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従業員エクスペリエンス向上で離職を防ぐ方法|成果が出る施策と企業事例

公開日: 2026.05.08

更新日: 2026.05.08

従業員エクスペリエンスは、離職率や生産性に直結するポイントです。人材不足が深刻化する中、賃上げのみでは他社との差別化につながらず、定着率の向上は難しくなっています。本記事では、従業員エクスペリエンスを高める具体施策と、実際の企業事例をもとに、成果につながる改善方法を見ていきましょう。

従業員エクスペリエンスとは何か

従業員エクスペリエンス(Employee Experience)とは、従業員が企業で得るあらゆる体験のことです。採用から退職までに従業員が企業で触れる、業務内容・人間関係・制度・職場環境などが、従業員エクスペリエンスの質に影響します。

重要なのは、従業員エクスペリエンスが「制度」ではなく「体験」だという点です。同じ制度であっても、その運用の仕方や日常での関わり方などによって、体験の質は大きく変わります。企業は制度の中身だけでなく、従業員がどう感じるかといった体験も含めて設計する必要があります。

従業員エンゲージメントとの違い

従業員エンゲージメントとは、仕事への意欲や会社への愛着といった「心理状態」を指します。一方、従業員エクスペリエンスは、従業員エンゲージメントにつながるあらゆる「体験」です。

人材不足といった課題への対策を目的として、従業員エンゲージメントの向上を目指す場合には、その前提となる従業員エクスペリエンスの設計が欠かせません。

関連記事:従業員エンゲージメントとは?向上に役立つ施策や取り組むメリット

なぜ今、従業員エクスペリエンスが重要なのか

従業員エクスペリエンスが近年注目されている背景には、人材不足と働き方の変化があります。ここでは、従業員エクスペリエンスが重視される背景を見ていきましょう。

人材不足や人材流動化が加速しているから

業種や職種を問わず広がっている人材不足の中、企業にとって採用するよりも辞めさせないことが重要になっています。帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、2026年1月時点に「人手不足を感じている」と回答した企業は52.3%でした。

業種によっては人手不足がより深刻なケースもあり、案件があっても人手不足が原因で受注できない事態も発生しています。このような状況から、人材確保は経営の最重要課題の1つといえるでしょう。

また、転職が一般化したことで、従業員はより良い環境を求めやすくなりました。従業員エクスペリエンスの向上によって、より質の高い体験価値を提供できない企業からは、優秀な人材ほど先に離れていきます。

関連記事:なぜ優秀な人ほど突然辞めるのか?理由・予兆・防止策と見抜くポイントを解説

参考:帝国データバンク|人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)

口コミで可視化されるから

口コミサイトやSNSの普及により、企業の実態が可視化されてきています。制度の良し悪しはもちろん、その先にある「実際にどう感じるか」さえも評価される時代です。

その結果、従業員エクスペリエンスの向上に努めることは、採用ブランディングにも直結するようになりました。必要な制度を十分に整え、従業員エクスペリエンスを高めている企業では良い体験ができることから、求職者に選ばれやすくなっています。

給与だけでは差別化が難しいから

人材確保に向けて賃上げは有効です。ただし毎年のように前年並みの賃上げを行う企業が増えている中、賃上げだけでは採用や定着にプラスに働くほどの差別化は難しいのが現状です。

特に中小企業は、賃上げのみでの競争を難しいと感じるケースが多いでしょう。金銭的なメリットとあわせて、働きやすさ・文化・日常的に利用できる制度などの充実による、従業員エクスペリエンス向上への取り組みが有効です。

従業員エクスペリエンスを高める3つのメリット

従業員エクスペリエンスを高めるにはコストがかかります。ただし、このコストは人材確保をはじめとする課題の解消に向けた投資ともいえるものです。ここでは、従業員エクスペリエンスの向上に向けた取り組みが、投資といえるだけのメリットをチェックしましょう。

離職率の低下

従業員エクスペリエンスが高い職場では、従業員が「辞める理由」を感じにくくなります。十分な働きやすさや、評価への納得感、日常的に利用できる制度などにより、転職を検討するきっかけが生まれにくいためです。

生産性・業績の向上

従業員エクスペリエンスが高い職場では、従業員の集中力やパフォーマンスが高まりやすくなります。この結果、1人あたりの生産性が高まれば、全体の業績アップも期待できるでしょう。

採用力の強化

従業員が企業で働く中で得た良い体験は口コミとして広がります。良い口コミが多ければ「働きたい企業」として認知されるため、スムーズな採用につながりやすくなるでしょう。従業員エクスペリエンスの向上は、採用コストの削減や応募者の質向上にもつながる取り組みです。

従業員エクスペリエンスを構成する5つの要素

従業員エクスペリエンスは1つの施策で向上するわけではありません。複数の要素について施策を実施することで、従業員エクスペリエンスの向上が期待できます。ここでは、従業員エクスペリエンスを構成している5つの要素について見ていきましょう。

仕事のやりがい

仕事そのものの内容が、従業員にとって十分なやりがいを感じられるものであるかどうかは、従業員エクスペリエンスの重要な要素です。他の要素が十分に整っている場合でも、従業員が希望する内容やペースでの勤務が難しい場合には、従業員エクスペリエンスが低下しかねません。

仕事のやりがいが得られないことから、離職を選ぶ従業員が出てくる可能性があります。

人間関係

上司や同僚との関係性も従業員エクスペリエンスに影響を与える要素の1つです。良好な人間関係が構築されていない心理的安全性の低い職場では、従業員は安心して能力を発揮できません。

また、良好な関係性が育まれていなければ、仕事上必要な相談や報告などが滞ることも考えられます。結果として、生産性や業績などへも影響が出る可能性のある要素です。

関連記事:心理的安全性とは何か?職場における定義や「ぬるま湯」との違いを解説

評価制度・報酬体系

従業員にとって公平で納得感のある評価制度や報酬体系であることも重要です。同程度の成果を出したにもかかわらず評価者によって評価が異なる場合や、評価のポイントが明確になっていない場合には、不公平感が従業員エクスペリエンスの低下につながるでしょう。

公平な評価制度や報酬体系の整備と、その内容の周知が必要です。

スキルアップやキャリア形成の機会

スキルアップやキャリア形成の機会があるかどうかも、従業員エクスペリエンスの向上に関わります。従業員が希望するキャリアの実現に向けたサポートを行うことで、従業員エクスペリエンスの向上につながるでしょう。

例えば、スキルアップに役立つ研修の実施や資格取得支援などや、学んだ知識やスキルを実際の業務に役立てるための人員配置などが有効です。

福利厚生

福利厚生による働きやすい環境の整備も、従業員エクスペリエンスの向上に役立つ要素です。中でも、毎日使う制度を充実させることで、従業員は日常的に恩恵を受けられるようになります。

既に福利厚生が充実している場合にも、常日頃から利用できる制度はどれだけあるか、実際にどのくらい使われているかを確認しましょう。どれだけたくさんの福利厚生を用意していても、利用されていなければ効果は期待できません。

従業員の利用率が高い福利厚生を導入する方法

従業員エクスペリエンスの向上を目的として福利厚生を導入するには、利用率の高い福利厚生を選ぶことが重要です。

ここで、労働政策研究・研修機構の実施した「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」が役立ちます。同調査によると、利用率が上位10位までの福利厚生は以下の通りです。

福利厚生

利用率

食堂

58.9%

食事手当

53.4%

社員旅行の実施、補助

47.3%

診療所、健康管理センター等医療施設

43.4%

運動会等のレクリエーション活動の実施

39.3%

社内預金制度

39.5%

外部飲食店で利用できる食券等の配布

38.4%

ノー残業デー等の設置

38.1%

人間ドック受診の補助

37.6%

有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など)

37.4%

特に利用率が高いのは、食堂・食事手当といった食事に関する福利厚生です。毎日のように利用できる福利厚生は、従業員エクスペリエンスの向上にもプラスに働くことが期待できます。

参考:労働政策研究・研修機構|企業における福利厚生施策の実態に関する調査

なぜ食事補助が従業員エクスペリエンス向上に効くのか

食事補助が従業員エクスペリエンスの向上にプラスに働く理由は、以下の3点です。

  • 毎日発生する体験だから
  • 公平性が高いから
  • コミュニケーションが生まれるから

毎日のようにとる食事をサポートする食事補助を導入すると、従業員は日常的に企業の制度を利用します。食事をお得に食べられるという日々の体験により、従業員エクスペリエンスの向上につながるでしょう。

性別や年齢などを問わず、公平に支給できる福利厚生であることもポイントです。対象となる全ての従業員が利用しやすいため、全体の従業員エクスペリエンスが高まりやすくなります。

また、食事代の負担が軽減すれば、従業員同士で気軽に誘い合って食事に行きやすくなります。食事を通して良好な関係性の構築につながることも期待できる制度です。

食事補助の導入による従業員エクスペリエンス向上の成功事例

毎日のように利用できる食事補助の導入が、実際に従業員エクスペリエンスの向上につながった事例もチェックしましょう。ここで紹介するのは、食事補助としてエデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」の導入事例です。

共進運輸株式会社

共進運輸株式会社導入事例)は、シフト勤務で食事時間が不規則なドライバーの食環境改善を目的に「チケットレストラン」を導入しました。

コンビニや飲食店など、全国にある加盟店25万店舗以上でいつでも利用できる点が、ドライバーの勤務形態にマッチした結果「健康を意識した食品を選ぶようになった」「しっかり食事をとるようになった」という声が上がるなど、健康経営の向上に貢献しています。

他社との差別化につながる日常的に使える食事補助の導入は、定着率の向上にも役立つ要素だそうです。

M's ファーマ株式会社

大阪府南部で調剤薬局「くれよん薬局」を展開するM'sファーマ株式会社導入事例)は、公共交通機関や飲食店が少ない地域での店舗運営という特性から、スタッフが公平に使える食事補助を求めて「チケットレストラン」を導入しました。

需要が高い一方で離職率も高い薬剤師の定着に課題を抱えていた同社ですが、導入後は離職率が約50%から約10%に大幅に低下しています。このように「働き続けたい」と考える従業員が増えていることから、従業員エクスペリエンスも向上していることがうかがわれます。

株式会社sumarch

株式会社sumarch導入事例)では「毎年給料を上げてもらっても税金や社会保険で手取りがなかなか増えない」という従業員の声をきっかけに「チケットレストラン」を待遇改善の一環として導入しました。

給料・労働環境・福利厚生などの充実に取り組んできた結果、転職活動をした従業員が他社と比較して「sumarchの待遇が上回る」と判断し、転職を取りやめた事例もあることから、定着率向上に貢献しているそうです。

また息抜きにコーヒーやスイーツを購入する従業員も多く、午後の活力にもなっているそうです。

従業員エクスペリエンス向上に向けた取り組みの進め方

従業員エクスペリエンスの向上は、施策を実施してすぐに成果が出るというものではありません。以下の手順で継続的に取り組み、徐々に改善していく必要があります。

  1. 現状把握
  2. 課題の特定
  3. 施策設計
  4. 実行
  5. 改善

まずは自社の現状を把握することから始めます。従業員エクスペリエンスがどの程度なのか、実際に調査を行い明確にしましょう。その上で、今取り組むべき課題を特定しましょう。次に、特定した課題を解決するための施策を設計します。

施策を実施したら、その結果を評価して、改善も行いましょう。はじめから期待するような変化は表れないかもしれません。改善を重ねながら、自社に合う制度にしていきます。

従業員エクスペリエンスに関するよくある質問

従業員エクスペリエンス向上にコストはどれくらいかかりますか?

施策によって異なりますが、高額な投資が必須というわけではありません。例えば福利厚生の見直しによる日常体験の改善など、比較的低コストで始められる施策もあります。重要なのはコストの大きさではなく、従業員にとって体験価値が高い施策を実施することです。

福利厚生は本当に従業員エクスペリエンス向上に効果がありますか?

効果はあります。ただし前提として「利用されること」が重要です。形式的に存在するだけの制度では従業員エクスペリエンスの向上にはつながりません。食事補助のような日常的に使われる福利厚生は、体験への影響が大きく効果が出やすい傾向があります。

中小企業でも従業員エクスペリエンスの改善は可能ですか?

可能です。中小企業の方が大企業よりも意思決定が早く、柔軟に施策を実行できる点で有利な場合もあります。自社の規模や従業員のニーズに合った施策を選ぶことが重要です。

従業員エクスペリエンス向上は「日常体験の設計」がカギ

従業員エクスペリエンスは、離職率や生産性、採用力に直結するポイントです。従業員エクスペリエンスを高めて、人材確保といった課題の解決につなげるには、日常的な体験をより良いものにしていく必要があります。

例えば、食事補助のように毎日利用できる福利厚生は、従業員エクスペリエンスの向上に役立つ施策の1つです。エデンレッドジャパンが提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」を活用すれば、手間やコストを抑えつつ制度を導入しやすくなります。

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エデンレッドジャパンブログ編集部

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