賃上げ率の推移
近年の賃上げ率はどのように推移しているのでしょうか。ここでは日本労働組合総連合会や厚生労働省が発表している複数のデータをチェックして、賃上げ率の推移を見ていきましょう。
関連記事:【最新】中小企業の賃上げ推移2025|成長持続のための施策とは
連合の発表で見る賃上げ率の推移
日本労働組合総連合会の発表をもとに、これまでの賃上げ率を見ていくと、2022年まではほぼ横ばいで推移しています。
2023年に2022年を1.5%以上超える賃上げ率となり、その後2024年には33年ぶりに賃上げ率の全体平均が5%を超える歴史的な賃上げ率を記録しました。
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年
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賃上げ率
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従業員300人未満の企業の賃上げ率
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従業員300人以上の企業の賃上げ率
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2015年
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2.20%
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1.88%
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2.24%
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2016年
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2.00%
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1.81%
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2.03%
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2017年
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1.98%
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1.87%
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1.99%
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2018年
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2.07%
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1.99%
|
2.08%
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2019年
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2.07%
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1.94%
|
2.09%
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2020年
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1.90%
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1.81%
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1.91%
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2021年
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1.78%
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1.73%
|
1.79%
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2022年
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2.07%
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1.96%
|
2.09%
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2023年
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3.58%
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3.23%
|
3.64%
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2024年
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5.10%
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4.45%
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5.19%
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2025年
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5.25%
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4.65%
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5.33%
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参考:日本労働組合総連合会|労働・賃金・雇用 春季生活闘争
厚生労働省の「民間主要企業春季賃上げ集計」で見る賃上げ率の推移
厚生労働省の「民間主要企業春季賃上げ集計」では、資本金10億円以上・従業員1,000人以上の労働組合がある企業の賃上げ率を確認できます。
2015年から2024年までの賃上げ率の推移を見ると、2022年までほぼ横ばいで、2023年から上がり始め、2024年に5%を超えているのは、日本労働組合総連合会の賃上げ率と同様の傾向です。
集計の対象が規模の大きな企業であるため、全体的に高めの賃上げ率となっている点が日本労働組合総連合会の発表と異なります。
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年
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賃上げ率
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2015年
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2.38%
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2016年
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2.14%
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2017年
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2.11%
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2018年
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2.26%
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2019年
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2.18%
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2020年
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2.00%
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2021年
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1.86%
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2022年
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2.20%
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2023年
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3.60%
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2024年
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5.33%
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参考:厚生労働省|民間主要企業春季賃上げ集計
厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」で見る賃金の改定率の推移
厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」では、企業規模ごとの1人平均賃金の改定率が分かります。
1人平均賃金の改定率とは、時間外手当や休日手当などの割増手当・慶弔手当などの特別手当を含まない所定内賃金である1人平均賃金が改定された割合のことです。
賃金がどれだけ上がったかを示すため、日本労働組合総連合会の発表や「民間主要企業春季賃上げ集計」と同じように、2022年まではほぼ横ばいに推移し、2023年から上がっています。
また従業員数が多くなるほど改定率が高い傾向です。
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年
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全企業の賃金の改定率
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従業員数5,000人以上の企業の賃金の改定率
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従業員数1,000~4,999人の企業の賃金の改定率
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従業員数300~999人の企業の賃金の改定率
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従業員数100~299人の企業の賃金の改定率
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2015年
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1.9%
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2.2%
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2.0%
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1.8%
|
1.6%
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2016年
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1.9%
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1.9%
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1.8%
|
2.0%
|
1.8%
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2017年
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2.0%
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2.1%
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1.8%
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2.1%
|
1.9%
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2018年
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2.0%
|
2.2%
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1.9%
|
1.9%
|
1.9%
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2019年
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2.0%
|
2.1%
|
2.0%
|
1.9%
|
1.9%
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2020年
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1.7%
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1.9%
|
1.7%
|
1.7%
|
1.6%
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2021年
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1.6%
|
1.6%
|
1.7%
|
1.6%
|
1.6%
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2022年
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1.9%
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2.0%
|
1.8%
|
2.0%
|
1.9%
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2023年
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3.2%
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4.0%
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3.1%
|
3.2%
|
2.9%
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2024年
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4.1%
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4.8%
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4.1%
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3.8%
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3.7%
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参考:厚生労働省|賃金引上げ等の実態に関する調査
「賃金構造基本統計調査」で見る企業規模別平均月額賃金の推移
「賃金構造基本統計調査」の「きまって支給する現金給与額」の推移からも、賃上げ率の推移をチェックできます。
企業規模計で見ていくと、2021年から2022年は5,300円増、2022年から2023年は6,600円増となっているのに対して、2023年から2024年は1万2,900円増と、給与が急激に増加していました。
この結果より、2024年に歴史的な賃上げが行われたことが分かります。
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年
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企業規模計
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従業員1,000人以上
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従業員100~999人
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従業員10~99人
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2019年
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33万8,000円
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38万4,000円
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32万3,300円
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29万3,800円
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2020年
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33万600円
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36万9,000円
|
32万3,800円
|
29万3,800円
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2021年
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33万4,800円
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37万5,700円
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32万6,100円
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29万8,900円
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2022年
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34万100円
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38万5,300円
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33万600円
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30万4,500円
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2023年
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34万6,700円
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38万2,700円
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33万8,800円
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31万4,000円
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2024年
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35万9,600円
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40万2,400円
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35万600円
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32万400円
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参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査
2025年の賃上げ率をチェック
日本労働組合総連合会の「第7回(最終)回答集計」で、2025年の賃上げ率を見ていきましょう。2025年春闘における賃上げ率は、どの企業規模でも2024年を上回っています。
格差是正に向けて日本労働組合総連合会が求めた、中小企業6%以上の賃上げ率は達成しませんでしたが、回答額が着実に上がっていることが分かる結果です。
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従業員数
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2025年賃上げ率
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2024年賃上げ率
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全体平均
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5.25%
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5.10%
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99人以下
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4.36%
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3.98%
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100人以上299人以下
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4.76%
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4.62%
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300人以上999人以下
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5.08%
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4.98%
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1,000人以上
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5.39%
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5.24%
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関連記事:【2025年最新】ベースアップの平均はいくら?企業規模別の傾向をチェック
参考:
日本労働組合総連合会|2025年春闘|要求集計・回答集計結果|第7回(最終)回答集計(2025年7月1日集計・7月3日公表)
日本労働組合総連合会|2024年春闘|要求集計・回答集計結果|第7回(最終)回答集計(2024年7月1日集計・7月3日公表)
調査によっては企業規模による格差も見られる
日本労働組合総連合会の発表では、企業規模を問わず2024年よりも2025年の賃上げ率の方が高い結果でした。ただし賃上げの実施率には、企業規模による格差があるという調査結果もあります。
東京商工リサーチ「2025年2月「賃上げ」に関するアンケート調査」
東京商工リサーチの「2025年2月「賃上げ」に関するアンケート調査」によると、2025年に賃上げを実施すると回答した企業は85.2%で、2024年の84.2%を上回りました。
ただし企業規模別に見ると、中小企業の賃上げ実施率は大企業より8.2ポイント低い結果です。
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企業規模
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賃上げを実施すると回答した割合
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全企業
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85.22%
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資本金1億円以上(大企業)
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92.86%
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資本金1億円未満(中小企業)
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84.63%
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また賃上げを実施すると回答した企業に、2025年の賃上げ率について聞いた結果は以下の通りです。
大企業では「5%以上6%未満」が最も多く32.23%であるのに対して、中小企業では「3%以上4%未満」が最も多く28.96%となっています。賃上げ実施率に加えて、賃上げ率も企業規模による差がある状況といえるでしょう。
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賃上げ率
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大企業
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中小企業
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1%未満
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0.00%
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1.37%
|
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1%以上2%未満
|
3.94%
|
5.77%
|
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2%以上3%未満
|
11.18%
|
16.17%
|
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3%以上4%未満
|
26.31%
|
28.96%
|
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4%以上5%未満
|
19.07%
|
11.50%
|
|
5%以上6%未満
|
32.23%
|
27.09%
|
|
6%以上7%未満
|
3.94%
|
3.24%
|
|
7%以上8%未満
|
1.31%
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2.26%
|
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8%以上9%未満
|
1.31%
|
0.88%
|
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9%以上10%未満
|
0.00%
|
0.00%
|
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10%以上20%未満
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0.65%
|
2.48%
|
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20%以上30%未満
|
0.00%
|
0.08%
|
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30%以上40%未満
|
0.00%
|
0.00%
|
|
40%以上50%未満
|
0.00%
|
0.00%
|
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50%以上
|
0.00%
|
0.13%
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参考:東京商工リサーチ|2025年2月「賃上げ」に関するアンケート調査
エデンレッドジャパン「賃上げ疲れ実態調査2025」
エデンレッドジャパンが実施した「賃上げ疲れ実態調査2025」によると、継続的な賃上げで経営に負担を感じている企業の割合は77.0%となっています。
具体的な影響としては「企業収益の圧迫」が68.7%と最も多く、次に「事業への投資抑制」が33.1%です。3社に1社は、賃上げにより今後の経営戦略にも影響が出ている状態といえます。
このような状況の中、2026年の賃上げ実施見込みについての質問では、中小企業の方が大企業より15.4ポイント賃上げ実施見込みが低い結果となりました。
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企業規模
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賃上げを継続すると回答した割合
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大企業(従業員300人以上)
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68.3%
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中小企業(従業員300人未満)
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52.9%
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関連記事:賃上げ疲れ実態調査2025~7割以上の企業が春闘による“賃上げ圧力”を実感~
賃上げは2026年に「失速する」との見通しも
ニッセイ基礎研究所の「高水準の賃上げをもたらしたのは人手不足か、物価高か」の見通しでは、賃上げは2026年に失速するそうです。
要因のひとつに、ニッセイ基礎研究所の「2025・2026年度経済見通し」で予測されている物価上昇率の鈍化があげられます。
2024・2025年に大きく賃上げ率が上がったのは、物価高が続いたためです。景気が上向いていても物価が下落していれば、賃上げの要求が大きく高まることはありません。
実際に2013年以降、アベノミクス景気により過去最高益となった企業が出た時期は、物価の下落で実質賃金が上昇したため、賃上げの要求も実際の賃上げ率もそれほど高くなりませんでした。
2026年は物価上昇率の鈍化が予測されるため、2024・2025年のような高い賃上げ率にはならない見込みです。
関連記事:2026年の賃上げは失速?これまでの推移と失速の理由を解説
参考:
ニッセイ基礎研究所|高水準の賃上げをもたらしたのは人手不足か、物価高か
ニッセイ基礎研究所|2025・2026年度経済見通し-25年1-3月期GDP2次速報後改定
2026年は実質賃金に注目
「毎月勤労統計調査」によると、2023年からそれまでほぼ横ばいで推移していた賃上げ率が上がり始めています。ただしその間、従業員が受け取る名目賃金から、物価上昇分を除いた実質賃金は下がり続けています。
賃上げにより従業員が受け取る給与の金額は上がっているけれど、物価上昇により買い物ができる分量が減っている状況です。従業員の生活水準が低下しているケースもあるでしょう。
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年月
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名目賃金の前年比
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実質賃金の前年比
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2019年
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-0.4%
|
-1.0%
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2020年
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-1.2%
|
-1.2%
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2021年
|
0.3%
|
0.6%
|
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2022年
|
2.0%
|
-1.0%
|
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2023年
|
1.2%
|
-2.5%
|
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2024年
|
2.8%
|
-0.3%
|
賃上げ率が上がっていなくても、実質賃金が上がっていれば、従業員は生活に必要なものを十分購入できます。受け取る給与の金額に影響する賃上げ率だけでなく、実際にどれだけ買い物ができるかにつながる実質賃金にも注目が必要です。
関連記事:実質賃金と名目賃金の違い|物価上昇を上回る賃上げ目標についてもチェック
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和7年4月分結果確報
従業員の手取りアップに向けて企業ができること
従業員の生活をサポートするには、給与の金額を増やす賃上げに加えて、実際に従業員が使える手取りアップにつながる制度の導入がポイントです。
エデンレッドジャパンでは、実質的な手取りアップや家計負担の軽減につながる福利厚生サービスを活用した賃上げを、「第1の賃上げ」である定期昇給や、「第2の賃上げ」であるベースアップに対して、「第3の賃上げ」と定義しました。
ここでは「第3の賃上げ」につながる福利厚生として、エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を紹介します。
「第3の賃上げ」や「チケットレストラン」の詳細は、こちらの「資料請求」よりお問い合わせください。
関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト
「チケットレストラン」で従業員満足度アップが期待できる
エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は、全国にある25万店舗以上の加盟店で昼食を購入できるのが特徴です。休憩時間のタイミングや勤務場所によらず利用できるため、対象となる従業員が公平に利用できます。
便利で利用しやすいことから、従業員満足度は93%と高い水準です。実際に「チケットレストラン」を導入した名古屋商工会議所では、職員アンケートで回答者全員が「今後も利用したい」と回答するほど、満足度が向上しました。
詳細な導入事例はこちら:名古屋商工会議所
「チケットレストラン」で人材確保が期待できる
賃上げ疲れがある中でも企業が賃上げに取り組むのは、今いる従業員の離職防止や、新たな人材のスムーズな採用が目的のケースが少なくありません。従業員満足度の高い食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を導入すれば、人材確保が期待できます。
例えば株式会社sumarchでは「チケットレストラン」をはじめとする充実した福利厚生サービスを整備した結果、転職を検討していた従業員が考え直す結果につながった事例があります。
また株式会社ほねごりでは、複数の積極的な採用施策を実施するとともに「チケットレストラン」をアピールすることで、新卒採用数の倍増につながりました。
詳細な導入事例はこちら:
株式会社sumarch
株式会社ほねごり
2025年の賃上げ率は2024年以上
賃上げ率の推移を見ると、どの調査でも、2022年まではほぼ横ばいで2023年から上がり始め、2024年は歴史的な賃上げとなりました。さらに2025年は大幅アップとなった2024年より賃上げ率が向上しています。
その一方で、大企業と中小企業では賃上げの実施率や賃上げ率に格差が見られる、という調査結果もありました。また2026年には、物価上昇率の鈍化が予測されていることから、賃上げの失速も見込まれています。
このような中で重要なのは、従業員の生活水準の維持向上につながる施策です。実質的な手取りアップに取り組むなら、一定の利用条件下において非課税枠を活用できる食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の導入を検討してみませんか。
資料請求はこちら