昨今の物価高で「食べたいものを我慢」
「ランチ代を節約」する従業員。
その姿を見て、何とか従業員を支えたい――
そう感じる経営者の方も
多いのではないでしょうか。
そんな企業や働く人を支えるのが、「食事補助制度」です。
食事補助には、一定の条件を満たせば税金がかからない「非課税上限」という制度があります。
月額3,500円までの食事補助であれば税金が発生しないため、企業にとってはコストを抑えながら支援ができ、
従業員にとっては“手取りそのまま”で受け取れる、とても有効な仕組み。
しかし、この「月額3,500円」という限度額は、増税や社会保険料の上昇、そして物価高騰が続くなかでも、
40年以上、変わっていません。
「制度はあるのに、今の実態に合っていない」
「月額3,500円では低すぎて意味がない」
そんな声が、全国で上がっています。
私たち「食事補助上限緩和を促進する会」は、この現状を変えるために活動しています。
食事補助の上限を緩和し、働く人の“食”を守り、実質的な手取りアップを実現する。
そして、外食産業や地域経済を支え、日本経済全体の元気につなげたい。
その実現に向け、私たちは賛同企業をはじめ、政府関係各所とともに取り組みを進めています。
これまでの取り組みと成果
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2025年9月18日

来年の「制度改正」の実現に向け、月額3,500円から月額8,000円への引き上げを要望
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2025年9月3日

経済産業省、「税制改正要望」に食事補助制度の見直しを明記
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2025年7月2日

「骨太方針2025」および「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」に、食事補助非課税限度額の速やかな見直しを明記
食事補助の「非課税上限」の仕組みについて
勤務時間の食事の支給は、
国税庁が示すルール※に基づき、
2つの”要件”を満たす場合に限り、
所得税が非課税に
※「非課税上限」の仕組みは、「所得税基本通達」に記載されているルールに基づき運用されており、次の2つの条件を満たす必要があります。1つ目は、企業からの補助額が月額3,500円以下であること。そして2つ目は、従業員が食事代の半額以上を自己負担していることです。つまり、企業が月額3,500円までを補助し、残りを従業員が支払っていれば、その補助分は非課税扱いになります。
「食事補助上限緩和を促進する会」とは
1,139者/社により
構成される任意の集まり
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「食事補助」の福利厚生を提供する事業者1,068社・団体 -
食事を提供する
外食事業者68者・社 -
「食事補助」をサポートする
サービス事業者等3社
1984年以降、約60%の物価上昇があるにもかかわらず、40年以上据え置かれている食事補助制度の所得税の非課税上限の引き上げを求め、2024年より活動を開始しています。
「食事補助制度」に関する
調査結果
食事補助制度を導入する多くの企業が
メリットを実感している一方で、
限度額の「少なさ」に
不満を抱いていることが判明
Q.食事補助非課税枠の利用メリット
(n=400)約8割が「実質手取りアップ」を実感
その一方で…
Q.非課税限度額の金額について
(n=400)限度額は
「少ない」が
約6割
Q.非課税限度額が増額した場合の感想
(n=400)限度額アップは
「うれしい」が
9割以上
「食事補助制度の実態調査」≪調査概要≫ 調査期間:2025年6月25日~2025年7月1日
調査対象:18歳以上の民間企業就業者 1,200名
※調査結果は、食事補助制度を導入している企業で制度に関与している経営者および担当者400名の結果





幹事社
「エデンレッドジャパン」
よりコメント
代表取締役社長
天野 総太郎
近年の物価高騰により、働く方々が日々の昼食を節約せざるを得ない状況が広がっています。『食』は健康維持と生産性向上の基盤であり、企業にとっては従業員の力を最大限に発揮してもらうための不可欠な要素です。しかしながら、現在の食事補助制度は非課税限度額が40年以上据え置かれており、現行の生活実態に十分対応できていないのが実情です。
食事補助の非課税上限が現代の物価水準に合わせて見直されれば、従業員の実質的な手取り改善に寄与するだけでなく、企業の人材確保・定着の強化、さらには外食産業や地域経済の活性化にもつながります。企業・従業員・地域社会の三者が恩恵を享受できる制度として、より大きな役割を果たすことが期待されます。
こうした課題を背景に、私たちは官民連携による制度改善の必要性を継続的に発信してまいりました。その結果、本活動が政府の議論を後押しし、食事補助制度の見直しは「骨太の方針」や経済産業省の税制改正要望にも明記されるなど、来年春の制度改正に向けて着実に前進しています。制度が社会的なテーマとして認識され始めたことは、大きな一歩と捉えています。
とはいえ、制度改正の実現には、引き続き多くの企業の皆さまの声と後押しが不可欠です。“従業員をより良い形で支えたい”という思いを、社会全体の変化へとつなげていくために、皆さまのお力添えを賜れれば幸いです。