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離職率改善に貢献する取り組み・アイデアを解説!3つの成功事例も紹介

離職率改善に貢献する取り組み・アイデアを解説!3つの成功事例も紹介

2024.01.03

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離職率はその企業で安心して働けるかを把握するための指標になります。離職率が高いと、安心して働けない要素があると判断されるでしょう。

この記事では、離職率改善をテーマに、離職率が高い理由や離職につながる要因を解説していきます。成功事例などを参考に、自社に適した離職率改善施策を探してみてください。

離職率改善が重視される4つの理由

はじめに、離職率改善が重要視される理由を押さえましょう。

1.人材確保が難しい

総務省の2022年「労働力調査(基本集計)」によると、2022年の日本の労働力人口は平均で6,902万人で前年よりも5万人減少しています。また、2017年みずほ総合研究所の調査では、40年後には少子高齢化の影響で、労働力人口は4割減ると予測されました。労働人口減少により、人材確保が難しくなると考えられます。

出典:総務省「労働力調査(基本集計)

出典:みずほ総合研究所「2017年みずほ総合研究所の調査

2.転職者が増加

株式会社マイナビによる2023年度(2022年実績)「転職動向調査」では、2022年の正社員転職率は7.6%で、2016年以降もっとも高い水準を記録したそうです。転職へのハードルは下がっています。転職者の増加により、人材の流出が企業の課題として強調されるようになりました。

出典:株式会社マイナビ2023年度(2022年実績)「転職動向調査

3.採用者の離職率が高い

厚生労働省「新規学卒者の離職状況についての統計」によると、2019年の新卒者の3年以内離職率は高卒で35.9%、大卒で31.5%です。1990年代後半から、大卒者の3年以内離職率が約3割という状況が続いています。

出典:厚生労働省「新規学卒者の離職状況についての統計

4.定着率は人事管理評価の課題

人事管理評価の指標のひとつが定着率です。企業によっては、部下の定着率が管理職の評価に直結するなど、シビアな場合もあります。リテンション活動(企業が従業員の定着率を上げ人材の流出を防ぐために行う施策)に精力を注いでいる企業も増えています。

離職率が高い業界

業種により、離職率が異なります。ここからは離職率が高い業界について、引き続き厚生労働省「新規学卒者の離職状況についての統計」をもとに見ていきましょう。

新規学卒就職者の離職状況大卒(平成 31 年3月卒業者)では、以下の業界別順位となりました。

  • 1位:飲食サービス業界・宿泊業界…離職率49.7%
  • 2位:娯楽業界・生活関連サービス業界…離職率47.4%
  • 3位:教育・学習支援業界…離職率45.5%
  • 4位:医療福祉業界…離職率38.6%
  • 5位:小売業界…離職率36.1%

飲食サービス業界・宿泊業界は新卒者の約半数が離職しています。ほぼ同率で2位の娯楽業界・生活関連サービス業界が続きます。1位のホテル業界(ホテルスタッフなど)、2位の美容理容業界(美容師など)、2位のサービス業界(コールセンターなど)は、勤務時間が不規則、労働への対価が感じにくいといった理由で辞める人が後を断ちません。3位の教育・学習支援(塾講師など)では、長時間労働が常態化しやすい問題があるようです。

出典:厚生労働省「新規学卒者の離職状況についての統計

離職が招く3つのリスク

企業が従業員の離職で被るリスクについて、3つのポイントで解説していきます。

1.人材流出

離職のリスクでまず浮かぶのが人材の流出です。手塩にかけて育てた優秀な人材が流出すれば、企業成長が鈍化することも考えられます。これまで採用や研修などの人材に投じたコストも無駄になる上に、新たな人材を募集するのにも採用コストが必要です。

2.従業員の業務負担が増加

離職者が担当していた業務は、新たな人材に任せるか、残った従業員でカバーすることになります。残った従業員に対して、高い業務負荷をかけることになるでしょう。また、離職者が出ることで、業務へのモチベーションが下がるきっかけになるかもしれません。

3.企業イメージの低下

新卒・転職者の採用で企業のアピールになるのが離職率の低さです。離職率が低いと働きやすい企業というイメージを持たれます。逆に離職率が高いと、なんらかの不満を持った従業員が多く、人材が定着できない原因が潜んでいるなど、企業のマイナスイメージを持たれやすいです。

従業員の離職につながる原因・離職理由

従業員が退職を申し出る際には、必ずなんらかの原因・理由があります。ここからは、従業員が離職するときの原因や離職理由を見ていきましょう。

1.労働条件

給与・待遇などの労働条件への不満は、よくある離職理由です。具体的には、以下のような状況が離職につながります。

  • 長時間労働が続く
  • サービス残業がある
  • 休日が少ない・有給が取れない
  • 給与・賞与が少ない
  • テレワークができない
  • 福利厚生が乏しい

働き方改革やワークライフバランスを重視する風潮は高まっています。魅力的な福利厚生が充実していないことなども、他社と比較して不満につながるようです。

2.人間関係

職場の人間関係でのストレスも、離職理由になります。職場の上司との関係、同僚との関係、顧客との関係などでストレスを抱えていると、その従業員にとって好ましい職場環境とは言えません。

場合によっては、人間関係のストレスに、ハラスメントの要素が含まれている可能性もあるため、企業の義務で対策を講じるべきかどうかも含めて、問題に慎重に向き合う必要があります。

3.仕事への適正

仕事への適性がないと感じることも離職理由となります。以下に紹介するような項目に該当すると、自分にとって適正がない仕事と思う可能性が高いです。

  • スキル不足:仕事のスピードが遅い、上司に頻繁に怒られる
  • 職場の環境:企業の風土と合わない
  • 実績や評価:成果が出せない、評価されない
  • その他:同僚や後輩に抜かれる

4.将来への不安

自身のキャリアへの不安、企業の業績への不安など、将来への不安が強いと退職を考えるきっかけになります。以下のような不安を抱えていないか、面談やアンケートで定期的に確認するのがよいでしょう。

  • 業績が不安定
  • 将来事業が拡大しそうにない
  • やりがいが実感できない
  • スキルアップできていない

離職可能性が高い従業員の5つの特徴

ここで紹介するような兆候がある従業員は、離職する可能性が高いと考えられます。

1.低いモチベーション

離職を視野に入れている従業員のなかには、現職に対してモチベーションが低くなることがあります。業務への関心が薄れると、ミスが増えたり、業務効率が下がったりすることも多いです。

2.希薄な職場内コミュニケーション

業務への関心の低下とともに、職場内コミュニケーションが希薄になり、場合によっては職場内の上司や同僚を遠ざけるような様子が見られるかもしれません。最近、以前に比べて雑談をしなくなった、元気にあいさつをしない、ミーティングで積極的に発言しないなどのサインが重なった場合も、その従業員は離職を考えている可能性が高そうです。

3.仕事を切り上げる行動

転職活動を開始した従業員には、以下のような兆候が見られます。

  • 残業時間が減る
  • 長期プロジェクトへの参画を避ける
  • 引き継ぎマニュアルを作成する

上司や同僚への配慮として、長期プロジェクトへの参画を遠慮する、自発的に引き継ぎマニュアルを作成するなどの行動は、転職活動中の従業員によくある行動です。

4.服装の変化

カジュアルな装いだった従業員が、急にスーツを着用したり、髪色が暗くなったりしたら、面接を意識して服装を変化させたと考えられます。転職活動中の可能性が高いです。

5.遅刻や早退の増加

転職活動が面接段階に進んでいる場合は、面接のために遅刻や早退をする可能性があります。

4つの柱と10のアイデアで従業員の離職率を改善

企業が従業員の離職率改善に向けてできる取り組みについて、具体的なアイデアを見ていきましょう。「現状分析」「待遇の見直し」「教育評価制度の見直し」「働きやすい企業への取り組み」という4つの柱にわけて詳しく解説します。

〜生の声をヒアリングして現状分析〜

従業員の声に耳を傾けると、現状抱えている自社の問題点が見えてきます。

退職者に退職理由を傾聴

退職を希望する従業員にヒアリングすることで、離職につながる原因を分析しましょう。原因がわかれば、自社が取るべき離職防止対策が見えてきます。

従業員に定期的な面談を実施

従業員に定期的な面談を実施し、離職につながりそうな要因があるかどうか、傾聴することが大切です。上司・部下間で行う定期的な面談では、1on1でのミーティングも注目されています。今部下が考えていることや悩みを、公私を問わず気軽に打ち明けられる場が1on1です。面談ではなく対話型のコミュニケーションなので、上司・部下間の信頼関係構築にも役立ちます。

〜処遇の見直し〜

処遇とは、評価に見合った取り扱いをすることです。処遇の見直しは、離職率改善に取り組む上で大事なポイントになります。

人事評価制度の見直し

人事評価により、従業員の処遇が決定します。人事評価が不透明で、従業員の能力・成果・評価が可視化されていないと、処遇が悪いと感じた従業員は不平を持ちます。全従業員が納得できる透明度の高い評価制度を確率するようにしましょう。

給与の見直し

給与や賞与への不満が離職につながることもあります。ただし、給与を決める給与体系は人事評価と密接に関わっており、変更しにくいのも事実です。法改正・組織の再編・企業の設立年数で区切りがよいタイミングであれば、従業員に受け入れてもらいやすいでしょう。

〜教育制度の見直し〜

従業員の教育制度を見直すことで、スキルアップに対する不満を解消できます。

研修制度を充実

社内に研修制度が整っていないと、スキルアップに対しての不満が生じます。従業員のスキルに見合う研修・ワークショップ・社内大学制度などを設け、学びからスキルアップを実感できるよう研修制度を整えましょう。

上司のマネジメントスキルを向上

業務に直結するスキルを習得できる研修だけでなく、マネジメントスキルの育成ができる研修も導入していきましょう。部下をマネジメントするスキルが上がると、上司部下間のコミュニケーションが円滑になり、人間関係のストレスを抱く従業員の減少につながります。

〜待遇の見直し〜

待遇とは、もともと人をもてなすという意味です。企業の場合は、雇用する側が従業員をどのように取り扱うかを意味します。具体的には、勤務時間・福利厚生などです。待遇がよいと企業に大事にされていると感じられるため、従業員の離職防止につながります。

長時間労働の削減

厚生労働省「時間外労働の上限規制」では、大企業は2019年4月より、中小企業は2020年4月より時間外労働の上限規制をしています。原則月45時間、年360時間の上限を厳守するとともに、上限に達していなくても長時間労働を削減して働き方改革を推進するようにしましょう。

有給休暇消化率を高める

ワークライフバランスを大切にするためにも、有給消化率を高めることが大切です。令和5年5年9月に発表された厚生労働省の報道発表資料では、令和7年までに「年次有給取得率を70%とする」ことを政府の目標に掲げています。令和3年の年次有給取得率実績は58.3%で、過去最高ではあったものの、目標には及びませんでした。企業はこれまで以上に有給取得率を高める工夫を求められています。

参考:令和5年9月厚生労働省報道発表資料「10月は『年次有給休暇取得促進期間』です

職場内コミュニケーション活性化

良好な人間関係を保つためには、職場のコミュニケーションも大切です。従業員間のコミュニケーションが促される職場内交流会やイベントの企画など、企業風土や従業員の雰囲気に馴染む施策を導入しましょう。

福利厚生の充実

福利厚生とは、給与や賞与に上乗せする形で従業員に提供する報酬のことです。法定福利厚生(法律によって企業に義務付けられている)と法定外福利厚生(要件や内容が原則自由)があります。法定外福利厚生は、自由度が高いため、企業の風土にあったものを導入しやすいです。評判がよければ離職防止に貢献してくれるでしょう。

離職率改善につながった取り組み3つの成功事例

ここからは離職率改善につながった成功事例を3つ紹介します。

サイボウズ株式会社|離職率28%から5%に

情報・通信業に属するサイボウズ株式会社は、2005年に離職率28%に達したことを契機に、大々的に離職防止に取り組みました。

  • 2006年:育児・介護休暇制度導入
  • 2010年:ウルトラワーク(在宅勤務制度)導入
  • 2012年:育自分休暇制度(退職後最長6年間は復帰可能)
  • 2012年:副(複)業許可(副業許可)導入
  • 2018年:働き方宣言制度(勤務時間や場所を自ら決める)導入

サイボウズでは、場所や時間よりも、成果や生産性を重視する人事制度を整えました。副業についても、一般的な副業解禁時期である2018年よりもかなり早い2012年から自由化しています。継続的な努力の結果、従業員のワークスタイルが柔軟になり、意欲的に働く従業員が増え、離職率の減少につながったそうです。2005年に28%に達していた離職率は、現在3〜5%に減少し、離職率改善に成功しました。

参考:サイボウズ株式会社「ワークスタイル

株式会社ビースタイル|離職率20%から8%に

総合人材サービス事業を運営する株式会社ビースタイルでは、企業ビジョンを見直し、ビジョンの具現化ために必要な施策として「従業員間のコミュニケーションを活性化」して離職率を低下させました。

  • 感謝の気持ちを表す「バリューズアワード」導入
  • 全従業員が率直な意見を経営陣に伝える日報「全社日報」導入
  • マネージャークラスとランダムな「1on1面談」導入
  • 選択式時短勤務制度

組織のビジョンの浸透・強化を目指すため、従業員間のコミュニケーション方法を細かく設定しました。従業員のやる気やワークライフバランスに配慮した施策も実施しています。その結果、20%の離職率が3年間で8%まで下がったそうです。

参考:瓦版「離職率を劇的改善した企業がしたこととは

日本ナレッジスペース株式会社|福利厚生で離職率を改善

ITソリューションとサービスを提供する日本ナレッジスペース株式会社では、「チケットレストラン」という食事補助を福利厚生に導入し、離職率改善に取り組みました。同社は、従業員の多くがパートナー企業に常駐している関係で、勤務地がバラバラなのが福利厚生導入の課題だったそうです。全従業員に公平な食事補助を提供することは困難と考えていましたが、コンビニやファミレスで利用できるICカード型の食事補助であれば、公平性が保てます。人材の流動が激しいとされるIT業界ですが、従業員に喜ばれる食事補助での福利厚生導入で、離職率改善を実現しました。

参考:導入事例「日本ナレッジスペース株式会社

離職率改善に貢献できる「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、専用のICカードを利用して、全従業員に公平に食事補助を提供できる福利厚生です。全国の提携店舗には、コンビニやファミレスも含まれます。これまで勤務地や労働時間が理由で食事補助を福利厚生に導入できなかった企業でも導入可能です。導入後の従業員満足度は93%と、離職率改善に貢献できる上に、高まる消費者物価指数への対応策「インフレ手当」としても活用できます。「チケットレストラン」を利用した福利厚生の拡充で、離職率を改善し、数値で働きやすさを表しませんか。

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