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【社労士監修】同一労働同一賃金の見直し完全ガイド|2026年10月改正で何が変わる?

公開日: 2026.06.03

更新日: 2026.06.03

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

2026年10月1日、同一労働同一賃金ガイドラインが初めての改正を迎えます。退職手当、家族手当、住宅手当など、これまでガイドラインに記載のなかった待遇について新たな判断基準が加わるため、改めて内容の再確認が求められている状況です。本記事では、改正の全容と企業が着手すべき実務対応について分かりやすく解説します。

同一労働同一賃金の概要

同一労働同一賃金とは、同一企業内の正社員と非正規雇用労働者の間にある不合理な待遇差を解消する制度です。ここでは「見直し」を理解するために必要な基本事項について整理します。

同一労働同一賃金の詳細はこちら:【社労士監修】同一労働同一賃金とは?企業が知っておくべき基本と取り組み手順

対象者・法的根拠・罰則の有無

同一労働同一賃金の法的根拠は「パートタイム・有期雇用労働法」です。この法律により、同一企業内の正社員と非正規雇用労働者(パートタイム・有期雇用・派遣)の間にある不合理な待遇差が明確に禁止されました。大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月から全面適用されています。

違反した場合の罰則規定はありませんが、都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となるほか、改善がなければ企業名公表に至る可能性があります。加えて、非正規雇用労働者から民事訴訟を提起されるリスクも無視できません。

参考:厚生労働省|同一労働同一賃金特集ページ

対象となる待遇は賃金だけではない

「同一労働同一賃金」という名称から、賃金だけが対象と思われがちですが、実際にはより幅広い待遇が対象です。

ガイドラインでは、基本給・賞与・各種手当のほか、休暇・福利厚生・教育訓練についても、不合理な待遇差の解消を求めています。

たとえば、食堂や休憩室の利用を正社員だけに認めていたり、研修費用を正社員にのみ補助していたりする場合も、合理的な説明ができなければ問題となる可能性が否定できません。

施行以来「賃金格差を直せばよい」という認識で対応を終えている企業は、今回の改正を機に、福利厚生や休暇制度も含めた積極的な見直しが必要です。

ガイドラインの見直しが必要になったのはなぜ?

2026年10月のガイドライン見直しは、どういった理由から行われるのでしょうか。ここでは、主な3つの理由について解説します。

法の附則が「見直し義務」を定めていたから

働き方改革関連法の附則には、「施行後5年を目途に検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずる」という見直し規定が定められていました。今回の改正は、第一にこの規定に基づいて行われたものです。

この規定を受けて、2025年2月より労働政策審議会・同一労働同一賃金部会が開催されました。学識者・企業・労働組合へのヒアリングを含む14回の審議を経て2025年12月25日に報告がとりまとめられ、2026年4月28日に省令・告示が公布されています。

2026年10月1日の施行は、この一連のプロセスの最終ステップにあたります。

参考:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

相次いだ最高裁判決がガイドラインと乖離していたから

同一労働同一賃金の施行後、正規・非正規の待遇差をめぐる訴訟が相次ぎ、複数の最高裁判決が出ました。日本郵便事件では病気休暇や扶養手当の不支給が不合理と判断され、ハマキョウレックス事件では無事故手当の不支給が不合理と認定されるなど、司法の場で具体的な判断基準が示されています。

しかし当時のガイドラインにはこれらの判決が十分に反映されておらず、「ガイドラインに記載がない待遇は対応しなくてよい」という解釈が生まれやすい状況が続いていました。今回の改正はこの乖離を解消し、最新の司法判断をガイドラインに明文化することを目的としています。

参考:厚生労働省|令和2 年度 関東地区 労使関係セミナー 基調講演|実務に活かす!「同一労働同一賃金」最高裁判決から考える

関連記事:「同一労働同一賃金」の"おかしい"現状|日本と海外の違いから解説

待遇格差が依然として大きいから

法施行から5年が経過しても、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間には依然として賃金格差があります。

厚生労働省の「令和7年 賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の賃金は正規雇用労働者が月額35万8,800円、非正規雇用労働者が24万1,700円となっており、非正規雇用労働者の賃金水準は正規の約67.4%にとどまっています。

また、総務省「労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)平均結果」では、非正規雇用労働者は2,128万人にのぼり、役員を除く雇用者全体の36.5%を占めています。非正規雇用労働者は依然として労働市場の大きな割合を占めており、待遇改善は引き続き重要な課題です。

参考:厚生労働省|令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況
参考:総務省統計局|労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)平均結果

2026年10月1日までの改正スケジュール

2026年10月1日の施行に向けた改正の経緯・スケジュールは次のとおりです。

時期 内容
2025年2月 同一労働同一賃金部会での見直し議論開始
2025年11月21日 見直し案公示
2025年12月25日 部会報告とりまとめ
2026年3月 労働政策審議会への諮問・答申
2026年4月28日 省令・告示 公布
2026年10月1日 施行・適用

就業規則の改定には、労働者代表への意見聴取や労働基準監督署への届出が必要で、これには通常2〜3カ月の作業期間が必要です。

対応が遅れれば準備期間はさらに短くなります。まず自社の現状把握から着手し、必要に応じて社労士などの専門家への相談も視野に入れましょう。

参考:厚生労働省|労働政策審議会 (職業安定分科会・雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会)

2026年10月改正ガイドラインで何が変わる?

今回の改正では、これまでガイドラインに記載のなかった退職手当・家族手当・住宅手当など6項目が新たに追加されたほか、賞与・病気休職についても記載が充実しました。ここでは、それぞれの詳細について分かりやすく解説します。

参考:厚生労働省|同一労働同一賃金ガイドライン
参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法施行規則/雇用管理指針の主な改正事項

退職手当・賞与の新基準

退職手当と賞与はいずれも、これまで企業の裁量が大きいとされてきた待遇です。しかし今回の改正で、それぞれに判断基準が示されました。詳しく見ていきましょう。

退職手当が初めてガイドラインに記載

これまで退職手当はガイドラインの対象外だったため、「非正規雇用労働者には支給しなくてよい」という解釈が広まりがちでした。しかし今回の改正では、メトロコマース事件最高裁判決を踏まえて初めて項目が新設され、退職手当の性質・目的として「労務の対価の後払いや功労報償」などが含まれうることが明記されています。

これらの目的が非正規雇用労働者にも当てはまるにもかかわらず、職務内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない場合は不合理と認められる可能性があるため注意が必要です。

ただし、メトロコマース事件最高裁判決自体は「退職金の不支給は不合理ではない」と判示したものです。今回の追記はあくまで留意事項の明文化であり、直ちに支給義務が生じたわけではありません。

参考:全国労働基準関係団体連合会|労働基準判例検索-全情|メトロコマース事件

賞与は「性質・目的が非正規にも妥当するか」で判断する

長澤運輸事件最高裁判決を踏まえた追記です。賞与にはさまざまな性質・目的が含まれうるとされており、「労務の対価の後払い・功労報償・生活費の補助・労働意欲の向上」などが例として挙げられます。

これらの目的が非正規雇用労働者にも当てはまるにもかかわらず、職務内容等の違いに応じた均衡のとれた内容の賞与を支給しない場合は不合理と認められる可能性があります。

これは「賞与ゼロ=違法」を意味するものではなく、あくまでも「目的が共通するなら均衡のとれた支給が求められる」という考え方です。まず自社の賞与の目的を明確にし、その目的が非正規雇用労働者にも妥当するかを確認することが求められます。

参考:全国労働基準関係団体連合会|労働基準判例検索-全情|長澤運輸事件

関連記事:【2026年版】特別手当の非課税ルール完全ガイド|種類・社会保険の扱い・注意点も解説

家族手当・住宅手当の明確化

家族手当と住宅手当は、いずれも生活費補助の性格を持つ手当ですが、今回の改正では判断基準がそれぞれ異なる形で示されました。詳しく見ていきましょう。

家族手当は「継続的な勤務が見込まれるか」が基準

日本郵便(大阪)事件最高裁判決を踏まえた追記です。労働契約を繰り返し更新しているなど、継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者には、正社員と同一の家族手当を支給しなければならないとガイドラインに明記されました。

判断の分かれ目は「継続的な勤務が見込まれるか否か」です。問題とならない例は「継続的な勤務が見込まれない非正規雇用労働者への不支給」、問題となる例は「見込まれる非正規雇用労働者への不支給」です。「パートタイム労働者だから一律不支給」という取り扱いはこれに該当します。

また、配偶者手当については「女性の就業調整の要因となっているため、働き方に中立的な制度への見直しが望まれる」と記載されています。配偶者手当を設けている企業は、この点も含めた見直しが求められます。

参考:全国労働基準関係団体連合会|労働基準判例検索-全情|日本郵便(大阪)事件

住宅手当は「制度と実態の一致」が問われる

住宅手当の改正ポイントは「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給される場合」という条件です。正社員と同一の転居を伴う配置変更がある非正規雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければなりません。

特に注意が必要なのは「実態との乖離」です。制度上は「転居の可能性があるから支給する」としながら、実態として正社員にも転居を命じていない場合は問題となる可能性があります。「書類上の建前」と「実際の人事運用」が一致していない企業は、早急な見直しが求められます。

なお、転居の有無にかかわらず一律に支給される住宅手当についても、正社員に支給して非正規雇用労働者に支給しないことが不合理とならないよう留意することが、ガイドラインに明記されています。

関連記事:【税理士監修】住宅手当は課税・非課税どちら?それぞれのケースや課税額を解説

無事故手当・休暇・褒賞・病気休職の同一付与義務

無事故手当・夏季冬季休暇・褒賞・病気休職は、賃金と比べて対応が後回しになりがちな待遇です。しかし、今回の改正でいずれにも明確な基準が示されました。詳細を解説します。

無事故手当・夏季冬季休暇・褒賞は業務が同一なら同一に付与

無事故手当・夏季冬季休暇・褒賞に共通する原則は「正社員と同一の業務・期間であれば、非正規雇用労働者にも同一の待遇を付与しなければならない」というものです。

特に褒賞は盲点になりやすい項目です。永年勤続表彰や改善提案への報奨金など、一定期間勤続した労働者に付与するものであれば、正社員と同一の期間を勤続した非正規雇用労働者にも同一の褒賞を付与しなければなりません。

また、夏季冬季休暇については、繁忙期限定の短期雇用でない非正規雇用労働者への付与が義務となります。長期にわたって勤務するパートタイム労働者がいる企業は、対応状況をあらかじめ確認しておきましょう。

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)

病気休職の給与保障も継続勤務が見込まれる非正規に適用

今回の改正で「療養への専念を目的とした病気休暇」という記載が追記され、病気休職と療養目的の休暇が一体として扱われるようになりました。これは日本郵便(東京)事件最高裁判決を踏まえたもので、継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者には正社員と同一の給与保障が求められます。

問題となる例としてガイドラインに明記されているのは「正社員には病気休職期間の給与保障を行っているが、継続的な勤務が見込まれる非正規雇用労働者には行っていない場合」です。

労働契約を繰り返し更新しているパートタイム・有期雇用労働者がいる企業は、自社の対応状況を確認しておきましょう。

参考:全国労働基準関係団体連合会|労働基準判例検索-全情|日本郵便(東京)事件

雇入れ時の説明義務が省令で強化

2026年10月から、雇入れ時の労働条件明示事項に「待遇差の内容・理由について説明を求めることができる旨」の追記が省令で義務化されます。

違反した場合は10万円以下の過料が科される可能性がありますが、過料の対象はこの明示義務違反のみであり、待遇差そのものへの罰則規定は設けられていません。

今回の義務化の背景には、非正規雇用労働者の92.0%が「説明を求めたことがない」という実態があります。また、説明の求めの有無にかかわらず説明や書面等が交付された割合はわずか29.1%にとどまっており、制度の周知・実践が十分でないことが課題です。雇入れ時に明示するだけでなく、求められた際に的確に答えられる体制を整えておくことが重要です。

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の施行状況等について

無期雇用フルタイム労働者と多様な正社員も対象に

パートタイム・有期雇用労働法の直接の適用対象は、パートタイム・有期雇用・派遣の各労働者です。

従来、所定労働時間が正社員と同一で期間の定めのない「無期雇用フルタイム労働者」は、同法の直接の対象外でした。しかし今回の改正により、無期雇用フルタイム労働者についても「ガイドラインの趣旨が考慮されるべきである」と初めて明記されています。

勤務地限定正社員・職務限定正社員・短時間正社員といった「多様な正社員」についても同様です。また、有期雇用から無期雇用に転換した労働者についても、転換後の正社員との待遇差を事前に点検し解消することが求められると記載されました。

参考:厚生労働省|同一労働同一賃金ガイドライン

「待遇差は不合理ではない」と言えるためには何が必要か

不合理な待遇差があると判断されないためには、単に「格差をなくす」だけでは不十分な場合があります。今回の改正で、企業が押さえるべき判断の枠組みがより明確になりました。ここでは、4つのポイントに焦点をあてて解説します。

主観的な「正社員確保・定着のため」だけでなく、客観的な根拠を示せること

同一労働同一賃金の現場で、長年「待遇差の言い訳」として使われてきたのが「正社員の人材確保論」です。

「正社員の採用や定着を図るために待遇を高くしている」という説明は、実質的な待遇差是正の大きなハードルとして、日本労働弁護団の意見書などでも強く批判されてきました。今回の改正ガイドラインでは、この論理だけでは待遇差の合理性は認められないことが明確に打ち出されました。

これからの企業には、「正社員だから」という属性で区別するのではなく、個々の待遇の目的に応じた客観的な説明が求められます。具体的には、職務内容や配置変更の範囲といった客観的な事情に基づき、その待遇の目的がなぜ非正規雇用労働者には当てはまらないのかを、論理的に説明できなければなりません。

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)

待遇ごとに3つの要素に基づいた合理的な説明ができること

法が求める同一労働同一賃金には、働き方の違いに応じたバランスの取れた待遇を求める「均衡待遇」というルールがあります。この不合理な格差を禁止するルールにおいて、企業側が考慮すべき要素は以下の3つです。

  1. 職務の内容(業務内容と責任の程度)
  2. 職務内容・配置の変更範囲(人材活用の仕組み)
  3. その他の事情(職務の成果・能力・経験・合理的な労使慣行など)

これらを「当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められるもの」に絞って考慮する点が重要です。

たとえば「転勤の可能性があるから正社員に住宅手当を支給する」と説明する場合、実態として正社員にも転勤を命じていなければ、この根拠は成立しません。各待遇について「なぜ正社員には支給し、非正規には支給しないのか」を3つの要素に基づいて具体的に説明できることが、合理性を示す基本となります。

参考:厚生労働省|雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

「その他の事情」の範囲と、非正規労働者の意向を踏まえた制度設計ができること

均衡待遇の「その他の事情」の具体例は、これまで行政通達にのみ示されていましたが、今回の改正でガイドライン本文にも明記されました。「職務の成果、能力、経験、合理的な労使の慣行、事業主と労働組合や過半数代表者等との間の交渉といった労使交渉の経緯や結果等」などが該当します。

さらに重要なのは、「事業主が非正規雇用労働者の意向を十分に考慮せず一方的に待遇を決定した場合、それ自体が不合理と認められる事情として考慮されうる」と明確化された点です。

労使コミュニケーションが待遇の合理性判断に影響しうる点は実務上、見落とされがちなため、非正規雇用労働者の意向を確認する機会(アンケートや面談など)を設け、そのプロセスを記録しておくことが今後のリスク管理として求められます。

格差解消の手段として、正社員の待遇引き下げではなく非正規の待遇引き上げで対応できること

不合理な待遇差の解消を図る際、コスト削減の観点から「正社員の手当を廃止する」という方法が取られることがあります。しかし今回の改正で「正社員の労働条件を不利益に変更するのではなく、非正規雇用労働者の労働条件の改善を図ることが求められる」と明文化されました。

正社員の手当を廃止する場合、労働契約法第9条の規定上、原則として労働者の同意が必要です。同意なしに就業規則を変更して手当を廃止すれば法的トラブルにつながる可能性があり、正社員のモチベーション低下を招くリスクもあります。

格差解消の基本的な方向性は「非正規雇用労働者の待遇を引き上げる」ことであり、手当の新設・拡充という形での対応が求められます。

参考:e-Gov 法令検索|労働契約法|第9条

待遇改善の「最初の一手」に福利厚生の見直しが選ばれる理由

同一労働同一賃金への対応を考える際、基本給や退職金といった「賃金そのものの直接引き上げ」だけが解決策ではありません。

今回の改正では、退職手当や各種手当の追加だけでなく、基本給等以外の待遇として、食事手当の支給や、福利厚生施設の利用料金・割引率における不合理な待遇差についても改めて明確に禁止される旨が示されました。

そのため、賃金制度そのものの抜本的な改革に着手する前段階であっても、まずは福利厚生の整備から手をつける手法が、待遇差解消の「最初の一手」として非常に有効です。

数ある福利厚生の中でも、特に「食事補助」は正規・非正規を問わず完全に同一の条件で提供しやすく、一定の要件を満たせば「非課税」で運用できるという、企業・労働者双方にとって大きなメリットがある制度です。

たとえば、エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、専用のICカードを用いて従業員の食事代の半額を企業が補助するサービスです。全国25万店舗以上の加盟店(コンビニや飲食店など)で利用できるため、働く場所や勤務時間が異なる正社員・パートタイム・有期雇用労働者に対して、不公平なく「完全同一条件」で一斉に提供することができます。

複雑な手当の計算や就業規則の大幅な変更を伴わずに、今回の法改正が求める「客観的かつ合理的な一律支給」をスピーディに実現できる手段として、すでに4000社を超える企業に選ばれています。

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

【Q&A】同一労働同一賃金の見直しにまつわるよくある疑問

改正の内容や対応方法について、企業の人事・総務担当者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q. すでに対応済みの企業も、今回の改正で再確認が必要ですか?

【A. 必要です。改正前のガイドラインに記載がなかった待遇項目に新たな基準が加わりました。】

今回の改正で、退職手当・家族手当・住宅手当・無事故手当・夏季冬季休暇・褒賞などが新たにガイドラインに追加されました。「記載がなかったから対応不要」と判断していた企業は、これらを中心に改めて確認が必要です。また、雇入れ時の労働条件明示事項への「説明を求めることができる旨」の追記は、省令改正としてすべての企業が対応すべきポイントです。

Q. 説明義務を果たせなかった場合、どんなリスクがありますか?

【A. 雇入れ時の明示義務違反には10万円以下の過料、待遇差の説明義務違反には行政指導・訴訟等のリスクがあります。】

雇入れ時に「説明を求めることができる旨」を明示しない場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。ただし、過料の対象はこの明示義務違反のみです。待遇差の内容・理由を説明しなかった場合は、都道府県労働局による助言・指導・勧告の対象となり、改善がなければ企業名が公表される可能性があります。また、民事訴訟を提起されるリスクも生じます。

Q. 非正規雇用を雇っていない企業には関係ありませんか?

【A. 直接の適用外ですが、無期転換社員や多様な正社員がいる場合は確認が必要です。】

パートタイム・有期雇用・派遣の各労働者を雇っていない場合は、パートタイム・有期雇用労働法の直接の適用対象にはなりません。ただし、有期雇用から無期雇用に転換した社員がいる場合は要注意です。今回の改正ガイドラインで「無期雇用フルタイム労働者にもガイドラインの趣旨が考慮されるべき」と明記されたため、転換後の待遇差も確認が求められます。勤務地・職務限定正社員などの「多様な正社員」がいる場合も同様です。

関連記事:【社労士監修】無期労働契約とは?無期転換ルールにまつわる基礎知識を徹底解説

2026年10月施行まで残りわずか|改正への対応を人材投資の第一歩に

2026年10月1日、同一労働同一賃金ガイドラインが施行後初めて改正されます。退職手当・家族手当・住宅手当など6項目が新たに追加され、賞与・病気休職についても記載が充実しました。一度対応済みの企業も、これらの項目を中心に改めて自社の状況を確認する必要があります。

就業規則の改定には、一般的に数カ月程度かかります。まず現状の棚卸しから始め、各手当の支給目的の文書化、就業規則の改定へと順を追って進めましょう。改正への対応を義務的なコストではなく、人材の確保・定着に向けた投資として前向きに捉えることが、長期的な経営優位につながります。

チケットレストラン」をはじめとする食事補助など、雇用形態を問わず同一条件で提供できる福利厚生から着手してみてはいかがでしょうか。

関連記事:チケットレストランの評判が知りたい!導入企業の生の声をチェック
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社会保険労務士 吉川明日香

社労士と民間企業の人事部で働くハイブリッド型社労士。労働者、経営者、人事担当者それぞれの視点から、バランスのとれたサポートを心がけています。子育て世代の生活環境や就業環境の課題を探るために保育士の資格を取得し、特定の専門分野を作らず、給与計算、手続き業務、労務相談、助成金等、幅広く実践的なアドバイスを行っています。
吉川社会保険労務士事務所
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