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ベースアップのデメリットとは?中小企業が知るべき賃上げの課題と解決策

ベースアップのデメリットとは?中小企業が知るべき賃上げの課題と解決策

2025.05.28

ベースアップによるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?賃上げ機運が高まる一方、特に中小企業では、原資の確保や制度整備の難しさから実施をためらうケースが少なくありません。本記事では、ベースアップの基本的な仕組みやデメリットを整理したうえで、柔軟かつ実効性のある代替策として注目される「第3の賃上げ」について解説します。

ベースアップとは?

「ベースアップ」とは、企業が従業員の基本給水準を一律に引き上げる賃上げ施策です。まずは、ベースアップの仕組みと、同じく賃上げの一般的な仕組みとして用いられている「定期昇給」について解説します。

ベースアップの定義と仕組み

「ベースアップ(ベア)」は、企業が全従業員の基本給水準そのものを底上げする賃上げ手法です。

原則として、個人ごとの評価結果や勤続年数に関係なく、すべての従業員の給与水準が一律で底上げされます。たとえば、月給が30万円だった従業員に対し、月額5,000円のベースアップを実施すれば、新しい月給は30万5,000円となり、これを基準として賞与・退職金・社会保険料も算定されます。

このように、ベースアップは単なる「月給の増加」にとどまらず、企業の人件費構造そのものを変化させる性質を持つ賃上げ手法です。

春闘においては、労働組合が「ベースアップ要求額」を明示し、企業はその交渉・合意を経て実施を判断するのが一般的です。

関連記事:ベースアップと賃上げの違いとは?人件費戦略の基本をわかりやすく解説

定期昇給との違い

「定期昇給(定昇)」は、主に勤続年数や評価制度に基づき、個々の従業員に対して段階的におこなう賃上げ手法です。

多くの企業では、人事評価や勤続年数に応じた「号俸」の進行に従い、年に一度のペースで実施されています。これは個別のモチベーション維持やキャリア形成を目的とした制度であり、組織全体の給与水準の底上げを目的としたものではありません。

つまり、ベアは「企業全体の給与水準の底上げ」・定期昇給は「従業員個別の処遇改善」と位置づけられます。

春季労使交渉(春闘)では、企業の賃上げ姿勢を示す指標として「定昇+ベア」がセットで語られるのが一般的です。

賃上げが求められる背景と企業の対応状況

近年、企業に対して賃上げを求める社会的な要請が強まっています。人材確保や物価上昇への対応が迫られる中で、多くの企業が賃金戦略の見直しを余儀なくされているのが実情です。ここでは、2025年春闘の動向や中小企業の現実的な課題から、賃上げをめぐる現在の状況を整理します。

2025年春闘に見るベースアップの潮流

2025年の春季労使交渉(春闘)では、労働側から賃上げに対する強い期待が示され、多くの企業が「定期昇給+ベースアップ」で対応しました。

連合が5月に発表した集計結果によると、2025年の平均賃上げ率は5.32%で、前年を0.15ポイント上回っています。このうち、定昇を除くベースアップ分は3.75%であり、前年の3.57%から0.18ポイント上昇しました。

これは、物価上昇や人手不足への対応として、単なる定昇にとどまらない構造的な賃上げに踏み切る企業が増加していることを示しています。特に大企業を中心に積極的な対応が進んでいますが、中小企業ではコストや原資の面で対応が難しいケースも多く、対応の二極化が進んでいるのが現状です。

参考:連合|労働・賃金・雇用 春季生活闘争 2025年春闘

中小企業が抱える「賃上げ」の現実的課題

労務行政研究所の調査によると、2025年に定期昇給を実施する企業は92.2%に上る一方、ベースアップを実施する企業は55.2%にとどまっています。この乖離は、ベアが企業に与える負担の大きさを表すものです。

とりわけ中小企業にとっては、その負担がより重くのしかかります。

それというのも、中小企業は大企業との力関係によって価格転嫁力が弱く、原材料やエネルギー価格の高騰の影響を受けやすい傾向にあるからです。売上に直結しない固定費の増加は大きなリスク要因となるため、恒常的なコストの増加を招くベースアップの実施は現実的ではありません。

そのため、多くの中小企業では、一時金などの変動費的手段で賃上げ対応せざるを得ないのが実情です。

参考:一般財団法人 労務行政研究所|2025年賃上げの見通し―労使および専門家485人アンケート

ベースアップのデメリット

ベースアップは従業員の処遇改善や企業イメージの向上に寄与する施策ですが、一方で、企業側にとってはいくつかのデメリットを伴う制度でもあります。ここでは、特に中小企業が実施をためらう理由となっている、主なデメリットについて解説します。

恒久的なコストの増加

ベースアップは基本給の水準自体を引き上げるため、一度実施すると元に戻すことは基本的にできません。昇給した分は賞与や退職金、社会保険料の算定基礎にも反映されるため、単純な月給アップ以上に広範なコスト増につながります。

特に人件費比率の高い中小企業では、ベースアップが与える財務的なインパクトが大きくなりがちです。業績が悪化してもすぐには削減できない固定費化された支出として、将来的に深刻な経営圧迫要因となる可能性があります。

関連記事:2025年ベースアップは全員一律じゃない?ベアへの疑問を徹底解説!

評価制度の形骸化が招くモチベーション低下

ベースアップは、業績や貢献度にかかわらず全従業員を対象とした一律の昇給であるため、成果主義に基づいた評価制度との整合性が取りにくくなりがちです。

特に、個人を対象とした定期昇給での対応が不十分な場合、評価制度そのものの形骸化を招き、優秀な人材のモチベーション低下や離職につながるリスクがあります。

賃金制度と評価制度の整合性をどのように保つかは、ベースアップ実施時の重要な検討課題です。

制度変更・見直しにまつわる人的コストの増加

ベースアップを実施する際には、単に給与額を改定するだけでは済まないケースもあります。

具体的には、等級制度や賃金表の見直し・就業規則の変更・労使協定の締結などが挙げられます(※企業規模や体制によって変わる)。これには人事・総務部門への実務負荷が増すだけでなく、労働組合や従業員代表との調整・交渉に時間を要する可能性が否定できません。

とりわけ中小企業では、専門人材の不在やリソース不足により、制度変更への対応が難しくなりがちです。こうした人的・制度的コストも、ベア実施における隠れたハードルといえるでしょう。

ベースアップのメリット

ベースアップには無視できないいくつかのデメリットがありますが、一方で、企業にとってプラスに働く要素も数多く存在します。ここでは、企業がベースアップを実施することで得られる主なメリットについて整理します。

人材の獲得・定着における有利性の向上

人手不足が深刻化する中で、ベースアップを実施する企業は採用市場での競争力を高めやすくなります。

「給与が上がっている企業かどうか」は、企業の勢いや業績の表れとして評価されるため、求職者が企業を選ぶ際の重要な判断材料となっているからです。

また、既存従業員にとっても給与の改善は「企業に評価されている」という実感につながり、離職防止やエンゲージメントの向上に寄与します。さらに、ベースアップを実施することで優秀な人材の他社への流出を防ぎ、長期的な戦力化を図ることも可能です。

社会的評価や企業ブランディングへの寄与

ベースアップは、単なる給与改善策にとどまらず、企業の社会的責任(CSR)や人的資本経営の観点からも注目されています。

近年では、企業の「人的資本」に関する情報開示が求められるようになり、賃上げの有無がその企業の働き方や価値観を象徴する要素と見なされつつあるのが実情です。

たとえば、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の文脈では、従業員への適正な還元が「社会(S)」の評価軸となり、賃上げの実績が投資家や外部評価機関からの評価にも影響する可能性があります。社会的な評価はそのままブランドイメージの向上にもつながり、企業の目には見えない価値の源泉となります。

ベースアップに代わる「第3の賃上げ」という選択肢

ベースアップをはじめとする直接的な賃上げが難しい企業を中心に、近年注目を集めているのが、福利厚生を活用した「第3の賃上げ」です。ここでは、第3の賃上げの詳細と具体的なおすすめのサービスを紹介します。

福利厚生を活用した「第3の賃上げ」で実質的な手取りをアップ

第3の賃上げ

出典:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

第3の賃上げ」とは、定期昇給を「第1の賃上げ」、ベースアップを「第2の賃上げ」とした場合に、実質的な手取りアップや家計負担の軽減につながる福利厚生を活用した賃上げの手法です。食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を運営するエデンレッドジャパンによって提唱されました。

給与そのものを増やすのではなく、食事補助や住宅手当などの福利厚生を充実させることで、従業員の実質的な手取りや生活の質を向上させることができます。また、一定の条件を満たした福利厚生は所得税の非課税枠を活用できるため、同じコストでも従業員の手取りを効率よく増やせるメリットがあります。

給与に代わる形での「支援」は、従業員にとっても日常生活の負担を軽減する実感につながりやすく、満足度向上や定着支援にも効果的です。原資に制約のある企業でも実現可能な「賢い賃上げ」として注目したい選択肢です。

関連記事:賃上げできない企業の淘汰が加速。企業にできる対策は?

3,000社以上が導入「チケットレストラン」

第3の賃上げの実施を検討する企業から、特に広く支持を集めているサービスに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。

チケットレストラン」は、従業員のランチ代を企業が補助する食の福利厚生サービスで、導入企業の従業員は、全国25万店以上の加盟店での食事を半額で利用できます。

加盟店のジャンルは幅広く、勤務時間中にとる食事の購入であれば、利用時間や場所の制限もありません。業種や勤務体系を問わず柔軟に利用できる福利厚生として、すでに3,000社を超える企業に導入され、メディアからの注目度も高まっています。

サービスの詳細は「こちら」からお問い合わせください。

関連記事:NHK「おはよう日本」で紹介!「チケットレストラン」はどんなサービス?SKソリューションの事例も紹介

柔軟な賃上げ戦略で企業の持続性を高めよう

ベースアップは、採用力や従業員満足の向上といった多くのメリットをもたらす一方で、固定費の増加や制度運用の難しさなど、企業にとって無視できないリスクも伴います。特に中小企業では、原資確保や制度設計の負担から、実施に踏み切れない現実があります。

こうした状況下で注目されているのが、「チケットレストラン」をはじめとする福利厚生を活用した「第3の賃上げ」です。第3の賃上げは、従業員にとっての実質手取りアップを実現しながら、企業にとっても負担の少ない選択肢となります。

制度の柔軟性を生かした戦略的な賃上げの導入で、持続的かつ現実的な人的資本経営をかなえましょう。

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参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
    :「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!

 

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