあります。本記事では、現金支給のルールや税務上の扱い、非課税枠を活用するための条件を整理し、企業にとって最適な食事補助の導入方法を解説します。
食事補助の現金支給は可能?結論と基本ルール
食事補助は現金支給できます。ただし税務上の扱いには注意が必要です。特に所得税の非課税枠を活用して運用できるかは、制度設計によって変わります。ここではまず結論として、食事補助の現金支給がどのように扱われるのか、基本ルールを見ていきましょう。
【結論】現金支給は可能だが原則課税
食事補助を現金で支給することは可能です。給与に上乗せするだけで運用を開始できるため、小規模な企業や、シンプルな仕組みで食事補助を導入したい場合には、取り入れやすい方法といえます。
ただし、現金支給の場合には、原則として給与とみなされ、所得税の課税対象となります。
所得税の課税対象となるのは、企業が福利厚生の食事補助として支給していても、現金だと給与との区別がつかないためです。
非課税枠を活用して食事補助を運用するには、必要な条件を満たす方法で導入しなければいけません。
現金支給では福利厚生としての制度設計は難しい
食事補助を現金で支給すると、従業員が自由に使える資金になります。他の給与と区別するのが難しく、食事補助としての性質を客観的に証明するのは困難です。
加えて何に使ったのかも明確には分かりません。企業が食事補助として支給していても、実際の使い道を管理できないため、福利厚生としての要件を満たしにくくなります。
福利厚生は全従業員を対象とした公平な制度であることも重要です。現金支給は個別の事情に応じた調整が行われやすいため、支給額や対象者にばらつきが出ることも考えられます。
これらの理由から、現金支給は福利厚生として認められず、給与と判断されます。
給与と福利厚生の違いについては、以下の関連記事もチェックしてみましょう。
関連記事:給与?それとも福利厚生?違いと従業員満足度を高める制度のバランスを解説
現金支給で非課税になるのは夜食のみ
例外的に、残業や宿直など業務上必要な場合に支給される夜食については、1食あたり650円(税抜)以下であれば、現金支給であっても所得税の非課税枠を活用できます。これは、深夜に夜食を現物支給するのが難しいためです。
食事補助が非課税になる条件とは
食事補助は以下の2つの要件を満たして導入すると、従業員の納める所得税に影響することなく支給できます。
- 従業員が食事代の半額以上を負担していること
- 「食事代-従業員の負担額」が月7,500円(税抜)以下であること
例えば、食事代の半分以上を従業員が負担していない場合や、企業負担が上限を超えている場合は、補助額が給与として扱われ課税対象となります。また、現金で支給する場合も原則として課税対象となるため注意が必要です。
非課税枠を活用する際には「非課税になる条件を満たしているか」を確認した上で、制度設計しなければいけません。
関連記事:【2026年版】食事補助の非課税枠上限が7,500円に引き上げへ!企業に求められる対応は?
食事補助の非課税枠を活用できるケース、できないケース
所得税の非課税枠を活用して、食事手当を支給できるケース・できないケースについて、以下の表で確認しましょう。
|
ケース |
食事代 |
企業の負担額 |
従業員の負担額 |
所得税の非課税枠の活用可否 |
|
① |
6,000円 |
3,000円 |
3,000円 |
〇 |
|
② |
6,000円 |
3,500円 |
2,500円 |
× |
|
③ |
1万5,000円 |
3,000円 |
1万2,000円 |
〇 |
|
④ |
1万5,000円 |
8,000円 |
7,000円 |
× |
①と③は条件を満たしているため所得税の非課税枠を活用できます。
一方②は従業員の負担額が食事代の半分に届いていないため、所得税の非課税枠は対象となりません。また④は企業の負担額が7,500円を超えていますし、従業員の負担額が食事代の半分に届いていないため、所得税の非課税枠は対象外です。
月7,500円(税抜)の非課税限度額は消費税に注意
2019年10月1日より、消費税は2種類の税率が適用されるようになりました。軽減税率(8%)と標準税率(10%)です。
税率の違いは対象項目や販売方法によって細かく規定されています。ここでは、食事補助にかかわる部分で違いを分けて解説していきます。
【税率8%】お弁当の食事補助の非課税限度額
お弁当(購入や宅配)の場合は軽減税率(8%)が適用されます。
-
お弁当の価額:900円(税込8%)
-
従業員負担額:450円
-
1カ月の提供日数:20日
このとき、1カ月分の食事の価額:900円×20日=18,000円(税込)
従業員の負担額:450円×20日=9,000円となります。
消費税8%を除いた企業負担額の計算は以下の通りです。
(食事価額総額-従業員負担額)÷1.08=企業負担額
(18,000円-9,000円)÷1.08=8,333円=企業負担額:8,330円
※10円未満の端数が生じた場合は切り捨てになります
上記の場合、従業員負担は食事価額の50%以上をクリアしています。ただし企業負担8,330円が非課税限度額7,500円を超えるため、企業負担額の全額8,330円が給与として課税されます。
【税率10%】食堂の食事補助の非課税限度額
食堂や外食の場合は標準税率(10%)が適用されます。先ほどのお弁当と同じ条件で見てみましょう。
-
食堂の食事の価額:900円(税込10%)
-
従業員負担額:450円
-
1カ月の提供日数:20日
この場合、1カ月分の食事の価額:900円×20日=18,000円(税込)
従業員の負担額:450円×20日=9,000円となります。
消費税10%を除いた金額は以下の通りです。
(食事価額総額-従業員負担額)÷1.1=企業負担額
(18,000円-9,000円)÷1.10=8,181円=企業負担額:8,180円
※10円未満の端数が生じた場合は切り捨て
食堂の場合も同様に、企業負担8,180円が非課税限度額7,500円を超えるため、全額が給与として課税されます。
このように、月20日・1食900円・従業員半額負担のケースでは、消費税率にかかわらず現行の非課税限度額7,500円を超えます。補助額の設定時は、消費税を除いた企業負担額が7,500円以内に収まるよう事前に計算しておくことが大切です。
支給額は年間最大9万円
所得税の非課税枠を活用して食事補助を支給する場合、企業の支給額は最大で月7,500円のため、年間で最大9万円となります。
ただし全額支給するには、従業員も9万円以上負担していなければいけません。
企業の支給額が少額でもNGなのは条件を満たしていないとき
例えば、企業の1カ月の支給額が1,000円で、月7,500円を下回っているとします。このとき、従業員も1,000円以上負担していれば、食事補助は所得税の非課税枠の対象です。一方、従業員の負担額が1,000円を下回っている場合には、半額を負担していないので所得税の非課税枠は対象になりません。
企業の支給額の大小だけでなく、企業と従業員の負担割合も関係してくる点に注意が必要です。
食事補助を現金支給するとどうなる?
食事補助を現金支給した場合、税務・社会保険の両面で支給額は給与として扱われます。条件を満たすと活用できる非課税枠を利用できないだけでなく、企業・従業員双方の負担増につながる可能性がある点に注意が必要です。
税務の面では、現金支給された食事補助は給与とみなされるため、所得税の課税対象となります。
加えて、社会保険料の面では、社会保険料を算出する際の標準報酬月額にも含まれるため、健康保険料や厚生年金保険料にも影響します。社会保険料は企業と従業員が折半して負担する仕組みのため、企業側の法定福利費への影響も考えられます。
さらに、給与が増えることで、給与額に連動して算出される賞与や各種手当にも影響が及ぶ恐れがあります。結果として、食事補助にかかるコストの他に、人件費全体が想定以上に膨らむリスクがある方法です。
現金支給が向いているケース・向いていないケース
食事補助の現金支給は、すべての企業にとって最適な方法とは限りません。導入のしやすさという利点がある一方で、税務や人材戦略の観点では不利になるケースもあります。自社の状況や目的に応じて、現金支給が向いているかどうかを見極めることが重要です。
現金支給が向いているケース
現金支給は、食事補助の制度設計に割ける人材や予算などのリソースが限定的な企業や、まずはシンプルな方法で試しに食事補助を導入したい企業などに向いています。
特に小規模な企業や、福利厚生がまだ十分に整っていない段階の企業では、給与に上乗せするだけで運用できるスピーディーさがプラスに働くでしょう。
また、短期的な手当として支給したい場合にも向いています。例えば、一時的な物価高対策や期間限定の支援としてであれば、制度設計の手間をかけずに柔軟に素早く対応できる現金支給が有効です。
現金支給が向いていないケース
食事補助の現金支給が向いていないのは、採用強化や定着率向上を目的に食事補助の導入を進めている企業です。現金支給は他社との差別化が難しく、福利厚生としての訴求力が弱いため、応募者や従業員に魅力が伝わりにくい傾向があります。
さらに、福利厚生制度を見直したい企業にも適していません。中長期的に制度の充実を図るのであれば、非課税枠を活用できる仕組みを取り入れた方が、コストと効果のバランスを取りやすくなります。
現金支給と他の食事補助制度の比較
食事補助には、現金支給のほかにも社員食堂・設置型社食・宅配弁当・チケット型の食事補助といった選択肢があります。それぞれ仕組みやコスト、従業員にとっての使いやすさが異なるため、自社に合った制度を選ぶには比較が欠かせません。
現金支給と代表的な食事補助制度を主要な観点で整理したのが以下の表です。
|
比較項目 |
非課税枠の活用可否 |
実質的な手取りアップ |
コスト |
導入難易度 |
利用できる場所や時間 |
|
現金支給 |
× |
× |
△ |
◎ |
◎ |
|
社員食堂 |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
△ |
|
設置型社食 |
〇 |
〇 |
◎ |
◎ |
△ |
|
宅配弁当 |
〇 |
〇 |
◎ |
◎ |
△ |
|
チケット型の食事補助 |
〇 |
〇 |
◎ |
◎ |
◎ |
比較すると、現金支給は導入の手軽さや自由度の面で優れていることが分かります。ただし手軽に導入できても福利厚生としての設計は難しく、非課税枠を活用できない点はデメリットです。その結果、従業員の手取り増につながりにくく、企業側のコスト効率も高いとはいえません。
一方で、社員食堂や設置型社食、宅配弁当、チケット型の食事補助は、いずれも一定の条件を満たすことで非課税枠を活用した運用が可能です。特にチケット型の食事補助は、場所や時間の制約を受けずに利用できるため、多様な働き方に対応しやすい食事補助の支給方法といえます。
このように導入のしやすさだけでなく、「税務メリット」「従業員の利便性」「運用負担」のバランスなどとあわせて比較することで、最適な制度選びが可能です。
食事補助は税務調査でどう見られるのか
税務調査では、食事補助は名目ではなく実態をチェックされます。例えば、名目上は食事補助として支給していても、従業員の負担割合が設定されていない場合や、利用用途の制限がない場合には、実質的に給与と同じ性質とみなされるため、食事補助と認められません。
また、従業員ごとに支給額や負担条件が異なる運用になっている場合は、福利厚生としての公平性が疑われやすくなります。全従業員に一律の条件が適用されているかどうかも、実態を確認する上で重要な要素です。
現金支給型の食事補助では、給与と区分できる客観的な証拠が残りにくいため、帳簿上は問題がなくても、実態として給与と判断されるリスクがあります。これに対して、専用カードやシステムを用いるチケット型の食事補助は利用履歴が残るため、福利厚生としての説明がしやすいという特徴があります。
税務調査で否認されやすいケース
税務調査で否認されやすいケースも具体的にチェックしましょう。
- 食事補助として支給しているが、実質的に給与の一部として自由に使える
- 従業員の食事代負担がなく、企業が全額負担している
- 食事以外の用途に使用できるなど、支給目的に明確な制限が設けられていない
- 支給額が個別判断で決まっており、従業員間で条件や金額にばらつきがある
- 社内規程が整備されておらず、運用ルールが口頭ベースや慣習にとどまっている
- 利用実態や支給状況を確認できる記録が残っていない
- 給与の一部を形式的に「食事補助」と振り替えているだけで、実質的な制度が存在しない
食事補助を適正に維持するためには、支給条件・従業員負担・利用範囲・記録管理の4点を明確に設計し、継続的に運用できる仕組みを整えておくことが重要です。
非課税枠を活用できる食事補助の具体例
非課税枠を活用できる食事補助の具体例として、ここでは社員食堂・設置型社食・宅配弁当・チケット型の食事補助を紹介します。自社に合う食事補助の導入に向けて、それぞれの特徴をチェックしましょう。
関連記事:【税理士監修】食事手当は現物支給で所得税が非課税に。導入のメリットをチェック
社員食堂
社内に食堂と厨房を設置して、従業員に食事を提供するのが社員食堂です。従業員に安価でバランスの良い食事を提供できるようになります。
|
社員食堂が向いている企業 |
|
・食堂や厨房を設置するスペースがある |
ただし、食堂と厨房を設置する場所の確保や、食堂で働く従業員の雇用、材料の調達などが必要で、他と比べるとコストがかかりやすい食事施策です。
また、社員食堂を利用できるのは、食事の提供時間に休憩を取れる従業員に限られます。従業員の休憩時間が一人ひとり異なる場合や、オフィス以外で働く従業員がいる場合には、利用できない従業員も出てくる施策です。
関連記事:【福利厚生の社員食堂:まとめ】意義やメリット・デメリットを一挙に紹介
設置型社食
オフィスに冷蔵庫や冷凍庫と電子レンジを設置して、総菜や弁当を自由に食べられるようにするのが設置型社食です。常に食事が用意されているため、従業員は自分のタイミングで利用できます。
|
設置型社食が向いている企業 |
|
・冷蔵庫や電子レンジを設置するスペースがある |
休憩時間を個々のタイミングでとる職場でも、公平に食事を提供しやすい施策です。ただし利用できるのは、オフィスで働く従業員に限られます。また賞味期限切れによる廃棄が発生することもあるでしょう。
関連記事:2026年版「設置型社食サービス」12種類を徹底比較!選び方・特徴まとめ
宅配弁当
宅配弁当は、休憩時間に合わせて弁当がオフィスに届けられるサービスです。食堂や厨房を用意しなくても、従業員にバランスの良い食事を提供できます。
|
宅配弁当が向いている企業 |
|
・従業員が出社して働いている |
ただし、利用するサービスによっては、メニューの自由度が低く従業員が「食べたい」食事を提供できないかもしれません。また、弁当が届くのはオフィスのため、休憩時間にオフィスにいない従業員は利用できない施策です。
メニューのバリエーションが少ない場合には、従業員が早い段階で飽きてしまう可能性もあります。
関連記事:オフィス宅配弁当比較10選!企業向けに選び方やメリット・デメリットを解説
チケット型の食事補助
チケット型の食事補助は、企業が食事代の一部を支給することで、従業員が提携する飲食店やコンビニなどで食事を購入できる仕組みです。
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食事補助が向いている企業 |
|
・従業員は、自宅・常駐先・現場など異なる場所で働いている |
導入するサービスによっては、全国にある幅広い店舗で利用できます。時間や場所にとらわれることなく自由に利用できるため、日中にオフィスで勤務する従業員はもちろん、自宅でリモートワークをする従業員、毎日異なる現場で働く従業員なども利用しやすい食事施策です。
関連記事:【2026年版】食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ
自社に合う食事補助の選び方
食事補助は種類ごとに特徴が異なるため、「どれが優れているか」ではなく「自社に合っているか」で判断することが重要です。特に、働き方と運用負担を軸に整理すると、最適な制度が見えやすくなります。
コストのみを重視して選ぶと、自社の従業員の働き方や、従業員が望んでいる制度とは異なる食事補助を導入してしまい、期待する効果が得られないことも起こり得ます。ここでは、実務で使いやすい判断基準を表形式でチェックしましょう。
|
比較項目 |
向いている働き方(出社の固定勤務) |
向いている働き方(外勤やリモートなど) |
導入を望む従業員の割合 |
管理工数 |
|
社員食堂 |
◎ |
× |
△ |
× |
|
設置型社食 |
◎ |
× |
〇 |
◎ |
|
宅配弁当 |
◎ |
× |
〇 |
◎ |
|
チケット型の食事補助 |
〇 |
◎ |
◎ |
◎ |
食事補助を導入するときには、従業員の働き方に合う制度を導入しなければいけません。
オフィスに出社して決まった時間に働き一斉に休憩を取る従業員が多い企業であれば、利用時間や場所が決まっている、社員食堂・設置型社食・宅配弁当が向いています。
一方、働く場所や時間が一人ひとり異なる企業では、社員食堂・設置型社食・宅配弁当は、利用できる人とできない人が出てきてしまいます。公平に支給するには、チケット型の食事補助を選ぶとよいでしょう。
また従業員のニーズに合わせた制度を導入することも重要です。「従業員の福利厚生ニーズに関する実態調査」によると、日々の生活に必須である食事施策は、従業員からの認知度や人気が高いのが特徴です。4種類の中でも、特に食事補助は「導入してほしい」という声が多く、勤務先に導入されていない人の7割にあたる49.0%が、導入を希望しているという調査結果でした。
運用にどれだけの手間がかかるかも、食事補助を導入するときに重要な判断ポイントです。社員食堂は人員配置や食材管理など運用負担が大きくなりやすいのに対して、設置型社食や宅配弁当、チケット型の食事補助はアウトソーシングできるため、管理工数を抑えられます。人事部門のリソースが限られている場合は、運用負担の少ない仕組みを選ぶとよいでしょう。
関連記事:福利厚生アウトソーシングとは?導入メリット・デメリットとサービス比較のポイント
参考:労務研究会|旬刊福利厚生2025年6月下旬号 従業員の福利厚生ニーズに関する実態調査/ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み(下)
【目的別】食事補助の最適解
食事補助の提供の仕方として、社員食堂・設置型社食・宅配弁当・チケット型の食事補助を紹介しました。ここでは、この4つの食事補助と現金支給の中から、目的別の最適解を紹介します。
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目的 |
最適解 |
|
コスト重視で導入したい |
設置型社食・宅配弁当・チケット型の食事補助 |
|
多様な働き方の従業員に公平に支給したい |
チケット型の食事補助 |
|
福利厚生を採用・定着に活かしたい |
チケット型の食事補助 |
|
ニーズの高い食事補助を導入したい |
チケット型の食事補助 |
|
一時的な施策として支給したい |
現金支給 |
食事補助は「コストを抑えたい」「公平に支給したい」「採用や定着に活かしたい」など、目的によって最適な手段が異なります。特に、働き方が多様化している企業や、福利厚生を経営戦略として活用したい企業では、非課税枠を活用できるチケット型の食事補助がバランスの良い選択肢といえるでしょう。
【結論】非課税枠を活用して運用するならチケット型の食事補助が現実的
食事補助を現金で支給すると給与扱いとなるため、食事補助の非課税枠を活用できません。一方で、非課税枠を活用できる制度を導入すれば、同じコストでも従業員の実質的な手取りを増やしやすくなります。
条件を満たすと食事補助の非課税枠を活用できる食事補助の中でも、チケット型の食事補助は場所や時間を選ばず利用できるため、多様な働き方に対応しやすい施策です。社員食堂や設置型社食、宅配弁当と比べても、公平に提供できる食事補助といえます。
加えて、従業員のニーズが高いため、導入後の利用率が高くなりやすく、効果につながりやすい点もポイントです。また、専門業者へアウトソーシングすれば、担当者の業務負担軽減にもつながります。
現金支給のデメリットを回避しつつ、福利厚生としてのメリットを得たい場合に、現実的な選択肢といえるでしょう。
現金支給よりチケット型の食事補助が選ばれる理由
食事補助の手段として現金支給はシンプルですが、実際に福利厚生として食事補助を運用するときには、チケット型の食事補助が効果的な選択肢となります。現金支給よりもチケット型の食事補助が選ばれる理由について分かりやすいよう、まずは以下の表で2つの違いをチェックしましょう。
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比較項目 |
現金支給 |
チケット型の食事補助 |
|
税務上の扱い |
給与として課税対象 |
条件を満たすと非課税枠の活用が可能 |
|
利用用途 |
制限なし |
食事に限定 |
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福利厚生としての位置付け |
給与扱い |
福利厚生として設計可能 |
|
利用場所 |
制限なし |
飲食店やコンビニなどの提携店 |
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管理のしやすさ |
シンプル |
アウトソーシング可能 |
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公平性 |
担保しにくい |
公平に提供可能 |
チケット型の食事補助は、企業が一定額を従業員に付与し、専用のカードやアプリを通じて提携飲食店やコンビニなどで食事代として利用できる仕組みです。利用履歴をシステム上で管理できるため、現金のように「何に使ったかが分からない」ということがなく、福利厚生の食事補助として扱えます。
現金支給よりも従業員の実質的な手取り額をアップしやすいことや、公平に支給しやすいことなどから、人気の食事補助です。
チケット型の食事補助を導入するメリット
チケット型の食事補助を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは代表的なメリットについて解説します。
第3の賃上げになる
チケット型の食事補助を活用した食事補助は「第3の賃上げ」としても機能します。「第3の賃上げ」 とは、家計の負担軽減を果たし、実質手取りを増やすことができる福利厚生サービスを活用した賃上げのことです。
非課税枠の範囲内で食事補助を提供すると、従業員は食費の自己負担が減るだけでなく、同額を給与で支給された場合と比べて所得税の負担が抑えられる分、手元に残る効果が大きくなります。
関連記事:第3の賃上げとは?企業が押さえるべき仕組みと、メリット・デメリットを解説
採用・定着率の向上
求職者が企業選びをする際、福利厚生の充実度は重要な指標のひとつです。中でも、チケット型の食事補助のような生活に直結する制度は"働きやすさ"の象徴となりやすいため、採用・定着の強力な武器になります。
特に、売り手市場の中で各企業の待遇を比較検討している求職者や、出費が多くなりがちな子育て中の従業員に対するアピール度は高く、他社との差別化や離職率の低下も期待できます。
関連記事:採用に役立つおすすめの福利厚生をチェック!導入時の注意点も解説
従業員満足度の向上
日々の食事に役立つチケット型の食事補助は、従業員満足度の向上にもつながる福利厚生です。日常的に利用できる制度を導入すると、従業員を大切にする企業姿勢を明確に打ち出せます。
このような企業の姿勢は、従業員の満足度を高めて、企業に対する愛着や帰属意識につながるものです。従業員満足度の高い企業では、従業員のモチベーションやパフォーマンスが高まるため、長期的には企業としての生産性の向上にもつながります。
関連記事:従業員満足度(ES)向上はどう目指す?取り組みの成功事例も紹介
健康経営への貢献
チケット型の食事補助を導入すると、従業員は企業から食事代のサポートを受けられます。その分、バランスの良いメニューや、野菜が多めのメニューを選びやすくなるため、従業員の健康の維持増進に役立つサービスです。
近年では、従業員の健康を経営資源ととらえて、経営の観点から健康の課題に取り組む健康経営に取り組む企業が増えています。健康経営の推進に役立つ制度として導入できることも、チケット型の食事補助を導入するメリットです。
例えば株式会社鈴木商店(導入事例)は、健康経営優良法人の認定項目「食生活改善に関する取り組み」を満たす目的で、チケット型の食事補助である「チケットレストラン」を導入しました。
その結果「健康習慣アンケート」で、朝食を毎日とる従業員の割合が40%から48%に上昇、健康を意識したドリンクを購入する従業員の割合が68%から78%に上昇しました。この施策によって、2023年から継続して健康経営優良法人に認定されています。
関連記事:【健康経営のメリット・デメリット】なぜ必要か?取り組み方も解説
チケット型の食事補助を導入するときの注意点
チケット型の食事補助は、所得税の非課税枠を活用できる上、自由度や利便性も高い制度ですが、導入すれば自動的に効果が出るわけではありません。運用設計を誤ると、想定していたメリットを得られない可能性もあります。ここでは、導入時に確認しておくべき注意点をチェックしましょう。
非課税枠活用の条件を満たしているか
チケット型の食事補助を導入して、食事補助の非課税枠を活用したいと考えている場合には、非課税枠を活用するための条件を満たした制度設計になっているか確認しましょう。
特に、非課税枠の活用や、その結果得られる実質的な手取りアップを導入の目的としている場合には、事前の確認が欠かせません。
従業員のニーズに合うサービスか
従業員が実際に使いやすいサービスであるかどうかも重要です。導入しても、利用できる店舗やエリアが限られている場合や、決済方法が馴染まない場合には、従業員の利用はなかなか進みません。使いにくさから満足度が低下する可能性もあります。
例えば、外勤やリモートワークが多い企業では、全国に提携している加盟店があるチケット型の食事補助を導入すると利用が進みやすいでしょう。
運用ルールは明確になっているか
社内での運用ルールを明確にしておくことも重要です。対象者の範囲や付与額の基準、利用ルールなどが曖昧なままだと、不公平感や問い合わせ対応の増加につながります。
加えて、整備したルールの周知も欠かせません。使い方や問い合わせ窓口を分かりやすく示すことで、導入したチケット型の食事補助が活用されやすくなります。
食事補助を見直すなら「チケットレストラン」
食事補助を導入して所得税の非課税枠を活用するためには、一定の条件を満たした制度設計が必要です。手間やコストを抑えつつ、必要な制度を整えるには、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」が役立ちます。
導入企業4000社以上、利用者30万人のサービスで、「iD」に対応している、全国の加盟店25万店舗以上で食事の購入が可能です。
場所や時間に縛られずに利用できるため、従業員が出社して勤務している企業はもちろん、リモートワークや外勤で働く従業員が多い企業でも、公平に食事補助を支給できます。
関連記事:導入実績4,000社以上!チケットレストラン導入によるメリット・デメリット
チケットレストランの導入事例1「中城建設株式会社」
中城建設株式会社は、従業員の健康に貢献したいという想いから、これまでにさまざまな取り組みを実施してきており、従業員の健康を経営の観点から考えて取り組んでいると認められた「健康経営優良法人」に認定認定されています。
この想いが伝わる福利厚生として導入したのが「チケットレストラン」です。内勤・外勤を問わず利用できる公平性の高い福利厚生が、高い満足度につながっています。
詳細な導入事例はこちら:中城建設株式会社
チケットレストランの導入事例2「共進運輸株式会社」
運送業を展開している共進運輸株式会社では、弁当補助を行っていましたが、ドライバーが利用しにくい状態でした。ドライバーも利用しやすい食事補助を、と導入したのが「チケットレストラン」 です。
全国にある加盟店で時間帯を問わず利用できる「チケットレストラン」 は、ドライバーの勤務形態にフィットしており、従業員満足度の向上につながっているそうです。
詳細な導入事例はこちら:共進運輸株式会社
食事補助の現金支給に関するよくある質問
食事補助は現金支給もできますが、現物支給する場合とは税務上の扱いが変わります。制度について、より理解を深めるために、よくある質問もチェックしましょう。
食事補助を現金で渡すと違法ですか?
現金で食事補助を支給すること自体は違法ではありません。そのため給与に上乗せする形で食事補助を支給する運用も可能です。
食事補助を給与として支給すると損をしますか?
必ずしも損とは限りませんが、所得税の非課税枠を活用できないため、同じ支給額でも従業員の手取りが減りやすくなります。また社会保険料の算定対象にもなりますし、給与が上がることで賞与や手当にも影響する可能性があるため、企業の負担も増加する可能性があります。
まかないは現物支給にあたりますか?
飲食店などで提供される「まかない」は、一定の条件を満たせば食事補助の現物支給として扱われます。ただし、従業員負担額や提供方法によっては課税対象となる場合もあるため、実態に応じた判断が必要です。
まかないについては、以下の関連記事でも解説しています。
関連記事:食事補助とまかないの違いとは?経営者が考えるべきポイント、飲食店で働く・アルバイトをするときのポイント
食事補助は全額支給しても構いませんか?
食事補助は企業が全額支給することも可能です。ただし、企業が全額支給すると、所得税の非課税枠を活用するための要件を満たさないため、原則として課税対象となります。
所得税の非課税枠を活用するには、食事代の半額以上を従業員が負担していなければいけません。
リモートワークでも非課税枠を活用できる食事補助はありますか?
リモートワークでも、チケット型の食事補助であれば利用できます。特に全国に提携している加盟店がある場合には、どこでリモートワークをしていても利用しやすいでしょう。多様な働き方の従業員が在籍している企業でも、チケット型の食事補助であれば公平に食事補助を支給できます。
食事補助は現金支給より非課税枠を活用した現物支給が合理的
食事補助は現金で支給することも可能です。ただしその場合は原則として給与扱いとなり、所得税や社会保険料の負担が増えるため、企業・従業員双方にとって税務メリットを活かしにくいでしょう。
一方で、現物支給の食事補助は、従業員が食事代の半額以上を負担し、かつ月7,500円(税抜)の上限額以内に収まる制度設計を行えば、食事補助の非課税枠を活用できます。これにより、同じ予算でも従業員の実質的な手取りを増やしやすくなるでしょう。
特にチケット型の食事補助であれば、働く場所や時間に縛られることなく使えるため、多様な働き方にも対応しやすい点が特徴です。
このような点から、食事補助を見直すなら、非課税枠を活用できる現物支給が合理的といえます。
食事補助を福利厚生制度として設計し、効果的に従業員満足度の向上に役立てるなら、チケット型の食事補助として「チケットレストラン」 の導入を検討してみてはいかがでしょうか。詳細については、資料請求で確認できます。
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税理士 / 1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和
1級FP 、日商簿記1級や宅建資格などを取得しており、幅広い視野と知見でサポートしております。
