薬剤師の有効求人倍率が高止まりする中、スムーズな採用や定着には福利厚生の充実が有効です。加えて、2024年度以降の調剤報酬改定以降の加算維持にも、薬剤師の定着は重要です。本記事では、最新データに基づいて、薬剤師が求める福利厚生について解説します。
薬剤師の福利厚生が重要な理由
薬剤師の有効求人倍率は、2026年2月時点で2.04と、全職種平均の1.13より高く、求職者の売り手市場の状況が続いています。
薬局の売上は調剤報酬であるため、薬剤師は給与水準がある程度横並びになりやすい傾向です。このような中、求職者が最終的な意思決定を下すポイントは「働きやすさ」です。
充実した福利厚生は、薬剤師の採用や定着に向けた強みとなる、優秀な人材を惹きつけるための武器です。
加えて、かかりつけ薬剤師や、地域支援体制加算を維持するには、薬剤師の長期勤続が必要です。薬局の経営を考える上でも、薬剤師の定着につながる福利厚生は重要な戦略といえます。
参考:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和8年2月分)について|参考統計表
薬剤師向きの福利厚生の特徴
薬局が新たに福利厚生を導入するときには、どのような特徴のある制度が向いているのでしょうか?ここでは薬剤師向けにおすすめの制度の特徴を3つ紹介します。
専門知識の習得やスキルアップができる制度
薬剤師の業務には専門知識が欠かせません。加えて日々進歩し続けている分野のため、定期的な知識のブラッシュアップが必要です。
在籍している薬剤師のスキルアップに役立つよう、専門知識を学ぶ機会を設けるとよいでしょう。
薬局ならではの待遇を受けられる制度
薬局ならではの待遇として、自社で扱う製品の提供や割引販売などがあります。例えば常備薬・消毒液・衛生用品などを定期的に支給したり、買い物をするときに割安な価格で購入できるようにするとよいでしょう。
どの店舗でも利用できる制度
複数の薬局を展開している法人の場合には、どの店舗でも同じように利用できる福利厚生を導入することも重要です。例えば、本部に社員食堂があったとしても、各店舗で働く薬剤師は利用できません。
これでは本社以外で働く従業員は福利厚生を活用しきれず、不公平感につながる恐れがあります。働く場所によらず、公平に利用できる福利厚生であることも重要です。
薬局におすすめの福利厚生
これから制度の導入を検討している薬局に、おすすめの福利厚生制度を見ていきましょう。
資格取得手当
薬局で働く薬剤師は、専門知識を深めるために、業務に関係する資格取得を目指すこともあるでしょう。資格取得手当を支給することで、従業員が効果的に知識を身につけて資格試験に合格しやすくなります。
資格試験に向けた勉強のためのテキスト代や講座代、試験を受けるのにかかる費用などをサポートする制度です。
奨学金返済支援制度
薬剤師になるためには大学や大学院で専門知識を学ばなければいけません。進学のために奨学金を活用した薬剤師もいるでしょう。奨学金返済の負担が軽減される奨学金返済支援制度の導入は、薬剤師にとって大きなメリットといえます。
他の待遇が同程度であれば、奨学金返済支援制度に魅力を感じて、入社を決める人材もいるかもしれません。
取扱商品の割引制度
薬局では取扱商品の割引販売を導入すると、従業員が自社で扱う商品を割安で購入できます。日用品も扱う薬局であれば、従業員は生活必需品を割引価格で購入可能です。物価上昇への対策としても役立つ福利厚生といえます。
食事補助
食事補助は企業が従業員に食事代の一部を支給する福利厚生です。日々の食事代のサポートにより、従業員は出費を抑えられるため、給与のうち自由に使える金額は増えます。
一定の条件を満たすことで非課税枠を活用でき、従業員の納める所得税を増やすことなく導入できるため、実質的な手取り額アップにもつながる福利厚生として注目されている制度です。
薬局で食事補助を導入するときには、食事補助の福利厚生サービスを活用すると、手間とコストを抑えやすくなります。例えば、エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。
参考:【2026年版】食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ
薬局で福利厚生を導入するときにおすすめの福利厚生サービス
福利厚生を導入するとき、自社で一から仕組みを作るのは手間と時間がかかります。中には大きな費用が必要になる制度もあるでしょう。
新たに福利厚生を導入するときには、手間と費用を抑えつつ充実したサービスを提供できる福利厚生サービスを活用すると効率的です。中でも薬局での導入に向いている福利厚生サービスを見ていきましょう。
本の福利厚生「オフィス書店」
「オフィス書店」は従業員の教育に活用できる福利厚生サービスです。例えば「選書プラン3」では、おすすめの本15冊・選んだ本15冊が3カ月ごとに入れ替えられます。在庫管理不要で、常に新しい本に触れられる環境づくりが可能です。
薬剤師に役立つ本を選び、職場において置くことで、新しい知識の習得につながります。
参照:オフィス書店
食事に野菜をプラスワンできる「OFFICE DE YASAI」
食生活改善に役立つのは「OFFICE DE YASAI」です。職場に設置した冷蔵庫に、野菜やフルーツを使った商品が入っているため、従業員はいつでも健康的な食事ができます。
1つ100円~購入できるリーズナブルな価格も魅力です。野菜のおかずをプラスすると食事代が高くなるからと、節約のためにおにぎりやパンを中心としたメニューを選びがちな人も、気軽に購入しやすい価格といえます。
こだわりのお惣菜を食べられる「オフィスおかん」
「オフィスおかん」は栄養バランスを考慮したこだわりのお惣菜を食べられる福利厚生サービスです。主食・主菜・副菜が毎月約20種類届きます。職場に設置した冷蔵庫もしくは自動販売機から、従業員は自由に食事を購入可能です。
10人未満の小さな事業所から、10万人を超える大きな事業所まで対応しているため、拠点ごとの規模に合わせたサイズで導入できます。
参考:オフィスおかん
食の福利厚生サービス「チケットレストラン」
従業員の食事代をサポートする食の福利厚生サービス「チケットレストラン」の導入を検討してもよいでしょう。日々の食事代をサポートすることで、従業員はバランスのよい食事をとりやすくなります。
これまでに「チケットレストラン」を導入した企業の中には、おにぎりやパンのみで昼食を済ませていた従業員が、健康に気遣い野菜のおかずを購入するようになったケースもあるそうです。
全国にある加盟店25万店舗以上で利用できるため、複数の店舗を展開している場合にも支給できます。
使い勝手のよさから従業員利用率98%となっており、従業員に喜ばれる福利厚生です。
薬局が実際に導入している福利厚生
専門知識の向上につながることや、勤務する店舗によらず利用できることなどが、薬局で導入する福利厚生のポイントです。ここでは薬局で実際に導入されている福利厚生を紹介します。
新生堂薬局
調剤薬局やドラッグストアなどを展開する新生堂薬局では、働きやすさを追求して福利厚生を充実させているそうです。
正規雇用の従業員はもちろん、パートやアルバイトで働く従業員も有給休暇・産休・育休を取得しやすい体制を構築しています。職場の雰囲気のよさも、休暇を取得しやすい空気の醸成につながっているといえるでしょう。
加えて男性従業員の育休取得や、復帰後のフォローも十分行われています。仕事とプライベートをどちらも充実させられる制度といえるでしょう。
参考:新生堂薬局|【公式】新生堂薬局求人 サイト 薬剤師正社員・パート・アルバイト
杏林堂薬局
杏林堂薬局では、月10日(2月度のみ9日)+誕生日休暇1日の、合わせて120日の年間休日が設けられています。加えて7日間以上の連休を年1回、もしくは4~6日の連休を年2回以上取得できる長期連続休暇の制度も利用できます。
多くの休日を取得できるのは、1店舗あたりの正規雇用の従業員人数が平均10人と多く設定されているためです。1人が休んでも他の従業員で十分カバーできるため、気兼ねなく休めます。
また取扱商品を最大20%オフで購入できる割引制度で、買い物がお得になるのもメリットです。
参考:杏林堂薬局|福利厚生
くれよん薬局
M's ファーマ株式会社の展開しているくれよん薬局では、2024・2025年卒の薬学部学生向けに、奨学金返済支援制度を導入しています。Web会社説明会に参加することで総額180万円の返済支援の対象となる制度です。
従業員が働きやすい環境づくりの一環として、店舗では電子薬歴システムを導入しています。対人業務に集中しやすくなることから、店舗運営がスムーズになっているそうです。
他にもリゾートホテル「エクシブ」の利用券のプレゼントや、長期終業報奨金制度なども設けています。
また食の福利厚生サービス「チケットレストラン」の導入により、薬剤師の離職率低下につながったそうです。充実した福利厚生により働きやすい環境づくりが行われている薬局といえます。
参考:M's ファーマ株式会社|【2024最新】くれよん薬局採用ページ
導入事例:M's ファーマ株式会社
導入する福利厚生の選び方
導入する福利厚生で迷っているときには、何を基準に選ぶとよいのでしょうか?代表的な選び方として、ランキングを参考にする方法と、従業員へアンケートを取る方法を紹介します。
ランキングを参考に選ぶ
ランキングを参考にすると、多くの求職者従業員が求める福利厚生を導入しやすくなります。人気の福利厚生を検討することで、人材確保につながりやすくなることが期待できます。
「2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)」によると、就活生が「企業にあったら嬉しい」と考えている勤務制度や福利厚生トップ5は以下の通りです。
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順位 |
あったら嬉しい勤務制度や福利厚生 |
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1 |
特別休暇やリフレッシュ休暇などの休暇制度 |
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2 |
食事補助や住宅手当などの諸手当 |
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3 |
フレックスタイム制 |
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4 |
通勤費や通信費などの各種補助 |
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5 |
在宅勤務制度 |
労働政策研究・研修機構の実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」では、従業員に対して制度の有無を調査し、「ある」と回答した人を対象に利用の有無を質問しています。
この結果を集計した、利用率が上位10位までの福利厚生は以下の通りです。日常的に利用しやすい福利厚生や、健康管理に関する福利厚生が多くランクインしています。
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福利厚生 |
利用率 |
|
食堂 |
58.9% |
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食事手当 |
53.4% |
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社員旅行の実施、補助 |
47.3% |
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診療所、健康管理センター等医療施設 |
43.4% |
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運動会等のレクリエーション活動の実施 |
39.3% |
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社内預金制度 |
39.5% |
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外部飲食店で利用できる食券等の配布 |
38.4% |
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ノー残業デー等の設置 |
38.1% |
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人間ドック受診の補助 |
37.6% |
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有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など) |
37.4% |
参考:
マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
労働政策研究・研修機構|企業における福利厚生施策の実態に関する調査
薬剤師の意見を元に選ぶ
薬剤師に、導入するとよい福利厚生についての意見を求めるのもよいでしょう。今働いている薬剤師の意見を取り入れることで、実際の業務や環境に合う福利厚生を導入しやすくなります。
導入を検討している福利厚生サービスの説明会やお試しを実施した上で、アンケートを行うのもよいでしょう。どのようなメリットがあるか分かった上で意見を求めれば、よりニーズに合う福利厚生を導入しやすくなります。
紹介した福利厚生のランキングを参考にして、アンケートを作成するのもおすすめです。
福利厚生を充実させるメリット
薬局が福利厚生を充実させると、薬剤師にはもちろん、法人にもメリットがあります。ここでは福利厚生の充実度アップにより、法人が得られるメリットを見ていきましょう。
従業員満足度を高められる
従業員満足度とは、企業の働きがい・働きやすさ・制度・職場環境などに対する、従業員の満足度を示す指標のことです。働きやすい環境や制度が整っている企業では、従業員満足度が高くなりやすい傾向があります。
従業員が仕事や職場環境などに対して高い満足感を抱いていれば、高いモチベーションを維持しながら働きやすくなるでしょう。よりよい仕事をしようという意欲のある従業員同士のコミュニケーションが活発になり、さらに職場環境が向上することも期待できます。
関連記事:【2024年】従業員満足度が高い企業ランキング6選!取り組み事例も紹介
人手不足解消につながる
福利厚生が充実しており働きやすい環境が整っている企業は、求職者にとって魅力的です。採用がスムーズ進みやすくなることが期待できるでしょう。
「2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)」によると、就活生が大手企業の選考に参加した決め手として51.5%が「福利厚生が手厚い」ことをあげています。
福利厚生を重視して企業選びをする傾向は、転職活動も同様です。Re就活が行った20代アンケートでは、就業経験3年以上の34.7%が、新卒で就職活動をしていたときよりも「福利厚生・手当」を重視するようになったと回答しています。
Create転職の「転職活動で重視するポイントは?求人で重視する項目」でも、求人で重視するポイントとして「福利厚生が充実しているか」をあげる人は38.5%、「有給休暇を取得しやすいか」をあげる人は46.2%です。
また今いる従業員の定着を促すことにもつながります。同業他社と比べて充実した福利厚生が整っていれば、よりよい条件を求めて転職するといったケースを減らせるでしょう。
十分な人材を確保できれば、余裕を持った企業運営ができます。定時で退社できる体制や、希望通りに有給休暇を取得できる体制の構築も可能です。
参考:
マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
PR TIMES|約7割が「転職活動で重視するポイント」は、就職活動時と異なると回答。就職活動時と比較して重視するようになった点、1位は「仕事内容」。2位は「今後のキャリアビジョン」/20代アンケート
Create転職|転職活動で重視するポイントは?求人で重視する項目
関連記事:人手不足の原因は?中小企業の現状や今からできる対策をチェック
業績の向上が期待できる
福利厚生によって従業員が働きやすい環境を整備できれば、業績アップにつながりやすくなります。
例えば休暇制度やフレックスタイム制でプライベートとのバランスが取りやすくなれば、リフレッシュして仕事に臨めるでしょう。業務に集中しやすくなりますし、新しいアイデアが出てくる可能性もあります。
食事手当でバランスのよい食事をとりやすくしたり、ジムの費用補助で運動不足の解消に取り組みやすくしたりすれば、健康状態を良好に保ちやすくなり業務へ集中しやすくなることも期待できます。
また研修制度や資格取得支援を行えば、従業員のスキルアップによって、これまでは難しかった商品やサービスの開発・提供ができるかもしれません。
人的資本経営の実現により求職者や投資家のイメージアップにつながる
経済産業省のホームページによると、人的資本経営の定義は以下の通りです。
人的資本経営とは、人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です
引用:人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~ (METI/経済産業省)
人材の価値を最大限に引き出すには、従業員が満足して働けるよう待遇を整備することも重要です。福利厚生の充実度アップは、この待遇の整備につながります。
人的資本経営に取り組む企業は、従業員のスキルアップに積極的な姿勢や、個々の事情に考慮した働きやすさを整備する姿勢を持っていることから、求職者にとって魅力的な職場といえるでしょう。このイメージが定着することで、スムーズな採用も可能です。
また投資家の間では環境・社会・ガバナンスといった非財務情報に注目して投資先を選ぶ、ESG投資が注目されています。人的資本も非財務情報の一種で、企業が末永く運営を続けていくには欠かせません。
人的資本経営に取り組んでいる企業は、投資家から投資対象として注目されやすく、より多くの資金を集めやすくなることが期待できます。
関連記事:人的資本経営とは?事例を用いて解説!メリットや導入のステップ
薬局は福利厚生で働きやすい職場づくりを
福利厚生の充実度アップは薬剤師の働きやすさにつながります。人々の健やかな生活をサポートする役割のある薬局では、まず従業員の働きやすさや暮らしの質の向上を意識するとよいでしょう。
特に資格取得手当や奨学金返済支援制度・自社製品の支給・取扱商品の割引制度・食事補助などの導入がおすすめです。
食事補助を取り入れるなら、エデンレッドジャパンの提供する食の福利厚生サービス「チケットレストラン」を検討してみてはいかがでしょうか。従業員満足度93%の福利厚生サービスが、従業員に喜ばれる職場環境づくりにつながります。
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