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インフレ手当は賞与での支給がベスト?インフレ手当の基礎知識を解説!

2023.04.18

インフレ手当の支給方法には「一時金」「賞与」「月額手当」の3種類があります。どの方法で支給するか迷ってしまうこともあるでしょう。支給方法の判断に役立つよう、3種類の方法のメリット・デメリットを紹介します。また福利厚生によるインフレ手当として注目を集めている「チケットレストラン」の情報も合わせて見ていきましょう。

インフレ手当とは?

インフレ手当とは急激な物価の上昇に伴い、実質的に目減りしてしまった賃金を補填する目的で支給される手当のことです。物価上昇時にはなぜ手当は必要なのでしょうか?インフレ手当を支給すべき理由について見ていきましょう。

物価高騰に伴う生活補助として支給する手当

インフレによって物価が高騰すると、同じお金で購入できるモノやサービスの量が減ります。つまり、相対的にお金の価値が下がります。これは、労働者からすると実質的な賃金減少にほかなりません。賃金そのものは減っていないにもかかわらず、生活水準を下げざるを得なくなってしまいます。

インフレ手当は、この実質的な賃金の減少を補填し、労働者の生活を補助することを目的に支給する手当です。

インフレ手当の支給は、一般的に企業から自社の従業員に対し行われます。自治体が独自のインフレ手当を支給しているケースもありますが、現状ではあくまでも一部に留まっています。

関連記事:インフレ手当とは?支給額の相場や支給方法をチェック!注意点も確認を

インフレ手当が求められる背景

インフレ手当が求められる背景には、近年のまれに見る深刻なインフレがあります。

総務省が2024年4月19日に発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)3月分」によると、天候などの影響を受けやすい生鮮食品を除いた総合指数は、前年同月比で2.7%上昇しました。

さらに2023年度は平均で総合指数が前年度比3.2%上昇しています。

また、帝国データバンクが2023年3月31日に発表した『「食品主要195社」価格改定動向調査―2023年4月』によると、2023年4月に値上げを予定している食品は5,106品目で、5月以降もすでに4,000近い品目の値上げが予定されています。

こうした発表を見ても、当面のあいだインフレに収束の兆しは見られません。それどころか、実質的な賃金の減少が、今後ますます家計に悪影響を及ぼすであろうことが予想されるのです。

参考:総務省|2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)3月分
参考:帝国データバンク|「食品主要195社」価格改定動向調査―2023年4月(2023年3月31日)

約9割の労働者がインフレ手当を「必要」と考えている

エデンレッドジャパンは、2022年12月22日から2022年12月23日にかけて、インフレ手当にまつわるWebアンケートを行いました。

アンケート内で、一般社員300名を対象に「あなたにとってインフレ手当の導入は必要ですか?」との質問をしたところ、89.3%にあたる268人が「はい」と回答しています。

またその理由についての質問では、「現在の給与だけでは家計が厳しいから」が52.2%、「物価高で生活が厳しくなってきているから」が51.1%との結果が出ています(複数回答)。

物価高騰が続く現状では、インフレ手当を望む声は今後ますます高まっていくと考えられます。従業員の生活を安定させたい企業にとって、インフレ手当の支給は急務となっているのです。

参考:エデンレッドジャパン|ビジネスパーソンに聞く「インフレ手当」実態調査

インフレ手当を支給するメリット

インフレ手当の支給には、一定のコストがかかります。従業員の生活を安定させたいからといって、やみくもに取り組める施策ではありません。

にもかかわらず、インフレ手当の支給を検討、実施する企業が増えているのは、コストを補ってなお余りあるメリットがあるからです。インフレ手当の支給によって企業が得られるメリットとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

従業員のモチベーション向上

インフレが深刻化すると、従業員の仕事に対するモチベーションは低下します。仕事の質や量に変化がないにもかかわらず、賃金が実質的に減少し続けることを考えると、無理もありません。

そんな中で、インフレ手当の支給は、従業員のモチベーションを回復させる起爆剤となります。これは、目減りした賃金が補填される安心感に加え、「会社は自分たち従業員を大切にしてくれている」との思いが、企業に対する貢献意欲を高めるからです。

企業に対して従業員が抱く貢献意欲や愛着を「従業員エンゲージメント」といいますが、従業員エンゲージメントが高い企業は、一般的に従業員の仕事に対するモチベーションが高い傾向にあります。人間関係も円満で、活気にあふれた職場となるでしょう。

生産性・業績向上

従業員エンゲージメントが高く、それぞれが意欲的に仕事に取り組む職場では、従業員1人あたりの生産性も向上します。

仕事への意欲は集中力にも影響することから、従業員エンゲージメントの向上は、業務上のミスの予防やミスによるコストの軽減にもつながると考えられます。

生産性の向上とコストカットは、企業の業績を支える大きな柱です。長期的な視点で見ると、インフレ手当の導入は、企業の業績向上にも貢献するのです。

人材の獲得・定着

少子化が進み、終身雇用制度も過去のものとなりつつある現代日本では、優秀な人材を獲得・定着させるのは至難の業です。

優秀な人材に多くの選択肢の中から自社を選んでもらうには、他社とは違う魅力を見出し、アピールしなければなりません。

その点、インフレ手当の導入は、「働きやすい会社」「先進的な会社」として自社の強力なアピールポイントとなります。優秀な人材の獲得・定着に必要な他社との差別化が、インフレ手当の支給によって自然とかなえられるのです。

企業イメージの向上

前述のとおり、インフレ手当の導入は、「従業員を大切にする会社」「働きやすい会社」「先進的な会社」とのイメージにつながります。

企業イメージが向上すれば、企業としてのブランド力の向上が期待できます。ブランド力の向上は、顧客満足度の向上や営業機会の増加につながり、引いては企業の業績向上にも貢献するでしょう。

インフレ手当の支給は、従業員への生活補助と、長期的な企業の成長に欠かせないブランディングを同時にかなえられるという点で、企業にとって非常に大きなメリットのある施策なのです。

インフレ手当支給の実態

企業に数々のメリットをもたらしてくれるインフレ手当ですが、実際に支給を実施している企業の割合とはどの程度なのでしょうか?帝国データバンクの調査をもとに、支給方法や金額を含むインフレ手当支給の実態を解説します。

全体の1/4の企業が支給に前向き

帝国データバンクが2022年11月17日に公開した「インフレ手当に関する企業の実態アンケート」によると、有効回答企業数1,248社のうち、インフレ手当を「支給した」と回答した企業は6.6%でした。

未支給ではあるものの、「支給を予定している」が5.7%、「支給していないが、検討中」が14.1%存在することから、全体の約1/4にあたる26.4%の企業がインフレ手当の支給に前向きと判断できます。

また、具体的な支給方法と平均支給額についての質問では、賞与への上乗せを含む「一時金」を選ぶ企業が66.6%で平均支給額が約5万3,700円。「月額手当」を選ぶ企業は36.2%で、平均支給額は約6,500円との結果になっています。

参考:帝国データバンク:インフレ手当に関する企業の実態アンケート(2022年11月17日)

インフレ手当の支給方法

企業が従業員へインフレ手当を支給するとき、代表的な支給方法は以下の3種類です。

  • 一時金
  • 賞与
  • 月額手当

それぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

任意のタイミングで支給できる「一時金」としての支給

一時金とは、本来であれば毎月支給する給与を、まとめて支給するものです。慣例として夏と冬に支給する企業が多い傾向にあります。

インフレ手当を一時金として支給するのは、臨時の手当とする場合です。メリット・デメリットを解説します。

一時金によるインフレ手当のメリット

インフレ手当を一時金とすると、任意の時期に支給できます。従業員が必要としているタイミングに合わせて素早く支給ができるのがメリットです。

継続的に支給する必要がない点もメリットといえます。今後経営状況が悪化しても、固定費は以前のままのため負担が増えにくいでしょう。

残業代の割増賃金に影響しないのもポイントです。割増賃金は「1時間当たりの賃金額×時間外労働等の時間数×割増率(25%以上)」で計算します。1時間当たりの賃金額を計算するとき一時金は含めないため、割増賃金はインフレ手当支給前と金額が変わらず負担が増えません。

一時金によるインフレ手当のデメリット

一時金のデメリットは支給に手間がかかる点です。定期的に支給する給与や賞与とは異なる計算をしなければならないため、給与計算の担当部署の負担が増えます。

就業規則の変更がいらない「賞与」扱いの支給

賞与とは業績に応じて支給する報酬のことです。成績優秀な従業員へ支給したり、業績が好調なときに支給したりするケースがあります。

毎月支給する報酬ではなく、一時的にインフレ手当を支給するときに用いる方法です。賞与によるインフレ手当のメリット・デメリットを見ていきましょう。

賞与によるインフレ手当のメリット

賞与に上乗せする形でインフレ手当を支給する場合、就業規則の変更は不要です。支給にかかる手間を抑えつつ、従業員の負担を減らせます。

ただし就業規則の記載内容によっては変更しなければならない可能性もあるため、支給する前に内容を確認しておくと安心です。

都度支給の有無を決定できるのも、賞与によるインフレ手当のメリットといえます。企業の経営状況に合わせて、支給を調整可能です。

また一時金と同様、割増賃金に影響しません。

賞与によるインフレ手当のデメリット

デメリットは就業規則に賞与規定を設けていない場合、就業規則の改訂が必要になる点です。これまで賞与を支給していない企業では、実施に手間がかかります。

従業員の暮らしを安定して守る「月額手当」による支給

月額手当とは、毎月の給与に上乗せして支給する報酬のことです。インフレ手当は毎月一定額を給与とともに支給することもできます。

月額手当による支給のメリット・デメリットをチェックしましょう。

月額支給によるインフレ手当のメリット

月額支給によるメリットは、従業員の暮らしを守りやすくなる点です。物価は上がり続けており、一時的な手当では対応しきれません。

毎月の給与に上乗せする形でインフレ手当を支給すると、従業員の生活費の負担をサポートできます。手当の支給により従業員の暮らしの不安を払拭できれば、仕事に集中しやすくなることも期待できます。

月額支給によるインフレ手当のデメリット

トータルのコストが膨らみやすい点や、いったん支給を始めると撤廃しにくく、実質的な賃上げとなりやすい点は、月額支給のデメリットです。

また、月額手当での支給は給与の改定として扱われることから、随時改訂(月額変更届)の手続きや就業規則の変更も必要です。残業代の割増賃金の計算にも影響します。

長期的な従業員の生活補助に対応できるものの、企業にはデメリットもある支給方法です。

参考:随時改訂(月額変更届)日本年金機構

インフレ手当支給の課題

企業にとってメリットが豊富なインフレ手当の支給ですが、一方でいくつかの見過ごせない課題も存在します。中でも特に重要なポイントを紹介します。

税金や社会保険料が増加する

一時金であれ、月額手当であれ、インフレ手当は報酬として扱われます。つまり、インフレ手当を支給することにより、企業側と従業員側ともに負担する税金や社会保険料が増加します

場合によっては、インフレ手当分の給与が増えることにより、扶養を外れてしまったり、税金の負担が予想外に大きくなったりと、支給のメリット以上にデメリットが大きい従業員が出てしまう可能性も否定できません。

インフレ手当を支給するにあたっては、支給額や対象となる従業員の状況について、十分に配慮する必要があります。

関連記事:インフレ手当で社会保険料が上がる!?デメリットに対策しつつ導入する方法も解説

支給方法の判断が難しい

前述のとおり、一時金と月額手当には、それぞれにメリットとデメリットがあります。

企業体力やインフレの状況を踏まえてどちらかを選ぶことになりますが、社会全体はもちろん、自社の状況も今後どう変化するかは分かりません。

先行きが不透明な現状において、支給方法の判断は決して簡単なことではないのです。

用途を指定できない

企業が支給したインフレ手当をどう使うかは、従業員各自の自由です。用途について企業側が指定することはできません。

特に一時金としてまとまった金額を支給するケースでは、臨時収入として旅行や家具、家電の買い換えなどに利用されるケースも十分に考えられます。インフレ手当本来の目的からすると、これは企業にとって望ましいことではありません。

インフレ手当を支給するにあたっては、物価高騰に対する従業員の生活補助という目的から外れた使い方をされてしまう可能性についても考える必要があります。

課題を克服するなら検討したい「福利厚生としてのインフレ手当」

インフレ手当の支給には、「税金や保険料が増加する」「支給方法の判断が難しい」「用途を指定できない」といった課題が付きものですが、これらの課題は福利厚生の仕組みを利用することで簡単に払拭できます。

福利厚生としてのインフレ手当を支給するメリットについて見ていきましょう。

福利厚生の基本知識

福利厚生には、社会保険など法律で義務づけられた「法定福利厚生(法定福利)」と、企業が独自に提供する「法定外福利厚生(法定外福利)」との2種類があります。インフレ手当は企業独自の施策となるため、扱いは法定外福利厚生です。

なお、福利厚生は、従業員やその家族の生活や福祉の向上を目的として企業が提供するサービスです。この前提を踏まえ、福利厚生として認められるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 福利厚生の趣旨から逸脱していない
  • 賃金ではなく、換金性がない
  • 金額が妥当である
  • 全従業員が対象となっている

福利厚生としてインフレ手当を支給するメリット

従業員やその家族へのサービスとして提供される福利厚生は、企業の利益につながる施策ではないため、税金や社会保険料の対象とはなりません。

つまり、インフレ手当を福利厚生として提供できるのであれば、「税金や保険料が増加する」というインフレ手当支給の課題は払拭できます。従業員の扶養等への影響もなく生活補助を提供できるのは、福利厚生ならではの大きなメリットです。

福利厚生としてのインフレ手当で注目の「チケットレストラン」

インフレ手当の残る2つの課題「支給方法の判断が難しい」「用途を指定できない」を解消できる施策として、急激に注目度を高めているのがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。そのサービス内容や魅力を詳しく紹介します。

「チケットレストラン」とは?

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、食事補助の福利厚生として、全国でもっとも多く導入されているサービスです。

サービスを導入した企業の従業員は、提携店舗での食事を半額で利用できます。また、2023年3月にはUber Japan株式会社との業務提携が行われ、全国約25万店で利用が可能となりました。

食事は従業員の健康の土台を作るものであることから、「チケットレストラン」の導入は福利厚生の趣旨にも沿っています。

なお、前述のエデンレッドジャパンの調査では、「支給されたインフレ手当はどのような用途で使用したいですか?または使用しましたか?」との問いに対し、もっとも多い回答が「食費」となりました。

従業員が求める福利厚生としても、「チケットレストラン」は非常に魅力的なサービスです。

関連記事:Uber Eatsとの連携でチケットレストランがもっと便利に!魅力と使い方をチェック

「チケットレストラン」ならではの魅力とは?

チケットレストランは、国税庁の確認のもと運営されている食事補助サービスです。利用が食事に限定され、かつ管理や証明ができる場合、従業員1人あたり月額3,500円(税別)を上限として課税対象とはなりません。

つまり、チケットレストランを利用することにより、「税金や社会保険料が増加する」「支給方法の判断が難しい」「用途を指定できない」といったインフレ手当にまつわる課題を克服できます。

利用率98%、継続率99%、社員満足度93%との高いユーザー評価は、「チケットレストラン」が「コストや手間を最小限に、かつ従業員に喜ばれるインフレ手当(福利厚生)を提供したい」と考える企業の要望に応えられるサービスである何よりの証です。

インフレ手当は福利厚生としての支給がおすすめ

企業が従業員へインフレ手当を支給する場合、「一時金」と「月額手当」の2種類の支給方法があります。

一時金として賞与へ上乗せする形の支給であれば、就業規則の変更をはじめとする煩雑な手続きが必要ありません。実際に、一時金での支給を選ぶ企業が大半との調査結果が出ています。

なお、より効果的で従業員からの評価が高いインフレ手当の支給方法を検討するのなら、おすすめは福利厚生としてのサービス提供です。

食事補助の福利厚生という、従業員が求めるサービスを手軽に提供可能なエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を、ぜひインフレ手当の支給方法として検討してみてはいかがでしょうか。

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