「企業は”社員の健康管理”をすべき?」「どこまで社員の健康管理に携わるべき?」そんな悩みをお持ちではありませんか?
近年では、企業の規模に関わらず、残業時間の削減や勤務間インターバル制度、ストレスチェックなど社員の働き方を積極的に改善する企業が増えています。
特に、「健康経営」を実践する企業では社員の健康管理を積極的に取り組むことで、業績向上や経営上のリスクを軽減できたという事例が出てきています。「社内に活気がない」「人手が足りなくて仕事が回らない」といった課題解決のヒントにもなるかもしれません。
社員の健康管理は会社が取り組む”課題”
「健康管理は個人がおこなうもの」ですが、同時に労働契約法第5条において、企業は社員の心身の健康に対する安全配慮義務を負っています。では、具体的にどんな配慮が必要なのか、例を挙げてみましょう。
社員の健康管理において取り組むべき課題
・職場環境の整備
・労働時間の管理
・適切な配置、業務量
・ハラスメント対策
・健康診断やストレスチェックなどの健康管理
上記は、物理的な環境の整備だけでなく、社員のコミュニケーションも職場環境を整備する上で重要です。また、長時間労働の廃止や有給取得率の改善も課題のひとつになります。
現段階では、安全配慮義務違反による罰則はないものの、違反によって社会的な評価は下がると考えたほうが良いでしょう。また、訴訟問題に発展するケースもあり、近ごろは社員の健康管理を”負担”ではなく”経営戦略の一つ”として積極的に社員の健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。
企業が社員の健康管理を積極的に行うメリット
参考:いかに「サービス」を収益化するか / DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部
では、なぜ多くの企業が社員の健康管理を積極的に行うのでしょうか?サービス・プロフィット・チェーンという概念をもとに、4つのメリットが考えられます。
サービス・プロフィット・チェーン(SPC)とは、従業員満足度を高めることで顧客満足度も高まり、結果的に企業利益につながるという考え方です。一般的には接客業において有効とされていますが、社員の健康管理を行うメリットを考える上でヒントになります。
社員の生産性向上、残業削減
社員が心身ともに健康であれば、一人ひとりのパフォーマンスが上がるので生産性が向上していきます。社員の生産性が高まると、ムダな残業をせずに済むため、企業にとっては不要な支出を削減でき、社員にとってはパフォーマンスの発揮しやすい状態で仕事に取り組むことができます。
離職率や休職率の低下
「休みにくい」「上司に相談しにくい」職場環境は、体調だけでなく精神面の疲労蓄積にもつながり、退職や休職する人が増える一因となります。休みの取りやすい仕組みづくりやコミュニケーションのとり方を工夫することで、心身の健康を保ちやすくなり、人員が安定します。その結果、少ない人員で業務をこなさざるを得ない事態の回避につながったり、一時的な人員補充による業務効率の悪化や業績の停滞を防いだりできます。
企業イメージの向上、採用PRに
社員の健康管理に積極的に取り組んでいる企業は「社員を大切にしている」と社会的な評価を得やすくなります。近年、”働きやすさ”や”福利厚生”を重視して会社選びをする求職者が増えており、ホワイトな企業イメージは採用に影響をもたらします。また、健康経営に取り組むことで、同業他社との差別化を図ることもできます。
従業員満足度、顧客満足度の向上
前述のサービス・プロフィット・チェーンに基づくと、企業が社員の健康や働きやすさ改善に取り組み、実際に改善されると従業員満足度が上がります。
たとえば、「顧客第二主義」を企業理念に掲げるアメリカのLCC「サウスウエスト航空」は、お客様よりも従業員一人ひとりを大切にしている会社です。会社は従業員を大切にすることで、従業員は顧客に対して最高のサービスを提供するようになるという経営哲学で、1978年以降、黒字経営を続けています。
社員の健康管理に配慮した取り組み事例
続いて、「健康経営」を実践する、社員の健康管理に積極的な企業の事例を紹介します。
及川産業 株式会社
土木工事や除雪などで体を動かす仕事が多い「及川産業株式会社」は、「働いている人が長く健康的に働いてほしい」という社長の思いから社員の健康管理を積極的に行う企業の一つです。
《取り組み事例》
・協力会社を巻き込んだ安全大会を毎月実施:外国籍の方にも伝わるよう母国語でも資料作成
・定期検診の受診勧奨:受診期間を閑散期に設定し実質100%に
・休暇取得の推進:4週4休(週休1日)から、4週6休+賃金の一律10%ベースアップへ
《取り組みの効果》
・健康経営優良法人に認定を受け、地元の競争入札参加資格の評価項目が加点されるように
・健康経営の取り組みによって、採用PRとなり新入社員を迎えることができた
参考:https://www.oikawa-s.com/
アクロクエストテクノロジー株式会社
システム開発などを行う「アクロクエストテクノロジー株式会社」は、「社員がいきいきと働き、何でも言い合える会社を作ろう」という志のもと創業したIT企業で、健康経営に取り組む以前から社員の健康管理を積極的に行ってきました。健康経営についても社長を含めた全社員とのミーティングで決定するなど、社員参加型の方針も従業員満足度につながっていると考えられます。
《取り組み事例》
・全社員が参加するMA(Meeting of All staff)で事業に係るすべての事項を提案・決定:コミュニケーションの促進
・社員専用のシェアハウスでは必ず朝食をとるルール:社内SNSで内容を発信
・健康的な食品やお菓子を会社で仕入れ、希望者に販売:自然と食生活の改善ができる環境を提供
・IT企業の悪しき風習だった長時間労働を廃止するため、システムの開発やスキルアップを実施:他社に巻き込まれない環境をつくることに成功
《取り組みの効果》
・社員の意識改革
・社員一人ひとりが自分で考えて行動できるようになり生産性が向上した
・20時以降の残業廃止
・受託業務から自社主導の業務に転換
参考:https://www.acroquest.co.jp/
健康経営を推進する福利厚生サービス|エデンレッドジャパン「チケットレストラン」
実際に健康経営への取り組みを進める企業の中で、近年特に注目度を高めているのが、食事を通じた従業員の健康管理です。
福利厚生として食事補助を提供できる注目のサービス、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」について、人気の背景や導入事例を紹介します。
食から始める健康経営
ライフスタイルが多様化する現代では、食事に対する姿勢も人によってまちまちです。簡単に済ませようとするがゆえに栄養バランスが極端に偏っていたり、そもそも食事を抜いてしまったりといったケースも決して珍しくありません。
企業が従業員に対して食事補助を行うことは、そんな従業員の食生活改善のサポート、引いては健康経営推進の大きな後押しとなります。
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、食事に関する福利厚生として日本一導入されている、専用の電子カード配布型の食事補助サービスです。専用カードで支払いをすることにより、全国7万店以上ものコンビニやカフェ、レストランなどをいわば社員食堂の一つとして利用できます。
福利厚生としての要件を満たすことで税制優遇の対象となるため、企業側、従業員側ともに税金や保険料の負担はありません。新しい時代の福利厚生として、年々注目度を増しているサービスです。
「チケットレストラン」導入事例1:M’s ファーマ株式会社
「M’s ファーマ株式会社」は、大阪府南部地域に「くれよん薬局」を6店舗展開する調剤薬局です。
全国どこでも働ける薬剤師ならではの採用と離職防止の難しさや、交通機関が少ない地域性を背景に新たな福利厚生を検討する中で、選ばれたのが「チケットレストラン」でした。
同社では、「チケットレストラン」の導入により、以下のようなメリットや効果が得られたそうです。
- 薬剤師の離職率低下
- 食事を通じた社員間のコミュニケーションの増加
- 電子マネーで管理が容易
- コンビニなどでも利用できる利便性の高さ
「チケットレストラン」の導入後、同社の薬剤師の離職率は大幅に低下しました。企業側、従業員側双方に大きなメリットのある施策となったようです。
参考:https://crayon-p.com/
導入事例はこちら
「チケットレストラン」導入事例2:オーデマ ピゲ ジャパン株式会社
世界的有名時計ブランド「オーデマ ピゲ」の日本法人「オーデマ ピゲ ジャパン株式会社」では、かねてよりより従業員へ貢献できる新たな福利厚生を模索していました。
社内での食事提供を検討しながらも、人材やスペースの確保がネックになっていたところ、需要にマッチする福利厚生として選ばれたのが「チケットレストラン」です。
同社では、「チケットレストラン」の導入により、以下のようなメリットや効果が得られたそうです。
従業員が抱く「会社は自分を気に掛けてくれている」との思いをより強くできた
食事補助の利用を通じ、従業員間のコミュニケーションが活性化した
社員が平等に利用できる福利厚生を提供できた
採用時のアピールポイントになった
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」導入は、従業員を大切にする企業としてブランディングに大きく役立っているようです。
参考:https://www.audemarspiguet.com/com/ja/home.html
導入事例はこちら
まとめ
「社員の健康管理をしなければならない」と考えると、会社にとって負担と感じますが、「社員が健康的に生き生きと働ける環境を提供することで、社員と会社の双方にメリットがある」と考えると、前向きに取り組みを考えることができます。
人材確保が困難になっている今、社員を大切にする姿勢を示すことは非常に重要で経営戦略としても有効になるでしょう。
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」など、福利厚生としての食事補助の導入を戦略の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。