リスキリングに対し支給される補助金や助成金にはどのようなものがあるのでしょうか。DXの推進が求められる現代において、新しい技術に適応する人材の育成にはリスキリングが欠かせません最小限のコストでDXを進めるべく、リスキリングに対して支給される補助金・助成金の詳細を整理していきましょう。優秀な人材にとって魅力ある企業であり続けるための施策として、高い人気を誇るエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」についても紹介します。
監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)
リスキリングとは?
政府のDX推奨にともない、リスキリングによる人材育成や業務効率化が企業に必須の施策となりつつあります。リスキリング支援として支給される補助金・助成金について知るための前提として、まずはリスキリングの概要から整理していきましょう。
新しい技術に対応するスキルの取得を目指す政府推奨の施策
経済産業省は、「リスキリング」について以下のように定義しています。
新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること
出典:経済産業省|リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―
DXとは「Digital Transformation」の略語で、アナログからデジタルへの移行にともなうビジネスモデルの転換と、それにともなう企業価値向上を目指す施策をいいます。
技術革新が進み、ビジネスの形そのものが変容していく現代社会において、企業が時代の波に乗り遅れることなく将来的に安定した経営を続けていくためには、DXの推進が必要不可欠です。
DXの推進には新たな技術に対応できるスキルを持った人材が必要なため、従業員のスキルアップを目指すリスキリングが欠かせません。経済産業省が2022年に発表した「人材版伊藤レポート2.0」の中でも、人材戦略における「リスキル・学び直し」の重要性が指摘されています。
また、近年の物価高を背景に、経済界全体に賃上げの機運が高まっているのも、リスキリングが求められる理由のひとつです。
限られたリソースの中で賃上げを実現するためは、業務効率化による生産性向上が必要ですが、そのためには従業員一人ひとりのスキル向上を図るリスキリングが不可欠です。
2022年10月、岸田首相は、臨時国会での所信表明演説の中でリスキリングについて言及し、人への投資を「五年間で一兆円」のパッケージとして実行する旨を明らかにしました。
国として大々的に推奨している点からも、リスキリングの重要性は明らかといえます。
参考:経済産業省|人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~ 人材版伊藤レポート2.0~
リカレント教育とはどう違う?
リスキリングと混同されがちな言葉に「リカレント教育」があります。以下、両者の違いを分かりやすくまとめました。
リスキリング |
・企業主体で行う |
リカレント教育 |
・個人主体で行う |
リスキリングが前提として企業の将来ためのものであるのに対し、リカレント教育は学ぶ個人の将来ためのものです。
なお、リスキリングはしばしば「リスキング」と表記されることがありますが、これは誤りなので注意しましょう。
リスキリング補助金・助成金は3種類
2023年11月現在、リスキリングに対して支給される補助金・助成金は3種類あります。ここでは、3種類それぞれの詳細を解説します。
DXリスキリング助成金|東京都
東京都が事業主体となって行う助成金制度です。都内の中小企業などが、従業員に対して民間の教育機関等が提供するDX訓練を実施した際に利用できます。
管轄:東京都(公益財団法人東京しごと財団)
対象:都内の中小企業もしくは個人事業主
要件:
・都内に本社または事業所の登記があること
・訓練に要する経費を従業員に負担させていないこと
・勤務時間内に訓練を行っていること
・助成を受けようとする訓練について、国や地方公共団体から助成を受けておらず、受ける予定もないこと
・過去5年間に重大な法令違反等がないこと
・労働関係法令について、指定の条件を満たしていること
交付額:助成対象経費の3分の2(上限64万円)
申請期間:令和5年4月1日~令和6年2月29日
申請方法:郵送
参考: 東京しごと財団 雇用環境整備課|令和5年度DXリスキリング助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)
人材開発支援助成金|厚生労働省
厚生労働省が管轄する助成金制度です。事業主が従業員に対して実施した、業務に関連する専門的なスキルや知識を習得するための職業訓練等の経費や、訓練期間通の賃金の一部を助成します。以下に挙げる4つのコースに分かれ、コースごとに要件等が異なります。
人材育成支援コース
事業主が従業員に対し「業務に関連するスキルや知識を習得するための訓練」「厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練」「非正規雇用労働者を対象として行う正社員かを目指す訓練」を実施した際、訓練にかかった費用や訓練期間中に支払う賃金の一部を助成する制度です。
参考:人材育成支援コース
教育訓練休暇等付与コース
従業員が有給休暇を利用して業務に関連するスキルや知識の習得を目的とした訓練を受けた際、その費用の一部を助成する制度です。ただし、新たに有給教育訓練等制度を導入・利用した場合に限ります。
参考:教育訓練休暇等付与コース
人への投資促進コース
「デジタル人材や高度人材を育成するための訓練」「労働者が自発的に行う訓練」「定額制訓練(サブスクリプション型)」を実施した際、訓練に必要な経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
参考:人への投資促進コース
事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの際、新たに必要となるスキルや知識を習得させる目的で従業員へ訓練を実施した場合、訓練に必要な経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
教育訓練給付金|厚生労働省
労働者の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として運用される給付金制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際、受講費用の一部が支給されます。
対象となる教育訓練はレベルに応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分かれ、給付の内容もそれぞれ異なります。
専門実践教育訓練
- 対象:労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練
- 給付内容:訓練受講中、受講費用の50%(年間上限40万円)を6カ月ごとに支給
特定一般教育訓練
- 対象:労働者の速やかな再就職・早期のキャリア形成に役立つ教育訓練
- 給付内容:受講費用の40%(上限20万円)を訓練修了後に支給
一般教育訓練
- 対象:その他の雇用の安定・就職の促進に役立つ教育訓練
- 給付内容:受講費用の20%(上限10万円)を訓練修了後に支給
リスキリングを成功させるには
リスキリングは、企業の成長戦略において重要な課題ですが、同時に従業員に対し一定の負担を課す施策でもあります。従業員が気持ちよく新たなスキルや知識の習得に臨むために企業ができることにはどのようなものがあるのでしょうか。リスキリング成功のコツを整理していきましょう。
自社に必要なリスキリングを分析する
リスキリングは、新しい技術に適応する人材の育成を基本的な目的にしています。たとえどんなに優れたスキルや知識を習得したとしても、それが自社で利用する技術と無縁なものである場合、残念ながら意味がありません。
限られた人的・時間的リソースを最大限に生かすには、自社に必要な技術と、それを実践するために求められるスキルとを正しく分析することが必要不可欠です。
リスキリングの重要性を周知する
リスキリングをスムーズに進めるには、リスキリングの重要性について、従業員への周知も忘れずに行いましょう。
日々の業務をこなしながら、新たなスキルや知識を習得するリスキリングは、従業員に一定の負担を課すものです。これは、従業員一人ひとりの前向きな姿勢なくして成り立ちません。
なぜ今リスキリングが必要なのか、行わなかった場合どのようなリスクが考えられるのかについて、丁寧な周知徹底が求められます。
リスキリングに取り組みやすい環境を整備する
従業員が無理なくリスキリングに取り組める環境を用意することも、リスキリングをスムーズに進めるための大切なポイントです。
近年、働き方が多様化する中で、ワークライフバランスの重要性も高まっています。リスキリングの講座受講によって週末が潰れてしまうようなケースでは、従業員のモチベーションも上がらず、望まし成果が得られない可能性が高まります。
企業としての魅力向上に努める
リスキリングを進め、新たな時代に適応する人材育成を成功させる上で、重要な役割を担うのが、企業としての魅力です。
従業員が「会社のために勉強しよう」「新たなスキルや知識を身に付けよう」と思えるかどうかは、企業に対する従業員の満足度や思い入れの度合い次第といっても大げさではありません。
企業に対する満足度や思い入れが高水準である場合、従業員の企業に対する貢献意欲もまた高まります。リスキリングへの取り組み方もより真摯なものになり、成果も挙がりやすくなると考えられるのです。
魅力ある企業としての施策「チケットレストラン」
スムーズにリスキリングを進めるために、企業としての魅力向上に努めること大切です。中でも有効なのが福利厚生を充実させる方法です。
以下、充実した福利厚生が魅力ある企業づくりに果たす役割と、人気の福利厚生サービス:エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」について解説します。
福利厚生を充実させるメリット
福利厚生が魅力ある企業づくりに役立つのはいったいなぜなのでしょうか。以下、福利厚生を充実させることで企業が得られるメリットをまとめました。
- 従業員のモチベーション・パフォーマンスが向上する
- 企業としての業績アップが期待できる。
- 他社との差別化・ブランディングができる
- 人材の獲得・定着につながる
- 従業員満足度が向上する
福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があり、このうち「法定外福利厚生」は企業の裁量で自由に設計できるものです。
提供する・しないや内容について、企業独自に決められるため、企業の従業員に対する姿勢や社風が表れやすいという特徴があります。
「福利厚生が充実した企業は従業員を大切にする企業」とのイメージも根強いことから、人材の獲得・定着において果たす役割も小さくありません。
従業員企業に対する愛着を深める要因となることから、スムーズなリスキリングにも大きく貢献するでしょう。
エデンレッドジャパン「チケットレストラン」の魅力
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、ICカードを通じて提供する食事補助サービスです。
「チケットレストラン」を導入した企業の従業員は、全国25万店舗以上もの加盟店での食事を半額で利用できます。
使う時間や場所を選ばず、ランチ補助として利用できるほか、朝食やおやつの購入に利用したり、お弁当へおかずを1、2品プラスしたりといった使い方も可能です。
使い方の自由度が高いため、使う人の職種や勤務形態も問いません。誰でも平等に利用でき、職種や勤務地による不公平感がないのは、「チケットレストラン」の大きな特徴です。このような数々のメリットから、導入後の従業員利用率98%、企業の継続率99%を誇る人気サービスとなっています。
自社に合ったリスキリングで安定した経営を実現
DX化の推奨にともない、リスキリングの後押しとしてさまざまな補助金や助成金が用意されています。
しかしながら、リスキリングは新たなスキルや知識の習得です。従業員に一定の負担がかかる施策であるために、やみくもに進めてもうまくいきません。
そこでおすすめなのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のような福利厚生を導入し、企業としての魅力を高める方法です。
従業員にとって魅力ある企業になることで、従業員の企業に対する帰属意識や貢献意欲が高まります。前向きな気持ちでリスキリングに臨むことができ、リスキリングの効果を最大限に発揮できると考えられるのです。
新しい時代を生きぬく企業づくりの第一歩として、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」の導入を検討されてはいかがでしょうか。