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春闘で中小企業の賃上げはどうなる?2025年春闘の動向を予測

春闘で中小企業の賃上げはどうなる?2025年春闘の動向を予測

2024.12.02

2025年春闘では、中小企業に対して大企業よりも高い6%の賃上げ率が求められる予定です。これまでの中小企業の賃上げ率を確認した上で、2025年春闘について見ていきましょう。賃上げのメリット・デメリットや、第3の賃上げについても解説します。

春闘における中小企業の賃上げ率

春闘における賃上げ率は企業規模によって異なります。ここではまず、2022~2024年の中小企業の賃上げ率を、全体平均や大企業の平均と比較していきましょう。

平均賃上げ率

従業員数1,000人以上の平均賃上げ率

従業員数300~999人の平均賃上げ率

従業員数100~299人の平均賃上げ率

従業員数~99人の平均賃上げ率

2022年

2.07%

2.12%

2.00%

1.98%

1.96%

2023年

3.58%

3.69%

3.44%

3.32%

2.94%

2024年

5.10%

5.24%

4.98%

4.62%

3.98%

この3年間の賃上げ率は、従業員数が少ないほど低くなっています。全体平均の賃上げ率を超えているのは、従業員数が1,000人以上の大企業のみです。

5.10%と歴史的な賃上げとなった2024年の春闘でも、従業員数99人以下の企業の賃上げ率は4%を下回っていました。

参考
日本労働組合総連合会|多くの組合が賃金改善分獲得、なかでも中小組合が健闘~2022 春季生活闘争 第 7 回(最終)回答集計結果について~
日本労働組合総連合会|「未来につながる転換点」となり得る高水準の回答~2023 春季生活闘争 第 7 回(最終)回答集計結果について~
日本労働組合総連合会|33 年ぶりの 5%超え!~2024 春季生活闘争 第 7 回(最終)回答集計結果について~

関連記事:【2024春闘】賃上げ率5.10%を達成!持続可能な賃上げ戦略とは

東京商工リサーチ「賃上げに関するアンケート」もチェック

東京商工リサーチが行った「賃上げに関するアンケート」も見ていきましょう。

賃上げを実施した企業の割合は、資本金1億円以上が94.08%、資本金1億円未満が82.93%でした。資本金1億円未満の企業の方が、賃上げを実施した企業の割合が低い結果です。企業規模による実施割合の差は、調査が始まった2016年度以降最大となっています。

企業規模別の賃上げ率の違いも見ていきましょう。賃上げ率5%以上と回答した企業の割合は、大企業が44.4%であったのに対して、中小企業は42.4%と低くなっています。

賃上げ率

大企業

中小企業

1%未満

0.55%

1.03%

1%以上2%未満

3.03%

5.12%

2%以上3%未満

10.22%

13.46%

3%以上4%未満

26.24%

25.60%

4%以上5%未満

15.46%

12.32%

5%以上6%未満

32.04%

26.21%

6%以上7%未満

4.41%

4.57%

7%以上8%未満

2.48%

3.21%

8%以上9%未満

1.93%

2.30%

9%以上10%未満

0.82%

0.45%

10%以上20%未満

2.48%

4.93%

20%以上30%未満

0.27%

0.42%

30%以上

0.00%

0.32%

東京商工リサーチの調査からも、中小企業は大企業と比べて賃上げ率が低いことが分かります。

参考:東京商工リサーチ|2024年度の「賃上げ」率 最多は「5%以上6%未満」 実施率は84.2%、中小企業は「賃上げ疲れ」も

関連記事:賃上げ2024年アンケート調査を解説|実施率84.2%で賃上げ手法は変化

2025年春闘の動向をチェック

連合(日本労働組合総連合会)は2024年10月18日に「2025 春季生活闘争基本構想」を発表しました。この内容をもとに、2025年春闘の動向を見ていきましょう。中小企業へ求められる賃上げ率についても確認します。

参考:日本労働組合総連合会|2025 春季生活闘争基本構想

関連記事:春闘2025年はどうなる?今後の賃上げの予想や企業の動向をチェック

引き続き賃上げの動きが続く

歴史的な賃上げが行われた2024年に続き、連合は2025年も同水準の賃上げを求める意向です。

日本の経済状況は長らく停滞しており「賃金は上がらないもの」「物価は上がらないもの」といった考えが浸透しています。この状況が変わり始めたきっかけは、2021年後半からの物価上昇です。

物価が上がっているにもかかわらず賃上げを行わなければ、賃金は相対的に低くなっていきます。物価上昇に実質賃金が追いつくよう、それまで2%前後で推移していた賃上げ率が、2023年・2024年に上昇しました。

経済が成長していく好循環を作るには、さらに個人消費を増やしていく必要があります。個人消費を増やすためにも賃上げは必要不可欠です。

長らく続いた経済の停滞から抜け出すために「物価は上がるがそれに伴い賃金も上がる」という考えへの転換に向けて、賃上げの定着を目指していくと考えられます。

中小企業には賃上げ率6%以上が求められる

企業規模・雇用形態・性別などにより、賃金には格差があります。連合は「2025 春季生活闘争基本構想」で、格差是正に取り組むことも示しました。

2024年には歴史的な賃上げが行われましたが、中小企業の賃上げ率は全体平均の賃上げ率に届いていません。格差是正に向けて、連合は大企業に5%以上、中小企業に6%以上の賃上げ率を求める考えです。

さらに年齢ごとに到達すべき賃金の最低到達目標水準も、以下の通り定めています。

 

中位数

第1四分位

35歳

30万3,000円

27万9,000円

30歳

25万2,000円

23万8,000円

加えて非正規雇用で働く従業員の賃金引き上げにより、雇用形態による格差是正も目指す計画です。具体的な数値目標として、経験年数5年以上で時給1,400円以上を目指します。

賃金の底支えを目的として、全ての従業員に対して時給1,250円以上での締結を目指す方針も打ち出しました。

賃金相場を上げると同時に、格差是正や下支えに取り組むことで、全ての労働者が所定内賃金で生活できる水準の確保と、働きの価値に見合った水準への引き上げを目指しています。

関連記事:2024年春闘|大企業と中小企業の賃上げ率格差、その解消への道

中小企業と大企業の賃金格差から考える賃上げの必要性

中小企業と大企業で異なるのは賃上げ率だけではありません。賃上げする前の賃金にも差があることは「令和5年賃金構造基本統計調査」から分かります。

従業員数

きまって支給する現金給与額

1,000人以上

38万2,700円

100~999人

33万8,800円

10~99人

31万4,000円

全体平均(10人以上)

34万6,700円

従業員数が100人以下の企業では、きまって支給する現金給与額が全体平均に達していません。

大企業と比べて、もとの賃金が低く賃上げ率も低ければ、中小企業で働く従業員の賃金と、大企業で働く従業員の賃金との間に、大きな格差が生まれてしまいます。

この格差をなくすためにも、中小企業では適切な賃上げを実施する必要があるといえるでしょう。

参考:e-Stat|令和5年賃金構造基本統計調査|学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額

中小企業が賃上げを行うメリット

賃上げの実施にはコストがかかります。中小企業が賃上げに取り組むことで、コストを回収できるようなメリットはあるのでしょうか?中小企業が賃上げを行うメリットを見ていきましょう。

従業員のモチベーションが上がる

十分な賃上げを実施すれば、従業員のモチベーションアップが期待できます。物価上昇が続く中、賃上げを実施していなければ、従業員の実質賃金は以前より減少している状態です。

努力しても生活が苦しい状態が続けば、従業員のモチベーションは下がっていくでしょう。モチベーションが低い状態では、業務の効率が落ちることも考えられます。

賃上げを行うことで、従業員が積極的に仕事に取り組むようになれば、業績アップにもつながるかもしれません。

関連記事:社員のモチベーションが低いのはなぜ?|効果的な7つの対策をチェック

人材採用につながる

他社と比べて魅力的な賃金を提示できれば、人材採用にもプラスに働きます。特に競合となる他社と比較して高い賃金を示している場合には、スムーズな採用につながりやすいでしょう。

仕事の依頼があったとしても、人材不足では引き受けられません。事業拡大のチャンスを逃す可能性もあります。また事業計画に沿った企業の運営ができず、計画の変更を余儀なくされる事態も起こり得ます。

中小企業が計画にもとづき経営を続けていくためには、人材採用に向けた賃上げが重要です。

関連記事:防衛的賃上げの実態と中小企業の課題|人材確保のための厳しい選択

中小企業が賃上げを行うデメリット

賃上げは従業員のモチベーションアップやスムーズな採用につながる一方、デメリットもあります。賃上げに取り組むためには、デメリットも把握しておきましょう。

コストが膨らむ

賃上げを行うにはコストがかかります。従業員50人の企業で、1人あたり月1万円の賃上げを行えば、毎月の支出が賃金だけで50万円増加する計算です。

加えて膨らんだコストが減ることはありません。数カ月であれば資金を工面できる場合でも、この先ずっととなると難しい場合もあるでしょう。経営状況が悪化したからとすぐに下げられるわけではないことにも注意が必要です。

設備投資や新規事業への投資ができなくなる

コストが膨らめば、その分企業の手元に残る資金が減ります。「新しい設備を入れて業務効率化を進めたい」「自社の技術を使った新規事業を始めたい」と考えていても、必要な資金を用意できないこともあるでしょう。

将来へ向けた投資に取り組みにくくなる点はデメリットといえます。

価格転嫁で賃上げのデメリットへ対策する

賃上げはコストがかかりますし、その分設備投資や新規事業への投資は難しくなるでしょう。このようなデメリットへ対策するには、商品やサービスへの価格転嫁が避けられません。

価格転嫁を進めるためには、現状を把握する必要があります。原材料費や労務費などのデータをチェックし、正しく原価計算を行いましょう。併せて価格改定に関する業界の動向や取引先の情報を集めた上で、必要な説明資料を用意し交渉に臨みます。

中小企業や小規模事業者向けに中小企業庁が提供している「価格交渉ハンドブック」を参考にするとよいでしょう。

参考:中小企業庁|【改訂版】中小企業・小規模事業者の価格交渉ハンドブック

価格転嫁を実施できている企業の割合

物価高による原材料費・燃料費の上昇や賃上げが求められる中、コストアップした分は商品やサービスへの価格転嫁が必要です。ただし全ての中小企業が適切に価格転嫁できているわけではありません。

中小企業庁の「価格交渉促進⽉間(2024年3⽉)フォローアップ調査結果」によると、調査対象となった中小企業のうち59.4%が価格交渉を行っている半面、10.3%は希望しているにもかかわらず交渉ができていません。

またコスト上昇分のうち価格転嫁できた割合は以下のとおりです。

コスト上昇分のうち価格転嫁できた割合

回答の割合

100%

19.6%

70・80・90%

15.3%

40・50・60%

8.9%

10・20・30%

23.4%

コストが上昇せず価格転嫁扶養

12.9%

0%

18.7%

マイナス

1.2%

一部であっても価格転嫁できている企業は67.2%と半数を超えています。その一方で、価格転嫁の必要があってもできていない企業は19.8%です。価格転嫁が進んでいる企業と、そうでない企業の間で、2極化の兆しが出てきているとも考えられます。

参考:中小企業庁|価格交渉促進⽉間(2024年3⽉)フォローアップ調査結果

助成金・税制優遇の活用で賃上げのデメリットへ対策する

賃上げのデメリットへ対策するには、助成金や補助金の活用も有効です。賃上げによりかかったコストを助成金や税制優遇により補填できる可能性があります。賃上げにより利用できる制度を見ていきましょう。

関連記事:【社労士監修】2024年版|中小企業賃上げ支援の6つの補助金・助成金を徹底比較

業務改善助成金

業務改善助成金とは、生産性向上のための機械設備導入や人材育成などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げたときに、設備投資にかかった費用の一部を受け取れる助成金のことです。

賃上げの実施により対象となる業務改善助成金の助成率は、事業場内最低賃金の金額によって、以下のように定められています。

事業場内最低賃金

助成率

900円未満

9/10

900円以上950円未満

4/5(生産性要件を満たすと9/10)

950円以上

3/4(生産性要件を満たすと4/5)

※生産性要件とは生産性要件算定シートで計算した生産性の伸び率が一定以上であること。

ただし助成額には上限が決まっているため、無制限に受け取れるわけではありません。上限額は以下のように最低賃金の引き上げ額と、最低賃金を引き上げる従業員数で定められています。

コース区分

事業場内最低賃金の引き上げ額

引き上げる人数

助成上限額

事業場規模30人未満の事業者

左記以外の事業者

30円コース

30円以上

1人

60万円

30万円

2~3人

90万円

50万円

4~6人

100万円

70万円

7人以上

120万円

100万円

10人以上※特例事業者のみ対象

130万円

120万円

45円コース

45円以上

1人

80万円

45万円

2~3人

110万円

70万円

4~6人

140万円

100万円

7人以上

160万円

150万円

10人以上※特例事業者のみ対象

180万円

180万円

60円コース

60円以上

1人

110万円

60万円

2~3人

160万円

90万円

4~6人

190万円

150万円

7人以上

230万円

230万円

10人以上※特例事業者のみ対象

300万円

300万円

90円コース

90円以上

1人

170万円

90万円

2~3人

240万円

150万円

4~6人

290万円

270万円

7人以上

450万円

450万円

10人以上※特例事業者のみ対象

600万円

600万円

参考:厚生労働省|令和6年度業務改善助成金のご案内

関連記事:【社労士監修】賃上げで最大600万円の業務改善助成金とは?その他の支援制度も解説

キャリアアップ助成金

従業員のスキルアップにより、意欲向上や生産性向上につなげていく目的があるのは、キャリアアップ助成金です。複数設けられているコースのうち「賃金規定等改定コース」は、賃上げにより利用できます。

就業規則や労働協約で定めている賃金を引き上げると、その引き上げ率に応じて、従業員1人あたりに以下の助成金が支給されます。支給申請できる人数は100人までです。

企業規模

3%以上5%未満の引き上げ

5%以上の引き上げ

中小企業

5万円

6万5,000円

大企業

3万3,000円

4万3,000円

また職務の大きさを相対的に比較して、その職務を行う従業員の待遇が適切な状態になっているかを把握する職務評価の手法で、賃金規定の増額改定を行うと、中小企業20万円・大企業15万円の加算の対象です。

例えば中小企業が賃金規定を5%以上引き上げたとき、対象となる従業員が20人なら、130万円の助成金を受け取れます。

参考:厚生労働省|キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)

関連記事:【社労士監修】年収の壁対策はキャリアアップ助成金を活用!待遇改善に役立つ福利厚生も

賃上げ促進税制

賃上げ促進税制には、大企業・中堅企業向けの制度と、中小企業向けの制度があります。一定以上の賃上げを実施した中小企業が、法人税の控除を受けられる制度です。

より多くの企業で賃上げを実施しやすくなることを目指し、令和6年度税制改正で制度が強化されました。

赤字の企業が取り組みやすいよう5年間の繰越控除措置が設けられたことにより、本年は赤字で控除を受けられない場合でも、向こう5年間の税額から控除できる可能性があります。

加えて、女性活躍子育て支援が加わったことで、最大控除額が大きくなりました。

継続雇用者給与総額

基本控除率

教育訓練費+10%

女性活躍子育て支援

合計控除率

+1.5%

15%

+10%

+5%

30%

+2.5%

30%

45%

参考:経済産業省|中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック

関連記事:中小企業向け賃上げ促進税制とは?要件や大企業向けとの違いを解説!

中小企業が賃上げを判断するときの要素

中小企業が賃上げ実施に関する判断を行うときには、経営状況や競合する他社の状況をよく確認しましょう。経済の好循環を作るためには賃上げが欠かせません。

ただし無理に賃上げを行うと、経営状況の悪化を招くこともあるでしょう。賃上げの実施や賃上げ率を適切に判断するために確認すべき点を解説します。

経営は順調か

賃上げを行うには資金が必要です。経営が順調であり、見込んでいた利益を上げられているようであれば、賃上げによるコストアップを吸収できるでしょう。

経営を振り返ったときに、業績が計画したようにいっていないようであれば、賃上げには慎重に対応する必要があります。

競合する他社の状況はどうか

競合する他社の状況にも注目しましょう。同程度の規模で事業を展開している他社の状況を知ることで、自社の経営の参考になる点が見つかるかもしれません。

例えば自社では賃上げが厳しいと判断したタイミングで、他社が賃上げを行っているなら、賃上げができるだけの根拠があるはずです。よく観察することで、自社でも賃上げを実施できる方法が見つかるかもしれません。

賃上げの種類

賃上げにはいくつかの種類があります。エデンレッドジャパンでは、定期昇給を第1の賃上げ、ベースアップを第2の賃上げとしたときに、福利厚生を活用した実質的な手取り額アップを第3の賃上げと定義しました。ここではこの3種類の賃上げについて解説します。

関連記事:「賃上げ」は給与のこと?種類や実現の理由とは?賃上げ以外の従業員支援策も紹介

第1の賃上げ:定期昇給

企業が決めた任意のタイミングで定期的に行う昇給を定期昇給といいます。例えば「1年に1回、4月に昇給あり」「1年に2回、4・10月に昇給あり」といった制度は定期昇給です。

定期昇給を年齢や勤続年数に応じて自動的に昇給できる制度として運用している場合、中小企業は人件費を一定に保ちやすくなります。

従業員は毎年どのくらい昇給していくかが明確になっていることで、先の見通しが立てやすくなり、安心して仕事に取り組めるでしょう。

個々の能力や成績に応じて昇給する仕組みを取り入れているなら、従業員のモチベーションアップにつながります。

関連記事:【社労士監修】定期昇給とは?昇給の種類や中小企業の平均額を確認

第2の賃上げ:ベースアップ

ベースアップ(ベア)とは全従業員の基本給を一律に引き上げることです。例えば5%のベースアップを実施する場合、月給25万円の従業員は月給26万2,500円に、月給30万円の従業員は月給31万5,000円になります。

基本給を上げるベースアップは、1度行うと従業員の同意なくもとには戻せません。毎月支給する賃金はもちろん、時間外手当やボーナスの支給にも影響があるため、実施額を慎重に決める必要があります。

関連記事:【社労士監修】ベア(ベースアップ)とは?定期昇給との違いや実施状況を解説

第3の賃上げ:福利厚生を活用した賃上げ

第3の賃上げとは従業員に福利厚生を支給することで行う、実質的な手取りアップの取り組みをさします。

福利厚生は原則として賃金の一種として扱われますが、中には要件を満たすことで賃金に含まれないものもあります。第3の賃上げはこの特徴を利用して、従業員の手取り額アップにつなげる仕組みです。

定期昇給やベースアップと比べて少ない金額で始めやすいため、コストを抑えつつ実施できる点も特徴といえます。

関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

NHKニュース7でも紹介された「第3の賃上げ」活用で福利厚生充実

第3の賃上げの仕組みと特徴

第3の賃上げとは、食事補助や社宅などの福利厚生を支給することで行う、実質的な手取りアップの取り組みのことです。福利厚生がなぜ手取り額アップにつながるのかを見ていきましょう。

関連記事:パート・アルバイト・契約社員 にも「第3の賃上げ」を!ラウンドテーブルを開催~“年収の壁”を抱える非正規雇用にも、福利厚生で実質手取りアップを実現~

従業員の実質的な手取りを増やせる

食事補助や社宅などの福利厚生を支給する場合、一定の要件を満たしていると非課税枠で運用ができます。

この仕組みを活用するため、同額の定期昇給やベースアップと比較して、従業員は手取り額アップを実感しやすくなります。賃上げ率以上に「使えるお金が増えた」と感じられるでしょう。

従業員の暮らしをサポートできる

従業員の暮らしをサポートできるのも第3の賃上げの特徴です。例えば第3の賃上げとして食事補助を支給すれば、企業は従業員の食事代をサポートできます。

2024年には歴史的な賃上げが行われましたが、エデンレッドジャパンの実施した「ビジネスパーソンのランチ実態調査2024」によると、約80%のビジネスパーソンが「家計が苦しい」と回答しています。

節約を目的に3人に1人がランチ代を減らし、4人に1人がランチを食べない選択をしているそうです。企業が食事補助でランチ代をサポートすれば、従業員がランチをがまんしている状況を変えられるでしょう。

バランスのよいランチをしっかり食べることで体調が整い、仕事の質に影響することも考えられます。

関連記事:歴史的賃上げでも…8割以上が「お小遣いが増えていない」!「ビジネスパーソンのランチ実態調査2024」

少額で導入できる

少額で導入できるのは福利厚生のメリットです。大きな負担をかけることなく、従業員の満足度が高い制度を導入できるため、中小企業でも活用しやすい仕組みといえます。

第3の賃上げの福利厚生サービス

福利厚生サービスを活用して、第3の賃上げを実施するとよいでしょう。自社で一から制度を作るより、手間もコストも抑えつつ、満足度の高い福利厚生を提供できます。ここでは「freee福利厚生」と「チケットレストラン」の2種類を見ていきましょう。

借上社宅制度「freee福利厚生」

企業が賃貸物件を契約して従業員へ貸し出す福利厚生を「借上社宅制度」といいます。

「freee福利厚生」では、制度設計支援・クラウド物件管理システム・物件契約代行・従業員説明会・運用業務などのサポートを行っているため、企業は手間をかけずに制度を提供可能です。

加えて賃金の一部を借り上げ社宅の現物支給とすることで、従業員の税負担を減らせます。その分手取り額が増える仕組みです。

また企業にとっては、企業が負担する社会保険料が減る分、コストダウンできます。

参考:freee福利厚生|借上社宅でコストをかけずに従業員の手取りUP

食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」も、第3の賃上げとして活用できます。一定の要件を満たしていれば、同額の賃上げを実施するときと比べて非課税枠で運用できるため、従業員が手取り額アップを実感しやすいでしょう。

導入に手間がかからないのも特徴です。契約後に届くICカードを従業員へ配布すれば、すぐに使い始められます。その後必要なのは、1カ月ごとのチャージ作業のみです。

また全国にある25万店舗以上の加盟店で利用できるため、働く場所によらず利用しやすいのもポイントといえます。対象となる従業員が公平に利用しやすい福利厚生の導入を検討している企業におすすめです。

中にはオフィス移転により上昇したランチ価格に「チケットレストラン」の導入で対応した企業もあります。物価高への対策として役立っている事例です。

詳細な導入事例はこちら:株式会社DFA Robotics

2025年春闘は中小企業の賃上げがカギ

2024年春闘では、33年ぶりに5%を超える賃上げ率が実現しました。ただし賃上げ率には企業規模による格差があり、中小企業の賃上げ率は4%に達していません。

2025年春闘に向けて、連合は中小企業へ6%以上の賃上げ率を求める考えを示しています。景気の好循環を実現し、労働者が「暮らしがよくなった」という実感を得るには、中小企業の賃上げがカギともいえるでしょう。

ただし経営状況によっては安易な賃上げが業績悪化につながる可能性もあります。賃上げを検討するときには、定期昇給やベースアップと併せて、福利厚生を活用する第3の賃上げも候補に入れるとよいでしょう。

例えばエデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を活用すれば、少ないコストで実質的な手取り額を増やせます。使い勝手のよさで満足度の高い「チケットレストラン」を、賃上げの取り組みに活用してみませんか。

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