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【社労士監修】外国人労働者の受け入れ条件を解説|在留資格は?企業の義務は?

【社労士監修】外国人労働者の受け入れ条件を解説|在留資格は?企業の義務は?

2025.12.22

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

人手不足が続く中、外国人労働者の受け入れを検討する企業が増えています。日本経済新聞の調査(2024年9月実施)では、主要企業の99.2%が今後3年以内に外国人材を採用する意向を示しました。本記事では、外国人労働者を受け入れるための具体的な条件と、企業が気をつけるポイントを解説します。

外国人労働者は増加し、ベトナム国籍が最多

厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」(令和6年10月末時点)では、外国人労働者数は2,302,587人で前年比253,912人増加、届出義務化(平成19年)以降過去最高を更新しました。外国人を雇用する事業所数は342,087所で前年比23,312所増加し、同じく過去最多を更新しています。

外国人労働者 受け入れ 条件001出典:厚生労働省|在留資格別外国人労働者数の推移

国籍別ではベトナムが約57.0万人(24.8%)、中国が40.8万人(17.8%)、フィリピンが24.5万人(10.7%)の順番です。

特定技能制度の創設が増加を後押し

増加の背景には、2019年4月に導入された「特定技能」制度があります。国内の人材不足を解消するため、介護、建設、農業、製造業など16分野で一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れる制度です。

令和6年10月末時点で特定技能は約20.7万人、技能実習は約47万人で、両者で就労ビザ全体の約30%を占めています。特定技能は創設から5年で急速に拡大しており、技能実習を修了した外国人が特定技能へ移行して日本での就労を継続するケースも増えています。

技能実習は途上国への技術移転、特定技能は国内の人材不足解消を目的とした制度です。制度の目的は異なりますが、いずれも日本の労働力確保に貢献しています。

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況」別表1 国籍別・在留資格別外国人労働者数

外国人労働者の受け入れで企業が守る3つの条件

外国人労働者を受け入れるには、厚生労働省が定める以下3つのルールを守る必要があります。

1. 就労可能な外国人の雇用

外国人が日本で働くためには、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」で決められた「在留資格」のうち、就労可能な資格が必要です。この資格がないと働けず、資格によって働ける仕事の種類や期間が決まっています。

外国人を雇う事業主は、必ず「在留カード」を確認し、その人が日本で働ける資格があるか、どんな仕事ならできるかを確認しなければなりません。これをしないと、「不法就労助長罪」などの罪に問われ、罰則を受ける可能性があります。

2. 外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職援助

外国人労働者を雇う企業は、その人が能力を発揮しやすいように、職場に慣れるためのサポートをし、もし辞めることになったら次の仕事を探す手助けをする必要があります。

具体的なサポートの内容は、厚生労働省が決めた「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に定められています。雇用管理上のポイントを確認するときは、「外国人労働者の雇用管理改善等に係る自主点検表(事業主用)」が便利です。

3. 外国人雇用状況の届出

外国人の雇入れ、離職の際に、その氏名、在留資格などを確認し、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています。インターネットでの届出も可能です。

出典:厚生労働省|外国人の雇用
出典:厚生労働省|外国人雇用状況の届出

在留資格による受け入れ条件

外国人が日本で働くには、入管法で定められた在留資格が必要です。在留資格は29種類(2025年12月時点)ありますが、就労との関係では次の3つに分かれます。

1. 職種を限定して就労できる在留資格20種類

在留資格に基づき、就労することができます。

外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)

企業でよく採用されるのは以下のような職種です。

  • 技術:エンジニア、自動車設計技師等
  • 技術・人文知識・国際業務:通訳、デザイナー等
  • 企業内転勤:海外支店から日本の拠点へ異動
  • 技能:外国料理の専門調理師等
  • 特定技能:介護、建設、農業、製造業など16分野(※)の即戦力人材

※介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料製造業、外食業、林業、木材産業

令和6年10月末時点で「専門的・技術的分野」は約71.9万人、「技能実習」が約47万人が就労しています。特定活動(職種:「特定技能」)は約8.6万人で、ワーキングホリデーやインターンシップなどが該当します。

出典:出入国在留管理庁|在留資格一覧表

出典:JITCO|在留資格「特定技能」とは

関連記事:【社労士監修】【2025年度版】外国人雇用に関する助成金・補助金一覧!自治体の支援も

2.原則として就労が認められない在留資格5種類

 文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

この5種類の中で、就労可能性があるのは「留学」「家族滞在」です。本来就労できませんが、地方入国管理局で資格外活動許可を得ればアルバイトが可能です。

留学生は週28時間以内、夏休みなど長期休業期間は1日8時間以内で働けます。家族滞在の外国人も週28時間以内なら就労できます。

「留学」「家族滞在」の在留資格を持つ外国人を雇用する際は、パスポートの「資格外活動許可証印」か「資格外活動許可書」で就労可能な時間数を必ず確認しましょう。また、在留カードにも情報が載るので、雇用の際は提示していただき、参照します。なお風俗営業では働けません。令和6年10月末時点で39.8万人が該当します。

3. 制限なく働ける在留資格4種類

 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

この在留資格を持つ外国人は、職種に制限なく働けます。日本語が堪能で日本文化に馴染んでいる方も多く、採用後の定着率も比較的高い傾向です。令和6年10月末時点で62.9万人が該当します。

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
出典:厚生労働省|外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。

外国人労働者受け入れ実務上の注意点

外国人労働者受け入れにおける実務上のポイントを紹介します。

在留カードは表面・裏面両方を確認

外国人を雇用する際は、在留カードの原本(表面・裏面)を確認し、コピーを保管しておきましょう。

在留カード表面の確認項目

在留資格の種類と就労制限の欄を確認します。

  • 「在留資格に基づく就労活動のみ」
  • 「指定書記載期間での在留資格に基づく就労活動のみ可」(在留資格「技能実習」)
  • 「指定書により指定された就労活動のみ可」(在留資格「特定活動」)
  • 「就労制限なし」
  • 「就労不可」

「指定書により指定」の場合は、別途指定書の提示も求めましょう。加えて、在留カード番号が有効か、在留期間が切れていないかも重要なチェックポイントです。

外国人労働者 受け入れ 条件002出典:出入国在留管理庁|在留カードとは?

出典:厚生労働省|外国人を雇用する事業主の皆様へ

在留カード裏面の確認項目

表面で「在留資格に基づく就労活動のみ」の場合、裏面の資格外活動許可欄で許可の有無を確認します。なお、在留カードの偽造防止を確認するには、出入国在留管理庁の無料アプリが便利です。

外国人労働者 受け入れ 条件003出典:出入国在留管理庁|在留カードとは?

参考:出入国在留管理庁|在留カード等読取アプリケーション サポートページ

外国人雇用状況の届出方法は雇用保険加入の有無で判断

外国人を雇用したら、ハローワークへの届出が義務です。雇用形態に関わらず全従業員が対象で、届出を怠ると30万円以下の罰金が科される可能性があります。

雇用保険に加入する場合

「雇用保険被保険者資格取得届」に外国人雇用状況も記載する欄があるため、この様式で同時に届け出ます。期限は雇入れ日の属する月の翌月10日までです。退職時も同様に、雇用保険の資格喪失届で届出を行います。

雇用保険に加入しない場合

「外国人雇用状況届出書」という専用の様式を使います。期限は雇入れ・退職ともに翌月末日までです。アルバイトの期間が短期の場合は、雇入れと退職をまとめて届け出ることもできます。

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況の届出」について

外国人留学生のアルバイトは週28時間を厳守

留学生は資格外活動許可を得れば週28時間以内でアルバイトができますが、この時間管理には注意が必要です。

28時間は残業も含めた実労働時間

週28時間というのは、残業時間も含めた実際に働いた時間を指します。月曜から日曜までという区切りではなく、どの曜日から数えても28時間以下でなければなりません。28時間を超えて働かせると不法就労になってしまうため、厳格な時間管理が求められます。

複数の職場で働く場合は合計時間に注意

留学生が複数の企業で働く場合、その合計が28時間以下になるよう管理する必要があります。自社以外でも働いている場合は、事前に相談してもらうよう伝えておきましょう。

長期休暇期間は1日8時間・週40時間まで可能です。ただし休学や退学の場合、資格外活動許可は無効になります。

外国人を10人以上雇用する場合は責任者の選任が必要

外国人を常時10人以上雇用する企業は、雇用管理の改善に関する責任者を選任する必要があります。厚生労働省が開催する無料の講習では、日本人の雇用との違いを学べます。

参考:外国人労働者雇用労務責任者講習ホームページ

「チケットレストラン」が外国人労働者の定着をサポート

言葉や文化が異なる外国人労働者の定着には、従業員同士のコミュニケーションを促す福利厚生の充実が効果的です。

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、専用のICカードによるタッチ(iD)決済が便利な食事補助の福利厚生サービスです。外国人従業員も専用ICカードを出すだけで簡単に会計を済ませられ、その上“ランチ代が実質半額になる”と高評価を得ています。

日免オートシステム株式会社は、技能実習生・特定技能の受け入れを促進する中で、2023年9月より「チケットレストラン」を導入しました。外国人従業員のみならず、高齢の従業員を含む幅広い層から「評判が良い」と高評価を得ています。

日免オートシステム株式会社の導入効果:

  • 幅広い年齢層や外国人の従業員にも好評の新しい福利厚生
  • 従業員の食事内容に余裕ができた
  • 運用が楽で、自由にメニューを選べるので利用率が高い

導入事例:日免オートシステム株式会社

外国人受け入れ体制を整えて人手不足を解消

外国人労働者の受け入れ条件は、在留資格の確認と企業側の体制整備が柱です。在留資格によって就労できる職種や期間が異なるため、自社の業務内容に合った資格を持つ人材を選びましょう。

企業側には、日本人と同等の労働条件の提供、法令遵守、ハローワークへの届出などの義務があります。「チケットレストラン」のような従業員に喜ばれる支援策を組み合わせれば、人手不足解消と組織の国際化を実現できます。

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社会保険労務士 吉川明日香

社労士と民間企業の人事部で働くハイブリッド型社労士。労働者、経営者、人事担当者それぞれの視点から、バランスのとれたサポートを心がけています。子育て世代の生活環境や就業環境の課題を探るために保育士の資格を取得し、特定の専門分野を作らず、給与計算、手続き業務、労務相談、助成金等、幅広く実践的なアドバイスを行っています。
吉川社会保険労務士事務所
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