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【社労士監修】同一労働同一賃金の説明義務とは?2026年10月改正で何が変わる?実務対応を解説

公開日: 2026.09.17

更新日: 2026.09.17

【社労士監修】同一労働同一賃金の説明義務とは?2026年10月改正で何が変わる?実務対応を解説

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

同一労働同一賃金の説明義務とは、非正規社員から正社員との待遇差について説明を求められた際に、企業が応じなければならない義務のことです。2026年10月には雇入れ時の明示義務も追加され、違反すると10万円以下の過料の対象になります。本記事では、現行制度の内容から改正のポイント、実務対応のポイントまでを解説します。

同一労働同一賃金の「説明義務」とは?

「同一労働同一賃金の説明義務」とは、非正規社員から求めがあった場合に、正社員との待遇差の内容や理由を企業が説明する義務をいいます。

パートタイム・有期雇用労働法(正式名称:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)14条に基づき定められたもので、基本給や賞与・各種手当・福利厚生など、待遇全般が対象となります。

なお、説明義務は、あくまで「待遇差について説明する」義務です。待遇差そのものを解消する是正義務(同法8条・9条)とは根拠条文が異なるため注意が必要です。

参考:同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省
参考:e-Gov 法令検索|短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

関連記事:【社労士監修】同一労働同一賃金とは?企業が知っておくべき基本と取り組み手順

【現行制度における説明義務】パート・有期雇用労働法14条

2026年10月の改正について触れる前に、まずは現行制度における3つのポイントを整理します。

【現行制度における説明義務のポイント】

・説明を求められたら応じる義務がある(求めがなければ発生しない)
・説明を求めたことを理由とした不利益取扱いは禁止
・説明方法は「口頭+資料」または「資料交付」

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法の概要

何を、誰と比較して説明する義務があるのか

説明義務における比較対象は、事業主が「職務内容や配置の変更の範囲などがもっとも近い」と判断する通常の労働者(正社員など、無期雇用でフルタイムの労働者)です。特定の1人ではなく、複数名を平均した処遇と比較することも認められています。

説明が必要な待遇の範囲も幅広く、基本給や賞与、通勤手当、家族手当のほか、食堂や休憩室などの福利厚生施設、休暇制度、教育訓練の機会なども含まれます。

待遇差というと賃金に注目されがちですが、待遇全体で正社員との違いを整理しなければなりません。

関連記事:【同一労働同一賃金】福利厚生の不合理な差とは?リスクと対処法を完全解説

説明の方法|「納得するまで」ではなく「理解できるように」

説明義務を果たす際、事業主には原則として資料を活用しながら口頭で説明することが求められます。

このとき、就業規則や賃金表など、内容を理解できる資料を示すことが基本です。説明事項をすべて記載したわかりやすい資料であれば、それを交付する方法でも差し支えありません。

「あなたはパートタイム労働者だから賃金は○○円です」といった、雇用形態のみを理由にした説明では義務を果たしたことになりません。

求められるのは、非正規社員が納得するまで説明を尽くすことではなく、理解できるように説明することです。

【2026年10月改正】雇入れ時の「明示義務」が追加

2026年10月には、雇入れ時の「明示義務」という新しいルールが加わります。まず、これまで解説してきた「説明義務」との違いを整理しておきましょう。

明示義務と説明義務の違い

  雇入れ時の明示義務
(第6条)
求めに応じた説明義務
(第14条2項)





制度の「有無」(昇給・退職手当・賞与、相談窓口)
2026年10月〜:+「説明を求められる旨」
制度の「中身・理由」
(待遇差の内容・理由)






雇入れ時に必ず 求めがあったときに

書面(労働条件通知書等) 口頭+資料、または資料の交付


10万円以下の過料 過料なし
(行政指導・企業名公表)

※第6条・第14条はいずれもパートタイム・有期雇用労働法(正式名称:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の条文

では、具体的に何が変わるのか見ていきましょう。

関連記事:【社労士監修】同一労働同一賃金の見直し完全ガイド|2026年10月改正で何が変わる?

追加される明示事項と労働条件通知書の記載例

2026年10月1日から、パート・有期社員を雇い入れる際に、「待遇の相違の内容・理由について説明を求めることができる」という権利があることを、書面であらかじめ知らせることが企業に義務付けられます

説明を求めることができる権利自体は現行制度からすでに存在していますが、2026年10月1日以降は、それを雇入れ時に労働条件通知書へ明記して伝えなければなりません。

厚生労働省のモデル労働条件通知書では、次のような記載例が示されています。

次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。

部署名/担当者職氏名/連絡先

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)

明示義務が必要とされたのはなぜ?

待遇差の内容や理由に関する説明の求めの有無・説明の有無

出典:パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の施行状況等について

今回の明示義務が新設された背景には、説明義務そのものの周知不足という実態があります。

厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の施行状況等について」によると、正社員との待遇差について説明を求めたことが「ない」と回答した非正規社員は92.0%でした※。

求めの有無にかかわらず、説明や書面等の交付があった割合はわずか29.1%にとどまり、制度の存在自体が十分に知られていないことがうかがえます。

あわせて、説明を求めなかった理由について尋ねたところ、「特に理由はない、考えたことがない」(40.4%)でもっとも多く、「自身の待遇や正社員との待遇差に納得している、大きな不満はないから」(25.4%)、「そもそも正社員の待遇をよく知らないから」(15.6%)と続く結果となりました。

説明を求めたことがない理由

出典:パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の施行状況等について

一方で、注目されたのが「説明を求めやすい雰囲気がないから」(12.1%)、「説明を求めると、不利益な取扱いをされる恐れがあるから」(8.2%)、そして「説明を求めることができることを知らなかったから」(6.6%)との声です。

これらは、権利の周知や職場環境の整備によって解消できるものです。雇入れ時に書面で権利を知らせる今回の明示義務は、まさにこの層への対応を目的として導入が決まりました。

※この調査はパート・有期雇用労働者と派遣労働者を合わせた集団を対象としています

説明義務を怠るとどうなる?企業が負う3つのリスク

説明義務や、2026年10月から新設される明示義務に適切に対応していない場合、企業は行政上・法律上のさまざまなリスクを負うことになります。ここでは、想定される代表的な3つのリスクを確認しておきましょう。

【説明義務を怠った場合の3つのリスク】

・雇入れ時の明示義務違反 → 10万円以下の過料
・待遇差の説明義務違反 → 行政指導・勧告・企業名公表
・改善なき場合 → 民事訴訟に発展するリスク

明示義務違反は10万円以下の過料(2026年10月〜)

2026年10月1日以降、パート・有期社員を雇い入れる際に「待遇の相違等に関する説明を求めることができる旨」を明示しなかった場合(パートタイム・有期雇用労働法 第6条違反)、行政指導の対象となります。それでも改善が見られない場合には、同法第31条に基づき、10万円以下の過料が科される可能性があります。

ただし、前述のとおり、この過料の対象はあくまで明示義務違反です。正社員との待遇差が存在すること自体や、その差が不合理かどうかという判断に対して、直接この過料が科されるわけではありません。

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働法の概要

行政指導・勧告・企業名公表のリスク

説明義務(第14条)に違反した場合、明示義務(第6条)のような直接の過料規定はありません。ただし、第18条に基づき、都道府県労働局が事業主に報告を求めたり、助言・指導・勧告を行ったりすることができます。過料はなくとも、勧告に従わない場合にはその旨が公表される可能性がある点に注意が必要です。

厚生労働省の資料によると、第14条に関する是正指導の実施件数は、施行初年度の令和元年度が1,823件、令和5年度は3,068件、令和6年度は4,623件でした。制度の施行以降、年度を追うごとに増加傾向にあることがわかります。

行政による指導は年々強化されており、説明義務への対応を後回しにするリスクは小さくありません。

参考:パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の施行状況等について

改善が見られない場合は民事訴訟に発展することも

行政指導によっても状況が改善されない場合、非正規社員本人から訴訟を起こされるリスクも生じます。

待遇差が不合理であるとして損害賠償を求められた場合、企業には応訴の負担が発生し、時間的にも金銭的にも相応のコストがかかります。また、裁判に至った事実が社内外に知られることで、既存社員のエンゲージメントが低下したり、企業イメージが損なわれたりする二次的な影響も無視できません。

説明義務や明示義務への対応は、単なる法令遵守にとどまらず、こうした訴訟リスクや企業イメージへの影響を未然に防ぐという意味でも重要な取り組みです。

関連記事:同一労働同一賃金で退職金はどう変わる?2026年10月ガイドライン改正対応完全ガイド
関連記事:同一労働同一賃金の手当とは?2026年10月改正のポイントと企業の対応

「合理的な説明」と認められるための判断基準

説明義務を適切に果たすうえで欠かせないのが、待遇差を合理的に説明できるかどうかという視点です。ここでは、判断の基準となる2つの考え方と、企業が注意したい説明の仕方について解説します。

「均衡待遇」・「均等待遇」という2つのモノサシ

  均衡待遇(第8条) 均等待遇(第9条)
適用場面 正社員と、職務内容や配置の変更の範囲に違いがある場合 正社員と、職務内容・配置の変更の範囲が同一と見込まれる場合
判断の基準 ①職務内容
②配置の変更の範囲
③その他の事情、という3要素を考慮
①職務内容
②配置の変更の範囲が同一かどうかで判定
待遇差の可否 差を設けること自体は可能。ただし不合理な差は禁止 雇用形態を理由とした差別的取扱いは一切禁止(差をつけること自体が不可)

※第8条・第9条はいずれもパートタイム・有期雇用労働法(正式名称:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の条文

不合理な待遇差の判断基準には、「均衡待遇」と「均等待遇」という2つの考え方があります。

均衡待遇はパートタイム・有期雇用労働法8条に基づき、正社員との間に職務内容や配置の変更の範囲の違いがある場合に適用され、差を設けること自体は認められますが、その差が不合理であってはなりません。判断には職務内容、配置の変更の範囲、その他の事情という3要素が用いられます。

一方、均等待遇は同法9条に基づき、職務内容と配置の変更の範囲が正社員と同一と見込まれる場合に適用され、雇用形態を理由とした差別的取扱いが一切認められません

まずは、自社の非正規社員がどちらに該当するかを整理することが求められます。

参考:厚生労働省|雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

「正社員だから」は通用しない|NGな説明とOKな説明

待遇差の説明として長年使われてきたのが、「正社員の確保・定着のため」という理由です。

しかし2026年10月の改正ガイドラインでは、こうした主観的・抽象的な説明だけでは合理性が認められないことが明確化されました。求められるのは、職務内容や配置の変更の範囲といった客観的な事実に基づく説明です。

たとえば住宅手当であれば、「転勤の可能性があるため」という理由付けは、実際に正社員へ転勤を命じている実態が伴って初めて成立します。

制度上は転勤の可能性があるとしても、実態として命じていなければその説明は成り立ちません。建前と運用の一致を明確にしておきましょう。

参考:厚生労働省|パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)

説明を誤ると危険な待遇の代表例|ハマキョウレックス事件と給食手当

説明義務の対象となる待遇のなかでも、特に注意が必要なのが食事に関する手当です。ここでは、最高裁判例の考え方をもとに、なぜ食事関連の待遇が「説明の失敗」を招きやすいのかについて解説します。

最高裁が「給食手当の格差は不合理」と判断した理由

物流会社の契約社員が正社員との待遇差を争ったハマキョウレックス事件で、最高裁は平成30年6月1日、給食手当を含む複数の手当について判断を示しました。

同社では、正社員に月額3,500円の給食手当が支給される一方、契約社員には支給されていませんでした。

最高裁は、給食手当は勤務中の食事にかかる費用を補助する趣旨の手当であり、その必要性は正社員と契約社員で変わらないと判断しました。職務内容や配置の変更の範囲に違いがあっても、勤務中に食事をとる必要があることに差はないためです。そのため、契約社員に給食手当を支給しない待遇差は不合理であると結論づけています。

なお、同事件では、無事故手当・作業手当・皆勤手当・通勤手当の待遇差についても不合理と判断された一方、住宅手当については不合理ではないとされました。

参考:労働基準判例検索-全情報|ハマキョウレックス(差戻審)事件

食事に関する待遇が「説明の失敗」を招きやすい理由

ハマキョウレックス事件が示すのは、食事に関する待遇は、雇用形態による職務内容や配置の変更の範囲の違いを理由にして説明することが難しいという事実です。

転勤の有無で説明できる住宅手当とは異なり、勤務中に食事をとる必要性は、正社員であっても非正規社員であっても変わりません。つまり「正社員だから」という理由づけが、ほかのどの待遇よりも通用しにくいといえます。

このことは、食事に関する手当や福利厚生に差を設けている場合、説明を求められた際に合理的な理由を用意することが特に難しいことを示すものです。

次章では、この構造を踏まえた選択肢について解説します。

説明を求められたときの実務対応のポイント

実際に非正規社員から説明を求められた際、その場で慌てないためには、日頃からの事前準備が欠かせません。ここでは、あらかじめ整えておきたい2つの実務対応について解説します。

参考:厚生労働省|不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル~パートタイム・有期雇用労働法への対応~

事前準備|待遇差の一覧化と支給目的の文書化

説明を求められてから待遇差を洗い出していては、対応が後手に回ってしまいます。スムーズに対応するためにも、あらかじめ正社員と非正規社員の待遇差について、項目ごとに内容を整理・記録しておきましょう。

待遇差の一覧化チェックリスト

厚生労働省の点検・検討マニュアルなども活用し、待遇ごとの棚卸しを進めておくと安心です。

説明書面に記載すべき項目

説明を口頭のみで行うと、後日「言った・言わない」のトラブルに発展しかねません。説明した内容は書面やそれに準じる資料に残し、記録として保管しておくことが重要です。書面に盛り込むべき主な項目は次のとおりです。

説明書面に記載すべき項目

これらを記録として蓄積しておくことで、後日の確認や紛争予防に役立つだけでなく、非正規社員から同様の質問が繰り返された場合の対応の効率化にもつながります。

説明義務そのものを軽くする|待遇差をなくすという選択肢

正社員と非正規社員との待遇差を考えるにあたっては、待遇差を合理的に説明し続けるのではなく、そもそも差を生じさせないという選択肢もあります。ここでは食事補助を例に、説明義務そのものの負担を軽くする考え方を紹介していきます。

食事補助はなぜ「不合理な差」をつくりにくいのか

前述のとおり、食事に関する待遇は、正社員と非正規社員の職務内容や配置の変更の範囲がどれだけ異なっていようとも、その違いを理由に差を設ける説明が成り立ちにくいのが特徴です。

転勤の有無で差を説明できる住宅手当や、扶養家族の有無で説明できる家族手当とは異なり、勤務中に食事をとる必要性は雇用形態を問わず共通しているためです。

つまり、食事補助は最初から差をつけること自体が難しく、雇用形態にかかわらず同一条件で提供することが、もっとも自然で説明の手間もかからない選択肢になります。

差が生じなければ、そもそも待遇差について説明を求められることもありません。

説明義務のリスクを減らす「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、全国25万店舗以上の加盟店での食事を半額で購入できる代行型食事補助の福利厚生サービスです。

加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・カフェ・三大牛丼チェーンなど幅広く、使用する人の年代や好みを問いません。勤務時間中にとる食事の購入であれば利用する時間や場所の制限もないため、内勤・外勤・リモートワーク・夜勤者など、すべての従業員が公平に利用できる点も魅力です。

食事補助として日本で約40年、世界6,000万人に利用されてきた実績と安心のサポート体制が高く評価され、すでに 4000社以上が導入する人気サービスとなっています。

関連ページ:食事補助を福利厚生で導入するならチケットレストラン

2026年4月|非課税限度額の上限が3,500円→7,500円に

2026年4月1日、食事の現物支給に関する所得税の非課税限度額が、月額3,500円から7,500円へ引き上げられました。これは1984年以来、42年ぶりの改正です。あわせて、深夜勤務者への夜食代についても、非課税上限が1食300円から650円へ拡大されています。

非課税枠の拡大によって、従業員1人あたり年間最大9万円の食事補助が非課税対象となりました。食事補助の導入を検討する企業にとって強力な追い風となっています。

参考:国税庁|食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて

関連記事:【税理士監修】食事補助の非課税上限が7500円へ!給与にしないための非課税の条件を解説

【Q&A】同一労働同一賃金の説明義務にまつわるよくある質問

ここでは、同一労働同一賃金の説明義務について、とくに多くよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q. 非正規社員から説明を求められなければ、何もしなくてよい?

【A. 現行制度では義務は生じませんが、2026年10月以降は対応が必要です】

現行のパートタイム・有期雇用労働法14条では、非正規社員から説明を求められない限り、企業側から積極的に説明する義務はありません。ただし2026年10月からは、雇入れ時に「説明を求めることができる旨」自体を明示する義務が新設されるため、労働者が権利の存在を知る機会が増え、結果として説明を求められる場面が多くなると考えられます。

Q. すでに同一労働同一賃金に対応済みの企業も、追加対応が必要?

【A. 必要です。省令改正により、労働条件通知書のひな形変更が求められます】

2026年10月の改正は、待遇差の是正義務そのものの見直しではなく、雇入れ時の労働条件明示事項に「説明を求めることができる旨」を追加する省令改正です。すでに同一労働同一賃金への対応を終えている企業であっても、労働条件通知書のひな形にこの項目が含まれているかを確認し、必要に応じて改定する対応が求められます。

Q. 説明義務に違反すると、待遇差そのものが違法になる?

【A. いいえ。過料の対象は明示義務違反のみで、待遇差の合理性とは別の問題です】

2026年10月から新設される10万円以下の過料は、雇入れ時に「説明を求めることができる旨」を明示しなかった場合に科される可能性があるものです。正社員との待遇差が存在すること自体や、その差が不合理かどうかという判断とは別の制度であり、両者を混同しないよう注意が必要です。

Q. 契約更新のたびに説明義務は発生する?

【A. 発生する可能性があります。契約更新時も、雇入れ時と同様の場面が生じます】

パートタイム・有期雇用労働法に基づく明示・説明のルールは、新たに雇い入れる場合だけでなく、契約を更新する場合にも及びます。契約更新のたびに労働条件を確認し、必要な明示事項が満たされているかをあわせてチェックしておきましょう。

Q. 派遣労働者にも同様の説明義務はある?

【A. 派遣労働者には、労働者派遣法に基づく別の説明義務が課されています】

派遣労働者については、パートタイム・有期雇用労働法ではなく、労働者派遣法(正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)第31条の2に基づく説明義務が適用されます。比較対象となる労働者や待遇決定方式(派遣先均等・均衡方式または労使協定方式)が異なるため、本記事で解説した内容がそのまま当てはまるわけではない点にご注意ください。

参考:e-Gov 法令検索|労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|第31条の2

参考:【社労士監修】同一労働同一賃金で派遣社員の働き方はどう変わる?企業のメリットも

2026年10月までに説明義務への備えを

同一労働同一賃金の説明義務は、現行制度では求めがあって初めて発生するものです。しかし2026年10月からは、雇入れ時の明示義務も加わり、対応を怠れば過料や行政指導のリスクにつながります。日頃から待遇差を整理し、書面での説明に備えておきましょう。リスクの少ない企業運営の選択肢として、「チケットレストラン」のような、待遇差そのものが生じにくい福利厚生の活用も検討されてはいかがでしょうか。

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

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