監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)
退職代行サービスの利用が急速に広がっています。東京商工リサーチの調査では、大企業の15.7%が実際に退職代行による退職を経験済みで、もはや他人事ではありません。
利用者の約6割が20代という傾向も明らかになっており、企業は新しい時代の退職トレンドに備える必要があります。本記事で退職代行の利用状況、利用した理由についてデータを用いて理解を深めましょう。具体的な予防策も解説します。
「退職代行」とは?
「退職代行」とは、従業員に代わって勤務先に退職意思を伝える外部サービスのことです。主に弁護士、労働組合、民間企業の3つのタイプがあります。2017年頃から徐々に広まり始め、2020年頃には広く認知されるようになりました。
特に若い世代の間で利用が広がっています。従業員にとっては「自分から退職を伝えにくい」「辞めさせてもらえない」といった状況において、費用を払うことで心理的負担を軽減し、スムーズに退職ができるのがメリットです。
しかし、企業側から見ると、事情が違います。退職代行を介しての退職では、退職理由が不明瞭なまま突然発生することが多く、人材流出はもちろんのこと、再発防止策を講じることが困難です。企業にとってはデメリットが多い仕組みと言えます。
関連記事:【退職代行】調査で見えた「職場の本質的課題」とは?効果的な対策も
「退職代行」を経験している企業はどのくらい?
東京商工リサーチの2025年企業の「退職代行」に関するアンケート調査(2025年06月19日公表、有効回答6,653社)を参考に、退職代行利用の実態を見ていきます。
「退職代行」を利用した退職を経験した割合
実際のところ、企業は「退職代行」をどの程度経験しているのでしょうか。2024年1月以降の退職代行による退職経験の割合は以下の通りです。
- 全企業:7.2%
- 大企業:15.7%
- 中小企業:6.5%
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義。
大企業の方が2倍以上の高い割合で経験しており、企業規模が大きいほど退職代行利用リスクが高まる傾向にあります。これについては、大企業のほうが母数が多く、福利厚生や退職手続きも整備されており、退職代行への心理的な敷居が低い可能性も考えられます。
出典:東京商工リサーチ|「退職代行」による退職、大企業の15.7%が経験 利用年代は20代が約6割、50代以上も約1割
参考:2024年退職代行を利用した退職代行調査結果との比較
東京商工リサーチでは2024年6月にも退職代行に関する調査(有効回答5,149社)を実施しています。1年前でも大企業の利用率(18.4%)が、中小企業の利用率(9.3%)よりも約2倍高い結果でした。
2024年度「人材確保・退職代行」に関する調査結果による退職経験割合:
- 全企業:9.3%
- 大企業:18.4%
- 中小企業:8.3%
出典:東京商工リサーチ|「退職代行」業者から連絡、大企業の約2割が経験 人材確保に「賃上げ」、「休日増」などで対抗
「退職代行」利用者の年代
利用した従業員の年代に対して質問すると、20代の割合が約6割を超え、若手の利用が目立ちます。
退職代行を利用する人の年代構成:
- 20代:60.8%
- 30代:26.9%
- 40代:11.0%
- 50代:6.4%
- 10代:5.0%
- 60代以上:2.8%
20代と30代で全体の87.7%を占めており、若年層の利用が圧倒的です。しかし、50代以上でも約9%の利用があります。サービス認知の広まりとともに、全世代に利用が広がりつつあります。
関連記事:退職代行を使う新卒が増加中?|背景にある職場の課題と対策とは
「退職代行」が利用されている業種
退職代行の利用があった企業の業種を分析すると、百貨店や理美容業界などのお客様と直接接する機会が多いBtoC業種で利用率が高いです。
退職代行業者の利用が多い業種(母数10社以上):
- 各種商品小売業(百貨店など):30.0%
- 洗濯・理容・美容・浴場業:20.8%
- 非鉄金属製造業:20.0%
- 宿泊業:19.3%
- 職業紹介・労働者派遣業:17.39%
出典:東京商工リサーチ|「退職代行」による退職、大企業の15.7%が経験 利用年代は20代が約6割、50代以上も約1割
「退職代行」が企業に与えるリスク・影響
ここからは退職代行を使った退職により、企業が受ける影響を確認します。大きなリスクがあれば対策が必要です。一方、それほど影響がなければ「仕方ない」と割り切る選択もあるでしょう。いざ退職代行利用があった際に役立つ内容です。引き続き2025年の東京商工リサーチ調査結果を元に説明します。
業務への影響
退職代行の業務影響についての回答からは、人材不足になるというシンプルな影響のほかにも、企業への複合的な影響があることがわかりました。
- 従業員の残業が増加:31.1%
- 業務引き継ぎが円滑にいかず支障が出た:23.4%
- 退職手続きが通常よりも長引いた:21.8%
- 従業員の士気が低下:14.0%
突然の退職により、残された従業員への負担は増加します。引き継ぎなしにより、顧客対応やサービス提供が円滑にいかなくなるリスクもあります。通常の退職手順よりも時間がかかることもリスクです。
採用活動への影響
採用活動への影響を質問すると、74.0%では「影響なし」であったものの、以下に挙げる対策を新たに採用活動で取り入れる傾向も見られました。
- 応募者の転職回数や職歴をより厳格に見極めるようになった:20.8%
- 応募者のリファレンスチェック(前職調査)を導入・強化:10.2%
- 適性検査(SPIなど)で退職代行を活用した退職者と同じ傾向の応募者の採用を厳格化した:5.8%
このように、企業側は採用活動で事前にチェックできる内容を中心に、リスク対策を強化して対応しています。採用市場全体では、面談に至る前の審査がより厳しくなる可能性があります。
出典:東京商工リサーチ|「退職代行」による退職、大企業の15.7%が経験 利用年代は20代が約6割、50代以上も約1割
「退職代行」対策:大企業と中小企業との違い
退職代行は業務や採用活動に少なからず影響があることがわかりました。ここからは、退職代行を利用された企業は、より包括的な対策として、どのような動きがあるのかに話題を移します。
東京商工リサーチの2024年度の調査結果(2024年6月実施)によると、人材確保・離職防止のために、2023年1月以降に企業が取り組んだ施策が紹介されています。全体では「賃上げをした」が73.5%と最多ですが、ほかの取り組みについては企業規模で違いが見られました。
大企業(資本金1億円以上)の取り組み
大企業の取り組みは以下の通りです。「賃上げ」の割合を見ると、全体平均よりも10ポイント以上も高くなっており、大企業では「賃上げ」対応が多数を占めます。
- 賃上げを実施した:84.9%
- 休暇日数を増やした:17.7%
- 社内レクリエーションを実施した:12.1%
- フレックスタイム制を導入した:9.1%
- その他:8.0%
※その他は、「外国人人材の登用」、「特別賞与の支給」、「パワーハラスメントの防止」など。
中小企業(1億円未満)の取り組み
中小企業でも、最も多い取り組みは「賃上げ」となりました。ただし、全体平均より1.3ポイント下回っています。
- 賃上げを実施した:72.2%
- 休暇日数を増やした:25.2%
- その他:18.8%
- 社内レクリエーションを実施した:10.3%
- テレワークを導入した:8.0%
中小企業は大企業よりも「賃上げ」では不利な状況にあり、春闘の結果でも明白です。そこで働き方改革を進め、休暇を増やしたり福利厚生の柔軟性を強調したりすることにより、「働きやすさ」を前面に押し出す動きが見られます。
出典:東京商工リサーチ|「退職代行」業者から連絡、大企業の約2割が経験 人材確保に「賃上げ」、「休日増」などで対抗
「退職代行」利用しようと思った理由
賃上げに働き方改革など、企業は規模ごとに待遇面の改善を急ピッチで進めています。このような取り組みが有効なのかどうかは興味深いことです。ここでは、効果的な退職代行利用の予防策を知るために、退職代行を利用した理由を把握します。
マーケティングリサーチ会社のアイディエーションが実施した退職代行についての調査(対象は日本在住の20代〜50代、2025年4月〜5月実施)によると若年層が退職代行を使うのは、退職を申し出た際にパワハラや嫌がらせを受けるのが怖いからという理由が最多で、全体の34%を占めます。
次に多かったのは「即日で辞めたかった」(25%)でした。また、「直接会社に退職の意思を伝えるのが嫌だった」「退職代行を使えば確実に辞められると思った」という理由もそれぞれ24%ありました。
具体的には、不当に退職時期を引き延ばされたり、入社したばかりなのに教育が不十分だったり、上司からのパワハラや同僚からの嫌がらせなど、職場の環境や人間関係のトラブルが退職代行を利用するきっかけになっているようです。
| 退職代行サービスを利用しようと思った理由 | 割合 |
| 辞める意思を伝える際にパワハラ/嫌がらせを受ける不安があった | 34% |
| 即日で退職したかった | 25% |
| 直接会社に退職の意思を伝えることに抵抗があった | 24% |
| 退職代行を利用すれば確実に辞められると思った | 24% |
| 精神的に不安定で、自力で退職手続きができる状況ではなかった | 22% |
| 退職意思を伝えた後の出社を回避したかった | 21% |
| 自分で退職手続きを進める手間を省きたかった | 21% |
| 退職に関するトラブル(未払い給与/引継ぎ要求など)が心配だった | 19% |
| 上司や会社に引き留められるのが嫌だった | 18% |
| 退職手続きをスムーズに進めたかった | 18% |
| 家族/友人/同僚から退職代行の利用をすすめられた | 18% |
出典:PR TIMES|退職代行サービスに関する調査 | 株式会社アイディエーションのプレスリリース
「退職代行」を使わない人から学ぶヒント
退職したとき、退職代行サービスを利用しなかった理由からは、退職代行予防のヒントが得られます。
同アイディエーションの調査結果によると、退職代行サービスを利用しなかった人の主な理由は、「利用する必要性を感じなかった」(40%)、「自分で退職を伝えるべきだと思った」(33%)でした。また、「職場に相談できる環境があった」と「費用が高いと感じた」がそれぞれ20%でした。
退職代行サービスを利用しなかった人の多くは「利用する必要性を感じなかった」と回答しており、人間関係が良好で、職場環境も整っているケースが多いと推察されます。
特に「職場に相談できる環境があった」という20%の回答は、退職代行防止の核心に迫る内容です。相談しやすい環境があれば、従業員は退職を検討する段階で直接会話でき、問題解決や円満退職につながると解釈できます。
| 退職代行サービスを利用しなかった理由 | 割合 |
| 利用する必要性を感じなかった | 40% |
| 自分で退職の意思を伝えるべきだと思う | 33% |
| 退職の相談ができる職場環境だった | 20% |
| 費用が高いと感じた | 20% |
| 退職代行を使うことに抵抗があった | 18% |
| 上司/同僚/職場への恩義があり、直接伝えたかった | 14% |
| 利用によるトラブルの心配があった | 11% |
| 人に頼ることに抵抗があった | 10% |
| サービスの信頼性に不安があった | 7% |
| 家族/友人/同僚に退職代行の利用を止められた | 2% |
| その他 | 2% |
出典:PR TIMES|退職代行サービスに関する調査 | 株式会社アイディエーションのプレスリリース
「退職代行」を防ぐための8つの対策
退職代行を防ぐにはどのような対策を講じられるのか、これまでの調査結果をベースに説明します。以下に紹介する中から、取り入れやすいものを見つけてください。
対策1:ハラスメント防止の徹底
退職代行を利用する最大の理由は、「パワハラや嫌がらせを受けるかもしれないという不安」です。これは過去に職場で嫌な体験をしている可能性を示します。職場環境の改善こそが、退職代行を使われない組織づくりの第一歩です。主なハラスメントの種類も確認しましょう。
- パワハラ:上司が権力を利用した嫌がらせや精神的攻撃
- モラハラ:言葉や態度による精神的攻撃
- セクハラ:性的な言動による不快感や働きにくい環境を作る
- マタハラ・パタハラ・ケアハラ:妊娠・育児・介護を理由とした不当な扱い
- ジェンハラ・アルハラ・リスハラ:性別・飲酒・退職強要に関する嫌がらせ
これらに加えて、退職を申し出た際に受ける「退職ハラスメント」も深刻な問題となります。嫌だと感じることは人それぞれ違い、本人がその気持ちを相手に直接伝えることは難しいのが現実です。具体的なハラスメント防止のアプローチには、以下が挙げられます。
- ハラスメントに関する管理職向け研修を定期的に実施する
- 匿名アンケートで実態を調査し、潜在的な問題を早期に発見する
- 外部相談窓口を設置し、相談しやすい環境を整備する
- 周囲からのハラスメント報告に耳を傾け、適切な措置を迅速に講じる
「ハラスメントを許さない」という企業の姿勢を徹底し、安心して働ける職場の雰囲気になることが重要です。
対策2:退職手続きについての丁寧な周知
退職に必要な手続きを従業員に周知することも、退職代行を使われないための予防策です。退職の流れや必要な期間を事前に知っていれば、「それなら自分でできそう」と通常の退職ルートを選択しやすくなります。
まずは企業のルールを従業員が理解できているかを確認しましょう。民法では2週間での退職が認められていますが、円滑な業務引き継ぎのため、就業規則では1〜3か月程度前までの申し出を求めているケースが多くみられます。期間の違いと、なぜ早めの申し出が必要なのかを丁寧に説明することが大切です。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
この法的な事実を知っていれば、「すぐに辞めたいから退職代行を使う」という従業員の心理を変えられるかもしれません。また、民間企業が運営する退職代行サービスの相場は1万円〜5万円程度とされており、特に若年層にとっては費用負担がネックとなるはずです。
対策3:退職希望者が相談しやすい環境作り
従業員が「退職を言い出しても受け止めてもらえる」と感じられる雰囲気づくりは重要です。
職場の人間関係が良好で、職場環境も整っている場合、直接退職の意思を伝えるため退職代行業者に依頼する必要がありません。職場の悩みを上司に相談しやすい環境かどうかは、匿名アンケートや個別の面談などの様子から把握できます。
直接上司に申し出ができない場合でも、人事部門へ直接相談できるルートがあれば打ち明けやすいです。その際、相談内容が上司に漏れるようなことがあると、退職を言い出せない気持ちをさらに強めてしまいます。リモートワークが多い職場では、社内のチャットツール等で人事に直接、気軽に相談できる仕組みも有効です。相談内容は機密保持を徹底し、相談による不当な取り扱いはしないことを従業員に伝えるようにしましょう。
対策4:メンタルケアの強化
退職代行を使う従業員は、職場での心理的負担が背景にあることがあります。上司からの圧力がある、業務量が多い、業務が合っていないなどの悩みです。
メンタル面でのサポートが充実していれば、問題を一人で抱え込まずに済み、退職代行という最後の手段を選ぶ前に解決できる可能性が高まります。具体的には、以下の取り組みがあります。
- ストレスチェック制度:ストレスチェックおよびその結果に基づく面談指導の実施でメンタルの不調を早期予防する
- 産業医やカウンセラーとの連携:労働安全衛生法では50人未満では努力義務、まだ実施していない場合は連携を検討する
- EAP(従業員支援プログラム)の導入:内部・外部から企業のメンタルヘルスをサポートする
- メンタルヘルス関係の研修を導入:ストレスマネジメント研修などで管理職のメンタルヘルス対応力を強化する
対策5:待遇の改善
給与や福利厚生を充実させることは、企業が従業員を大切にしているというメッセージになります。
従業員が職場でなんらかの困難に直面した際、待遇の良し悪しが判断を大きく左右します。待遇が良ければ「この企業なら我慢できる」と思えても、待遇が悪ければ「もうやっていられない」と退職を決断してしまうケースは少なくありません。
また、求職者は、業務内容が似ていれば待遇の良い企業を選びます。そのため、充実した福利厚生(有給取得、研修制度、働き方の柔軟性、各種手当、食事補助など)は、優秀な人材の確保と定着のために重要な要素となります。
対策6:コミュニケーション施策
退職代行の利用者が急激に増える4月は、新卒者の利用が目立つ時期です。新卒の従業員は職場にすぐ馴染めなかったり、将来のビジョンとのずれを感じたりすることで、退職代行利用につながる可能性があります。
かつては飲み会や社員旅行が交流の場として機能していましたが、現在はプライベートを重視する風潮もあり、勤務時間内でできる取り組みを強化する方が喜ばれます。コミュニケーション施策の具体例を見てみましょう。
- 定期的な1on1面談の実施:上司と部下が定期的に話し合う機会を設け、悩みや不安を早期に発見する
- 社内SNSでの気軽なやりとり:業務以外の話題も含めて、カジュアルなコミュニケーションを促進する
- メンター制度の導入:新しい従業員に先輩従業員をつけて、相談しやすい関係を構築する
- 先輩従業員との交流機会:将来のキャリア像を描けるような先輩の体験を知る機会を設ける
- チームランチ: 短時間で参加しやすい交流の機会を提供する
- 交流イベント: 新しい従業員が職場に溶け込めるような仕組みづくりをする
これらの施策により、従業員同士の信頼関係を築き、問題が深刻化する前に相談できる環境を整えることができます。
対策7:業務負担の確認と解消
業務負担が多すぎる状況が続くと、次第に心身の健康に悪い影響を与えます。過重労働や特定の人への業務集中は、離職の要因にもなりかねません。属人化している業務や効率化できる業務があれば見直しましょう。業務効率化ツールの導入も効果的です。離職や休職等で人員が不足している場合は、マンパワー以外での解消法を見つけるようにします。
業務の効率化
効率化できる業務は洗い出し、対処します。
- 属人化している業務の洗い出し、業務マニュアルに落とし込む
- 不要な業務や重複している作業を廃止する
- 業務効率化ツールを導入する(勤怠管理システムやAIも活用可能)
業務負荷の分散
さらに、業務負荷を見つけ出し、分散します。
- 業務量を可視化し、適切な人員配置をする
- チーム内での業務分担を見直す
- 繁忙期は、一時的な人員補強を外部委託を含めて検討する
対策8:支援制度の活用
育児や介護などのライフイベントにより人員が不足した際、残った従業員への負担が増加し、それが退職代行利用のきっかけとなることがあります。このような状況を防ぐために設けられた支援制度があります。
両立支援等助成金のうち、「育休中等業務代替支援コース」は育児休業取得者や短時間勤務者の業務を代わりに行う労働者に手当を支給、または代替要員を新規雇用(または派遣で受入)した場合に受給できる助成金です。
育児休業を取得した従業員の業務を別の従業員が代替する場合、サポートを担う従業員への負担軽減策として手当を支給することで、業務負担増大に対する不満の軽減効果が期待できます。結果として、退職代行を利用するほどの負担や不満を感じさせない組織づくりが目指せます。
※助成金支給対象に該当するか否かのご相談については事業所がある労働局またはハローワーク窓口までお問い合わせください。
出典:厚生労働省|2025(令和7)年度 両立支援等助成金のご案内
退職防止施策として|食の福利厚生「チケットレストラン」
近年、企業は従業員の待遇改善に力を入れており、その中でも特に注目されているのが、食の福利厚生サービス「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」を利用すると、企業と従業員が費用を折半することで、全国25万店以上の加盟店での食事が実質半額で利用できます。
加盟店はコンビニ、ファミレス、三大牛丼チェーン店、カフェなど身近に利用できる場所が中心です。利用者の年齢や食の好みも問いません。コンビニで利用できるため、勤務時間中の食事であれば、場所や時間の制約なく利用できる点も魅力です。
さらに、一定の条件を満たすことで所得税の非課税枠の活用が可能です。従業員は同額を給与として受け取るよりも手取りが増えます。企業側は、福利厚生費(経費)扱いができ、法人税を抑えられます。
実質的な賃上げ効果も兼ね備えた、食の福利厚生サービスです。中小企業でもトライしやすい待遇改善策として、3,000社を超える企業で導入され、毎日20万人が利用しています。
関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も
導入事例:株式会社sumarch|退職の意思を翻した好例
食事補助の福利厚生は非課税枠が使えます。「チケットレストラン」は、非課税のメリットをサービス導入で最大限活用でき、実質手取りアップにつながる点に注目したのが株式会社sumarchです。他社との待遇面の差別化に対する貢献度は高く、同社の代表取締役からは次のような声も寄せられています。
「ある従業員から退職意向の話を聞いた時はとても残念だったのですが、いざ転職活動をしてみたら、弊社以上に好待遇な会社がなかったということで転職を考え直してくれたことがあります。その比較対象にはチケットレストランも含まれていると思いますし、定着率向上の一助になっていると考えています。」
このように、退職の意思を翻した要素の一つとして、「チケットレストラン」が寄与しました。好待遇を印象づけられるサービスは、人材定着率向上の一助となります。
導入事例:株式会社sumarch様
ご参考:名古屋テレビ「ドデスカ+」で実質手取りを増やす福利厚生としてチケットレストランが紹介されました
NHK東海エリアニュースにて#第3の賃上げ 愛知アクション発表会とエデンレッドジャパンが紹介されました
中部経済新聞で「#第3の賃上げ 愛知アクション」とエデンレッドジャパンが紹介されました
導入事例:株式会社ほねごり|コミュニケーション促進
鍼灸や整体院を運営する株式会社ほねごりは、社内アンケートをきっかけに「チケットレストラン」を導入。企業が従業員を大切に想ってくれているメッセージが「チケットレストラン」導入で具体化され、従業員の笑顔を引き出し満足度がアップしました。同僚との外食ランチの機会は増え、食事の時間が気分転換にもなり、心身の充足度を高めます。
自然なコミュニケーションが盛んな雰囲気がある職場は、それ自体が退職代行の予防策です。「チケットレストラン」は、従業員同士の自発的コミュニケーションが増えるのが大きなメリットです。
導入事例:株式会社ほねごり様
導入事例:M's ファーマ株式会社|離職率へアプローチ力に注目
大阪府内に6店舗の調剤薬局を経営するM's ファーマ株式会社。全国に職場がある薬剤師は、より良い条件先を見つけやすく、「定着を促すには、どうしたらよいか」という課題に直面していました。
さまざまな満足度向上施策と並行しつつ、その一つとして、「チケットレストラン」を導入したところ、以下のように離職率が50%から10%へと大幅に縮小しました。
「これほど急激に離職率に効果があったのは「チケットレストランの存在が大きい」と考えている」
このように評価される理由として、サービスの内容を聞いたら迷わず「いいね」と言いたくなるインパクトの強さがあります。調剤薬局業界内では「チケットレストラン」導入済みの企業が見当たらなかったことも差別化に寄与しました。
同業界内で「チケットレストラン」導入が見当たらない企業は、M's ファーマ株式会社の事例に続いて離職率低下、定着率向上、そして人材採用での差別化を図るチャンスです。
導入事例:M's ファーマ株式会社様
退職代行防止の決め手は『即効性』と『継続性』の両立
退職代行の利用は、職場改善のきっかけとして前向きに捉えることが大切です。 対策には時間のかかるものと、すぐに効果が期待できるものがあります。「ハラスメント防止」や「コミュニケーション改善」は重要ですが、人間関係の変化には時間を要します。
一方、福利厚生の改善は企業主導で実施でき、従業員にとってもメリットが明確なため、比較的早期に効果を実感しやすい施策です。「チケットレストラン」のような食の福利厚生サービスは、日常的に利用できるため従業員の満足度向上に直結します。毎日の食事を通じて「企業から大切にされている」という実感を得やすく、エンゲージメント向上につながります。
退職代行に頼らざるを得ない職場環境そのものを根本から改善していく際に、「チケットレストラン」による食事や食事を介したコミュニケーションに期待してみませんか。
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