新型コロナウイルスの感染防止拡大のため、オフィスへの出社が減り自宅やカフェなどで仕事をするリモートワーク(テレワーク)が定着してきました。自宅でリモートワークをする場合、通勤時間が削減されることから、時間の使い方をはじめとして働き方にもさまざまな影響が現れています。
うまく休憩を取り入れることによって、気持ちや頭を切り替えることができる休憩時間。リモートワーク時の昼食内容、休憩時間に関するアンケートを紹介しつつ、昼食を充実させるヒントをお伝えします。
リモートワーク時の昼食に関するアンケート
オンオフの切り替えがつきにくいとされるリモートワークにおいて、休憩時間をうまく活用することは大切なポイントです。数時間おきにとる休憩時間の中でも一番長いとされる昼食の休憩時間について、どのような過ごし方が主流となっているのでしょうか。昼食時間・食べ方・内容などを見ていきましょう。
リモートワーク時の昼食時間の変化
昼食にかける時間は、オフィスに出勤していたときに比べ、どのように変化しているのでしょうか。エデンレッドジャパンの調べによると、「リモートワークになり、ランチ休憩時間に変化はありましたか?」との問いに対し、変わらないと答えた人は2割強のみで、約6割の人がオフィスでのランチ時間に比べて減ったと回答しました。
減ったと回答した人 (58.2%中)
・~50%減った……24.3%
・~30%減った……16.8%
・~70%減った……13.2%
・~100%減った……3.9%
「減った」と答えた約6割の人のうち、約2割の人はオフィス出勤時の昼食時間より半分以下の時間になっていることが明らかになっています。
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:週に3回以上リモートワークをし、うち週1回はランチで外食をする全国の20~50代ビジネスパーソン(N=333)
調査実施日:2022年3月8日〜2022年3月9日
調査団体:株式会社エデンレッドジャパン(以下同)
リモートワーク時の昼食の内容
リモートワーク時の昼食の内容について、株式会社リクルートが行った「平日のランチの実態についてのアンケート」によると、昼食の内容の1位は「自炊、または家族等が作った食事」で34.9%でした。続いて、「小売店や飲食店で購入した食事」(20.5%)、3位「自分、または家族等が作った弁当」(18.8%)と続きます。外食は2年連続で減少しました。
「自炊、または家族等が作った食事」を選んだ人の割合は昨年の28.7%から6%近く上がっており、外出をせずに昼食の調理を家庭内で完結している人たちが多くいることがわかります。
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2022年3月1日(火)〜2022年3月9日(水)
調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20〜69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
有効回答数:5,469件
リモートワーク時の昼食のメニュー
リモートワークでの昼食にはどんなメニューが食べられているのでしょうか。株式会社Mizkan Holdingsが行ったテレワーク時の昼食によく食べるメニューに関するアンケートでは、パスタ・ラーメン・うどんなどの麺類を上げた人が43.0%と最も多い結果になりました。続いては、ごはん類、パン類と続きます。
・麺類(パスタ・ラーメン・うどん・焼きそばなど)…43.0%
・ごはん類(丼もの・カレー・チャーハンなど)…26.7%
・パン類(サンドイッチ・ホットケーキを含む)…12.0%
・その他…18.3%
リモートワークの昼食に麺類を選ぶ理由は、準備が簡単であることや、何品も用意せずに1品だけで済むことなど、時間短縮や労力をかけないことのメリットが大きいようでした。
同時に、リモートワークの昼食時の悩みとして、いつも同じものになってしまうこと、準備の手間が面倒、品数が少なくなるといった不満の声も上がっています。自炊で簡単に昼食を済ませる人が多い中、避けられない悩みとも言えるかもしれません。
「テレワーク時の昼食後に集中力が切れたり、仕事の効率が落ちた経験があるか」の問いには、約5割弱の方が、「はい」と答えています。昼食時間をうまく使うことに、午後の仕事を順調に進める鍵があるようです。
株式会社ZENB JAPAN(ゼンブ ジャパン)
調査方法:インターネット調査
調査時期:2022年3月
調査対象:週1回以上テレワークしているフルタイム勤務の30~59 歳の男女計300名
株式会社TableCheck「コロナ禍の外食行動変化ランチ、テイクアウト、ネット予約市場が拡大」
リモートワークの昼食で、自炊、または家族等が作った食事をとる人の割合が増えていることによって、昼食の内容がいつも同じようなものになってしまったり、準備の手間が面倒だと感じたりする人が多いことがわかりました。
テーブルチェックの調べによると、外食市場において、テイクアウトとデリバリーの売り上げは新型コロナウィルスの感染者が拡大する前に比べて、ほぼ2倍となっています。
家庭内で昼食の調理を完結することに限界を感じている人も多いのが現状のようです。
テーブルチェック/ポスタス調べ
リモートワークの昼食を工夫するコツ7つ
リモートワークでの昼食時間を快適に過ごし、午後からの仕事に滞りなく向かうためには、どのような工夫をしたらいいのでしょうか。以下にあげるコツを無理のないところから始めてみることで、昼食の内容のマンネリ化も防げ、栄養のバランスを考えた食事に行き着くことができるでしょう。
作り置きをする
昼食を家庭内で完結させるパターンで、あらかじめ事前に昼食を作り置きする方法です。前日の食事を取り分けておいたり、週末にまとめて作り置きをしておいたりすることで、その日の昼食の準備をする時間が省けます。
昼食時間になればすぐに食べ始めることができ、昼食に何を食べるか考える手間も省けるので、仕事に集中でき、一石二鳥といえます。
お弁当を作る、お弁当を食べる
おかずなどの作り置きと同様に、前日の夜や当日の朝にお弁当を作っておくという方法もあります。
家族構成によっては日頃からお弁当を作る必要のある人もいるでしょう。その場合、自分の分も分けて詰めておけば、昼食時に調理する必要もありません。
仕事の日の昼食に時間をかけすぎず、浮いた休憩時間を仮眠などのリフレッシュに使うことができます。
もしも、調理が苦手な場合は、市販のお弁当を購入することで、彩り豊かな昼食が楽しめるでしょう。
便利な食事を活用する
食事は単に空腹を満たすためのものではなく、味や食べているときの雰囲気、栄養バランスなど、重要なポイントを多く含みます。
心身ともに疲れがたまっているときには、なかなか食事について深く考えが及ばないこともあるかもしれません。簡便さを優先しましょう。お惣菜やレトルト食品、冷凍食品など、少しの手間だけで食べることが可能な食品はたくさんあります。
最近は、たんぱく質が効率よくとれるプロテインバーやドリンクなども充実しています。賞味期限の長めのものもあるため、災害時の備えにも役立ちます。
キッチンに立ってリフレッシュする
料理や家事をすることが、ストレス解消につながるという人も少なくありません。
2018年から開催されているクックパッド株式会社のイベントである「Creative Cooking Battle」は「家庭から出る食料廃棄を楽しく解消する」をテーマに、そして“アリモノからおいしい料理を作ることは、生活の中で最もクリエイティブな行為である”を合言葉に開催されています。
自らキッチンに立ち、料理をすることで、味や量を自分の好みに合わせて調整できます。料理をした満足感も相まって、ランチタイム明けもすっきりした気持ちで仕事に向かえるでしょう。
デリバリーフードを活用する
近年急速に発展しているデリバリーフードサービス。調理したての食品を玄関先まで届けてくれるので、あたたかいうちに食べることができます。自分でお店に行く時間を考えるとなかなか行けないような地域の店舗でも宅配してくれることから、メニューの選択肢も増え、家の近所の飲食店では食べられない種類の食べ物も自宅で食べることが可能です。
リモートワークの昼食時間を充実させてくれる選択肢といえそうです。さまざまな選択肢から食べたいものを選ぶことで満足感も得やすく、午後以降の仕事のやる気にもつながります。
外食をする
自宅でのリモートワークの場合、気分転換がしづらいことが難点となりますが、ランチをきっかけに外に出ることは頭の切り替えにも有効です。
ときには、飲食店やスーパー・コンビニに行き、自分が食べたいと思うものを食べましょう。食べる直前に食事に向き合うことで、今自分に必要と思われる栄養素を取りやすく、健康維持にもつながります。
会社の福利厚生として昼食のサポートを受ける
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、外食時やテイクアウトの際に使える会社の福利厚生サービスです。全国70,000店舗の加盟店で利用可能で、加盟店はファミレスやコンビニなど内勤や外勤など職種や年齢、性別問わず誰もが平等に利用できます。
積極的に使用することでランチの時間がより充実したものになるでしょう。お勤めの会社での取り扱いがあるかを確認して、ないようでしたらチームや上司と話し合い、導入を検討してみてもらうのはいかがでしょうか。
リモートワークのランチを簡単に済ませるアイデア3つ
リモートワーク時の昼食を自宅で調理する場合、コストを抑えることができる反面、調理のスキルによってはマンネリ化してしまうのが難点です。シンプルでも飽きのこない食品や調理法を複数知っておくことで、毎日の昼食時間を快適に過ごせます。
手軽にできるメニューを試してみましょう。
一汁一菜でいい
一汁一菜とは、通常はごはんと汁もの1品、菜(惣菜)1品の食事のことをいいます。料理研究家・土井善晴さんの著書で有名になりましたが、土井さんの考える「一汁一菜」は菜も汁に含まれ、具沢山のお味噌汁とごはんでいただく食事です。
冷蔵庫や自宅にある食材を使って煮込むだけで済むため、簡単でありながら、具材を選びません。使う食材によって、たんぱく質・食物繊維などの栄養素も豊富にとれます。
また、現代人は季節を問わず冷たい飲料を飲む傾向にあるため、体が冷えやすく、胃腸にも負担がかかりやすいといわれています。あたたかい汁ものは、胃腸に負担をかけすぎることなく体をあたためてくれます。体調管理にもおすすめです。
主食の種類が異なるレトルト食品を準備する
仕事の合間の休憩時間も兼ねる昼食時に、できるなら気分が上がる好きなメニューを食べたい人も多いでしょう。現在はさまざまな味のレトルト食品が購入可能です。こってりとした味付けのものから、健康志向のものなどチョイスも多くあります。
スーパーなどでは、お惣菜を買う程度の値段で買えるものがほとんどです。いろいろ試して、昼食時間を楽しみましょう。
・ごはん…カレーや牛丼、親子丼などのレトルト食品
・パン…ツナマヨや明太、ピザソースなどのスプレッドや固形の果物が入ったジャムなど
・パスタ…こだわりのミートソースやカルボナーラ、バジルソースなどのレトルト食品
・その他麺…お湯を注ぐだけのうどん、焼きそば、ラーメンなど
炭水化物を控えている人には
炭水化物を控えているという人でも、食事をとらないと仕事に集中しにくく、体にも負荷がかかりがちです。おかずやお惣菜だけを食べることもできますが、栄養面を考えるなら、おすすめは以下のとおりです。
・ナッツ類…抗酸化作用のあるビタミンEやたんぱく質、食物繊維やミネラルなど
・フルーツや野菜…ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、食物繊維など
・ヨーグルト…乳酸菌、カルシウム、たんぱく質(必須アミノ酸)など
生で食べられる野菜はスティック状に切っておいたり、洗って食品保存用袋などに入れておけば、ドレッシングをかけてすぐサラダランチが食べられます。いずれも、手間をかけることなく栄養素を摂取できる方法です。
リモートワークの昼食時間を充実させ快適な午後時間を
オフィスにいるときは、デスクの近くに同僚や上司がいて、困ったことや何気ないことをすぐに誰かに相談できます。対するリモートワークは、誰かに邪魔されることが少ない分、孤独を感じやすかったり、タイムマネージメントが難しかったり、課題も多くあります。昼食時間をうまく活用することで、充実感を得るとともにリフレッシュして、午後の仕事の効率アップにつなげていきましょう。