福利厚生としてヨガの導入を検討する企業が増えています。肩こり・腰痛・メンタル不調など、業種を問わず従業員が抱える健康課題への対策として人気のヨガ。本記事では、健康経営と従業員満足度の向上を目指す企業向けに、ヨガを福利厚生として導入するメリット・3つの提供形態と費用相場・経費計上の条件・導入ステップを網羅しました。
なぜ今、企業の福利厚生にヨガが選ばれているのか
「健康経営」という考え方が広まるにともない、従業員の心身の健康を企業の経営課題として位置づける動きが加速しています。
経済産業省が推進する健康経営優良法人の認定制度への関心も高まり、企業は具体的な健康施策の選択肢を増やすことを求められるようになりました。
そのなかでヨガが選ばれる理由のひとつが、導入ハードルの低さです。特別な器具や広いスペースを必要とせず、会議室ひとつで始められるオフィスヨガや、スマートフォン一台で参加できるオンライン型など、ヨガならではの形態の柔軟さは、特に予算に制限のある中小企業にとって大きな魅力です。
また、ヨガは身体的な不調の緩和だけでなく、呼吸法や瞑想を通じてメンタルヘルスにもアプローチできます。
「一つの施策で複数の健康課題に対応できる」という費用対効果の高さが、ヨガが企業の福利厚生として注目される大きな理由となっているのです。
参考:METI/経済産業省|健康経営優良法人認定制度
参考:ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)
関連記事:健康経営とは?いつから?定義や取り組み方・施策例もわかりやすく解説
企業がヨガを福利厚生として導入する4つのメリット
企業が福利厚生としてヨガを導入することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは4つのポイントに整理して解説します。
メリット① 腰痛・肩こり・慢性疲労など、従業員の身体的不調を軽減できる
業種を問わず、腰痛・肩こり・慢性疲労といった身体的不調を抱える従業員は少なくありません。
長時間の同一姿勢や立ち仕事・現場作業にともなう疲労は、プレゼンティーズム(出勤しているが不調で生産性が落ちている状態)の主要因となり、企業全体の損失につながります。
その点、ヨガのポーズ・ストレッチ・呼吸法は、筋緊張の緩和や血流の改善、自律神経の調整に役立つとされています。「椅子ヨガ」形式なら着替えもマットも不要なため、会議室すら確保しにくいオフィスでも導入しやすい点が強みです。
ただし医療的な治療ではないため、あくまでも「改善の可能性がある施策」として位置づけることが大切です。
出典:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト|プレゼンティーズム:用語解説
メリット② ストレス低減・メンタルヘルス対策への有効なアプローチになる
2025年5月の法改正により、50人未満の事業所へのストレスチェック義務化が決まりました(施行は遅くとも2028年5月まで)。現在は50人以上が義務(労働安全衛生法第66条の10)ですが、全事業所が対策の充実を迫られている状況です。
ヨガの呼吸法は、副交感神経を活性化し心身の緊張を和らげる効果が期待できるとされています。継続的な実践がストレス耐性の向上に寄与するとも言われており、予防的なメンタルヘルス施策として、ストレスチェック制度との組み合わせも有効です。
ストレスを感じている従業員に気軽に参加してもらえる入口として、ヨガは有効な選択肢のひとつです。
参考:厚生労働省|「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表します
メリット③ 採用力の強化と定着率の向上につながる
求職者が企業を選ぶ際の基準として、給与や勤務条件に加え、福利厚生の充実度を重視する傾向が強まっています。そのため、健康に配慮した職場環境は、採用活動での差別化要素として機能するだけでなく、在職中の従業員のエンゲージメント向上にも寄与します。
福利厚生を充実させることは、「従業員を大切にする企業」としての強力な訴求ポイントです。さらに、近年は健康経営やESG(環境・社会・企業統治)への関心が高まっており、従業員の健康・生活をサポートする企業は他社との差別化の点で有利でもあります。
福利厚生としてのヨガの導入は、採用力はもちろんのこと、既存従業員の定着にも有効な施策です。
関連記事:ESG経営とは?採用力強化と企業価値向上をかなえる新時代の経営戦略
メリット④ 健康経営優良法人の認定取得に活用できる
経済産業省が推進する健康経営優良法人の認定制度では、「健康経営度調査」を通じて企業の取り組みが評価されます。
健康経営優良法人認定を受けるための認定審査には、大規模法人部門・中小規模法人部門ともに「職場外のスポーツクラブ等との提携・利用補助を行っている」「職場において集団で運動を行う時間を設けている(例:ラジオ体操、ストレッチ、ヨガ等)」が選択肢として明記されており、ヨガの福利厚生の導入は、この項目の対応策として直接活用できます。
認定を取得した企業は、経済産業省の公式サイトに法人名が掲載され、採用活動や取引先へのアピールにも活用可能です。
参考:ACTION!健康経営|ポータルサイト(健康経営優良法人認定制度)
関連記事:健康経営優良法人2026!変更された要件・認定基準とスケジュール
「ヨガの福利厚生」3つの導入形態と特徴
ヨガを福利厚生として導入する形態は、大きく「外部スタジオとの法人契約」「インストラクター出張型」「オンライン型」の3つに分かれます。それぞれの概要と特徴を見ていきましょう。
① 外部スタジオとの法人契約型
企業が登録料・年会費を負担し、従業員が法人割引価格でスタジオを利用できる形態です。
従業員が自分のペースで通えるため、運動習慣の定着につながりやすい点が強みです。
代表的なサービスとして、全国450店舗(2026年4月時点)のLAVAと、ヨガ・ピラティスを含む1,000以上の提携施設を都度払いで使えるGYYM(ジーム)があります。
LAVAは月会費が一般より最大3,000円引き、GYYMは法人会員が利用のたびに20%のポイント還元を受けられます。従業員間の公平性を担保するため、地方拠点が多い場合は、施設分布を事前に確認することが重要です。
参考:ホットヨガスタジオLAVA法人向けサービス|法人会員/オンライン・出張ヨガ
参考:GYYM(ジーム)|人気のフィットネスを都度利用できるジムプラットフォーム
② インストラクター出張型(オフィスヨガ)
ヨガインストラクターをオフィスに招き、会議室などで実施する形態です。
すべての従業員が同じタイミングで参加できるため、部署を超えたコミュニケーションが生まれやすく、チームの一体感を高める効果も期待できます。
椅子に座ったまま行う「椅子ヨガ」形式なら着替えもマットも不要で、業務の合間に気軽に参加できます。費用の目安は1回(60〜90分)あたり数万円程度とされていますが、参加人数・エリア・インストラクターのレベルによって大きく異なるのが一般的です。
参加人数・頻度・形態を揃えた条件で複数の提供事業者に見積もりを依頼し、比較検討しましょう。
③ オンライン型
ビデオ会議ツールや専用の配信プラットフォームを活用し、ライブまたは録画レッスンを届ける形態です。
リモートワークの従業員・育休中の従業員・地方拠点の従業員など、スタジオや出張型では対応が難しい層にも公平に提供できる点が最大の強みです。
ライブ配信型とオンデマンド型の2パターンがあり、LAVAの「UCHIYOGA⁺」(ライブレッスン800本・動画約500本)や、ルネサンスの「オンラインライブストリーム(ROL)」(法人900社以上が導入)など、複数のサービスが法人向けプランを提供しています。出張型と組み合わせたハイブリッド運用も可能です。
参考:ホットヨガスタジオLAVA法人向けサービス|オンラインヨガ(UCHIYOGA⁺)|サービス
参考:スポーツクラブルネサンス|法人会員契約のご案内
参考:ルネサンス公式note|豊かな生活を送る選択肢として届けたい「オンラインレッスン」
ヨガの福利厚生の費用相場と経費計上の条件
福利厚生としてヨガの導入を検討するにあたっては、費用感と税務上の取り扱いを同時に確認しておくことが欠かせません。ここでは、費用相場と経費計上の条件・注意点を整理します。
形態別の費用相場
ヨガの福利厚生は、3つの形態ごとにコストの目安が異なります。
外部スタジオ法人契約型は、登録料・年会費(金額は要問い合わせ)に、従業員の月会費補助額が加わるのが一般的です。インストラクター出張型は1回数万円程度が目安ですが、参加人数やエリアで大幅に変動する傾向にあります。オンライン型は一般的に低コストで、出張型とのハイブリッド運用も可能です。
あくまでも参考ではありますが、50人参加・1回3万円の出張型なら1人あたり600円、月2回開催で月額1,200円/人となります。
福利厚生費として経費計上するための4つの条件
ヨガの費用を福利厚生費として経費計上するには、税務上の一般原則を満たす必要があります。国税庁はヨガに特化した通達を出していませんが、一般的な福利厚生費の原則は次のようになります。詳細は顧問税理士に確認してください。
- すべての従業員が平等に利用できること(役員や特定の従業員のみは対象外)
- 社会通念上、妥当な金額であること(高額なマンツーマンレッスンは給与扱いになるリスクあり)
- 現物支給であること(現金で渡す形式は認められない可能性がある)
- 就業規則・福利厚生規程に明記し、利用記録を残すこと
関連記事:福利厚生費とは?該当条件や要件、具体例を税理士が丁寧に解説
福利厚生費として認められないケース
誤った運用は、税務調査で指摘されるリスクがあります。以下、特に注意が必要なケースをまとめました。
- 【個人事業主・一人社長などの場合】「全従業員に平等」の要件を満たせないため、福利厚生費として認められない可能性があります
- 【特定の従業員のみを対象にした場合】女性従業員のみ・管理職のみといった限定は、給与性があると判断されるリスクがあります
- 【高額なマンツーマンレッスン費を全額企業負担にするケース】「社会通念上妥当な金額」の範囲を超えているとみなされる可能性があり、注意が必要です
- 【現金を「ヨガレッスン代」として支給する形式】現物支給ではないため、非課税として扱われない可能性があります
スムーズに導入を進めるための実務ステップ
新たな福利厚生を導入するにあたっては、担当者の負担を最小限にとどめるべく、基本的な実務の流れを整理しておくことが求められます。ここでは、福利厚生としてヨガを導入する際の基本的なステップを紹介します。
ステップ① 目的とKPIを明確にする
はじめに、目的とKPIの言語化を行いましょう。目的があいまいなまま進めると、社内での承認が得にくくなるだけでなく、導入後の効果検証もできません。
目的の具体例としては、メンタルヘルス対策・生産性低下の予防・採用力の強化・健康経営優良法人の認定要件充足などが挙げられます。また、KPIの設定は、以下の項目を参考にしてください。
- 月次参加率(例:対象者の30%以上)
- ストレスチェックの高ストレス者比率の推移
- 従業員満足度アンケートのスコア
KPIを先に定めることで、提供事業者の選定条件や導入後の効果検証までを一貫して進めることが可能になります。
ステップ② 形態を決めて複数の提供事業者を比較する
導入目的が定まったら、自社の勤務形態や拠点の状況に合った形態を選び、複数の提供事業者に見積もりを依頼します。
リモートワークの割合が多い場合はオンライン型、地方拠点が多い場合は全国展開の事業者が選択肢となります。予算が読みにくい初期には、固定費ゼロで始められる都度払い型もおすすめです。
見積もりは参加人数・頻度・形態を揃えた条件で複数社に依頼し、費用だけでなく講師の質やサポート体制も比較しましょう。担当者自身が体験レッスンに参加することで、社内説明の際の説得力を高める効果も期待できます。
ステップ③ 社内周知と継続率を上げる工夫
福利厚生としてヨガを導入後、「思ったよりも参加者が増えない」「いつの間にかフェードアウトした」というケースは少なくありません。こうした事態を防ぐために重要なのが、立ち上げ期の工夫と運用のPDCAです。
制度の導入時には、社内チャット・メール・ポスターなど、複数の経路で従業員へ周知します。上司が率先して参加することで、従業員の心理的安全性が保たれます。就業時間内・任意参加でスタートし、最初の1回を「お試し体験」として声かけするのも効果的な方法です。
制度の定着を目指すには、3〜6カ月ごとにアンケートを実施し、プログラムや時間帯をより使いやすいものへと改善するのも有効です。
ヨガへの参加が難しい従業員には、食事補助など別の健康施策でフォローすることも検討しましょう。
関連記事:【2026年版】福利厚生の人気ランキング!おすすめの福利厚生サービスも
従業員の健康と満足度を支える「ヨガ+食事補助」の選択肢
ヨガは身体・メンタル両面へのアプローチとして有効ですが、従業員の健康課題はそれだけではありません。物価高による食生活の乱れや栄養不足も、現代の職場が抱えるリアルな課題です。「運動」と「食事」の両面から支援することで、より多くの従業員に届く健康経営が実現します。
ヨガでは届かない「食と栄養」の健康課題とは
企業側が利用を推奨しても、ヨガ自体に興味を持たない層も存在します。すべての従業員に健康施策を提供するには、別の選択肢も併用することが求められます。
別の選択肢としておすすめなのが、食事補助の福利厚生です。食事は健康状態に直結し、さらに従業員の生活費のサポートとしても有効です。特に物価高が深刻化する近年、食事補助を通じた生活サポートの重要性やアピール度はますます高まっています。
エデンレッドジャパンが行った『「第3の賃上げ※」実態調査2026』では、従業員の求める「第3の賃上げ」として、食事補助が第1位との結果が示されました。
なお、健康経営優良法人認定の評価項目においても、食事補助(現物支給・金銭補助等)が認定基準を満たす取り組みとして明示されており、ヨガの導入とともに健康経営の評価向上にもつながります。
※実質的な手取りアップや暮らしの負担を軽減するような福利厚生の活用した賃上げのこと
参考:エデンレッドジャパン|「第3の賃上げ」実態調査2026を公開。約8割が、賃上げに加え「福利厚生の充実も重要」と実感。「第3の賃上げ」は、従業員の生活と企業の競争力を支える経営戦略へ
関連記事:健康経営の事例を紹介!健康経営優良法人認定を受けた中小企業の取り組み
4000社以上が導入「チケットレストラン」
エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は、全国25万店舗以上の飲食店やコンビニを社員食堂のように利用できるサービスです。
内勤・外勤・リモートワークなど、すべての従業員が公平に利用できる点が特徴で、勤務時間中にとる食事であれば利用する時間や場所を問いません。
2026年4月にはAIがレシートを自動解析する「証憑スキャン機能」や、さらにお得に食事を楽しめる「食のクーポン機能」といううれしい機能も追加され、ますます注目度を高めています。
参考:株式会社エデンレッドジャパン|チケットレストラン、AIによるレシート解析機能「証憑スキャン」を 4月1日(水)より提供開始 ~食事補助の適正運用を支援。公式アプリからレシート撮影で自動解析、管理工数を最小化~
参考:株式会社エデンレッドジャパン|チケットレストランで「食のクーポン」を公式アプリでスタート
【Q&A】ヨガの福利厚生にまつわるよくある疑問
ここでは、福利厚生としてヨガに関連し、多く寄せられる疑問についてQ&A形式で紹介します。
Q. 着替えやヨガマットがなくても実施できますか?
【A. 着替えもマットも不要な「椅子ヨガ」形式があり、普段着のまま参加できます。】
インストラクター出張型では、デスクチェアに座ったまま行う「椅子ヨガ」形式を選べます。着替えもマットも不要なため、昼休みや業務の合間に気軽に参加でき、更衣室のないオフィスでも導入しやすい点が強みです。
着替えが必要になるのは主にスタジオ型です。オンライン型なら自宅で好きな服装のまま参加できるため、着替えの心配はありません。
Q. 就業時間内に実施しても問題ありませんか?
【A. 法的な問題はありませんが、任意参加を原則とし、強制しないことが重要です。】
就業時間内にヨガを実施すること自体に法律上の問題はありません。ただし、参加を強制すると労働時間として扱われる可能性があります。任意参加を原則とし、参加しない従業員が不利益を受けない運用にすることが大切です。
Q. リモートワークの従業員にも公平に提供できますか?
【A. オンライン型との組み合わせや、食事補助などの別の福利厚生との併用で公平性を確保できます。】
スタジオ型や出張型のみでは、リモートワークの従業員や地方拠点の従業員が利用しにくく、不公平感が生じることがあります。解決策として、出社する従業員は出張型・リモートワークの従業員はオンラインヨガというハイブリッド運用が有効です。
健康経営は「運動」と「食事」の二本柱で
ヨガは、身体的な不調の緩和からメンタルヘルスケア、採用力の強化まで、複数の健康課題に一つの施策でアプローチできる福利厚生施策です。目的とKPIを先に言語化し、スタジオ法人契約・出張型・オンライン型を自社の状況に合わせて組み合わせることで、継続率の高い運用が実現します。
一方、ヨガに参加できない・参加しない従業員への健康支援も忘れてはなりません。「チケットレストラン」のような食事補助はすべての従業員に公平に届く健康施策として有効です。
「運動」と「食事」の二本柱で健康経営を設計することが、従業員満足度の向上と採用・定着への好循環を生み出すポイントです。
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エデンレッドジャパンブログ編集部
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