法定外福利厚生とは、企業が任意で導入できる独自の福利厚生制度です。住宅手当、食事補助、育児支援など、種類は多岐にわたり、従業員のニーズに合わせて柔軟に設計できるのが特徴です。特に、食事補助の非課税枠が3,500円から7,500円に拡大される予定のため、導入を検討する企業が増加しています。
本記事では、法定外福利厚生の基本から種類、費用相場、導入のメリットと注意点までわかりやすく解説します。
法定福利厚生と法定外福利厚生の違い
福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類に分けられます。適切な制度設計のために、違いを理解することが大切です。
法定福利厚生とは
法定福利厚生は、法律で企業に義務付けられている福利厚生です。以下の6種類があります。
| 法定福利厚生の種類 | 概要 | 費用負担 |
| 健康保険 | 公的な医療保険料。 | 労使折半(企業と従業員が半分ずつ負担) |
| 介護保険 | 介護が必要な高齢者を支援するための保険料で、40〜64歳までの健康保険の加入者が支払う。 | 労使折半(企業と従業員が半分ずつ負担) |
| 厚生年金保険 | 老後の生活を支えるための保険料で、公的年金の一つ。 | 労使折半(企業と従業員が半分ずつ負担) |
| 雇用保険 | 失業時や育児休業時など、労働者が不測の事態に陥った際に、失業給付や育児休業給付といった形で生活を支える労働保険の一つ。 | 労使で負担するが、企業負担の方が多い(厚生労働省サイトを参照) |
| 労災保険 | 業務上や通勤中の事故・災害による負傷、または業務に起因する疾病に対し、補償を行うための保険料。 | 全額企業負担 |
| 子ども・子育て拠出金 | 児童手当の財源や、仕事と子育ての両立支援事業に使われる税金。 | 全額企業負担 |
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法定外福利厚生とは
法定外福利厚生は、企業が独自に設計できる、法律で義務付けられていない福利厚生制度です。従業員のニーズや企業の経営戦略に合わせて柔軟に導入できます、
主な目的は、以下の通りです。
- 従業員の生活支援:住宅手当、食事補助など
- 健康増進:人間ドック補助、ジム利用補助など
- 能力開発:資格取得支援、研修費用補助など
- ワークライフバランス推進:独自の休暇制度、育児・介護支援など
法定外福利厚生の主な種類
法定外福利厚生は10の分類に整理できます。それぞれの特徴と制度例を紹介します。
1.住宅補助
住宅補助は、住まいに関するサポートをする法定外福利厚生です。生活費の中でも住居費の負担は大きく、従業員のニーズが高い制度です。
主な制度例:
- 住宅手当(家賃補助)
- 社宅の貸与
- 社員寮の整備
- 住宅ローン補助
- 引越し費用補助
2.食事補助
食事補助は毎日の出費をサポートできることから、従業員が恩恵を実感しやすい制度です。2025年度の「税制改正の大綱」では、食事補助の非課税枠を現行の3,500円から7,500円に引き上げる方針が示されており、今後さらに注目が集まる分野です。
主な制度例:
- 食事手当の支給
- 社員食堂の設置
- 弁当販売
- 食事補助サービス
- 食事・お菓子・飲み物の提供
関連記事:【2026年版】食事補助とは?福利厚生に導入するメリットと支給の流れ
3.健康・医療
従業員の健康維持は企業の生産性向上に直結します。心身の健康維持は離職防止にもつながるため、多くの企業が注力する分野です。
主な制度例:
- 人間ドック費用補助
- ジム施設の利用補助
- メンタルヘルスケア
- 健康相談窓口の設置
4.育児・介護支援
育児や介護との両立支援により、ライフステージの変化に柔軟に対応できる制度を整えることで、従業員が長く働ける職場環境を整えられます。法的にも育児・介護をサポートする制度が見直されていますが、それを上回る制度を設ける企業も少なくありません。
主な制度例:
- 託児所の設置
- ベビーシッター費用補助
- 家事代行の利用補助
- 育児・介護休業の延長制度
- 短時間勤務制度
5.自己啓発・スキルアップ
従業員のスキルが上がると、企業全体の仕事の効率が上がり、企業の競争力も高まります。
主な制度例:
- 資格取得費用補助
- 外部研修参加費用補助
- 書籍購入費補助
- eラーニング費用補助
6.休暇制度
法定の年次有給休暇以外に独自の休暇制度を設けることで、ワークライフバランスの充実や心身のリフレッシュに貢献します。
主な制度例:
- リフレッシュ休暇
- アニバーサリー休暇
- ボランティア休暇
- 夏季・冬季休暇
- 生理休暇
- 妊娠・出産・介護等に関する特別休暇
7.通勤支援
通勤制度は、従業員の経済的な負担を軽減する福利厚生です。遠方からの通勤者や求職者の確保の面でよい効果が期待できます。
主な制度例:
- 電車やバスの通勤定期代
- マイカー通勤のガソリン代・駐車場代補助
- 自転車通勤の補助
8.慶弔・災害支援
慶弔や災害支援は、従業員とその家族に慶弔や災害があった際、金銭的な支援を行う福利厚生です。家族を大切にする姿勢を示し、従業員エンゲージメントの向上を図ります。
主な制度例:
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
- 弔慰金
- 災害見舞金
9.財産形成
従業員の長期的な資産形成をサポートするための福利厚生制度です。企業が貯蓄・資産運用を支援することで、従業員が安心して働き続けられるように生活基盤の安定を図ります。
主な制度例:
- 財形貯蓄制度
- 社内預金制度
- 持株会制度
- ストックオプション制度
- 確定拠出年金
- 資産運用に関するセミナー・相談会の開催
10.レクリエーション
レクリエーション活動は組織の活性化やリフレッシュを促し、従業員同士のコミュニケーション活性化や息抜きの機会を提供します。
主な制度例:
- 社員旅行
- 歓送迎会・懇親会費用補助
- 部活・サークル活動支援
- レジャー施設利用支援
人気の法定外福利厚生ランキング
法定外福利厚生を充実させるにあたっては、特に従業員からのニーズが高い、人気の制度に焦点を当てると効果的です。
ここでは、第一生命が全国の会社員(社員500名以下の企業)を対象に実施した調査結果から、従業員が「あって良かった」と感じる福利厚生制度をランキング形式で紹介します。
人気の福利厚生制度総合ランキング TOP10
| 順位 | 福利厚生制度 | 満足度 |
| 1位 | 退職金制度 | 32.4% |
| 2位 | 家賃補助や住宅手当の支給 | 27.4% |
| 3位 | 特別休暇(リフレッシュ休暇・ボランティア休暇など) | 16.6% |
| 4位 | 保養所やレクリエーション施設などの優待補助 | 9.9% |
| 5位 | 外部飲食店で利用できる食券などの配布 | 7.7% |
| 6位 | 運動会などレクリエーション活動の実施 | 5.7% |
| 7位 | 社員持株会 | 5.7% |
| 8位 | 治療や介護、育児などと仕事の両立 | 5.3% |
| 9位 | メンタルヘルス相談 | 4.7% |
| 10位 | 社外の自己啓発サービスの提供・経費補助 | 4.4% |
出典:第一生命|イチラボ|2025年の福利厚生制度ランキング!社員が選んだ人気の制度を発表!
最も支持を集めたのは「退職金制度」(32.4%)です。退職後の経済的な安心を重視する、将来への備えを考える従業員の傾向が伺えます。
2位は「家賃補助や住宅手当」(27.4%)です。住宅関連の費用は毎月の生活費に直結するため、企業が優秀な人材を惹きつけるための重要な要素となっています。
3位は「特別休暇」(16.6%)です。有給休暇とは別の柔軟な休暇制度が、仕事と私生活のバランスを大切にする現代の働き方の価値観に合致し、従業員満足度を高めると考えられます。
全体として、従業員は「経済的な安定」と「質の高い働き方」の両方を福利厚生に求めていることがわかります。
在職者の求める法定外福利厚生制度ランキング
在職者に絞って企業に望む福利厚生制度を聞くと、「特別休暇」と「家賃補助・住宅手当」への要望が高いことが判明しました。
在職者の求める福利厚生制度ランキング
| 順位 | 福利厚生制度 | 希望度 |
| 1位 | 特別休暇(リフレッシュ休暇、ボランティア休暇など) | 26.0% |
| 2位 | 家賃補助や住宅手当の支給 | 25.4% |
| 3位 | 定年退職後の医療保障 | 18.1% |
| 4位 | 退職金制度 | 16.1% |
| 5位 | 保養所やレクリエーション施設などの優待利用 | 15.8% |
| 6位 | 外部飲食店で利用できる食券などの配布 | 14.9% |
| 7位 | 社外の自己啓発サービスの提供・経費補助 | 12.8% |
| 8位 | 治療や介護、育児などと仕事の両立支援 | 11.6% |
| 9位 | 社員持株会 | 8.8% |
| 10位 | 中途退職者へのフォロー(カムバック制度や定期的な情報交換など) | 7.4% |
出典:第一生命|イチラボ|2025年の福利厚生制度ランキング!社員が選んだ人気の制度を発表!
1位の「特別休暇」(26.0%)は、従業員のワークライフバランスを重視する傾向を反映しており、リフレッシュやプライベートの充実を目的とした柔軟な休暇制度の導入が求められています。企業には、有給休暇とは別の特別休暇制度の整備と、取得しやすい職場環境の整備が期待されます。
2位の「家賃補助や住宅手当の支給」(25.4%)は、物価高騰による住宅費負担の増加に対する現実的な支援のニーズを示すものです。企業が地域の実情に合わせた住宅手当の拡充などを検討することで、従業員の生活支援と満足度向上につながります。
3位の「定年退職後の医療保障」(18.1%)は、将来への不安を軽減したいという安心志向の表れです。高齢化社会における従業員の満足度を維持することに貢献します。
企業は「休暇制度の充実」と「生活負担の支援」を重点的に進めることで、従業員の働きやすさと満足度を高められると考えられます。
ユニークな法定外福利厚生の事例
福利厚生は、企業が何を重視しているのかを表現するツールとしても機能します。独自性を打ち出し、採用活動で注目を集めるユニークな法定外福利厚生をピックアップして表にまとめて紹介します。
| 大まかな分類 | 制度内容 |
| ライフイベント支援 |
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| 働き方支援 |
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| 自己成長:学習支援 |
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| 趣味・娯楽 |
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| 生活サポート |
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| 女性サポート |
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| ペット関連 |
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これらのユニークな制度は、企業文化や価値観を反映し、求職者へのアピールポイントになります。
関連記事:【令和の面白い福利厚生40選】ユニークな制度で採用力アップ◎
ユニークな法定外福利厚生が充実している企業を紹介
ユニークな法定外福利厚生を複数導入して、企業のカラーをアピールしているケースもあります。聞くだけでワクワクするような福利厚生もあり、以下で詳しく見ていきましょう。
サイブリッジ
IT企業であるサイブリッジの、アイデアが光るユニークな法定外福利厚生を紹介します。
働き方支援:
- リブートタイム制度:14時〜19時の間で1日1回15分の必須休憩。昼寝やゲーム、散歩など自由に過ごせる
- 水曜強制帰宅ルール:水曜は19時に全員強制帰宅
- 2駅ルール:会社から2駅以内に住むと家賃補助月2万円
休暇やお祝い:
- ハッピーバースデー制度:本人・配偶者・子供の誕生日は17時帰宅可能
- 10月1日都民の日休日:都民の日は休日となり、子供と過ごす時間を提供
- 出産祝い金:第一子でも健康保険給付と合わせて60万円受け取れる
コミュニケーション支援:
- サンクスカード制度:「ありがとう」を星型ポストイットで伝え合い、毎週金曜に獲得数1位を発表
- ランダムランチ:部署横断でランダムにチームを組んでランチ
- 社内部活制度:5人以上で公式部活を作れる。活動実績で会社から補助あり
社内環境整備:
- かき氷食べ放題:業務用かき氷機を設置
- 社内通貨「cbri(シブリ)」:ちょっとした立て替えに使える社内通貨
- 健康維持促進手当:禁煙継続で月額5,000円支給
- サイブリッジフリーマーケット:購入した備品を廃棄前に欲しい人に企業内フリーマーケットで提供
サイブリッジの事例からわかるのは、「かき氷食べ放題」や「サンクスカード制度」のように、アイデア次第で低コストでもユニークな制度を導入できることです。ユニークな福利厚生を複数組み合わせることで、企業文化を体現しながら従業員エンゲージメントを高められます。
GRUST
続いて「時代やニーズに合わせて制度を見直す」ことを掲げるGRUSTのユニークな法定外福利厚生を紹介します。
コミュニケーション支援:
- パワーランチ:ランチ代支給で、従業員間の交流を企業が支援
- エナジーディナー:話を聞く、お祝いなど終業後の従業員間の交流を企業が支援
- アクティブサポート:5名以上の課外活動を積極的に支援
- グラストアパレル:オリジナルのアパレルグッズを作成し、無償で従業員に提供し団結力アップを目指す。Tシャツ・パーカー・マスク・ノートなどを定期的に作成
ウェルネス(健康・リフレッシュ):
- アスリートエントリー:スポーツ大会の参加料金を企業が全額サポート
- シングルサポート制度:独身従業員を食で支援。上限金額内で好きな飲食物を購入可能
- リブート:仮眠を推奨・支援
- サカツ(サウナ活用支援):サウナ活動を支援し、メンバー同志で行くことも可
- アメニティ:職場環境を快適にするアメニティ(マウスウォッシュ・リップクリーム・女性はストッキングなど)を提供
スキルアップ・ステップアップ支援:
- グライブラリー:書籍購入など学習を支援
- リモートワーク支援制度:リモートワーク環境を整備すべく、デスク・椅子・プリンだーなどをサポート
- リファラル友人紹介支援制度:友人紹介による採用を推奨。紹介者には報奨金あり
- グラサロン:身だしなみのスタイリングを支援し、社内のヘアカット実施やネイルサロンとの提携割引あり
ライフイベント支援:
- ラブアタック:プロポーズのための特別休暇
- ブロークンハート失恋休暇:失恋時の特別休暇(最大5営業日)
- ママサポート制度:産休・育休制度の取得スケジュールを綿密共有し、フレキシブルな働き方も容認
- 転居サポート:引越しを支援。提携不動産会社の賃貸では仲介手数料無料など
GRUSTの福利厚生は、「プロポーズ休暇」や「失恋休暇」「サウナ活動支援」など、従業員の人生やプライベートに寄り添うユニークな制度が豊富です。形にとらわれない柔軟な発想で、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくりを目指しています。
出典:GURST|ワークスタイル | GURST(グラスト)採用サイト
法定外福利厚生の費用相場
法定外福利厚生の導入を検討する際、費用は重要な判断材料です。拡充するのか、それとも見直すべきかを検討する際にも相場感が参考になります。
従業員1人あたりの平均月額
厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」によると、法定外福利厚生費は従業員1人あたり月額約4,882円(年間約5〜6万円)です。
企業規模別の平均額
企業規模が大きいほど、福利厚生費の支出額も多い傾向があります。
- 1,000人以上の大企業:月額約5,500円(5,639円)
- 300〜999人の中堅企業:月額約4,500円(4,567円)
- 100〜299人の中小企業:月額約4,500円(4,546円)
- 30〜99人の小規模企業:月額約4,500円(4,414円)
費用の内訳平均
住宅関連が最も大きな割合を占め、次いで医療・健康、食事補助が続きます。
- 住宅関連:約50%
- 医療・健康:約15%
- 食事補助:約10%
- レクリエーション:約3〜4%
- その他(私的保険制度・労災付加給付費用・慶弔見舞等):約20%
法定福利費の相場(参考)
法定福利費は法律で義務付けられた社会保険料等の企業負担分であり、企業規模や業種を問わず必要です。厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査」では、従業員1人あたりの月額平均は50,283円と報告されています。
主な内訳を見ると、大部分は健康保険・年金・労働保険などの社会保険料が占めます。
- 厚生年金保険料:27,905円(構成割合は約55%)
- 健康保険料・介護保険料:17,496円(同約35%)
- 労働保険料:3,695円(同約7%)
- 子ども・子育て拠出金:987円(同約23%)
- その他の法定福利費:98円(同0.2%)
法定外福利厚生を導入するメリット
法定外福利厚生を導入することで、企業は以下のメリットを得られます。
採用力の強化
求職者が企業を選ぶ際、給与水準と並んで福利厚生の充実度が判断材料になります。魅力的な制度は、他社との差別化につながり、優秀な人材の獲得に有利に働きます。
従業員の定着率向上
福利厚生が充実していると、従業員の満足度が高まり、ここで長く働き続けたいという意欲が生まれます。離職率の低下は、採用コストや教育コストの削減にもつながります。
生産性とモチベーションの向上
働きやすい環境が整うことで、従業員のモチベーションが高まり、業務効率や生産性の向上につながります。健康支援や育児・介護との両立支援により、ライフサイクルが変化しても、従業員が安心して働ける環境を提供できます。
企業ブランドの向上
福利厚生に力を入れる企業は、「従業員を大切にしている」というメッセージを社会に発信することができます。その結果、企業の対外的な評価が高まり、企業のイメージがアップ。採用活動での応募者増加につながるだけでなく、取引先や顧客からの信頼獲得にも貢献します。
福利厚生費として非課税扱い
国税庁が定めた要件を満たすと、法定外福利厚生の中には非課税扱いとなる制度があります。住宅補助、食事補助、健康診断、社員旅行などが代表的です。この場合、従業員には非課税、企業は経費計上ができるため、両方に非課税の効果が及びます。
関連記事:【税理士監修】福利厚生費に所得税はかかる?課税・非課税の判断基準
法定外福利厚生導入時の注意点・デメリット
法定外福利厚生にはメリットがある一方で、導入時には以下の点に注意が必要です。
コスト負担と運用の手間
導入や維持にはコストがかかり、管理上の負担も発生します。そのため、費用対効果を十分に考慮した制度設計が不可欠です。特に中小企業など予算が限られている場合は、優先順位をつけて導入を進める必要があります。
不利益変更のリスク
一度導入した制度を廃止・縮小すると、労働契約法上のトラブルにつながる可能性があります。経営環境の変化を理由に制度を見直す場合でも、従業員との合意形成や代替案の提示など、慎重な対応が求められます。
関連記事:【社労士監修】「福利厚生をなくす」場合は不利益変更に注意!そのステップを解説
公平性の確保
福利厚生として認められるためには、特定の従業員だけでなく、全従業員が公平に利用できる制度でなければなりません。役員や特定の役職者など、対象者が限定されている制度は、給与とみなされる可能性があります。
非課税要件の確認
食事補助や社宅制度などの福利厚生は、一定の基準を満たさないと課税対象となります。国税庁のガイドラインを確認し、法令を遵守することが重要です。非課税の要件を満たさない場合、企業と従業員の両方に予期せぬ税負担が生じる可能性があります。
福利厚生を非課税とするためには、3つの基本要件と、制度ごとの非課税条件を満たす必要があります。以下は要点をまとめた表です。
福利厚生費を非課税として扱うための要件(すべて満たす必要がある)
| 要件 | 内容 |
| ①公平性 | 全従業員が利用できること |
| ②妥当性 | 社会通念上、妥当な金額であること |
| ③現物性 | 現物支給であること |
制度ごとの非課税の条件
| 制度 | 非課税の条件 | 課税リスクのあるケース | 国税庁サイト |
| 食事補助 | ●従業員が半額以上負担+月3,500円(税抜)以内+現物支給
※2026年度中に、3,500円→7,500円へと引き上げの方針 |
●現金支給
●月3,500円を超過 |
リンク |
| 通勤費 | ●月15万円以内(公共交通期間利用の場合)
距離別上限内(マイカーの場合) |
●私用混在
●不正利用 |
リンク |
| 社宅 | ●現物貸与
●賃貸料相当一定額を徴収 |
●家賃補助(現金支給) | リンク |
| 社員旅行 | ●4泊5日以内+参加率50%以上+現金配布なし | ●5泊以上
●参加率50%未満 ●不参加者に現金支給 |
リンク |
| 健康診断 | ●全員対象+妥当額 | ●一部の従業員限定
●高額人間ドック |
リンク |
| 資格支援 | ●業務関連+全員利用可 | ●趣味資格
●一部の従業員限定 |
リンク |
関連記事:【2025年最新】福利厚生費の課税・非課税を完全解説|早見表+実務チェックリスト
法定外福利厚生を導入しない企業のリスクをチェック
法定外福利厚生は企業の任意による制度ですが、導入しないことで、企業は課題を抱える可能性があります。
採用競争力の低下
求職者が就職先を選ぶとき、福利厚生が充実しているかどうかは重要なポイントです。法定外福利厚生(住宅手当、特別休暇など)がない会社は、制度が整っている企業と比べて選ばれにくくなる可能性があります。
従業員の離職率上昇
福利厚生が不十分な会社では、福利厚生の面では従業員の満足度が下がり、辞める人が増える可能性があります。能力のある人材が辞めてしまうのは、企業にとって痛手です。
企業ブランドへの影響
福利厚生が乏しいと「従業員が大切にされていない=経営が不安定、将来性がない」という負の評価を広めてしまう可能性があります。採用、営業、投資家対応など多方面への影響が考えられます。
小規模企業でも導入可能!低コストな制度を活用
法定外福利厚生は大企業だけのものではありません。小規模企業でも工夫次第で導入できる制度があります。
- 食事補助
- 資格取得費用の補助
- 特別休暇の設定
- リモートワーク制度
ここでは、非課税枠拡大が話題の食事補助について、紹介します。
法定外福利厚生×非課税なら食事補助がトレンド
食事補助を非課税で提供するには、以下2つの条件を両方満たす必要があります。
- (1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
- (2)次の金額が1か月当たり3,500円※(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
月額3,500円(税別)については、2025年度改正で7,500円に引き上げが予定されています。これにより、従業員の手取りを増やす効果がますます高まると期待されています。
関連記事:【2026年版】食事補助の非課税枠上限が7,500円に引き上げへ!企業に求められる対応は?
関連記事:【税理士監修】食事補助を非課税にする条件は?給与にしないための非課税限度額
大小4000社が活用する「チケットレストラン」
食事補助の福利厚生サービスの一つに「チケットレストラン」があります。全国25万店舗以上の飲食店やコンビニで利用でき、食事補助の非課税枠を活用するべく、企業と従業員が半額ずつ負担する仕組みです。給与アップと異なり、非課税の食事補助は従業員の税負担が増えないため、支給額を全て活用でき、手取りアップにつながります。
24時間使えるため、勤務環境に関わらず公平に利用可能です。従業員利用率は98%、毎日使いたくなることを反映し継続率は99%。オフィス勤務だけでなく、外勤や在宅勤務の従業員も平等に利用できます。多様な働き方に対応し、しかも非課税で従業員に喜ばれるサービスです。
法定外福利厚生導入を成功させるポイント
法定外福利厚生の導入を成功させるためには、ポイントを押さえることが大切です。
従業員のニーズを把握する
アンケートやヒアリングを通じて、従業員が本当に求めている福利厚生制度を理解しましょう。他社で人気がある制度でも、自社の従業員のニーズに合わなければ、利用率は上がりません。
税要件を満たす制度設計
税制上のメリットを最大限に活かすため、国税庁が定める非課税要件を満たすように制度を設計する必要があります。導入前に、税理士や社会保険労務士などの専門家に確認するのもおすすめです。
継続可能な運用体制を整える
導入後の運用コストや担当者の業務負担を考慮し、長期的に無理なく続けられる体制を構築しましょう。担当者の業務が過大にならないよう、必要に応じて外部サービス(アウトソーシング)の活用も検討してください。
定期的な見直しを行う
従業員のニーズは変化します。年に一回など定期的に制度を見直し、利用率や満足度を確認しながら改善を図ります。利用率が低い制度は、内容の見直しや周知方法の改善が必要です。
法定外福利厚生拡充には食事補助がおすすめ
法定外福利厚生は企業が任意で設計できる制度で、従業員の満足度向上や採用力強化に貢献します。住宅手当、食事補助、健康支援など多様な種類があり、従業員が求めるニーズに応じた選択が可能です。
また、食事補助の非課税枠は、2026年度に7,500円に拡大される方針で調整されています。非課税枠を活用できる「チケットレストラン」は、全国25万店以上のコンビニや飲食店で利用可能な食の福利厚生サービスです。社員食堂や弁当販売と異なり出社していなくても利用できるため、外勤や在宅勤務の従業員も公平に福利厚生の恩恵を受けられます。
従業員利用率98%、継続率99%という高い実績があり、導入は最短2週間でスピーディーに始められる「チケットレストラン」で、従業員の手取りアップを実現しませんか。
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