最低賃金についてのよくある質問
最低賃金と発効日の遅れによる影響について、Q&A形式で概要をチェックしましょう。
2025年度の最低賃金引き上げ額はいくら?
2025年度の最低賃金の全国加重平均は、2024年度より66円高い1,121円です。
関連記事:【2025年度】最低賃金の全国加重平均は1,121円に。引き上げはいつから?
2026年度の最低賃金はいつ決まる?
2026年度の最低賃金は、例年通りであれば10月ごろに発表されます。
2025年度の最低賃金発効日の遅れによる影響は?
大幅な最低賃金の引き上げにより、都道府県ごとの発効日にばらつきが出た結果、発効日が2026年に遅れる地域もあります。企業は準備期間を長く取れる半面、従業員は生活改善の実感を得られない時期が長く続きかねません。
企業が賃上げに利用できる支援は?
企業が賃上げに利用できる支援には、働き方改革推進支援センターや業務改善助成金・セーフティネット貸付などがあります。
関連記事:【社労士監修】2024年版|中小企業賃上げ支援の6つの補助金・助成金を徹底比較
2025年度の地域別最低賃金と発効日
2025年度の地域別最低賃金と発行日は、以下の通りです。この地域別最低賃金が発効日を迎えると、全ての都道府県で最低賃金が1,000円を超えます。
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都道府県
|
2025年度改定後の最低賃金
|
改定前の最低賃金
|
引き上げ額
|
発効日
|
|
北海道
|
1,075円
|
1,010円
|
65円
|
2025年10月4日
|
|
青森
|
1,029円
|
953円
|
76円
|
2025年11月21日
|
|
岩手
|
1,031円
|
952円
|
79円
|
2025年12月1日
|
|
宮城
|
1,038円
|
973円
|
65円
|
2025年10月4日
|
|
秋田
|
1,031円
|
951円
|
80円
|
2026年3月31日
|
|
山形
|
1,032円
|
955円
|
77円
|
2025年12月23日
|
|
福島
|
1,033円
|
955円
|
78円
|
2026年1月1日
|
|
茨城
|
1,074円
|
1,005円
|
69円
|
2025年10月12日
|
|
栃木
|
1,068円
|
1,004円
|
64円
|
2025年10月1日
|
|
群馬
|
1,063円
|
985円
|
78円
|
2026年3月1日
|
|
埼玉
|
1,141円
|
1,078円
|
63円
|
2025年11月1日
|
|
千葉
|
1,140円
|
1,076円
|
64円
|
2025年10月3日
|
|
東京
|
1,226円
|
1,163円
|
63円
|
2025年10月3日
|
|
神奈川
|
1,225円
|
1,162円
|
63円
|
2025年10月4日
|
|
新潟
|
1,050円
|
985円
|
65円
|
2025年10月2日
|
|
富山
|
1,062円
|
998円
|
64円
|
2025年10月12日
|
|
石川
|
1,054円
|
984円
|
70円
|
2025年10月8日
|
|
福井
|
1,053円
|
984円
|
69円
|
2025年10月8日
|
|
山梨
|
1,052円
|
988円
|
64円
|
2025年12月1日
|
|
長野
|
1,061円
|
998円
|
63円
|
2025年10月3日
|
|
岐阜
|
1,065円
|
1,001円
|
64円
|
2025年10月18日
|
|
静岡
|
1,097円
|
1,034円
|
63円
|
2025年11月1日
|
|
愛知
|
1,140円
|
1,077円
|
63円
|
2025年10月18日
|
|
三重
|
1,087円
|
1,023円
|
64円
|
2025年11月21日
|
|
滋賀
|
1,080円
|
1,017円
|
63円
|
2025年10月5日
|
|
京都
|
1,122円
|
1,058円
|
64円
|
2025年11月21日
|
|
大阪
|
1,177円
|
1,114円
|
63円
|
2025年10月16日
|
|
兵庫
|
1,116円
|
1,052円
|
64円
|
2025年10月4日
|
|
奈良
|
1,051円
|
986円
|
65円
|
2025年11月16日
|
|
和歌山
|
1,045円
|
980円
|
65円
|
2025年11月1日
|
|
鳥取
|
1,030円
|
957円
|
73円
|
2025年10月4日
|
|
島根
|
1,033円
|
962円
|
71円
|
2025年11月17日
|
|
岡山
|
1,047円
|
982円
|
65円
|
2025年12月1日
|
|
広島
|
1,085円
|
1,020円
|
65円
|
2025年11月1日
|
|
山口
|
1,043円
|
979円
|
64円
|
2025年10月16日
|
|
徳島
|
1,046円
|
980円
|
66円
|
2026年1月1日
|
|
香川
|
1,036円
|
970円
|
66円
|
2025年10月18日
|
|
愛媛
|
1,033円
|
956円
|
77円
|
2025年12月1日
|
|
高知
|
1,023円
|
952円
|
71円
|
2025年12月1日
|
|
福岡
|
1,057円
|
992円
|
65円
|
2025年11月16日
|
|
佐賀
|
1,030円
|
956円
|
74円
|
2025年11月21日
|
|
長崎
|
1,031円
|
953円
|
78円
|
2025年12月1日
|
|
熊本
|
1,034円
|
952円
|
82円
|
2026年1月1日
|
|
大分
|
1,035円
|
954円
|
81円
|
2026年1月1日
|
|
宮崎
|
1,023円
|
952円
|
71円
|
2025年11月16日
|
|
鹿児島
|
1,026円
|
953円
|
73円
|
2025年11月1日
|
|
沖縄
|
1,023円
|
952円
|
71円
|
2025年12月1日
|
|
全国加重平均
|
1,121円
|
1,055円
|
66円
|
ー
|
参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧
最低賃金の大幅な引き上げによる発効日の遅れ
地域別最低賃金は、例年10月に発効日を設定する都道府県が大多数でした。ただし2025年度については、10月に発効したのは20都府県のみです。2026年に入ってから発効日を迎える地域も6県あり、発効日の遅れが目立っています。
最低賃金の全国加重平均の推移を見ると、2025年度は過去10年間で最も大きな引き上げ額となりました。この大幅な賃上げに企業が対応するため、発効日を遅くすることを求めたことが、発効時期のばらつきの理由です。
|
年度
|
地域別最低賃金の全国加重平均
|
引き上げ額
|
|
2016年度
|
823円
|
25円
|
|
2017年度
|
848円
|
25円
|
|
2018年度
|
874円
|
26円
|
|
2019年度
|
901円
|
27円
|
|
2020年度
|
902円
|
1円
|
|
2021年度
|
930円
|
28円
|
|
2022年度
|
961円
|
31円
|
|
2023年度
|
1,004円
|
43円
|
|
2024年度
|
1,055円
|
51円
|
|
2025年度
|
1,121円
|
66円
|
参考:労働政策研究・研修機構|図3 最低賃金
最低賃金発効遅れの影響
2025年度の地域別最低賃金は、大幅な引き上げが行われました。ただし発効日が例年より遅れる地域が多くなっており、2025年10月1日~2026年9月30日の実質的な最低賃金が目減りする地域が出ています。
例えば秋田県の2025年度の最低賃金は1,031円ですが、発効日は最も遅く2026年3月31日です。この遅れを考慮して、2025年10月1日~2026年9月30日までの1年間の最低賃金を計算すると、平均991円となります。
2025年度の最低賃金が最も低いのは高知県・宮崎県・沖縄県の1,023円ですが、発効日が2025年内のため、2025年10月1日~2026年9月30日までの1年間の最低賃金を計算すると秋田県を上回りました。
このような最低賃金発効の遅れにより、どのような影響があるのかを見ていきましょう。
企業は賃上げの準備をしやすくなる
大幅な最低賃金の引き上げに企業が対応するには準備が必要です。どのような資金繰りをするか検討が必要ですし、助成金や支援制度を活用する場合には申請しなければいけません。準備に使える期間が長くなれば、余裕を持って取り組めるでしょう。
従業員は物価上昇に対応しにくくなる
最低賃金の引き上げが決まっても、実際に引き上げ後の最低賃金が効力を持つのは発効日からです。企業がより早いタイミングで引き上げ後の最低賃金に合わせた賃上げを実施することは可能ですが、発効日以降に賃上げを実施する企業もあるでしょう。
秋田県の例では、発効日が2026年3月31日のため、2025年10月1日~2026年9月30日までの実質的な時給は平均991円と、引き上げ後の最低賃金より低い金額です。
物価高が続く中、最低賃金の大幅な引き上げが決まっているにもかかわらず、生活の実態として「ラクになった」と感じられない状況が続くと考えられます。
スムーズな賃上げのために企業が利用できる公的支援
地域別最低賃金は、パートやアルバイトを含む全ての従業員に対して、発効日から適用しなければいけません。スムーズに賃上げを行うために役立つ公的支援について、厚生労働省の情報を元に紹介します。
参考:厚生労働省|最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業
働き方改革推進支援センターを利用する
「公的支援を受けながら賃上げに取り組みたい」と考えていても、どのような支援が用意されているのか把握できていなければ、適切な支援は受けられません。このようなときに役立つのが働き方改革推進支援センターです。
働き方改革推進支援センターは中小企業や小規模事業者の課題をワンストップで解決する役割を持っており、47都道府県に設置されています。
賃上げに利用できる助成金や賃上げの進め方について知りたいという場合には、企業のある地域のセンターへ問い合わせるとよいでしょう。
参考:厚生労働省|働き方改革推進支援センターのご案内
業務改善助成金を利用する
業務改善助成金とは、対象となる中小企業や小規模事業者が、賃上げと設備投資などを実施したときに利用できる助成金です。
助成率は、賃上げ前の事業場内最低賃金が1,000円未満なら4/5(80%)、1,000以上なら3/4(75%)です。さらに助成上限額が、賃上げ額・賃上げする従業員数・事業場の規模によって定められています。
関連記事:【社労士監修】業務改善助成金についてわかりやすく解説!対象事業の具体例もチェック
参考:厚生労働省|業務改善助成金
※助成金支給対象に該当するか否かのご相談については事業所がある労働局までお問い合わせください。
セーフティネット貸付を利用する
賃上げをすると一時的に利益が減少するけれど中長期的には回復する、といった状況であれば、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付を利用できます。一時的な資金繰りの改善を目的に利用できる貸付制度です。
参考:日本政策金融公庫|経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
※セーフティネット貸付の対象に該当するか否かのご相談については、日本政策金融公庫へお問い合わせください。
引き上げ後の最低賃金は発効日までに適用を
2025年度の最低賃金は大幅に引き上げられ、全ての都道府県で1,000円を超えました。ただしこの大幅な引き上げのために、引き上げ後の最低賃金が効力を持つ発効日に遅れが生じています。
一部の地域では、2025年10月1日~2026年9月30日の1年間の最低賃金が実質的に目減りする状態になるという試算もあります。
このような状況の中、企業では各地域の発効日に合わせて、確実に引き上げ後の最低賃金を実現できるよう準備を行わなければいけません。必要に応じて公的資金を活用しつつ、賃上げを進めていきましょう。
またあわせて有効なのが、実質的な賃上げにつながる福利厚生の拡充です。例えばエデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は、一定の条件下で導入すると所得税の非課税枠を活用できるので、従業員の実質的な手取りアップにつながります。
従業員が生活改善の実感を早期に得られるよう、最低賃金の引き上げとともに、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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