インターンシップ費用は福利厚生費になる?
インターンシップにかかる交通費や食事補助は、必ずしも福利厚生費になるとは限りません。実際の処理は、インターンシップの内容や労働契約の有無によって変わります。
無給の短期インターンシップやオープンカンパニーのような就業体験型プログラムは就業体験を目的としているため、交通費や昼食代は「採用活動費」や「旅費交通費」として処理されるケースが一般的です。
一方、有給インターンや長期インターンのように、実務に参加し、労働契約を結んでいる場合は、従業員に準じる扱いとして福利厚生費として処理できるケースがあります。
重要なのは、名目ではなく実態で判断される点です。インターン生であっても、労働時間や勤務実態などによっては労働者とみなされ、社会保険への加入対象となる可能性もあります。経理・人事・労務で、あらかじめ処理方針を統一しておくとスムーズです。
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福利厚生費として処理しやすいケース
インターン生に支給する交通費や食事補助を福利厚生費として処理するには、一定の条件を満たしている必要があります。ここでは代表的なケースを見ていきましょう。
有給インターンシップで労働契約を結んでいる
有給インターンシップの場合、以下のようなケースでは労働者とみなされることがあります。単なる就業体験ではなく、業務を行っていると判断されるため、支給する交通費や食事補助の費用を福利厚生費として処理しやすいケースです。
- 実際の業務に参加している
- 一定期間継続して勤務している
- 企業側の指揮命令を受けている
- 勤務時間が定められている
一定の要件を満たして支給している
交通費や食事補助などをインターン生に支給する場合、費用を福利厚生費として処理するには、一般的に以下のような要件が重視されます。
- 賃金以外であること
- 社内規程に基づき同じ雇用区分の従業員に一律の基準で支給していること
- 妥当な範囲の金額であること
加えて食事補助であれば、インターン生が食事代の50%以上を負担しており、企業の負担額が月7,500円(税抜)以下であることも必要です。
例えば、食事補助を現金で支給すると、給与として扱われる可能性があります。制度設計には注意が必要です。
関連記事:福利厚生費とは?該当条件や要件、具体例を税理士が丁寧に解説
参考:No.2594 食事を支給したとき
福利厚生費として処理しにくいケース
インターンシップの実態によっては、福利厚生費として処理しにくいケースもあります。正しく判断できるよう、税務上のリスクにつながる可能性のあるケースを見ていきましょう。
無給の短期インターンシップやオープンカンパニー
無給の短期インターンやオープンカンパニーは、採用広報や就業体験の側面が強い取り組みです。従業員向け福利厚生とは性質が異なるため、インターン生に支給する交通費や食事補助などは「採用活動費」や「旅費交通費」として処理されるのが一般的です。
高額支給や一部学生のみへの支援
高額な宿泊費や食事代を支給する場合や、一部学生のみに特別な支援を行う場合も注意が必要です。
例えば、選考優遇を目的として過度な金銭支援を行うと、実質的な報酬とみなされる可能性があります。また、支給基準が不明確だと、税務調査で説明を求められるかもしれません。
インターン向け支援制度を設ける場合は、対象者や支給条件を明文化しておくと安心です。
インターンシップに関連する費用の主な勘定科目
インターンシップを実施するにあたってかかる費用は、内容によって勘定科目が異なります。代表的な費用と処理に用いる勘定科目を見ていきましょう。
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インターンシップに関連する費用
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有給インターンシップの勘定科目
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無給インターンシップの勘定科目
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インターン生に支給する交通費
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福利厚生費 ※一定の要件を満たしている場合
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旅費交通費
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食事補助
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福利厚生費 ※一定の要件を満たしている場合
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採用活動費
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報酬
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給与手当・雑給
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実際の会計処理は企業によって異なります。ポイントは継続して同じ基準で運用することです。税務調査では、単発の処理よりも、「どのような基準で運用しているか」が重視される傾向があります。迷った場合は、税理士や社労士へ相談しながら整理するとよいでしょう。
学生支援を強化する企業が増えている
近年は、インターンシップ参加学生への支援を強化する企業が増えています。
「2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査」によると、交通費を支給する企業は41.3%、食事補助を行っている企業は47.8%と、半数近い企業が実施しているという結果です。
このような支援により、インターンシップへ参加するためにかかる費用を負担に感じていた学生が参加しやすくなっています。
また、マイナビキャリアリサーチLabの「2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」によると、インターンシップに参加する学生の割合は85.3%です。この結果から、インターンシップが採用に向けた母集団形成の入口になっていることが分かります。
ただし、インターンシップに参加したとしても「入社して働くイメージがわかなかった」「自分の個性や特性を活かせない業務だと感じた」「やりたい仕事ができない」などの理由で採用選考に参加しない学生も少なくありません。
インターンシップとして学生を受け入れるときには、どのような体験を提供するかという視点を持って、インターンシップの内容や提供する福利厚生などを検討する必要があります。
参考
:マイナビ|マイナビ 2027年卒 インターンシップ・キャリア形成支援活動に関する企業調査
:マイナビキャリアリサーチLab|2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査
インターンシップ支援は制度設計と運用ルールが重要
インターンシップに関する費用を福利厚生費として処理できるかどうかは、労働契約の有無や支給方法によって変わります。無給の短期インターンでは採用活動費として扱われるケースが一般的ですが、有給インターンでは福利厚生費として処理できる場合もあります。
また交通費や食事補助は、学生の参加ハードルを下げるという点でも重要な施策です。特に食事補助は、満足度向上や企業イメージ向上にもつながりやすいでしょう。ただし、食事補助にかかる費用を福利厚生費として処理するには、現物支給やチケット型での支給が必要です。
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