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【税理士監修】年収の壁とは?6つの壁の仕組みと対策を徹底解説

【税理士監修】年収の壁一覧をチェック。2026年の最新情報と対策を確認

2024.04.30

監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)

「年収の壁」とは、一定の収入を超えることで税金や社会保険料の負担が増え、手取り収入がかえって減ってしまう境界線のことです。2026年には、2025年に「103万円の壁」から「160万円の壁」になった所得税に関する年収の壁が、「178万円の壁」になることが決まっています。

本記事では、年収の壁の詳細や最新動向・引き起こされる課題・政府の対策について解説しています。あわせて企業ができる年収の壁対策についても見ていきましょう。

【2026年最新】年収の壁一覧

「年収の壁」は複数あります。それぞれの年収の壁を超えると、どのような影響があるのかを、一覧で確認しましょう。

年収の壁

発生する負担

106万円の壁

社会保険への加入
※勤務先が従業員51人以上など条件を満たすとき

110万円の壁

住民税の課税

130万円の壁

国民健康保険・国民年金保険への加入
※勤務先が従業員50人以下のとき

160万円の壁

所得税の課税(2025年分に適用)
配偶者特別控除が減り始める

178万円の壁

所得税の課税(2026年分から適用)

201万円の壁

配偶者特別控除がなくなる

それぞれの「年収の壁」に関する詳細や今後の動向についても解説します。

社会保険料に関わる「106万円の壁」(撤廃予定)

年収が106万円を超えると、パートやアルバイトで働く従業員は、配偶者や親の扶養を抜けて自身の勤務先で厚生年金や健康保険へ加入する必要があります。

2026年1月時点で、年収106万円を超えたときに勤務先で社会保険に加入しなければいけないのは、以下の条件を満たしている場合です。

  • 従業員51人以上の企業に勤務している
  • 年収106万円(月8万8,000円)を超えている
  • 週20時間以上勤務している
  • 2カ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

以前より年収が増えても、社会保険へ加入すると保険料が天引きされるため、手取り額が下がるケースもあります。手取り額を減らさないよう、年収106万円以下になるよう働き控えるのが「106万円の壁」です。

関連記事:【税理士監修】106万円の壁撤廃はいつから?撤廃でどうなるか影響を解説

参考:厚生労働省|社会保険適用拡大特設サイト|事業主のみなさま

「106万円の壁」撤廃のタイミングと理由

2026年10月から、社会保険の加入対象者が増加します。加入要件の1つである賃金要件「年収106万円(月8万8,000円)を超えている」を撤廃し、企業規模要件「従業員51人以上の企業に勤務している」を以下のように段階的に廃止するためです。

企業規模要件の変更タイミング

変更後の企業規模要件

2025年10月

従業員51人以上

2027年10月

従業員36人以上

2029年10月

従業員21人以上

2032年10月

従業員11人以上

2035年10月

従業員10人以下

加えて個人事業所も、常時5人以上を使用している場合には、2029年10月から全業種で社会保険に必ず加入することと定められました。これらの取り組みにより、106万円の壁は撤廃されていく予定です。

「106万円の壁」が撤廃されるのは、最低賃金の上昇と関係しています。2025年の最低賃金の全国加重平均は1,121円です。最低賃金の上昇により、週20時間働くと賃金が月額8万8,000円を超える地域が増えました。

「週の所定労働時間が20時間以上」という労働時間の要件を満たせば、賃金要件も自動的に満たす地域が増えていることから、106万円の壁は撤廃の方向性で進んでいます。

関連記事:【2025年度】最低賃金の全国加重平均は1,121円に。引き上げはいつから?

参考
厚生労働省|社会保険の加入対象の拡大について
厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

住民税が課税される「110万円の壁」

住民税は総所得金額45万円以下であれば非課税です。所得45万円は給与所得のみであれば、年収110万円にあたります。年収110万円を超えると住民税の負担が発生するため「110万円の壁」といわれています。

国民年金や国民健康保険に加入する「130万円の壁」

年収130万円を超えると、配偶者や親の加入している社会保険の扶養から外れなければならず、国民年金や国民健康保険へ加入しなければいけません。

勤務先の企業が従業員50人以下で、2026年1月時点では社会保険へ加入する必要がない場合でも、年収130万円を超えると国民年金や国民健康保険へ加入する必要があることから「130万円の壁」とよばれています。

関連記事:【税理士監修】年収130万を超えたらどうなる?130万の壁を徹底解説!

所得税が課税され、配偶者特別控除額が減り始める「160万円の壁」

「160万円の壁」を超えると、2025年分は所得税の課税が始まり、配偶者特別控除額が減り始めます。所得税と配偶者特別控除について、別々に見ていきましょう。

2025年分の所得税は103万円の壁から160万円の壁に

従来の制度では、所得が給与所得のみの場合、所得税がかかり始めるのは年収103万円を超えてからでした。

所得を計算するときに差し引かれる給与所得控除の最低保障額が55万円、総所得額から差し引ける基礎控除が48万円で、この合計額103万円までは所得が0円となり課税されないためです。この結果「103万円の壁」とよばれるようになりました。

2025年度の税制改正により、2025年分の給与所得控除の最低保障額は65万円に、基礎控除は総所得金額132万円以下であれば95万円に引き上げられています。

この2つを合計すると160万円のため、所得税がかかり始めるのは年収160万円を超えてからとなり「160万円の壁」ができました。

関連記事:【税理士監修】103万円の壁は廃止?いつから変わる?最大160万円への引き上げを解説

参考
国税庁|No.1410 給与所得控除
国税庁|No.1199 基礎控除

配偶者特別控除は150万円の壁から160万円の壁に

2025年度の税制改正によって基礎控除額が変わり、同一生計配偶者の定義が変わったことで、所得税制の扶養基準が103万円から123万円になりました。これに伴い、配偶者控除の適用要件が年収123万円以下になっています。

またこの影響から、配偶者特別控除を満額受け取れる年収の条件も150万円から160万円に引き上げられました。新たな税制では年収160万円を超えると配偶者特別控除が減り始めます。

参考:国税庁|No.1195 配偶者特別控除

2026年分から所得税が課税される「178万円の壁」

2025年12月に自民党と国民民主党が合意したことで、所得税が課税され始めるのは2026年から年収178万円以上となります。対象となるのは、企業の従業員として働く人の約80%にあたる、年収665万円以下の人です。

パートやアルバイトとして勤務する従業員の働き方に影響するのはもちろん、正社員として働く従業員の所得税軽減にもつながります。

参考:国民民主党|【「年収の壁」178万円に引き上げで合意】玉木代表が高市自民党総裁と会談|20251218自民国民合意書

配偶者特別控除がなくなる「201万円の壁」

「201万円の壁」は、これを超えると配偶者特別控除が0円になる年収の壁です。年収160万円を超えてから段階的に減ってきた配偶者特別控除が、年収201万円を超えるとなくなります。

関連記事:【税理士監修】扶養から外れる年収の壁をわかりやすく解説。期間限定の措置も確認

参考:国税庁|No.1195 配偶者特別控除

年収の壁が引き起こす課題と影響

「年収の壁」によって課題を抱えるのは労働者側だけではありません。労働者側に加え、企業側や社会全体に生じる課題や損失について解説します。

【労働者側の課題】手取り減を恐れた就業調整

「年収の壁」は、労働者にとって大きな悩みの種です。特に「106万円の壁」や「130万円の壁」は、超えることで社会保険料の負担が生じ、手取り収入が大幅に減ってしまいます。

そのため、多くのパートタイムやアルバイトなどの非正規雇用労働者が、年収の壁を意識して就業時間を調整せざるを得ない状況に陥っています。この就業調整(働き控え)によって、キャリア形成や将来の年金額に悪影響を及ぼしている労働者も少なくありません。

また「年収の壁」は、非正規雇用労働者と正規雇用の従業員の格差をさらに助長する要因にもなっています。

就業時間の調整を余儀なくされる非正規雇用労働者に対し、正規雇用の従業員は長時間労働や残業が可能です。この就業形態の違いが、賃金や福利厚生などの処遇面での格差につながっています。

同一労働同一賃金の観点からも、「年収の壁」は非正規雇用労働者と正規雇用の従業員の公平性を阻む大きな障壁となっているといえます。

参考:厚生労働省|同一労働同一賃金特集ページ 

【企業側の課題】深刻化する人手不足

就業調整が行われると、企業側は業務に必要な労働力の確保が難しくなります。これにより、人手不足や生産性の低下が生じるリスクが高まってしまいます。

特に、昨今の少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少を考えると、「年収の壁」による就業調整は企業の成長を阻む課題です。人材の定着や生産性の向上のためにも、年収の壁への対策が急務となっています。

【社会的な課題】経済活動の停滞

年収の壁による就業調整は、労働者と企業だけでなく、社会全体にとっても大きな損失となっています。

パートタイム労働者やアルバイトの就業時間が抑制されている状況は、本来活用できるはずの労働力を十分に活用できないということです。これは、日本経済の成長を阻む一因にもなりかねません。

また、就業調整により労働者の所得が抑えられることで、消費の減退や税収の減少も懸念されます。経済活動の停滞はもちろんのこと、社会保障や公共サービスの財源を圧迫する要因ともなり得るでしょう。

「年収の壁」への対策は、社会全体で取り組むべき重要な課題といえます。

【年収の壁対策】政府の支援策

企業が「年収の壁」対策に取り組むには、国が用意している「年収の壁・支援強化パッケージ」を活用するとよいでしょう。

今後予定されている「106万円の壁」の撤廃や、最低賃金の引き上げなどにより、社会保険に加入するパートやアルバイトが増える企業も出てきます。

このような状況に合わせて「106万円の壁への対応」「130万円の壁への対応」「配偶者手当への対応」からなるパッケージで、「年収の壁」を意識せずに働ける環境を整えるのが目的です。ここでは3つの対応の内容を見ていきましょう。

参考:厚生労働省|年収の壁・支援強化パッケージ

106万円の壁へ対応するキャリアアップ助成金

パートやアルバイトが社会保険へ加入するときに利用できるのが「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」です。

「106万円の壁」を意識して働いているパートは、年収106万円を超えたときに手取り額が減少することを気にしているケースが多いでしょう。そこで年収106万円を超えてもすぐには手取り額が減らないようにするために設けられた助成金です。

社会保険料相当額を上限に、企業が社会保険適用促進手当を支給すると、従業員1人につき最大50万円の支援を受けられます。また労働時間の延長によって社会保険を適用させる場合には、従業員1人につき最大30万円の助成額です。

社会保険適用促進手当の支給と労働時間の延長を組み合わせる併用メニューもあります。この場合には従業員1人につき最大50万円を受け取れる仕組みです。

助成金を受け取るには、取り組みを開始する前日までに、管轄の労働局へキャリアアップ計画書を提出しなければいけません。

また自社が対象となる中小企業事業主に当てはまっていることも必要です。以下の「資本金の額・出資の総額」か「常時雇用する従業員の数」のいずれかに該当していることを確認しておきましょう。

業種

資本金の額・出資の総額

常時雇用する従業員の数

小売業(飲食店を含む)

5,000万円以下

50人以下

サービス業

5,000万円以下

100人以下

卸売業

1億円以下

100人以下

その他の業種

3億円以下

300人以下

関連記事:【社労士監修】年収の壁対策はキャリアアップ助成金を活用!待遇改善に役立つ福利厚生も

参考:厚生労働省|キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)

130万円の壁へ対応する被扶養者認定

年収130万円を超えると、全ての従業員が社会保険に加入しなければいけません。従業員数50人以下で企業の社会保険に加入する必要がないケースであっても、従業員は自身で手続きを行い国民年金や国民健康保険に加入することとなっています。

国民年金と国民健康保険の保険料の負担によって手取り額が減少するのを避けるために、年収130万円未満に収まるよう勤務を調整する人がいるのが「130万円の壁」です。

ただし労働時間を調整していても、繁忙期や人手不足によって年収130万円を超えることもあるでしょう。このことを企業が証明すれば、年収130万円以上でも期限付きで被扶養者認定を受けられる可能性があります。

なお被扶養者認定を受けられる上限額は設定されていません。厚生労働省のガイドラインによると、被扶養者の年収が被保険者の年収を上回る場合には、被扶養者が主に生計を維持しているとみなされて被扶養者認定が削除されるとあります。

参考:厚生労働省|事業主の証明による被扶養者認定Q&A

配偶者手当へ対応するフローチャート

年収の壁は税や社会保険の制度によるものだけではありません。企業が従業員の福利厚生として設けている「配偶者手当」の支給要件に配偶者の収入基準を設けていると、「年収の壁」として機能している場合があります。

手当を受け取るために、従業員の配偶者が働き控えるケースがあるためです。このような手当により生じる年収の壁を避けることも、望む働き方を実現できる人を増やすために有効な取り組みといえます。

ただし単に配偶者手当を廃止するだけでは福利厚生の不利益変更になる可能性があり不十分です。従業員にとってプラスになる制度変更を行うには、従業員の意見も取り入れつつ制度の見直しを進めましょう。

例えば配偶者手当を廃止・縮小する代わりに、基本給や子ども手当を増額するといった対策が有効です。制度の見直しを行うときには、厚生労働省が企業の配偶者手当の在り方の検討で公開している「配偶者手当見直し検討のフローチャート」が役立ちます。

関連記事:【社労士監修】「福利厚生をなくす」場合は不利益変更に注意!そのステップを解説

参考:厚生労働省|企業の配偶者手当の在り方の検討

【年収の壁対策】企業としてできる対策

従業員が「年収の壁」を気にせずに働ける環境を整えるため、企業ができることにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な対策を紹介します。

従業員の長期的なキャリア形成を支援する

「年収の壁」は、従業員の長期的なキャリア形成の妨げにもなります。特に、結婚・妊娠出産・介護など、ライフイベントの影響を受けやすい女性にとって、年収の壁は大きな障壁となりがちです。

企業は、従業員の長期的なキャリア形成を支援することで、年収の壁による影響の緩和につながります。具体的には、育児休業や介護休業の取得を促進し、休業期間中のキャリア形成支援を行うとよいでしょう。

また、従業員のキャリアプランに合わせた能力開発の機会を提供することも効果的です。年収の壁を意識せずに、自身のキャリアを築いていけるよう、企業が後押しすることが求められます。

さらに、シニア層の活躍を推進することも重要です。定年延長や再雇用制度を充実させることで、働きたい意欲のある人が迷わず働ける環境を整備できます。

企業が従業員の長期的なキャリア形成を支援することで、「年収の壁」の影響を最小限に抑え、多様な人材が活躍できる組織づくりを実現できるでしょう。

従業員のスキルアップをサポートする

従業員のスキルアップをサポートすることも、「年収の壁」対策に役立ちます。例えば、ITスキルやマーケティングスキルなど、企業のニーズが高い分野の知識を身に付ければ年収アップのチャンスが広がり、「年収の壁」を意識せずに働きやすくなるためです。

OJTやOff-JTの実施などで支給を受けられる、人材開発支援助成金の活用も検討するとよいでしょう。

関連記事:人材開発とは?人材開発の進め方や人材開発支援助成金についても解説

従業員の満足度を高める「福利厚生」

充実した福利厚生は、従業員を大切にする企業スタンスの表明であり、採用力の強化につながります。魅力的な福利厚生を提供することは、企業にとって人手不足解消を図る施策の1つです。

福利厚生の中には、要件を満たして導入すると、従業員の負担する所得税の非課税枠を活用できるものもあります。所得税が増えない分、実質的な賃上げにつながる取り組みです。

福利厚生として支給するため「年収の壁」への影響も少なく、対策の1つとして役立ちます。

出典:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

【年収の壁対策に】食事補助の福利厚生「チケットレストラン」

一定の条件下で導入すると、食事補助の非課税枠を活用して、従業員の所得税の負担を増やすことなく支給できる食事補助の福利厚生サービスに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。

iDで支払う仕組みで、従業員の食事代を半額補助できる福利厚生サービスです。勤務時間内であればいつでも利用できる上、場所の制約もないため、一人ひとりが異なるタイミングで休憩時間をとる職場や、リモートワークで働く従業員がいる企業などでも、対象となる従業員に公平に支給できます。

チケットレストラン」のサービスや、実質的な賃上げについては、こちらの「資料請求」からお問い合わせください。

関連記事:【社労士監修】非正規雇用の賃上げは課題だが年収の壁問題も!福利厚生が救世主に

年収の壁の変化に対応を

長く変化のなかった「年収の壁」が変わり始めています。2025年に「103万円の壁」から「160万円の壁」となった所得税に関する年収の壁は、2026年に「178万円の壁」となることが「令和8年度税制改正の大綱」に記載されました。

「年収の壁」はパートやアルバイトとして勤務する従業員の就業調整につながります。企業にとっては、人材不足を招きかねない仕組みです。

従業員が「年収の壁」を意識せずに働けるよう、助成金や福利厚生を活用した対策に取り組みましょう。

例えば、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を一定の条件下で導入すれば、「年収の壁」への影響を少なくしつつ実質的な給与アップが可能です。対策の1つとして、導入を検討してみませんか。

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税理士 / 1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和

コンサルティング会社・通販会社など様々な業種で働いている中で、税理士を目指すことを決意。1級FP 、日商簿記1級や宅建資格などを取得しており、幅広い視野と知見でサポートしております。
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