Z世代は、どのような特徴や仕事観を持つ世代なのでしょうか。また、他の世代との違いとはどのようなものなのでしょうか。これらを知ることは、Z世代を組織内で生かし、生産性を高める上で欠かせません。本記事では、Z世代の定義や背景、仕事観の特徴を整理し、職場で発揮できる役割や強み・課題まで分かりやすく解説します。
Z世代とは?基本と他世代との違い
Z世代とは、具体的にどの年代を指す言葉なのでしょうか。まずは、Z世代の定義と他世代との違いから解説します。
Z世代の定義
一般的にZ世代とは、1997〜2012年頃に生まれた、2025年時点で13〜28歳にあたる世代をいいます。
幼少期からスマートフォンやSNSが身近に存在したZ世代は、生活とデジタルが切り離せない「生まれながらのデジタルネイティブ世代」です。
また、社会人デビュー期前後に新型コロナウイルス感染症の流行を経験したことにより、オンライン授業やリモート就活を通じて「柔軟な働き方は特別ではなく当たり前」との価値観が形成されているのも特徴です。
Z世代には「SNSで自己表現しながら社会とつながる感覚」が自然に根づいており、仕事観やキャリア選択にもその影響が反映されています。
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X・Y・Z|世代ごとの違い
| 世代 | 生年範囲 | 現在の年齢(2025年時点) | 社会背景 | デジタル適応 | 仕事観・特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| X世代 | 1965〜1980年頃 | 45〜60歳 | バブル崩壊・就職氷河期 | アナログから後天的に習得 | 安定志向と現実主義・橋渡し役 |
Y世代(ミレニアル世代) |
1981〜1996年頃 | 29〜44歳 | IT普及・グローバル化 | デジタルを後天的に吸収 | 自己実現・キャリア志向・転職柔軟 |
| Z世代 | 1997〜2012年頃 | 13〜28歳 | SNS・スマホ、コロナ禍 | 生まれながらのデジタルネイティブ | 多様性・社会意義重視・柔軟な働き方 |
各世代を比較すると、社会背景やデジタル適応度、仕事観などに大きな違いがあります。
X世代は、バブル崩壊や就職氷河期を経験し、安定志向と現実主義を強めた世代です。また、Y世代はIT普及とグローバル化の影響を受け、キャリア形成や自己実現を重視する傾向があります。
対して、Z世代は、スマホやSNSを当然の前提として育ち、多様性や社会的意義を重視する世代です。柔軟な働き方に抵抗がなく、転職や副業も自然に選択肢に含めます。
こうした価値観の違いが仕事に対するスタンスの違いに関係するため、円滑な組織運営にはお互いの違いについて理解しようとする姿勢が求められます。
Z世代の価値観と背景
Z世代特有の価値観形成には、デジタル環境と社会的なイベントが大きく影響しています。
子どもの頃からスマホやSNSに触れ、承認欲求や発信力が強い反面、匿名社会のリスクに対する理解度が高く、他世代と比較して危機管理能力に優れた傾向にあります。
また、景気の悪い状態を当然のこととして受け入れていることから、社会的・経済的安定に対する信頼が薄いのも特徴です。終身雇用への期待値も低く、自身のキャリアややりがいについてシビアに見極めます。
これらの要素が組み合わさった結果、「自分に合わない職場に固執しない」「社会的意義のある仕事に価値を見出す」という独自の価値観を持つのがZ世代なのです。
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Z世代の仕事観の特徴
独自の価値観を持つZ世代は、働き方においてはどのような特徴を見せるのでしょうか。ここでは、Z世代の仕事観を整理します。
多様性と社会的意義を重んじる
幼少期からSNS等を通じて世界中の情報に触れているZ世代は、その多くがLGBTQ+をはじめとする多様性を当然のものとして受け入れる価値観を持ちます。社会課題や環境問題への関心も強く、「社会的意義」を重視します。
仕事についても、給与や待遇だけでなく社会への貢献度に魅力を感じ、自分自身のやりがいとして受け止める傾向が顕著です。
そのため、社会貢献やSDGsへの取り組みを進める企業はZ世代にとって魅力的な職場となり、モチベーションの向上やエンゲージメント向上につながります。
ワークライフバランスとタイパ志向
高度成長期とは異なり、近年の日本では、プライベートを犠牲にして仕事に打ち込んだからといって給与へ反映されるとは限りません。こうした社会背景の中で生まれ育ったZ世代は、社会的な安定への信頼度が低く、仕事とプライベートとをともに大切にします。
そのため、長時間労働や形式的な会議には否定的です。仕事の効率性を重視し「タイパ(タイムパフォーマンス=時間対効果)」という概念に敏感で、成果につながらない作業は無駄と捉えがちでもあります。
これは決して「怠け」ではなく、短い時間で価値を生み出すことに注力する姿勢の表れです。また、プライベートの充実が仕事のモチベーションを高めるという考えが根づいているため、残業や休日出勤が当たり前の文化にはなじみにくい側面もあります。
こうした価値観から、「働かない世代」との誤解を招くことも少なくありません。
関連記事:Z世代の離職率は本当に高い?最新データに見る離職理由と効果的な対策
公平性と納得感へのこだわりが強い
Z世代は、職場における不透明なルールや理不尽な上下関係に敏感です。評価や待遇において「平等かつ公正」であることを強く求め、不公平を感じると短期間で職場を離れる傾向があります。
納得感を得られる基準や説明があれば柔軟に受け入れるものの、理由が不明確な判断には納得せず、上司への不信感や早期離職につながりやすいのは、Z世代ならではの特徴です。
Z世代を戦力として生かすためには、企業側が客観的な評価基準と透明性の高い評価プロセスを整備し、説明責任を果たすことが不可欠です。
Z世代の職場での役割
Z世代はまだ若手層が中心ですが、デジタルスキルや柔軟な発想を武器に、組織変革の担い手として期待される世代でもあります。ここでは、彼らが企業の中で果たせる具体的な役割について解説します。
変革の推進役|デジタル力と発信力
Z世代は、生まれたときからインターネットやSNSに親しんできた世代で、最新のデジタルツールを抵抗なく使いこなします。社内のDX推進においても、新しいシステムやクラウドサービスを短期間で習得し、効率的に活用できる存在です。
また、SNSや動画プラットフォームを通じて情報を発信する能力にも長け、企業の広報やブランディングにも貢献できます。
このようなZ世代の能力やスキルは、従来世代にはなかったスピード感を組織にもたらします。デジタルを生かした業務効率化や新たな価値創造を進める変革の推進役として、大きな可能性を秘めているのが世代なのです。
参考:METI/経済産業省|産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)
高速学習と情報収集力
Z世代の特徴として、忘れてはならないのが、新しい知識やスキルを吸収するスピードの速さです。
Z世代は、オンライン学習や動画、SNSを活用し、必要な情報を瞬時にキャッチアップして自分の業務に生かす力を持っています。これにより、変化の早いビジネス環境にも柔軟に対応し、PDCAサイクルを短期間で回せる点が強みです。
また、複数の情報源を比較検討して最適な手段を選ぶ傾向があり、従来のマニュアル重視のやり方に新しい視点をもたらします。たとえ経験は浅くても、学習と適応のスピードによって不合理な慣習や暗黙の了解に風穴をあけ、企業の競争力向上に直結する役割を果たせるのがZ世代なのです。
Z世代の強みと課題
Z世代ならではの特徴は、組織の中でどのように活用できるのでしょうか。ここでは、職場におけるZ世代の強みと課題を整理します。
Z世代の強み
Z世代の最大の強みは、デジタルを前提にした働き方に自然と適応できる点です。新しいツールやシステムを短期間で習得し、業務効率化やDX推進の原動力となります。
さらに、SNSやオンライン媒体を通じて発信力を発揮するため、企業の広報や採用活動にも貢献できます。また、柔軟な働き方に抵抗がないことから、リモートワークやフレックスタイムといった制度を即座に活用し、生産性を高められるのも強みです。
情報収集や学習スピードも速く、常に最新の知識を取り入れようとする点は、変化の激しい現代社会において大きな強みです。これらの特性は、企業が組織の変革や新しい働き方を進める上で強力な武器となります。
Z世代の課題
Z世代は社会経験が浅いため、判断や対応に未熟さが出やすく、キャリア形成を短期的に考えがちです。そのため、早期離職や転職を繰り返しがちで、定着率の低さが企業にとって悩みの種となることがあります。
また、フラットな関係性を重視する姿勢が、上司からは「指示に従わない」と誤解される場合もあります。加えて、効率性を重んじるあまり、コミュニケーションが淡白に映り、他世代との摩擦を生むケースも少なくありません。
こうした課題を放置すると生産性の低下につながる可能性がありますが、適切な制度設計とマネジメントによって克服できる余地は十分にあります。
企業がZ世代を生かすためのポイント
Z世代の強みを組織の力に変えるには、単なる批判に留めず、特性を踏まえた仕組みづくりが欠かせません。ここでは、入社初期から定着、キャリア形成までを支援するために、企業が実践できるマネジメントの具体策を紹介します。
オンボーディングを体系化する
入社直後は誰にとっても不安の大きい時期です。特にキャリアの選択肢が広いZ世代にとっては大きな離職リスクとなり得ます。
そのため、企業側はオンボーディングを体系化し、業務の流れや役割を明確に伝えることが重要です。具体的には、メンター制度を導入して日常的に相談できる環境を用意し、OJTで実務に即したスキルを習得させるといった方法が有効です。
また、同期との交流機会を設け、励まし合える仕組みをつくることも、孤立を防ぎ、安心感を高めるための効果的な施策となります。
こうした施策を通じ「組織に受け入れられている」という感覚を早期に育むことが、Z世代の能力発揮や定着率向上につながります。
心理的安全性を確保する
Z世代は、自分の意見を安心して発言できる環境を求める傾向が強い世代です。そのため、心理的安全性の有無が重要な要素となります。
具体的な施策としては「1on1ミーティングで双方向のコミュニケーションを図る」「社内SNSやチャットツールを活用し、日常的に気軽に意見交換できる仕組みを整える」などが挙げられます。
失敗が起きても一方的に責めるのではなく「学びの機会」として扱う文化を醸成すれば、挑戦意欲が高まり、組織全体の活性化に有効です。Z世代の意見を積極的に受け止める姿勢を示すことで、組織に適応しつつ、主体的に動ける人材へと成長していきます。
透明な評価制度とキャリア支援を整備する
Z世代は、不透明な評価や不公平な扱いに敏感です。納得感を持って働いてもらうには、評価制度の透明性を高めることが欠かせません。
Z世代の納得感を高めるには、成果だけでなく努力や挑戦の過程も評価対象とし、評価基準を事前に明確に提示することが大切です。さらに、定期的なフィードバックを実施し、本人のキャリア志向に応じた支援を組み合わせることで信頼関係を構築できます。
可能であれば、リスキリングの機会や社内異動の選択肢を提供するのも効果的です。将来像を描きやすくなり、早期離職の抑止にもつながります。
評価制度の透明性とキャリア形成のサポートを両立させることで、Z世代のエンゲージメントが向上し、組織への長期的な貢献が期待できます。
充実した福利厚生を提供する
株式会社マイナビが行った「マイナビ 2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)」によると、2025年卒の大学生が『大企業の選考に参加するかどうか』を判断する際、もっとも多かった基準は『福利厚生が手厚い』(51.5%)でした。「給与が高い」(42.6%)は次点で、Z世代の福利厚生への関心の高さが分かります。
この点を踏まえると、充実した福利厚生の提供は、Z世代のモチベーションやエンゲージメント向上、ひいては定着率の向上にも効果的です。
中でも食事補助や住宅手当・健康支援制度のような生活に直結する福利厚生は、日常的に使用できるぶん従業員から好意的に受け止められやすく、福利厚生としての効果を得やすい傾向にあります。「制度を用意したのに使われない」といった福利厚生に多く見られがちなリスクも低いため、企業側にとってもメリットの大きい施策です。
参考:マイナビキャリアリサーチLab|マイナビ 2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)
関連記事:就活生の福利厚生重視が鮮明に!最新調査に見る効果的な制度とは
全国25万店舗以上でつかえる「チケットレストラン」
エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、企業と従業員との折半により、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できる食事補助の福利厚生サービスです。
加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど幅広く、利用する人の年代や嗜好を問いません。
内勤の従業員はもちろんのこと、出張中やリモートワークの従業員も平等に利用できるため、柔軟な働き方を重視するZ世代へのアピール度も十分です。これらの多彩なメリットが高く評価され、すでに3,000社を超える企業に導入されている人気のサービスとなっています。
「チケットレストラン」の詳細は「こちら」からお問い合わせください。
関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も
Z世代の特徴と仕事観への理解が生産性向上の第一歩
Z世代は、多様性や社会的意義を重視し、納得できる環境であれば高いパフォーマンスを発揮する世代です。従来型の上下関係や曖昧な評価に違和感を抱きやすい一方で、心理的安全性や公平な評価制度、柔軟な働き方が整った環境では、積極的に挑戦し能力を発揮します。
そんなZ世代を生かす上で企業に求められるのは、彼らの価値観を否定するのではなく、理解し支える仕組みを整えることです。キャリア支援やオンボーディングの強化に加え、「チケットレストラン」のような日常の生活を支える福利厚生も有効です。
Z世代への理解を深め、これからの自社を担う人材として、その能力を最大限に生かす仕組みづくりを進めましょう。
参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
:「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!
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