2025年は年初から飲食料品の値上げラッシュが続いてきましたが、11月以降、状況に変化が見られています。帝国データバンクの調査によると、11月の値上げ予定は小幅にとどまりました。12月も同様の傾向が続き、年末にかけて値上げの勢いは落ち着きを見せています。
しかし、これまでの継続的な価格上昇により、消費者間では節約志向が定着しているのが実情です。本記事では、2025年12月と2025年全体の値上げ状況について解説します。
2025年12月までの値上げ状況を確認
まずは2025年全体でどのように推移しているのか説明します。
通年で2万381品目が値上げ
帝国データバンクの調査によると、2025年の飲食料品値上げは12月までの公表分で累計2万381品目となりました。これは前年実績(1万2,520品目)を62.8%上回る水準で、2023年(3万2,396品目)以来、2年ぶりに2万品目を超える結果となっています。
1回あたりの値上げ率平均は15%で、前年の17%と比べるとやや低下していますが、依然として家計への負担は続いています。

出典:帝国データバンク|「主要食品195社 価格動向調査」― 2025年10月
出典:帝国データバンク|「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年12月/2025年
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2025年4月は年間最大の値上げラッシュ
2025年4月は4,225品目が値上げされ、年間を通じて最も多くの品目の価格が見直されました。分野別の内訳は以下のとおりです。
調味料:2,034品目
マヨネーズ・みそを中心に、値上げされました。
酒類・飲料:1,222品目
アサヒビール、キリンビール、サッポロビールなど大手ビールメーカーでは、ビール類を含む多くの商品を値上げしました。
加工食品:659品目
冷凍食品、ハム・ソーセージ、即席カップライスなどが値上げ対象でした。
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2025年10月は半年ぶりの値上げラッシュ
2025年10月には3,024品目が値上げされ、4月(4225品目)以来6か月ぶりに3,000品目を超える値上げラッシュとなりました。分野別では以下のような内訳になっています。
酒類・飲料:2,262品目
コカ・コーラやキリンビバレッジなどがペットボトルや缶飲料を中心に価格を見直しました。また、日本酒も値上げの対象でした。単月で2,000品目を超えたのは2023年10月(3,198品目)以来2年ぶりです。
加工食品:340品目
加工食品は原材料の米の値上がりが要因となり、包装米飯や餅製品を中心に値上げされました。
調味料:246品目
焼肉のたれやみそ製品などが値上げとなりました。
出典:帝国データバンク|「主要食品195社 価格動向調査」― 2025年10月
2025年12月の値上げ動向
2025年12月の値上げは213品目の予定で、4月(4,225品目)や10月(3,024品目)と比較すると落ち着いた水準です。
11月から値上げペースが減速中
11月の値上げ予定品目数は9月末時点で100品目未満にとどまり、11か月ぶりに前年同月を下回る見込みとなっています。12月も213品目と小幅な増加にとどまっており、年末にかけて値上げラッシュは小休止を迎えています。
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主な値上げ品目は加工食品
12月の値上げで最も多いのは加工食品で140品目、次いで酒類・飲料が70品目となっています。
12月の値上げ予定品目数(2025年9月末時点):
| 食品分野 | 品目数 |
| 加工食品 | 140 |
| 調味料 | 0 |
| 酒類・飲料 | 70 |
| 菓子 | 3 |
| 乳製品 | 0 |
| パン | 0 |
| 原材料 | 0 |
| 合計 | 213 |
出典:帝国データバンク|「主要食品195社 価格動向調査」― 2025年10月
2025年値上げにおける主な要因
2025年の値上げには、以下のような複合的な要因が影響していると帝国データバンクでは分析しています。
原材料高が全体の96.1%(前年92.2%)
原材料価格の高騰は依然として最大の値上げ要因で、全体の96.1%を占めています。
物流費が78.8%に上昇(前年68.1%)
2024年問題によるドライバー不足を背景に、運賃が引き上げられています。物流費を理由とする値上げは前年の68.1%から78.8%へと10.7ポイント上昇しました。
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人件費が50.2%(前年26.5%)
賃上げによるコストアップが時間差で価格に反映されており、人件費を要因とする値上げは50.2%となっています。
その他のコスト要因
その他、以下についても値上げの理由とされています。
- エネルギー:64.3%(前年60.6%)
- 包装・資材:62.9%(前年68.5%)
- 円安:12.4%(前年28.1%)
円安を要因とする値上げは前年の28.1%よりも大幅に減少しています。一方、物流費や人件費といった国内要因による値上げが増えており、インフレ圧力は内的要因にシフトしています。
継続する値上げに消費者はどう対応しているか
値上げラッシュが続く中、消費者の行動にも変化が見られます。
節約志向が加速
実質賃金が長期間マイナスで推移している中、消費者の物価高への反発は根強く残っています。帝国データバンクは、「小売現場では購買点数の減少や、割安なプライベートブランド(PB)製品へのシフトが進んでいる」と述べ、工夫して節約する消費者の様子を示しました。
株式会社エクスクリエの「プライベートブランド」に関するWebアンケート(2025年3月実施)によると、2019年の調査結果との比較では、プライベートブランドの購入頻度が「増えた」と回答した割合が7.4%高まったことがわかっています。
出典:エクスクリエ| 「プライベートブランド」に関する調査結果
メーカーと消費者の間の課題
食品メーカー各社は、利益確保のため、本体価格の継続的な引き上げによる収益構造を目指しています。実質賃金が伸び悩む中、消費者がこの値上げをどこまで理解し受け入れるかが今後の課題となります。
2025年12月以降も値上げは続く見通し
2025年12月以降も値上げが続く可能性は高いでしょう。ここでは、その理由を説明します。
2025年通年は2万1000品目前後で着地見込み
2025年の値上げ品目数は、飲食料品の値上げが本格化した2022年の2万5,768品目には及ばないものの、通年で約2万1,000品目前後に達する見通しです。
粘着性の高いコスト要因
人件費や物流費といった粘着性の高いコスト要因が価格に織り込まれています。これらは一度上昇すると下がりにくい性質があるため、2026年以降も値上げは継続する可能性が高いでしょう。
国内経済状況による物価上昇圧力
円安や悪天候といった一時的な理由だけでなく、賃上げや物流コストといった日本国内の経済状況による影響が強まっています。この構造的な変化が、2022年から続く長期的な値上げの主な原因です。
企業ができる取り組み:福利厚生を通じて従業員へ還元
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関連記事:【税理士監修】チケットレストランで食事補助を非課税に!控除方法とメリット完全ガイド
2025年12月以降も継続的に値上げ対策を
2025年12月の値上げは、11月に引き続き小休止を迎えています。しかし、2022年以降3年間にわたる累積的な価格上昇の影響は残り続けており、家計への負担は依然として続いています。
年間で見ると、値上げの要因も原材料高から人件費・物流費といった国内要因へとシフトし、今後も恒常的な物価上昇が続く可能性があるでしょう。消費者としては、プライベートブランド製品の活用や購買数の見直しなど、家計管理の工夫が求められる状況が続きそうです。
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