人的資本経営とは、人材を資本として捉え企業価値の向上につなげる経営手法です。しかし、制度の整備や情報開示だけでは成果にはつながりません。重要なのは、従業員エンゲージメントの向上まで施策を落とし込むことです。本記事では、人的資本経営の基本からエンゲージメントとの関係、具体的な取り組み手順までを解説します。
人的資本経営についてよくある質問
まずは、人的資本経営についてよくある質問と回答を紹介します。
人的資本経営とは何ですか?
人的資本経営とは、人材をコストではなく資本と考える経営手法のことです。人材は資本のため、投資として教育に取り組んだり、働きやすい環境を整えて能力を発揮しやすくしたりします。
関連記事:人的資本経営とは?事例を用いて解説!メリットや導入のステップ
今注目されているのはなぜですか?
人的資本経営が今注目されているのは、人材不足が進行しているためです。業種や職種を問わず人材が不足している中、自社に必要な人材を確保するには、エンゲージメントや多様な人材の働きやすさの向上が期待できる人的資本経営の取り組みが役立ちます。
また、企業の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への取り組みも評価する、ESG投資を意識する投資家が増えていることも、人的資本経営が注目されている理由です。
関連記事:ESG経営とは?採用力強化と企業価値向上をかなえる新時代の経営戦略
エンゲージメントとは何ですか?
エンゲージメントとは、深い結びつきのことです。エンゲージメントが高い従業員は、企業の理念やビジョンをよく理解し、その達成のために自発的に貢献する姿勢を示します。
また人的資本経営への取り組みは、従業員エンゲージメントの向上につながる点もメリットです。
関連記事:エンゲージメントと離職率の相関関係は?早期離職の回避に向けた施策も
人的資本経営の実現には何から始めるべきですか?
人的資本経営を実現するには、まず自社の現状把握から始めましょう。その上で目標を設定して、施策に取り組みます。実施した結果を評価して、改善していくことも欠かせません。
人的資本経営とは
人的資本経営では、従業員を企業成長や生産性を向上させる投資対象と捉えます。ヒトをカネやモノ同様に資本と考えて企業価値を高めるよう取り組む経営戦略です。
経済産業省の「人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~」には「人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」と記載されています。
関連記事:人的資本経営と福利厚生の関係性は?情報開示19項目一覧と施策例
参考:経済産業省|人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~
人的資本経営と従来の人材戦略の違い
人的資本経営と従来の人材戦略とでは、人材の捉え方が異なります。具体的な違いは以下の通りです。
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人的資本経営 |
従来の人材戦略 |
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人材の捉え方 |
増やすべき資本 |
消費する資源 |
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教育にかかる費用 |
投資 |
コスト |
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情報開示 |
積極的 |
消極的 |
従来の人材戦略では従業員を資源と捉えていましたが、人的資本経営では資本と捉えています。これにより、コストを抑えつつ管理するものという考えから、適切な投資により価値を引き出し企業価値を高める源泉となるものという考え方へ、シフトしている状態です。
人的資本経営と心的資本経営の違い
人的資本経営とは、個々の従業員が持っている資質や能力を企業の資本として捉えて、その価値の向上を目指すことです。一方、心的資本経営は従業員の能力を発揮できる心の状態に着目する考え方です。
従業員の心の幸福度が低いままでは、人的資本経営によって向上した資質や能力を十分に活かせない可能性があります。従業員の幸福度を高める心的資本経営は、人的資本経営を機能させるための土台や土壌といえる考え方です。
関連記事:心的資本経営とは?人的資本経営との違いや、企業のメリットを解説
今、人的資本経営が注目されている理由
人的資本経営が注目されている理由には「少子高齢化や人材流動化の進行」「投資家や市場の要請」「人的資本経営を重視する制度」があげられます。それぞれの理由について詳細を見ていきましょう。
関連記事:人的資本と人的資源の違いは?人的資本経営に注目が集まる理由も解説
少子高齢化や人材流動化が進行しているため
国内の広い範囲で起こっている人材不足は、少子高齢化による生産年齢人口の減少が影響しています。求人を掲載しても、思うように人材が集まらず、採用がスムーズに進まない企業もあるでしょう。
また、物価上昇が続く中「年収を上げる」ことを目的に転職する人は、46.9%と半数近くに達することがJob総研の「2025年 転職と年収に関する実態調査」から分かりました。
全体で見ると人材流動化はそれほど顕著ではありませんが、年代や地域によっては進行している部分も見られます。
このような状況の中、事業の継続に必要な人材確保ができずに倒産した人手不足倒産の件数は、2025年には427件と3年連続で過去最高を更新しました。
人的資本経営に取り組み、従業員が働きやすさや希望のキャリアを実現しやすい環境を整えることは、必要な人材確保につながることから注目されています。
参考
:Job総研|Job総研『2025年 転職と年収に関する実態調査』を実施しました
:帝国データバンク|人手不足倒産の動向調査(2025年)
投資家や市場が重視するため
投資家や市場がESG投資を意識していることも、人的資本経営に注目が集まっている理由の1つです。ESG投資とは、財務情報に加えて以下の3種類を考慮することで、持続可能性の高い企業を選んで投資することをさします。
- E:環境(Environment)
- S:社会(Social)
- G:ガバナンス(Governance)
人的資本経営は、このうちのSにあたる社会に含まれます。ESG投資には世界各国の機関投資家が賛同しているため、ESG経営に取り組まなければ、資金調達がスムーズに進みにくくなるでしょう。
人的資本の情報開示が義務付けられたため
2023年3月から、上場企業を対象に人的資本の情報開示が義務化されたことも、人的資本経営が注目される理由です。
人的資本の情報開示義務化では、以下の7分野19項目の情報を開示することで、企業が人的資本にどのくらい投資を行い、どれだけ回収できているのかを示します。
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7分野 |
19項目 |
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育成 |
リーダーシップ |
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育成 |
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スキル/経験 |
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エンゲージメント |
エンゲージメント |
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流動性 |
採用 |
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維持 |
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サクセッション |
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ダイバーシティ |
ダイバーシティ |
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非差別 |
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育児休業 |
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健康・安全 |
精神的健康 |
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身体的健康 |
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安全 |
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労働慣行 |
労働慣行 |
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児童労働/強制労働 |
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賃金の公正性 |
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福利厚生 |
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組合との関係 |
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コンプライアンス/倫理 |
コンプライアンス/倫理 |
人的資本の情報開示を行うときには、単に情報を記載するだけでなく、人的資本への投資が自社の課題解決や事業計画にどのように関連しているかを示すことも重要です。
また、情報開示が義務付けられていない企業でも、人材採用や大手企業との取り引きに向けて、情報開示を実施するケースがあります。
関連記事:人的資本開示の義務化とは?開示する情報や中小企業がすべきことも
人的資本経営のメリット
人材を資本として捉え投資対象と考える人的資本経営に取り組むと、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?ここでは代表的なメリットとして「生産性の向上」「離職率の低下」「採用力の強化」「企業価値の向上」について見ていきましょう。
生産性の向上
資本である人材の価値を高めるために、人的資本経営に取り組む企業では、教育の機会を設けたり、モチベーションを維持しやすくなるような施策を実施します。
この取り組みにより、従業員一人ひとりが十分に能力を発揮できるようになれば、企業全体の生産性向上が期待できます。
離職率の低下
人的資本経営では、従業員の働きやすい環境や、キャリアをサポートする制度などを整えます。これにより、従業員が「働き続けたい」と考える職場になれば、離職率の低下を実現可能です。
今いる従業員が長く働き続けることで、人材不足を回避できます。
採用力の強化
人的資本経営への取り組みやその結果について情報を開示すれば、就活生や求職者へのアピールも可能です。「働きやすそう」「キャリアにプラスになりそう」と興味を持つ人材が増えれば、スムーズな採用につながります。
企業のイメージアップ
働きやすい環境整備やキャリアのサポートなどの人的資本経営の取り組みは、企業のイメージアップにつながります。就活生や求職者からはもちろん、顧客や取引先からも優良企業のイメージが定着しやすくなるでしょう。
人的資本経営の主な指標
人的資本経営に取り組むときには、エンゲージメントや離職率など自社で扱う指標を決定しましょう。このとき人的資本情報開示のガイドラインであるISO30414を参考にすると、人的資本経営の取り組みを数値化して示しやすくなります。
また「エンゲージメントスコア」「離職率」「採用充足率」「生産性」なども、多くの企業で共通して活用されている代表的な指標です。これらを定期的に測定し、相互の関係性を分析することで、より実効性の高い人材戦略につなげられます。
ISO30414とは
ISO30414は、2018年に国際標準化機構(ISO)が発表しました。人的資本経営への取り組みについて、企業が情報開示を行うとき、どのように提示すればよいかを定めたガイドラインです。
この中で、人的資本情報を11の領域と58の指標で報告するよう定めています。
ISO30414で定められている領域と指標
ISO30414で定められている11の領域もチェックしましょう。
- コンプライアンス・倫理
- コスト
- 多様性(ダイバーシティ)
- リーダーシップ
- 組織文化
- 組織の健全性・安全性・ウェルビーイング
- 生産性
- 採用・異動・離職
- スキル・能力
- 後継者育成計画(サクセッションプラン)
- 労働力の利用可能性
さらに11の各領域には、指標が定められています。
例えば「コンプライアンス・倫理」であれば「苦情の件数と種類」「懲戒処分の件数と種類」「コンプライアンス研修・倫理研修を修了した従業員の割合」「外部に付託された紛争」「これから生じる外部の監査結果と処置の件数・種類・情報源」の5つです。
エンゲージメントスコアとは
エンゲージメントスコアとは、従業員が企業に対してどれだけ愛着や貢献意欲を持っているかを数値化した指標です。一般的にはアンケート調査を通じて測定され、「仕事へのやりがい」「企業理念への共感」「働き続けたい意向」などの項目から算出されます。
人的資本経営においても、エンゲージメントスコアは重要な指標の1つです。スコアが高い企業ほど、生産性や定着率の向上につながる傾向があるため、定期的に測定し、課題の特定と改善に活用することが重要です。
また、部署別や属性別にスコアを分析することで、どの組織に課題があるのかを特定しやすくなり、より具体的な改善施策につなげられます。
人的資本経営とエンゲージメントの関係
エンゲージメントとは、企業と従業員の深い結びつきのことです。エンゲージメントが高い従業員は、企業の理念やビジョンを理解し、その実現に向けて自律的に行動します。一方、エンゲージメントが低い従業員はモチベーションが低く、離職につながりやすいのが特徴です。
人的資本経営の実現に向けた取り組みは、従業員のエンゲージメント向上にもつながります。どのような取り組みがエンゲージメントの向上につながるのか、具体的な方法を見ていきましょう。
評価制度の見直し
頑張りを評価しない企業を、従業員は信頼しません。努力し成果を出しても評価されず、上司の機嫌取りをしている人が昇進していくような職場では、不信感が募ります。
エンゲージメントを高めたいと考えていても、これでは「理念やビジョンばかりで実質が伴わない」と判断されてしまいかねません。
エンゲージメントの向上に向けて必要なのは、公平公正な評価制度です。評価基準には、成果はもちろん、企業理念やビジョンに沿った仕事をしているか、結果に至るまでのプロセスはどうだったかなども加えます。
今ある評価制度を見直して、従業員の納得を得やすい制度になるよう改善することにより、従業員の積極的な仕事への取り組みが期待できます。
マネジメントの改善
評価制度を整えたとしても、マネジメントを行う上司の伝え方が不十分だと、従業員は「評価されていない」と感じるかもしれません。従業員のやる気を高めて積極的に仕事に取り組む姿勢をサポートするには、上司の伝え方のスキルアップが必要です。
社会人としての経験年数が長いからといって、従業員に評価していることが伝わりやすくなるわけではありません。質の高いマネジメントを行うには、評価面談の研修を定期的に実施したり、フィードバックを行ったりするとよいでしょう。
上司が従業員の頑張りを認める伝え方をできるようになれば、信頼関係やチームの構築がスムーズに進みやすくなります。
関連記事:「Z世代は働かない」は本当か?世代的特徴とマネジメント術を徹底解説!
従業員の望むキャリアのサポート
エンゲージメントを高めるには、企業が従業員の希望するキャリアをサポートすることでも育まれます。従業員が希望するキャリアの開発に企業が協力的であれば、従業員も「企業へ貢献したい」と考えるようになるでしょう。
企業が従業員の希望するキャリアをサポートするには、キャリアデザイン研修でキャリア設計を促したり、階層別の研修を導入して従業員の望むキャリア開発を支援したり、資格取得をサポートしたりする施策が有効です。
また、研修や資格取得を通して得た知識やスキルを、実際に活用できるポジションへの人材配置にも取り組むとよいでしょう。
コミュニケーションの活性化と質の向上
職場でのコミュニケーションを活性化することも、エンゲージメントを高めるポイントです。例えば、従業員同士の会話が自然と発生しやすくなるよう、自動販売機やドリンクバーを設置した休憩スペースを設ける、交流が生まれやすいイベントを開催する、などの取り組みが役立ちます。
同時にコミュニケーションの質を高めることも欠かせません。例えば上司から部下へ仕事を依頼するときには「この前の資料が分かりやすかったからこれも任せるね」というように、これまでの実績を評価して、これからに期待する声掛けをするとよいでしょう。
上司がこのような声掛けを始めれば、従業員同士でも同様のコミュニケーションが生まれやすくなります。自分の働きが承認され評価される環境は好ましく感じられるでしょう。より良いものにしていこうと積極的に貢献する姿勢につながります。
ワークライフバランスにつながる制度の整備
ワークライフバランスを整えることも、エンゲージメントを高めるポイントです。評価制度の公平性が高く、上司も周りの従業員も自分の仕事を認めてくれていると感じていても、長時間労働と休日出勤が常態化している職場では疲労やストレスからやりがいを実感しにくくなってしまいます。
従業員の中には、プライベートの充実度を重視している人もいるでしょう。無理なく働きながらプライベートを楽しみたい従業員にとって、ワークライフバランスの取りにくい環境では、積極的に貢献したいという気持ちは湧いてきません。
多様な価値観に合致する働き方がかなえられるよう、休暇制度を整備したり、定時で仕事を終えられる体制を整えたりするとよいでしょう。
福利厚生の充実
エンゲージメントの向上には、福利厚生の充実度アップも役立ちます。従業員やその家族の健康・生活を向上させる福利厚生は、従業員の暮らしの質に影響するものです。
例えば食事補助の福利厚生サービスを導入すれば、従業員の食生活の充実度アップを実現できます。栄養バランスの取れた食事ができれば、健康を維持しやすく、仕事のパフォーマンスにも良い影響を及ぼすでしょう。
従業員の健康を気遣い、日頃の仕事に感謝するメッセージ性を持たせられるのも特徴です。
導入する福利厚生によっては、従業員の健康管理に経営の観点から戦略的に取り組む健康経営にもつながります。健康経営優良法人の認定も目指せるかもしれません。
関連記事:健康経営とは?メリットと導入事例、効果と導入プロセス
人的資本経営につながる福利厚生の具体例
人的資本経営につながる福利厚生は、食事補助だけではありません。ここでは人的資本経営に有効な福利厚生の具体例をチェックしましょう。
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福利厚生 |
制度の具体例 |
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キャリアサポート |
・リスキリング |
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両立支援 |
・法定を超える看護休暇 |
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柔軟性の高い勤務形態 |
・フレックスタイム制 |
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健康サポート |
・ジムの利用補助 |
「チケットレストラン」は福利厚生を公平に支給できる
人的資本経営の実現に向けて福利厚生を充実させるときには、制度の公平性も重要です。福利厚生を充実させても、利用できるシーンが限られている場合には、不公平感を抱く従業員も出てきます。
エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」であれば、ランチを購入するときに利用できるため、働き方の異なる従業員が所属している場合にも公平に利用しやすい制度です。
社員食堂や弁当補助と異なり、全国にある加盟店25万店舗以上でランチを購入できるため、オフィスで働く従業員はもちろん、常駐先の企業で働く従業員や、リモートワークの従業員、毎日異なる現場で働く従業員なども利用しやすいでしょう。
加えて、一定の利用条件下で「チケットレストラン」を導入すれば、所得税の非課税枠を活用して従業員の実質的な手取り額を増やせます。待遇改善を行いつつ、従業員の健康や食事への気遣いを示すメッセージも伝えられる福利厚生サービスです。
実質的な手取り額アップやサービス内容についての詳細は、こちらの「資料請求」からお問い合わせください。
人的資本経営に取り組む手順
ただ制度を整えるだけでは、人的資本経営の実現は難しいでしょう。自社の現状を把握した上で、目標に向かって取り組んでいかなければいけません。ここでは、人的資本経営に取り組む手順について解説します。
現状を分析する
まずは自社の現状を分析しましょう。現状を正しく知ることで、何にどの程度取り組む必要があるのかが明確になります。このとき「人材版伊藤レポート2.0」に記載されている3つの視点と5つの共通要素を意識するとよいでしょう。
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3つの視点 |
5つの共通要素 |
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・経営戦略と人材戦略の連動 |
・動的な人材ポートフォリオ |
特に「経営戦略と人材戦略の連動」は重要です。人的資本経営による人材戦略が、どのように経営戦略につながっているかを理解することで、持続的な企業価値の向上の実現につながります。
参考:経済産業省|人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート2.0~
目標を設定する
人的資本経営の達成度合いを確認するには、目標が明確になっていなければいけません。経営戦略の方向性を定めて、そのために必要な目標を立てましょう。達成度合いの定量的な把握が可能になることで、施策の取り組みや見直しが可能になります。
実際に取り組む
現状分析と目標設定ができたら、立てた戦略に沿って実際に取り組みます。
目標の達成度合いを確認して改善する
人的資本経営の実現には、取り組みの達成度合いを評価します。このとき、課題が出てきていれば、取り組みを改善していくことも重要です。1度で達成するのではなく、状況に合わせて見直しや改善を行いながら、目標達成に近づいていきます。
人的資本経営の失敗パターン
手順通りに取り組んだとしても、人的資本経営が成功するとは限りません。ここでは、人的資本経営を実現するために、失敗パターンについて確認しておきましょう。
情報開示が目的になっている
人的資本経営への取り組みを情報開示すると、就活生や求職者・取引先などへのアピールにつながります。情報開示により、企業のイメージアップが期待できることもあるでしょう。
ただし、人的資本経営の目的は情報開示ではありません。従業員の能力が十分発揮できるよう環境を整え、生産性を高めることで、経営戦略を実現するのが目的です。
情報開示したことで満足していては、現場の状況は変わらない恐れもあります。取り組みの結果どのような成果が出たのかを明確にしましょう。
数値だけ追っている
数値を追っているだけでは、人材戦略を経営戦略とつなぐことはできません。
例えば離職率を定期的に調査しただけでは、離職率の改善は不可能です。離職率が上がるのは何か原因があるはずだと考え、その原因を取り除くための取り組みを行わなければ変化は見られないでしょう。
人的資本経営の実現に向けて数値を測定するなら、その数値をどのように使うのかを明確にする必要があります。
制度だけ整える
新しい福利厚生を導入する、研修を充実させる、休暇制度を作る、などの取り組みは重要ですが、これだけでは人的資本経営の実現は難しいでしょう。従業員が目的を理解して、実際に制度を活用していかなければ、人的資本経営は形骸化してしまいます。
例えば、休暇制度を作ったなら、その利用率に関する目標を掲げて、従業員に利用を促しましょう。それでも利用が進まない場合には、その原因を探して改善することも検討します。
現場に浸透していない
経営層と現場との間に温度差がある場合にも、人的資本経営はうまく進みにくいでしょう。経営層が人的資本経営を掲げても、具体的に何にどのように取り組めばよいかを現場が理解しなければ、人的資本経営は実現しません。
人的資本経営に取り組むときには、現場での個別具体的な行動の仕方にまで落とし込む必要があります。例えば「人的資本経営の実現に向けてエンゲージメントの向上をはかる」では、具体的に何をどうすべきかが分からず、行動できない従業員が多いでしょう。
より具体的に「人的資本経営の実現に向けて、従業員が企業理念を理解し自律的に仕事に取り組めるよう、企画書のフォーマットに企業理念の実現への親和性に関する項目を追加する」「人的資本経営の実現に向けて、従業員が自身のライフスタイルに合わせて働きやすいよう、フレックスタイム制・時短勤務・リモートワークの制度を整備する」と伝えると、現場に浸透していきやすくなります。
取り組みを放置する
人的資本経営の取り組みがうまく回り始めたからといって、安心して放置してはいけません。1度整えた制度をそのままにすると、時間の経過とともに企業の現状に合わなくなっていくことがあります。
それでも対策をしなければ、従業員のエンゲージメントが低下していくことも考えられるでしょう。状況の変化に合わせて、常に取り組みを変えていくことが重要です。
人的資本経営を成功させるポイント
人的資本経営を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。
- 経営戦略と人材戦略を連動させる
- エンゲージメントを中心的な指標にする
- 現場で実践できる形にする
- データを活用して継続的に改善する
- 福利厚生といった日常的に利用する施策に落とし込む
経営層がどれだけ人的資本経営の重要性を説明したとしても、具体的に何をすればいいのか、それによってどのような効果が期待できるのかが分からなければ、現場でうまく機能しません。
経営戦略の成功に向けて人的資本経営に取り組むこと、人的資本経営の実現に向けてエンゲージメントの向上を意識すること、そのために必要な制度を整備していくこと、などを分かりやすく伝える必要があります。
加えて、改善し続けることもポイントです。目標に向かって取り組み始めても、計画通りに進まない可能性もあります。また当初は効果があった取り組みが時間経過とともに陳腐化することもあるでしょう。
常により良くするための施策を考え実行し続けることが、人的資本経営の成功につながります。
人的資本経営はエンゲージメント施策まで落とし込むことが重要
人的資本経営は、人材を資本として捉え企業価値の向上につなげる経営手法です。ただし、単に制度を整備したり情報を開示したりするだけでは十分な成果は得られません。重要なのは、従業員一人ひとりが日々の業務の中で十分に能力を発揮できる状態をつくることです。
その鍵となるのがエンゲージメントの向上です。エンゲージメントが高まることで、自発的な行動や組織への貢献意欲が生まれ、生産性や定着率の向上といった成果につながりやすくなります。
エンゲージメントの向上に向けては、評価制度やマネジメントの見直しに加え、福利厚生など日常的に実感できる施策への落とし込みが不可欠です。人的資本経営やエンゲージメントの向上について、その意義を説明するだけでなく、具体的な取り組みに落とし込んで現場で実践できる形を作りましょう。
そのために福利厚生を整備するなら、日常的に公平に利用しやすい制度が有効です。例えば、コンビニやファミレスなどで使える食事補助なら、働く場所や休憩時間を問わず活用できます。利用シーンが幅広く、日常的に従業員が恩恵を実感しやすい点も、エンゲージメント向上に寄与するポイントといえます。
エデンレッドジャパンの提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の導入も効果的です。
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エデンレッドジャパンブログ編集部
福利厚生に関する情報を日々、ウォッチしながらお役に立ちそうなトピックで記事を制作しています。各メンバーの持ち寄ったトピックに対する思い入れが強く、編集会議が紛糾することも・・・今日も明日も書き続けます!
