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【企業選びの条件】優先順位ランキング|選ばれる企業が実践していること

【企業選びの条件】優先順位ランキング|選ばれる企業が実践していること

2025.03.03

人材不足が深刻化する中、採用市場での企業間競争は激化の一途をたどっています。特に、大企業と比較して企業体力に劣りがちな中小企業にとって、優秀な人材の確保は経営の最重要課題といっても大げさではありません。本記事では、就活生のリアルな企業選びの優先順位を分析し、採用市場で選ばれる企業になるための具体的な施策を紹介します。

就活生が企業選びで重視するポイントは?

就活生が企業選びで重視するポイントを知ることは、人材戦略の第一歩です。ここでは、株式会社揚羽とマイナビの調査結果をもとに、就活生の本音に迫ります。

「就職活動において重視している項目」ランキング

就職活動において重視している項目

出典:ブランディング会社|株式会社揚羽(AGEHA Inc.)|〈24卒冬 就活学生調査〉就活生に聞く「企業選びで重視する項目」ランキング。高評価の上位10社も発表。

企業の採用ブランド力を調査する「株式会社揚羽」が実施した「24卒冬 就活学生調査」によると、就活生が企業選びで重視する項目のトップ3は以下のとおりです。

1位:成長が見込めるビジネスを行っている
2位:共感できる理念やビジョンがある
3位:仕事と生活のバランスが優れている

特筆すべきは、事業の安定性や生活の安定性に関わる項目が全般的に重視される中で、「理念やビジョンへの共感」が2位にランクインしている点です。これは、企業のパーパスや長期ビジョンへの関心が高まっていることを示唆しています。

また、3位の「仕事と生活のバランス(ワークライフバランス)」については、面接では明かされにくい本音の重視項目として、企業の離職率などの客観的指標を通じて判断される傾向にあることが、インタビュー調査から明らかになっています。

企業選択のポイント

企業選択のポイント

出典:マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒大学生就職意識調査

続いて「株式会社マイナビ」が実施した「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」を見てみましょう。

【あなたが企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか(2つ選択)】との設問に対し、上位3項目は以下のようになりました。

1位:安定している会社
2位:自分のやりたい仕事(職種)ができる会社
3位:給料の良い会社

仕事にやりがいを望む声が多いのは、揚羽の調査と同様です。一方でマイナビの調査結果からは「安定」や「給料」という、より現実的な視点が明確になっています。

就職観は「楽しく働きたい」が最多

就職観

出典:マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒大学生就職意識調査

同じくマイナビの調査にて【あなたの「就職観」に最も近いものはどれですか】との質問をおこなったところ、上位3項目は以下のようになりました。

1位:楽しく働きたい
2位:個人の生活と仕事を両立させたい
3位:人のためになる仕事をしたい

この結果からは、近年の就活生のスタンスとして「仕事を人生を充実させるひとつの手段としてとらえ、ワークライフバランスを重視した働き方を望む」傾向にあることがわかります。

高まる「大手企業志向」

企業志向

出典:マイナビキャリアリサーチLab|2025年卒大学生就職意識調査

マイナビの調査では、企業志向についても質問がおこなわれています。

【あなたは「大手企業志向」ですか、それとも「中堅・中小企業志向」ですか】との設問では「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」が43.9%で、もっとも多い結果となりました。「絶対に大手企業がよい」の9.8%を加えると、全体の半数を超える53.7%が大手企業を志向していることがわかります。

なお「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でよい」は37.1%・「中堅・中小企業がよい」は5.8%でした。

人材獲得競争が激化!人手不足の現状は?

少子高齢化にともなう労働人口の減少により、人材獲得競争は年々激化しています。

エン・ジャパン株式会社」運営の「人事部のミカタ」が実施した人事担当者向けのアンケート(2024年10月〜11月実施)では、企業の88%が「人材不足を実感している」と回答しました。

エンジャパン|人材が不足しているか

出典:エン・ジャパン(en Japan)|2024年「企業の人材不足」実態調査 人材不足を実感する企業は88%と、2022年に比べ6ポイント上昇。ー人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』アンケートー

特に注目すべきは、正規従業員の不足感です。帝国データバンクが2024年10月に実施した「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」によると、51.7%の企業が正規従業員の不足を感じていると回答しています。この結果からは、日本企業の半数以上が、組織の中核を担う正規従業員の確保に苦慮している実態が浮き彫りとなっています。

帝国データ|正・非正規不足の状況

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)|(2024年11月13日)

深刻化する中小企業の人手不足

日本国内の企業全体が人手不足を課題とする中で、特に深刻な状況にあるのが中小企業です。ここでは、深刻化する中小企業の人手不足の実態を解説します。

データで見る中小企業の人材確保の実態

内閣府が公開している「法人企業景気予測調査(令和6年10~12月期調査)」から、2024年12月期の従業員数判断BSI※を見ると、大企業の27.4に対し、中堅企業は41.4・中小企業は31.7となり、中堅・中小企業の人材獲得の厳しさが再確認されています。

内閣府|企業規模別人手不足感

出典:内閣府・財務省「法人企業景気予測調査結果」(令和6年10~12月期調査)

※「従業員数判断BSI(Business Survey Index)」:企業の人員状況を示す指標。期末時点での従業員数について「不足気味」と回答した企業の割合から「過剰気味」と回答した企業の割合を差し引いて算出する。数字が大きい=人材不足感が強い。

人手不足による経営リスク|倒産件数から見る深刻度

人手不足倒産年間推移

出典:株式会社 帝国データバンク[TDB]|人手不足倒産の動向調査(2024年)|(2025年1月9日)

帝国データバンクの「人手不足倒産の動向調査(2024年)」によると、2024年の人手不足倒産件数は342件でした。これは、過去最多を記録した2023年(260件)を大幅に上回る結果です。

なお、同じく帝国データバンクの「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」を見ると、2024年度上半期に倒産した企業163社のうち、82.2%にあたる134社が10人未満の小規模事業者でした。大企業に比べ、従業員数が少ない中小企業ほど倒産しやすい実情が明らかになっています。

参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)|(2024年10月4日)

人手不足の深刻化が企業にもたらすリスク

人手不足は、企業経営にさまざまな悪影響をもたらします。ここでは、人手不足の深刻化が企業にもたらす具体的な影響について解説します。

労働環境の悪化

人手不足が進行すると、従業員一人ひとりの業務負担が増加します。

一人あたりの業務量が増え、長時間労働やサービス残業が常態化すれば、休暇を取得することが難しくなるなど精神的ストレスも高まります。このような状況は、新たな離職を招く原因となり、人手不足がますます深刻化するという悪循環を生み出しかねません。

また、過重労働による労災リスクの増加や、労働基準法違反などのコンプライアンス上の問題が発生する可能性も生じます。

人手不足は、従業員の健康管理や労務管理の観点からも、早急な対策が求められる課題といえます。

利益の減少

企業としての利益の減少も、人手不足が深刻化することで引き起こされる大きなリスクのひとつです。

企業が人手不足に陥ると、単純な作業量の低下を原因とする利益の減少が起きます。さらに、人手不足を補う従業員の残業代や、新たな人材を獲得するための採用活動費の増大により、経営コストが増大します。長期的に見ると、本来であれば可能だった事業拡大にまつわる機会損失も無視できません。

利益の減少は、企業としての基盤を揺るがす課題です。いったん減少した売上を回復させることは簡単でないだけに、利益の減少が起きる前段階で対策をすることが大切です。

技術・ノウハウの消失

人手不足が企業にもたらすリスクの中でも、特に深刻なものとして挙げられるのが、技術・ノウハウの消失です。

人手が足りないということは、企業として蓄積してきた技術やノウハウを継承する人員を確保できないということでもあります。

技術やノウハウは属人化しやすいものだけに、いったん失われると取り戻すことはできません。特に、重要な技術やノウハウを持っている従業員の大半が高齢だった場合、彼らの退職期以降、企業として求められてきたクオリティーを維持できない可能性が高まります。

場合によっては、長年の取引先を失ったり、先行きの不安からさらなる離職が起きたりといった事態に陥るかもしれません。

商品・サービスの質の低下

人手不足によって十分な人員体制が確保できないと、品質管理や検査工程の簡略化を余儀なくされます。これにより、商品・製品の質の低下が引き起こされます。

このリスクは、接客業でも同様です。人手不足は従業員から心の余裕を奪うため、知らずしらずのうちにサービスの質が低下します。また、顧客一人ひとりにかけられる時間や手間も制限されるため、従来の対応を維持するのは困難です。

商品やサービスの質は、顧客満足度に直結する重大なテーマです。短期的な影響は小さくとも、長期的に見ると、企業運営に深刻な悪影響を及ぼすことが予想されます。

倒産

帝国データバンクの調査が示すように、人手不足倒産は近年急増しています。

特に中小企業の場合、大企業との資本力の差から人材を集めにくく、倒産へと事態の悪化を招きやすい傾向があります。

また、大企業との力関係のもと、物価高の状況下にあっても価格転嫁が進まないケースも少なくありません。こうしたケースでは、働きに見合ったベースアップや昇給がおこなえず、結果としてさらなる離職を招くリスクがあります。

人手不足は、企業の存続そのものを左右する重大な課題といえます。

関連記事:人手不足倒産の帝国データ最新版(2024上半期)の動向をわかり易く解説

企業選びで中小企業が競争力を高めるには

企業が人材不足を解消するためには、求職者にとって魅力的な施策に取り組み、同業他社との差別化を図ることが必要です。では、実際に中小企業が同業他社に差をつけるには、具体的にどのような施策を実行すればよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

賃上げをおこなう

中小企業が採用市場で競争力を高める方法として、まず挙げられるのが賃上げです。

近年、企業選択の条件としては、やりがいやワークライフバランスが重視される傾向にありますが、給与水準が重要な見極めポイントであることに変わりはありません。

特に近年は、物価上昇やそれにともなう生活コストの増加を背景に、企業選びの優先順位として給与水準を挙げる人が増えています。

こうした点を踏まえると、人手不足解消の手段として、賃上げは大きな一手となるでしょう。

関連記事:「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!~

働きやすい職場環境を整える

働きやすい職場環境が整備されているかどうかも、求職者の関心を引く重要な要素です。

具体的には、以下のような点が挙げられます

【設備】

●冷暖房
●清潔
●安全
●バリアフリー対応
●十分な数の備品 等

【制度】

●フレックスタイム制
●リモートワーク制度
●育児・介護休暇
●公平な人事評価
●キャリア支援・研修制度 等

このような総合的な職場環境の改善は、採用における強力な訴求ポイントになります。

採用対象を拡大する

人材確保の新たな可能性を開く手段として、注目を集めているのが、採用対象の拡大です。

厚生労働省が公開した「令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-」によると、2023年の就業者数は男女計で約6,740万人、就業率は約6割でした。

就業率を男女別で見てみると、男性は約7割・女性は約5割となっています。男女で2割もの差がありますが、女性の場合「働く希望はあるが求職活動はしていない」就業希望者が、完全失業者数の2.2倍にあたる約160万人存在しているのが実情です。

この背景には、「育児や介護との両立が難しい」「希望する職種や勤務形態がない」「スキル不足を感じている」といった理由が考えられます。

この層が働きたいのに働けない理由を分析し、必要な環境を整えることは、人手不足を解消する上で有効な手段となります。

シニア層や外国人人材についても同様で「どのような環境や整備を整えれば人材に選ばれるか」という視点を持つことが大切です。

参考:厚生労働省|令和6年版 労働経済の分析 -人手不足への対応-

採用後のミスマッチを防ぐ

採用にまつわるミスマッチは、早期離職や生産性低下、ひいては離職を招く大きな原因となります。

採用後に「思っていたのと違う」「こんなはずではなかった」と感じる求職者が出ないようにするためにも、企業理念や職場の雰囲気・業務内容・キャリアパスなどについて、採用プロセスの早い段階から詳細な情報を提供することが大切です。

近年では、採用後のミスマッチの予防として、インターンシップや職場体験の機会を設け、求職者が実際の職場環境を体感できる機会を提供している企業も増加しています。

さらに、入社後のフォローアップ体制を充実させ、新しい従業員の不安や課題に迅速に対応できる体制を整えることも効果的です。

関連記事:【離職防止アイデア12選】従業員の離職率を下げるために必要なことを解説

福利厚生を充実させる

福利厚生の充実は、給与以外の面で企業の魅力を高める重要な要素のひとつです。特に若手人材の採用では、休暇制度や健康管理支援・資格取得支援などの充実した福利厚生は、大きな訴求力となります。

また、住宅手当や家族手当などの生活支援制度、カフェテリアプランによる選択型福利厚生など、従業員のライフステージに応じた柔軟な支援体制の構築も重要です。さらに、食事補助をはじめとする日常的に活用できる福利厚生の充実は、従業員の満足度向上と健康管理の両面で効果を発揮します。

このような総合的な福利厚生の充実は、他社との差別化を図り、企業の採用競争力を高める重要な要素です。

3,000社以上が導入する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」

数ある福利厚生の中でも、人気を集めているサービスのひとつに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。

チケットレストラン」は、一定の条件下において、所得税の非課税枠を活用しながら全国25万店舗以上の加盟店での食事を実質半額で利用できる福利厚生の食事補助サービスです。加盟店には、有名ファミレスやカフェ・コンビニなどの人気店が名を連ね、勤務時間内であれば時間や場所の制限もありません。

月一回の一括チャージのみで運用できるため、バックオフィスの負担が最小限で済むことも大きな魅力です。

こうした利便性が高く評価され、「チケットレストラン」はすでに3,000社以上が導入する人気サービスとなっています。

関連記事:チケットレストランにデメリットはある?導入前の不安を徹底解消

企業選びのポイントを押さえて採用競争に勝つ企業へ

企業選びの優先順位では「成長可能性」「理念・ビジョンへの共感」「安定性」「やりがい」「給与」などが重視されていることがわかりました。

少子化による人手不足が深刻化する近年、人材確保は企業の成長や存続を左右する重要な経営課題です。求職者に選ばれる企業であり続けるためには、求職者の視点に立ち、企業選びのポイントを的確に押さえた施策を講じなければなりません。

職場環境の整備や、採用対象の拡大はもちろんのこと「チケットレストラン」のような福利厚生の導入を通じて他社との差別化を図り、自社の強みを生かした採用戦略を展開していきましょう。

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参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
    :「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!


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