資料請求 (無料)
English

福利厚生の保養所とは?導入メリット・種類・税務ルール・失敗しない選び方を解説

公開日: 2026.05.13

更新日: 2026.05.13

福利厚生の保養所とは?導入メリット・種類・税務ルール・失敗しない選び方を解説

福利厚生の保養所とは、従業員が宿泊施設を割安で利用できる福利厚生制度です。近年は自社保有型だけでなく、契約型や福利厚生サービス型も広がっています。本記事では、保養所の種類やメリット・デメリット、福利厚生費として計上する条件、導入で失敗しないポイントまで解説します。

福利厚生の保養所とは従業員向けの福利厚生施設

保養所とは、企業が従業員のリフレッシュや健康維持を目的として提供する宿泊施設や宿泊サービスのことです。温泉地やリゾート地に設置されることが多く、従業員は一般料金よりも安価に利用できるのが一般的です。

企業が自社で保養所を所有している場合もあれば、ホテルや旅館と契約して利用権を提供する場合もあります。

単なる宿泊施設というわけではなく、従業員の休暇取得を後押しし、健康支援や家族サービスを支えるのが特徴です。他の制度との組み合わせにより、従業員の心身の健康や家庭と仕事の両立などにつながっています。

また近年では、研修施設やワーケーション拠点として、保養所を活用するケースもあるようです。

福利厚生における保養所の種類

福利厚生としての保養所には、主に4つの種類があります。

保養所の種類

コスト

導入しやすさ

利用しやすさ

向いている企業

自社保有型

大企業

契約型

中堅~中小

会員制リゾート型

ブランディングを重視する企業

福利厚生サービス型

中小企業

企業規模や予算、従業員のニーズによって最適な形態が異なるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。

自社保有型の保養所

自社保有型は、企業が土地・建物を所有し、独自に運営するタイプの保養所です。施設の設計から利用ルールまで自由に決められるため、企業文化を反映しやすいメリットがあります。大企業を中心に長年使われてきた形態です。

ただし、維持管理コストが大きな負担になりやすい点はデメリットといえます。修繕費・固定資産税・人件費など継続的な支出が発生し、利用率が低い場合には費用対効果が悪化しかねません。

契約型の保養所

契約保養所は、ホテルや旅館と法人契約を結び、従業員が優待価格で利用できるようにする制度です。自社で施設を持つ必要がないため、初期費用や維持コストを大幅に抑えられます。

コストや維持管理の手間の面から、中小企業でも導入しやすく、柔軟性の高い福利厚生といえるでしょう。

会員制リゾート型の保養所

会員制リゾートを福利厚生として導入する企業もあります。高級感があり、採用ブランディングにつながるケースもある方法です。

ただし、利用者が一部の従業員に偏りやすい点には注意が必要です。利用頻度が少ない場合、コスト負担に対する不公平感が生まれることもあります。

福利厚生サービス型の保養所

宿泊施設を優待価格で利用できるサービスを提供している福利厚生サービスを契約する方法もあります。福利厚生サービス型では、保養所の他に、レジャー・飲食・育児・健康支援など幅広い福利厚生を利用可能なタイプも少なくありません。

従業員が自分のライフスタイルに合うサービスを選んで利用できるため、保養所を使わない従業員がいても不公平感につながりにくいのが特徴です。コストを抑えやすく中小企業でも導入しやすいことから注目されています。

福利厚生として保養所を導入するメリット

保養所を導入することには複数のメリットがあります。ここでは代表的な4つのメリットを見ていきましょう。

従業員満足度の向上につながる

保養所は、宿泊費の自己負担を軽減して休日を満喫できる環境を整えることで、従業員のリフレッシュを後押しする制度です。休暇の取得を促すことにもつながるため、ワークライフバランスの改善にも効果が期待できます。

仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなることで、従業員満足度の向上も可能です。

関連記事:従業員満足度が向上する福利厚生は?高くなるメリットや取り組み事例も

採用・定着強化につながる

マイナビキャリアリサーチLabの「2025年卒大学生活動実態調査 (4月)」によると、大手企業の選考参加の決め手として「福利厚生が手厚い」を挙げた学生は51.5%に上り、63.4%の学生が給与・仕事内容と同程度に福利厚生を重視しているという結果が出ています。

このような調査結果から、保養所を利用できる制度の整備は、企業イメージの向上につながり、採用にプラスに働くといえるでしょう。従業員エンゲージメントの向上から、離職防止の効果も期待できます。

参考:マイナビキャリアサーチLab|2025年卒大学生活動実態調査 (4月)

社内コミュニケーション活性化につながる

保養所は、単なる宿泊施設ではなく社内交流の場としても活用可能です。保養所を利用して研修や懇親会、部署をまたいだイベントなどを開催することで、社内コミュニケーションの活性化につながります。

関連記事:【社内コミュニケーション促進】企業の成功事例や重要性を紹介

福利厚生費として計上できる可能性がある

一定の条件を満たせば、保養所にかかる費用は福利厚生費として計上できます。ただし、利用できる従業員が限定されている場合や、運用方法によっては認められないケースもあるため注意が必要です。

福利厚生として保養所を導入するデメリット

メリットがある一方で、保養所にはデメリットもあります。導入を検討するときには、デメリットも把握しておきましょう。

維持費・運営コストがかかる

自社保有型の保養所では、維持管理コストがかかります。建物の修繕費や清掃費、固定資産税、スタッフの人件費など、施設を持ち続ける限りコストが発生する点に注意しましょう。コストを抑えやすいその他の方法でも、定期的に費用を支払わなければいけません。

利用率が低い場合には、期待した効果を得られないままコストだけ支払っているという状況に陥ることもあるでしょう。

利用者が偏りやすい

保養所は、使える従業員が偏りやすい福利厚生でもあります。例えば、子育て世帯と独身の従業員では利用頻度に差が出やすいでしょう。利用頻度が低い従業員が、不公平だと感じることもあります。

利用率が低いと費用対効果が悪化する

保養所を導入しても、利用率が低いと期待する効果は得られません。コストばかりがかかる、費用対効果の低い、あるばかりの制度となってしまう恐れもあります。

導入した保養所の利用率を高めるには、制度の周知や使い方のアナウンスが必要です。夏季休暇や年末年始休暇に合わせて使い方を知らせるといった方法で、利用率の改善を図るとよいでしょう。

保養所の費用を福利厚生費として計上する条件

保養所の導入や運用にかかる費用を福利厚生費として計上するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 施設の利用で受けられる利益が社会通念上妥当な金額である
  • 利用できる従業員や役員などに制限がなく、全員が利用できる

費用を福利厚生費とするときには、保養所を利用するときに従業員が負担する金額の設定に注意が必要です。負担額が著しく低い場合には、社会通念上妥当な金額と認められず、福利厚生費にならないかもしれません。

また、利用できるのが役員限定である場合や、一部の従業員に限られている場合には、保養所として運用していても費用が福利厚生費にならない可能性があります。

福利厚生費として計上できるかどうかは実態で判断されるため、名目が福利厚生の保養所であっても、条件を満たさない場合には福利厚生費として計上できません。

税務調査で問題視されやすいポイント

税務トラブルを防ぐためには、運用のルールを事前に整えておくことが重要です。整理した運用ルールは、福利厚生規程として文書化しておきます。また、誰がいつ利用したかも記録に残しておかなければいけません。

特に自社保有型の保養所では、私的利用との線引きが曖昧になりやすいため注意が必要です。適切に計上するには、専門家である税理士へ確認するとよいでしょう。

関連記事:【社労士監修】福利厚生規定とは?必要な理由・記載項目・制度別作成ポイントを解説

【福利厚生トレンド】導入しやすい"持たない保養所"がおすすめ

保養所はコストや手間がかかる自社保有から、契約型や福利厚生サービス型へのシフトが進んでいます。その背景と、従業員ニーズの変化を見ていきましょう。

自社保有型が減った背景

高度経済成長期には、保養所といえば保有型でした。しかしバブル崩壊後は、採算の取れない保養所を売却する動きが進み、保養所自体が減少しています。

また、ベター・プレイスの「福利厚生制度に関するアンケート」によると、保養所は「不要だと思う福利厚生」に関する調査で上位にランクインしています。

維持管理にコストや手間がかかること、従業員が望んでいないことなどから、保有型の福利厚生は減少しました。

参考:ベター・プレイス|【福利厚生制度に関するアンケート】従業員数300名未満の企業で、導入率が低い福利厚生は「企業年金・iDeCo+」、「カフェテリアプラン」

従業員ニーズは「利用しやすさ」重視へ変化している

従業員が求める福利厚生は、日常的に利用しやすい暮らしをサポートする制度です。保有型の保養所が全盛期だった時代のような、豪華な制度ではなく、日々の暮らしに役立つものが求められています。

労働政策研究・研修機構の実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、従業員の利用率が高い福利厚生は、以下のように食事や健康に関する制度が上位になっています。

福利厚生

利用率

食堂

58.9%

食事手当

53.4%

社員旅行の実施、補助

47.3%

診療所、健康管理センター等医療施設

43.4%

運動会等のレクリエーション活動の実施

39.3%

社内預金制度

39.5%

外部飲食店で利用できる食券等の配布

38.4%

ノー残業デー等の設置

38.1%

人間ドック受診の補助

37.6%

有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など)

37.4%

加えて、保有型の福利厚生では、従業員が「行きたい」と思った場所には施設がなく利用できない可能性があります。また利用が長期休暇に重なりやすいため、使いたくても使えない従業員が出てくることもあるでしょう。

より自由に利用しやすい、契約型や福利厚生サービス型の保養所の方が、従業員のニーズに合致していると考えられます。

参考:労働政策研究・研修機構|企業における福利厚生施策の実態に関する調査

施設優待のあるカフェテリアプランなら公平に利用しやすい

福利厚生サービスの1つにカフェテリアプランがあります。従業員は付与されたポイントを使って、豊富なメニューの中から利用したいものを選び、自由にサービスを受けられる福利厚生です。

このメニューの中に、ホテルや旅館などの宿泊施設の優待があるプランを選べば、従業員の自由度はより高まります。保養所を利用したい従業員はメニューから宿泊したい施設を選べますし、他のメニューを利用したい従業員はそちらを選んでも構いません。

従業員が自分のライフスタイルに合わせて柔軟に利用するメニューを選べるため、従業員の利用率が高まることも期待できます。

関連記事:カフェテリアプランとは?メリット・デメリットと費用をわかりやすく説明

中小企業は福利厚生サービス活用が現実的

中小企業が保養所を導入する場合には、カフェテリアプランを含む福利厚生サービスを活用するのが現実的です。

帝国データバンクが実施した「福利厚生に関する企業の実態調査」によると、「福利厚生を充実させる予定」と回答した企業の割合は、以下の通り企業規模が小さくなるほど低くなっています。

企業規模

福利厚生を充実させる予定と回答した企業の割合

全体

47.6%

大企業

57.9%

中小企業

45.8%

中小企業のうち小規模企業

38.5%

福利厚生を充実させたいものの、資金に余裕がないことから「難しい」と考える中小企業が多いことが分かりました。

このような中で、中小企業が福利厚生を充実させるには、福利厚生サービスの活用が有効です。保養所であれば、自社で所有すると、取得にはもちろん維持管理や固定資産税などのコストがかかります。

一方、福利厚生サービスであれば、従業員1人あたり月数百円ほどで導入できるものもあります。コストも手間も抑えやすい方法です。

参考:帝国データバンク|福利厚生に関する企業の実態調査

福利厚生の保養所導入で失敗しないポイント

保養所は、設計と運用の仕方によって成果に差が出ます。導入を検討する際に押さえておきたい3つのポイントをチェックしましょう。

所有しない保養所を検討する

現在は、保養所を持たない形態が多くなっています。コストや手間がかかる保有型の保養所を前提として検討するのではなく、契約型や福利厚生サービス型も含めて比較検討することで、自社に合う形態で保養所を導入可能です。

従業員ニーズを事前調査する

福利厚生は、従業員のニーズに合っていなければ利用されません。若手・子育て世帯・リモートワーカーなど、属性によって求める制度は異なります。導入前にアンケートを実施して自社で「本当に使われる制度か」を確認することも必要です。

利用率を定期的に分析する

福利厚生は利用率や満足度を定期的に分析し、必要に応じて改善していくと、従業員が利用しやすい制度になっていきます。使われていない制度を維持していても、コストと手間がかかるばかりで効果は期待できません。

制度の数ではなく、実際にどれだけ使われているかが重要です。

保養所に関するよくある質問

福利厚生の保養所について、よくある質問もチェックしておきましょう。

Q. 福利厚生の保養所は福利厚生費として計上できますか?

一定の条件を満たせば可能です。全従業員を対象にしていること、補助額が社会通念上妥当な範囲であれば、福利厚生費として計上できます。

Q. 中小企業でも保養所は導入できますか?

導入できます。近年は契約型の保養所や福利厚生サービス型の保養所が広がっており、初期費用を抑えながら導入可能です。

Q. 契約型の保養所とは何ですか?

ホテルや旅館と法人契約を結び、従業員が優待価格で利用できるようにする仕組みです。自社施設を持たずに保養所制度を提供できます。

Q. 福利厚生で重要なのは何ですか?

制度の数より利用率が重要です。従業員ニーズに合った、誰でも使いやすい制度設計により、期待した効果につながりやすくなります。

これからの福利厚生は利用されることが重要

保養所は、従業員のリフレッシュやワークライフバランスの向上につながる福利厚生です。一方で、近年は維持コストの高さや利用率の低下から、自社保有型ではなく契約型や福利厚生サービス型へとシフトが進んでいます。これからの福利厚生では、制度の豪華さよりも実際に利用されるかが重要です。

特に中小企業では、コストや運用負担を抑えながら、従業員満足度を高められる制度設計が求められています。宿泊施設だけでなく、日常的に利用しやすい食事補助などを組み合わせることで、福利厚生の利用率向上にもつながるでしょう。

福利厚生の見直しを検討している場合には、エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」もおすすめです。条件を満たして導入することで、所得税の非課税枠を活用した実質的な手取りアップにもつながります。

資料請求はこちら

当サイトにおけるニュース、データ及びその他の情報などのコンテンツは一般的な情報提供を目的にしており、特定のお客様のニーズへの対応もしくは特定のサービスの優遇的な措置を保証するものではありません。当コンテンツは信頼できると思われる情報に基づいて作成されておりますが、当社はその正確性、適時性、適切性または完全性を表明または保証するものではなく、お客様による当サイトのコンテンツの利用等に関して生じうるいかなる損害についても責任を負いません。

エデンレッドジャパンブログ編集部

福利厚生に関する情報を日々、ウォッチしながらお役に立ちそうなトピックで記事を制作しています。各メンバーの持ち寄ったトピックに対する思い入れが強く、編集会議が紛糾することも・・・今日も明日も書き続けます!

最新記事はSNSから確認していただけます
トップへ戻る