2025年4月28日、NHK「おはよう日本」で紹介された福岡市の中小企業であるSKソリューション株式会社様(以下SKソリューション)の事例が注目を集めています。賃上げに頼らず、食事補助という福利厚生を導入することで採用強化と従業員満足度向上に取り組む同社の事例は、人材確保に悩む中小企業にとって、現実的かつ再現性の高いモデルケースのひとつです。本記事では、NHK放送の内容をもとに、採用難に効果的な具体的施策を紹介します。
2025年4月28日NHK「おはよう日本」の放送内容
2025年4月28日放送のNHK「おはよう日本」では「初任給の引き上げ」について特集されました。併せて、新卒採用が売り手市場の中、若手人材の確保を目指す企業の取り組みも紹介されました。同特集の主なトピックは以下の通りです。
- 中小企業を中心に、若手人材の採用難が深刻化
- 大手企業では、初任給の引き上げなど、賃上げによる採用強化が進行:初任給10万円アップを実現した大手ハウスメーカーの事例を紹介
- 中小企業では、原資の不足により賃上げ以外の方法での対応を模索:福岡市の中小企業・SKソリューションの事例を取り上げ、全従業員を対象としたベースアップと食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の導入を紹介
- 給与以外の手当や制度が、若手人材にとって企業選びの重要な要素になっている現状
- 「会社が持つリソースを整理し、多様化するニーズに応えながら人材獲得をしていくことが大切」という専門家の指摘
以下、主なトピックを掘り下げつつ、中小企業の人材不足解消に効果的な施策を紹介します。
人材獲得に苦戦する企業が増加中。中小企業ほど深刻に
深刻な人手不足を背景に、採用市場では依然として売り手優位の状況が続いています。中でも深刻なのが、中小企業の採用難です。
リクルートワークス研究所が2025年4月に公開した「第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒)」によれば、2026年卒の求人倍率は1.66倍でした。従業員規模別の倍率は以下の通りです。
従業員規模 | 求人倍率 |
5000人以上 | 0.34 |
1000〜4999人 | 1.05 |
300〜999人 | 1.43 |
300人未満 | 8.98 |
この調査結果からは、新卒採用の難易度が企業規模によって大きく異なり、中小企業ほど採用競争の厳しさが増している実態が明らかとなりました。
「給与水準」や「知名度」などの面で不利な立場にある中小企業の厳しい現状が浮き彫りとなっています。
参考:リクルートワークス研究所|大卒求人倍率調査(2026年卒)|調査
新卒獲得競争が激化|進む初任給の引き上げ
新卒採用市場では、採用難の中でも優秀な人材を獲得する手段のひとつとして、初任給の引き上げに踏み切る企業が増えています。詳しく見ていきましょう。
約7割の企業が初任給を引き上げへ
出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)|(2025年2月14日)
帝国データバンクの「初任給に関する企業の動向アンケート(2025 年度)」によると、2025年4月入社の新卒社員の初任給を「引き上げる」と回答した企業は71.0%と、7割超に達しました。「引き上げない(29.0%)」はもはや少数派といってよい状況です。
「おはよう日本」では、初任給を10万円引き上げ、25万円から35万円とした大手ハウスメーカーの事例が紹介されました。給与を通じた魅力の訴求は、特に大手企業を中心に今後も続くとみられます。
関連記事:【2025年最新】初任給を引き上げた企業の業界別一覧|30万円超えも
中小企業には難しい「同じ土俵」での戦い
自社の魅力を訴求するにあたり、高水準の初任給は有効です。しかし、こうした賃上げ競争にすべての企業が参加できるわけではありません。
財源に制約がある中小企業にとって、大幅な給与引き上げはリスクを伴う判断です。コスト増加が経営を圧迫する可能性もある中で、中小企業が自社の魅力を訴求するには、給与以外の価値提供が求められます。
「おはよう日本」では、給与以外の価値提供として、全従業員のベースアップとともに福利厚生を充実させた「SKソリューション株式会社」の事例が紹介されました(※詳細は後述)。
学生が企業に求めるのは「福利厚生」が第1位
出典:マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況
採用難の状況下で、より優秀な人材を獲得するためには、人材にとって魅力的な企業であることが大切です。では、近年の若手人材が企業選びで注目するのはいったいどのようなポイントなのでしょうか。
株式会社マイナビの「2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況」によると、2025年卒学生の企業選びでもっとも重視されたのは「福利厚生の充実」でした。その割合は40.9%で、「給与や賞与が高い(37.0%)」「社員の人間関係が良い(34.8%)」などを上回っています。
「おはよう日本」でもこの結果が紹介されており、人材獲得を目指す上で、多様化する若手のニーズに応えること、また、仕事内容に応じて新卒以外の人材にも注目することの重要性が専門家の意見として紹介されました。
参考:マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況
NHKで紹介|SKソリューションが実践する「賃上げ以外」の採用強化策
「おはよう日本」では、福利厚生の充実を進める企業の事例として、福岡市にある中小企業「SKソリューション」が取り上げられました。
同社では、2025年4月、新卒を含む全従業員に対し1万円のベースアップを実施しました。原資に制限があり、40代以上の中堅社員が多く在籍する同社において、初任給だけを引き上げるのは難しいと判断されたからです。
さらなる施策として、同社が注力したのが「福利厚生」の充実です。同社では、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を福利厚生として導入しました。これにより、従業員1人あたり月額2,000円の食事補助が提供されています。
利用する新入社員からは「コンビニとか幅広い飲食店で使えるのでランチ代のいい足しになってます」「食費がちょっと浮くみたいなイメージ、すごく便利だなって感じました」といったポジティブな感想が聞かれています。
関連記事:【導入事例】チケットレストランで福利厚生の利用率を大幅アップ!SKソリューション株式会社
中小企業の採用強化に「チケットレストラン」
賃上げだけでは人材確保が難しい中小企業にとって、実効性のある福利厚生の導入は大きな武器になります。SKソリューションでも導入された「チケットレストラン」は、コストを抑えつつ従業員満足度を高められる食事補助制度です。ここでは、その特徴と導入のメリットについて詳しく解説します。
全国25万店以上の加盟店で利用可能
「チケットレストラン」は、全国25万店以上の飲食店やコンビニエンスストアなどで利用できる食事補助の福利厚生サービスです。
利用可能店舗には、コンビニやファミレスチェーン店・地域密着型の飲食店・三大牛丼チェーン店などさまざまな店舗が名を連ね、ユーザーの多様なニーズに応えています。
勤務時間中にとる食事の購入であれば、利用する時間や場所も問いません。内勤・外勤はもちろん、リモートワークや出張中でも柔軟に活用できるのが大きな魅力です。
非課税枠で従業員の実質的な手取りアップを実現
「チケットレストラン」は、一定の条件を満たすことで、1人あたり月額3,500円までを「非課税」の食事補助として支給できる制度です。これにより、同額を給与として支給するよりも、従業員の実質的な手取りを増やすことが可能です。
メリットがあるのは従業員だけではありません。福利厚生費として経費計上することにより、企業の法人税も軽減されます。
コスト面が大きな課題となりがちな中小企業にとって、無理なく導入できる現実的な支援策として「チケットレストラン」は人気を集めています。詳しくはこちらの「資料請求」からお問い合わせください。
関連記事:【税理士監修】チケットレストランの非課税メリット!非課税管理も簡単クリア
賃上げだけじゃない|中小企業が選ぶ「もうひとつの選択肢」
NHKの「おはよう日本」では、採用難の現状と、企業ごとのさまざまな取り組みが紹介されました。
若手人材の採用や定着を目指すにあたっては、賃上げだけが唯一の選択肢ではありません。限られた予算の中で実効性のある手を打つには、「チケットレストラン」のような福利厚生をはじめ、若手人材の多様なニーズに応える姿勢が重要です。
採用競争が激化している今だからこそ、現実的かつ有効な施策を選ぶことが求められているといえそうです。
参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
:「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!
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