大企業の福利厚生は、住宅手当・食事補助・育児支援など多彩な制度が整備されているのが特徴です。一方で「制度があるのに使われない」「拠点によって格差が生じる」という課題を抱える企業も少なくありません。本記事では、利用率向上や従業員満足度にも貢献するおすすめの福利厚生について紹介します。
大企業が充実している福利厚生とは|法定・法定外の基本を整理する
福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の 2 種類にわけられます。
| 種類 | 主な内容 |
| 法定福利厚生 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・介護保険 |
| 法定外福利厚生 | 住宅手当・食事補助・育児支援・特別休暇・健康支援など |
法定福利厚生とは?
法定福利厚生とは、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・介護保険など、法律によって企業に負担が義務付けられた制度です。
法定外福利厚生とは?
法定外福利厚生は、企業が任意で設ける独自の制度です。住宅手当・食事補助・育児支援・特別休暇などが代表例で、「福利厚生」というと、通常はこの法定外福利厚生を指します。
厚生労働省の調査によると、従業員 1,000 人以上の大手企業が 1 か月に従業員 1 人あたりに支出する法定外福利厚生費の平均は5,639円でした。従業員 30〜99 人規模の企業(4,414 円)と比べると約1,225円高く、企業規模が大きいほど制度が充実しやすい実態が数字にも表れています。
| 企業規模 | 法定福利費(円) | 法定外福利費(円) |
| 調査計(全体) | 50,283 | 4,882 |
| 1,000人以上 | 54,348 | 5,639 |
| 300〜999人 | 50,804 | 4,567 |
| 100〜299人 | 48,024 | 4,546 |
| 30〜99人 | 45,819 | 4,414 |
関連記事:法定外福利厚生とは?種類・費用・導入メリット・リスクを解説
大企業で人気の福利厚生7選|導入実績と従業員ニーズから厳選
大企業は中小企業に比べて予算や人員リソースに余裕があるため、従業員のニーズを踏まえた福利厚生を導入しやすい傾向にあります。ここでは、大企業の多くが共通して導入している福利厚生を7つ厳選して紹介します。
①住宅手当・家賃補助|生活費直結で従業員ニーズが高い
住居費は家計の中でも大きな割合を占めるため、住宅手当・家賃補助は従業員ニーズが特に高い制度です。
厚生労働省の調査によると、従業員1,000人以上の大企業における従業員1人あたりの住宅手当の平均支給額は21,100円(令和6年11月分)で、従業員30〜99人規模の企業の17,500円と比べて3,600円高くなっています。
一方で、住宅手当の拡充には相応のコスト負担が伴います。地域・雇用形態・家族構成によって恩恵の大きさに差が出やすいため、対象範囲と支給条件の整理が制度設計の重要なポイントです。
関連記事:【税理士監修】住宅手当は課税・非課税どちら?それぞれのケースや課税額を解説
②特別休暇制度|大企業の75.0%が導入済みで標準化が進む
特別休暇制度とは、法定の年次有給休暇に加えて企業が独自に設ける休暇制度の総称で、夏季休暇・病気休暇・リフレッシュ休暇・ボランティア休暇などが代表的です。
厚生労働省の調査では、従業員1,000人以上の大企業の75.0%が特別休暇を導入していることが明らかになりました。従業員30〜99人規模の企業では57.3%に留まるため、やはり企業規模による差が大きいのが実情です。
近年は、特別休暇制度において「ウェルビーイング休暇」「推し活休暇」「アニバーサリー休暇」など個性的な名称の制度が登場し、採用ブランディングの観点からも注目を集めています。制度の提供に加え、実際に取得しやすい職場風土の整備が求められます。
関連記事:【社労士監修】特別休暇とは?種類や給料の有無、法定有給休暇との違いを解説
③食事・昼食補助|利用率が高く健康経営とも親和性が高い
食事補助は、社員食堂の設置・設置型社食・昼食手当の支給・チケット型サービスの導入など、さまざまな形態で提供される制度です。
「毎日発生するニーズ」に応える制度であるため、住宅手当のようにライフステージによって恩恵の大きさが左右されません。雇用形態や勤務場所を問わず、ほぼ全員が日常的に活用できます。
日常生活の負担を目に見える形でサポートできるため、福利厚生として従業員へのアピール度が高いほか、近年注目の「健康経営」とも親和性が高い人気の福利厚生です。
なお、食事補助の非課税上限は、2026年4月1日から従業員1人あたり月3,500円から7,500円へ引き上げられました。1984年以来42年ぶりとなるこの見直しにより、食事補助への注目はさらに高まっています。
関連記事:【2026年版】食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ
④健康診断・人間ドック補助|法律以上の手厚さが特徴
大企業では、法定の定期健康診断に加えて人間ドック費用の補助・がん検診・歯科検診・メンタルヘルスチェックなど、法律の範囲を超えた健康支援を行う企業が多くあります。
従業員の健康維持は、生産性向上や医療費の削減につながるため、健康経営の観点からも投資対効果が高い制度として評価されています。
ダイバーシティ推進や健康経営の流れを背景に、近年は福利厚生にも幅広い配慮が求められるようになりました。若年層から対象の人間ドック補助や、女性特有の疾患に特化した検診補助、メンタルヘルス相談窓口の設置など、従業員の性別・年齢・職種を問わず、心身両面からサポートする制度が増加傾向です。
関連記事:福利厚生としての健康診断とは?健康経営実現で「選ばれる企業」へ
⑤育児・介護支援|法定制度を上回る独自給付で差別化する大手が増加
育児・介護支援は、少子化対策・女性活躍推進を背景に、ここ数年で急速に拡充されています。
厚生労働省の「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」では、従業員1,000人超の大企業における男性の育休等取得率は46.2%に上ります。同時期の男性全体の取得率は17.13%であり、大企業における制度の充実度や普及度の高さがうかがえる結果となりました。
また、法定を超えた育休中の収入補填・保育料補助・社内託児所の設置などを整備する大企業も増えており、育児と仕事の両立支援が採用・定着の両面で大きな差別化につながっています。
さらに、介護支援においても費用補助や専門家への相談窓口を設ける企業が増えており、ライフステージの変化に対応できる体制づくりが定着率向上のカギとなっています。
⑥フレックスタイム・リモートワーク|働き方の柔軟性が定着率に直結
テレワーク・フレックスタイム制・コアタイムを設けないスーパーフレックスなど、時間と場所の柔軟性を高める制度はコロナ禍以降に大企業で急速に普及しました。
通勤負担の軽減・育児や介護との両立・集中できる環境の確保など、従業員それぞれのニーズに応えられる点が評価されており、特に子育て世代や介護を抱える従業員の定着率向上に大きく貢献しています。
一方でチームのコミュニケーション低下や業務管理の難しさといった課題も指摘されており、出社とリモートを組み合わせるハイブリッドワークの運用ルールをいかに整備するかが、多くの大企業で引き続き大きなテーマとなっています。
関連記事:ハイブリッドワークとは?柔軟な働き方の推進で採用・定着力の強化を実現
⑦自己啓発・スキルアップ支援|人的資本経営の観点で注目度が上昇
資格取得費用の補助・社内外研修への参加支援・eラーニングの提供など、従業員のスキル向上を支援する制度は、人的資本経営という考え方の普及とともに注目度が高まっている福利厚生制度です。
従業員への投資を経営課題として捉える大企業を中心に、DX推進を見据えたリスキリング支援や、社外活動を通じて知見を広げる越境学習を制度化する動きも活発になっています。
こうした支援はキャリア志向の人材からの注目度が高く、採用時のアピールポイントになるだけでなく、社内の人材育成コスト削減・従業員のエンゲージメント向上・離職防止にも貢献するものです。多くの大企業において、費用対効果の高い法定外福利厚生のひとつに位置づけられています。
関連記事:リスキリングが注目される理由は?従業員の高いモチベーションが成功の鍵
大企業で導入されている福利厚生3つの特徴
ここまで紹介した個別の制度を横断してみると、大企業ならではの傾向が見えてきます。ここでは、大企業の福利厚生に共通する3つの特徴を整理します。
特徴①|法定外福利厚生が充実している
福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分かれますが、企業規模が大きいほど後者の法定外福利厚生に厚みが出る傾向があります。
前述のとおり、厚生労働省の調査でも従業員1,000人以上の企業の法定外福利厚生費は月5,639円と、30〜99人規模の企業(4,414円)を上回りました。予算や専門人員に余裕があるぶん、住宅手当・食事補助・育児支援・自己啓発支援など、複数の制度を組み合わせて整備しやすいことが背景にあります。
特徴②|設備が充実している
大企業では、社員食堂・保養所・スポーツ施設・仮眠スペースなど、専用の施設や設備を自社で用意している例もあります。初期投資や運営コストがかかるため、体力のある大企業ならではの取り組みといえるでしょう。
後述するGMOインターネットグループのように、24時間利用できる社内カフェを設置している企業もあり、従業員の生活の質を高める設備投資は採用広報の材料としても使われています。
特徴③|柔軟な働き方ができる環境が整っている
テレワークやフレックスタイム制など、時間や場所にとらわれない働き方を制度化している企業も、大企業に多く見られます。全国に拠点を持つ企業や在宅勤務者を抱える企業では、通勤負担の軽減や育児・介護との両立を後押しする効果が期待できます。
一方で、こうした制度が本社勤務者を前提に設計されると拠点間で恩恵に差が生じやすい点には注意が必要です。後述するZOZOのように、勤務場所を問わず一律に手当を支給する例もあります。
福利厚生が充実している大企業の事例6選
ここでは、福利厚生の充実で知られる大企業6社の事例を紹介します。なお、各社の制度内容は変更される場合があるため、最新情報は必ず各社公式サイトでご確認ください。
①サイバーエージェント|女性活躍・家賃補助・マッサージルームまで揃う独自制度
株式会社サイバーエージェントは「挑戦と安心はセット」という考えのもと、多彩な独自制度を整備しています。
女性活躍促進制度「macalonパッケージ」では、女性特有の体調不良時に取得できる「エフ休」をはじめ、妊活休暇や卵子凍結費用の補助(上限40万円)、認可外保育園料の補助など9つの仕組みをパッケージ化しました。家賃補助については、勤務オフィス最寄駅から2駅圏内に住む正社員に月3万円、勤続5年以上の正社員には居住地を問わず月5万円を支給する「2駅ルール・どこでもルール」を採用しています。
さらに、全オフィスへ専属マッサージ師による施術を月4回まで無料で受けられる専用ルームを完備しており、従業員が心身ともに健康に働ける環境づくりに余念がありません。
②GMOインターネットグループ|24時間無料の食事・ドリンク提供が話題
GMOインターネットグループ株式会社が運営する「シナジーカフェ GMO Yours」は、24時間365日、食事やドリンクを無料で提供しているコミュニケーションスペースです。従業員の食費負担を実質ゼロにするという思い切った制度設計は、採用活動における大きなアピールポイントといえます。
そのほかにも、社内託児所やプロのセラピストによるマッサージルーム、仮眠スペースなど、多方面にわたる環境整備が進められています。福利厚生を通じて従業員の生活全体を支えるという姿勢も、同社が業界内で高く評価される大きな要因のひとつです。
参考:GMOインターネットグループ株式会社採用|待遇、福利厚生
③ZOZO|月5万円の「住宅リモート手当」など個性的な制度で注目
株式会社ZOZOは、すべての従業員を対象に、毎月一律5万円の「住宅リモート手当」を支給しています。これは在宅勤務の普及を前提とし、住居費や通信費など自宅で働くための環境整備を金銭的に支援する制度です。
また、在籍半年ごとに2,500円ずつ増額し、最大月10万円に達する「日々進歩手当」も、従業員の継続的な成長を金銭で報いるユニークな仕組みとして広く注目を集めてきました。給与とは別の軸で生活と成長の両面を支える姿勢は、求職者への強いアピールになるとともに、既存従業員のエンゲージメント向上にも寄与しています。
大手ならではの大胆な制度設計が、採用ブランドの強化に大きく貢献している好例です。
関連記事:【2026年版】令和の面白い福利厚生40選!ユニークな制度で採用力アップ◎
④伊藤忠商事|「朝型勤務」と朝食無料提供で働き方改革を象徴する存在に
伊藤忠商事株式会社は、20時以降の残業を原則禁止し、早朝勤務を推奨する「朝型勤務」制度を導入しています。2013年より朝8時までに出社した従業員を対象に、おにぎり・サンドイッチなど軽食3品を東京本社の社員食堂で無料提供する取り組みを開始しました。
残業を減らして早朝に頭を使う働き方へ切り替える発想は、当時「働き方改革」の先進事例として大きな話題を呼び、10年以上たった今も継続しています。
参考:ITOCHU GLOBAL RECRUITMENT|働き方・制度
参考:ITmedia|「朝食無料」から10年、伊藤忠の社員は何を食べているのか
⑤ジェーシービー(JCB)|21日の年次休暇と育休男性取得率79.1%を実現する両立支援
株式会社ジェーシービーは、入社5年目以降の従業員に年21日の年次休暇を付与しているほか、入社10年目・20年目・30年目の節目にリフレッシュ休暇を設けています。カフェテリアプラン「J-Cafe」では、医療・育児介護・自己啓発・余暇などのメニューから、従業員が自分のポイントを使って必要な補助を自由に選べる仕組みも整備しています。
育児休業は男女とも取得でき、2024年度の取得率は男性79.1%・女性94.6%。本記事で紹介した大手企業の男性育休取得率の平均(46.2%)を大きく上回る実績です。2025年には、子育てサポート企業として最高位にあたる「プラチナくるみん」認定も取得しています。
参考:JCB|福利厚生
⑥SCSK|「スマートワーク・チャレンジ」で有給休暇取得率95%を継続達成
SCSK株式会社は、2014年3月期ごろから「スマートワーク・チャレンジ」を掲げ、月平均残業20時間以下・年次有給休暇100%取得を目標に働き方改革を推進してきました。2015年3月期から2020年3月期までは、有給休暇取得率95%程度を継続して達成し、働き方改革の先進事例として知られています。
コロナ禍以降は働き方の変化により一時未達となりましたが、「新しい働き方アンケート」などを通じて課題解消に向けた施策を進めています。
大企業のように福利厚生を充実させる3つのメリット
大企業が多くのコストをかけてまで福利厚生を充実させるのはなぜでしょうか。背景には、採用・定着・コスト効率という3つのメリットがあります。
メリット①|採用競争力を高め「選ばれる企業」になるため
少子化による労働力人口の減少が続く中、優秀な人材をめぐる採用競争は激しさを増す一方です。
給与水準が横並びになりやすい大企業同士の競争においては、福利厚生の充実が「ここで働きたい」と思わせる差別化要因になりえます。特にZ世代・ミレニアル世代の求職者はワークライフバランスや働きやすさを重視する傾向にあり、住宅手当・育児支援・フレックス制度の有無が応募動機に影響する場面もあります。
その点、福利厚生の充実は、求人票や採用サイトでの有力なアピール材料です。採用コストを抑えつつ質の高い人材を確保する戦略として位置づける企業が増えています。
メリット②|従業員の定着率を高めエンゲージメントを維持するため
採用にコストをかけても、早期離職を許せばその投資は無駄になってしまいます。その点、福利厚生が充実している企業の場合、従業員は「自分の生活を企業が支えてくれている」という実感を持ちやすく、組織への帰属意識やエンゲージメントが高まりやすい傾向にあります。
特に育児・介護など、ライフステージの変化に対応した制度の整備は「長く働き続けられる企業」としてのブランディングに寄与し、定着率の維持に直結するものです。また、メンタルヘルスケアや健康支援といった心身の健康を守る制度は、長期的な就労継続を支えるために欠かせません。
離職率の低下は結果として採用コストの削減に寄与するため、福利厚生への投資は中長期的に大きなリターンをもたらすものと期待されているのです。
メリット③|賃上げよりコスト効率よく実質手取りを増やせるため
賃金を引き上げると、企業・従業員ともに社会保険料の負担が増加します。そのため給与総額を増やしても、従業員の手取り額は期待ほど伸びないケースがあります。
一方、非課税要件を満たした法定外福利厚生であれば、社会保険料の増加を伴わずに従業員の実質的な手取りを増やすことが可能です。賃上げ一辺倒ではなく福利厚生を組み合わせる手法は、企業側のコスト負担を抑えながら満足度を高められる点において、多くの人事担当者から注目を集めています。
物価上昇が続く現在、限られた予算の中でより大きな効果を出せる手段として、福利厚生の見直しに取り組む大手・中堅企業が目立っています。
関連記事:【税理士監修】社会保険と非課税の「扱い」の違い総まとめ。企業が押さえるべき最新ポイント
大企業のように福利厚生を充実させる際の3つのポイント
福利厚生を充実させる際は、次の3つのポイントを押さえることで効果を発揮しやすくなります。
ポイント①|目的を明確にする
福利厚生を導入する目的があいまいなままでは、効果を測る基準を持てず、コストだけがかさんでしまいます。「従業員の生活基盤を支えるのか」「離職を防ぐのか」「採用力を高めるのか」など、自社が解決したい課題を先に言語化しておくことで、数ある制度の中から自社に合ったものを選びやすくなります。
ポイント②|従業員のニーズを把握する
どれほど手厚い制度でも、従業員のニーズとずれていれば利用率は伸びません。アンケートやヒアリングを通じて、従業員がどのような福利厚生を求めているかを事前に確認しておく必要があります。特に、勤務形態や年齢層が幅広い企業では、一部の従業員だけが恩恵を受ける制度にならないよう配慮が求められます。
ポイント③|公平性を担保する
全拠点・全雇用形態の従業員が公平に利用できるかどうかも、制度設計の段階で確認しておきたい視点です。本社勤務者だけが使える制度は、地方拠点や在宅勤務者との間に不満を生みかねません。同一労働同一賃金の観点からも、雇用形態による不合理な待遇差が生じない制度設計が求められます。
大企業のように福利厚生を充実させる際の3つの落とし穴
制度を整えるだけでは、福利厚生の効果は十分に発揮されません。ここでは、大企業が陥りやすい3つの課題を整理します。
落とし穴①|メニューが豊富な総合型サービスほど「利用率」が下がりやすい
多くのカフェテリアプランや大手総合型福利厚生サービスは、旅行・育児・健康・自己啓発など数百から数千のメニューを揃えています。しかしメニューの多さは「何を選べばよいかわからない」という選択疲れを生みやすく、結果として多くの従業員がほとんど使わないままになるケースも珍しくありません。
毎年の福利厚生費が実質的に活用されずに終わる「死に金」化は、大企業の人事担当者が直面しやすい深刻な課題のひとつです。利用率が低ければ、いくらコストをかけても従業員満足度の向上には結びつきません。せっかくの制度が形骸化してしまうリスクは、従業員規模が大きい企業ほど高くなるケースもあります。
落とし穴②|社員食堂や施設型サービスは「拠点・勤務形態の格差」を生む
本社に社員食堂があっても、地方拠点・在宅勤務者・外勤スタッフには恩恵が届きません。同一労働同一賃金の観点からも、雇用形態による不合理な格差は法的リスクになる可能性があります。
全国に拠点を持つ大企業では特にこの問題が深刻になりやすく、「本社勤務か否かで福利厚生の恩恵に大きな差がある」という従業員の不満がエンゲージメントの低下につながりやすいのが実情です。
制度の充実と公平性の確保は切り離して考えられない課題であり、導入前にすべての従業員への届け方まで設計しておくことが欠かせません。在宅勤務や外勤が当たり前になった今、場所を問わず公平に届く制度かどうかが問われています。
落とし穴③|従業員規模が大きいほど運用・管理コストが膨らむ
従業員数が多いほど、福利厚生の申請受付・承認・精算・報告といった管理業務の量が増えます。担当者の工数が膨大になり「管理のための管理」が発生しやすくなるのは、大企業ならではの悩みです。
総合型サービスや現金支給型の制度は、特に管理が煩雑になりがちで、人事部門の本来業務を圧迫するリスクがあります。福利厚生の導入にあたっては制度の内容だけでなく、運用にかかる工数や担当者への負担まで含めたトータルコストで判断することが重要です。
従業員規模が大きくなるほどこの視点は欠かせず、シンプルで管理しやすい制度設計を優先する大企業も増えています。
毎日の飲み物・ランチが実質半額になる「チケットレストラン」
福利厚生の落とし穴を避けるうえでも、毎日使え・全員に届き・運用が容易で・非課税メリットもある食事補助は有力な選択肢です。エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」なら、全国25万店舗以上の加盟店で食事を実質半額に、運用は月1回の一斉チャージのみで完結します。拠点や勤務形態を問わず公平に届けられる制度を探している場合は、次の関連記事もあわせてご覧ください。
関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も
大企業の福利厚生にまつわるよくある質問
ここでは、大企業の福利厚生について多く寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。
Q. 大企業の法定外福利厚生費の平均はいくらですか?
A. 従業員1,000人以上の大企業では、月1人あたり平均5,639円です。
厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」によると、従業員1,000人以上の大企業が1か月に従業員1人あたりに支出する法定外福利厚生費の平均は5,639円です。従業員30〜99人規模の企業(4,414円)と比べると約1,225円高く、企業規模が大きいほど金額が高い傾向があります。
Q. 中小企業でも大手並みの福利厚生を実現できますか?
A. 全制度を揃えることは難しいですが、特化型サービスを活用することで大手に引けを取らない従業員満足度を実現できます。
社員食堂や保養所などの施設投資が必要な制度は難しくても、食事補助のように初期コストをかけずに導入できる特化型サービスを活用することで、毎日全員が使える福利厚生を整備できます。「毎日使える・全員に届く」制度を軸に置くことが、限られた予算で効果を最大化するポイントです。
Q. 在宅勤務や外勤の従業員にも使える福利厚生はありますか?
A. 代行型(食事補助券・チケット型)の食事補助サービスなら、在宅・外勤・地方拠点の従業員にも公平に届けられます。
社員食堂や設置型社食は利用できる場所が限定されますが、チケット型・カード型の食事補助サービスであれば、全国の加盟店舗で利用できます。勤務場所や雇用形態に関わらず全員に均等な恩恵を届けられるため、ハイブリッドワークや多拠点展開を進める大企業にも適した制度です。非課税要件を満たせば、企業は福利厚生費として計上でき、従業員は税負担を抑えて実質的な手取りを増やせる点も見逃せません。
大企業の福利厚生は「届く・使われる・管理できる」の三拍子が新基準
従業員の生活を直接的に支える魅力的な福利厚生は、採用力強化や離職防止、企業ブランディングの観点からも欠かせない取り組みです。
福利厚生の導入や見直しを検討するにあたっては、単に華やかな制度を揃えることよりも「すべての従業員に公平に届くか」「実際に使われるか」「運用コストが妥当か」という3つの視点で設計することが大切です。
「チケットレストラン」のような求められる条件を満たした福利厚生は、大企業はもちろんのこと、予算に制限のある中小企業でも無理なく取り入れられます。
従業員を大事にする姿勢を示す施策としても、これからの時代にフィットする福利厚生を検討されてはいかがでしょうか。
関連ページ:食事補助を福利厚生で導入するならチケットレストラン
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