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【社労士監修】省力化投資促進プランとは?対象12業種の生産性向上目標を詳しく解説

【社労士監修】省力化投資促進プランとは?対象12業種の生産性向上目標を詳しく解説

2025.07.10

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

政府が策定した「省力化投資促進プラン」は、最低賃金引上げの影響を受ける12業種の中小企業を対象とした重要な生産性向上施策です。飲食業35%、小売業28%など、業種別に2029年度までの具体的な目標を設定し、集中的な支援を実施しています。本記事では、各業種の課題と政府の支援内容、さらに生産性向上に効果的な福利厚生の活用事例まで、省力化投資促進プランの全容をわかりやすく解説します。

「省力化投資促進プラン」とは

「省力化投資促進プラン」は、中小企業の生産性向上と賃上げを同時に実現する重要な施策です。まずは、「省力化投資促進プラン」について、その概要や背景を解説します。

参考:内閣官房|「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の施策パッケージ案

「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の中核施策のひとつ

「省力化投資促進プラン」は、2025年6月13日に閣議決定された「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の中核を成す施策のひとつです。

この5か年計画は、我が国の雇用の7割を占める中小企業・小規模事業者において、2029年度までの5年間で実質賃金1%程度の上昇を実現することを目標としており、官民合わせて概ね60兆円規模の生産性向上投資を計画しています。

「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」を構成するのは、次に挙げる4つの柱です。

  1. 官公需も含めた価格転嫁・取引適正化
  2. サービス業を中心とした中小企業・小規模事業者の生産性向上
  3. 事業承継・M&A等の経営基盤強化
  4. 地域で活躍する人材の育成と処遇改善

このうち「2. サービス業を中心とした生産性向上」の具体的な実行策として策定されたのが「省力化投資促進プラン」です。

政府は「新しい資本主義」政策の一環として2020年代に最低賃金を全国平均1,500円まで引き上げる目標を設定し、この影響を強く受ける労働集約的な12業種について、業種別の省力化投資促進プランを策定しました。

2029年度までの5年間で、集中的な生産性向上を実現するための具体的なロードマップとなっています。

参考:内閣官房|新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2025年改訂版

省力化投資が必要なのはなぜ?

省力化投資促進プランが策定された背景には、中小企業・小規模事業者を取り巻く深刻な構造的課題があります。

主な要因は以下の3つです。

  • 人手不足の深刻化:企業の人手不足感はバブル期以来の高水準となっており、今後も生産年齢人口の減少により労働供給制約はさらに厳しくなる見込みです
  • 最低賃金引上げの影響:政府が推進する最低賃金引上げにより、労働集約的な業種では人件費上昇への対応が急務となっています
  • デジタル化の遅れ:多くの中小企業では十分な省力化投資やデジタル化が進んでおらず、生産性向上による課題解決が必要な状況です

省力化投資促進プランは、これらの課題を解決し、中小企業が持続的な成長と賃上げを両立するための重要な施策として策定されました。

【業種別】省力化投資促進プランの取り組み

省力化投資促進プランでは、最低賃金引上げの影響を大きく受ける12業種を対象に、2029年度までの生産性向上目標と業種別の支援策を設定しています。以下、各業種の課題、政府の具体的な支援内容とともに、生産性向上に効果的な福利厚生の活用事例を紹介します。

業種 生産性向上目標(2029年度まで) 主な課題
1. 飲食業 35%向上 調理・接客・店舗管理の全工程での人手不足
2. 宿泊業 35%向上 観光需要回復に伴う人手不足感の高まり
3. 小売業 28%向上 接客対応、レジ精算、店内清掃等の労働集約性
4. 生活関連サービス業 29%向上(理容業、美容業、クリーニング業)
24%向上(冠婚葬祭)

中小零細・個人経営が多く経営者高齢

冠婚葬祭業における事務作業の省力化

5. その他サービス業 25%向上(自動車整備業、ビルメンテナンス業) 自動車整備業:専門学校入学者半減、人手不足
ビルメンテナンス業:清掃作業従事者が8割を占める労働集約性
6. 製造業 24%向上 中小企業割合が高く労働集約的な業態
7. 運輸業 18〜26%向上(分野別) DX化の遅れ、紙での管理や手書き作業
8. 建設業 9%向上(実質値) 他産業比較での低い労働生産性、高齢化
9. 医療 時間外労働削減・処遇改善 2040年の高齢者ピークに向けた従事者確保
10. 介護・福祉 業務効率化・処遇改善 サービス需要拡大と生産年齢人口減少
11. 保育 処遇改善 非効率な事務作業、紙での業務
12. 農林水産業 生産量増加・生産性向上 就業者の急速な減少と高齢化

1. 飲食業

飲食業は約400万人の雇用を創出していますが、パート・アルバイトの割合が多く、そのほとんどを中小企業が占めています。調理・接客・店舗管理の全工程で人手不足が顕著であり、特に店舗管理を担う店長等の不足が深刻な状況です。

政府の支援策としては、調理・食器洗浄ロボット、モバイルオーダー・セルフレジ、配膳・下膳ロボット、在庫・販売・人事管理のITツールの導入を推進。2025年度中に約40万者の飲食業を営む企業の7割に支援策を周知する目標を掲げています。

2. 宿泊業

宿泊業では長期的に人手不足状態が続いており、観光需要の回復等に伴い人手不足感がさらに高まっています。小規模事業者が多く、省力化が十分に進んでいない傾向があります。

政府は予約等管理システム(PMS)や自動チェックイン機の導入を推進し、2025年度から2029年度において補助制度活用件数を年900件達成する目標を設定。旅館業法におけるフロント規制の緩和も実施しています。

3. 小売業

小売業は労働集約的な産業であり、生産性も他業種と比べて低い状況です。接客対応やレジでの精算、店内清掃等の店舗運営に大きく人手を要しているのが現状で、POSレジ、シフト管理などのDX推進や掃除ロボット、遠隔接客システムの導入が求められています。

政府は2026年度以降、業界団体等との懇談会を年5回程度実施し、各回延べ約4,300社に情報発信します。年間1,000件の補助制度活用件数達成が目標です。

▼「オーデマ ピゲ ジャパン株式会社」では、より充実した福利厚生の提供を目指し「チケットレストラン」を導入しました。導入後、テレワーク時の利用もでき、コミュニケーションの活性化にもつながるなど、さまざまなメリットを得られているそうです。

「オーデマ ピゲ ジャパン株式会社」の詳細な導入事例はこちら

4. 生活関連サービス業(理容業、美容業、クリーニング業、冠婚葬祭業)

理容業、美容業、クリーニング業では中小零細企業や個人・家族経営が多く、経営者の高齢化が進んでいます。自動券売機、POSレジ、会計管理システム等の導入により、店舗運営管理業務を中心とした省力化が必要です。

冠婚葬祭業では、顧客・受注・請求・入金等の情報をシステムで一元管理することで事務作業の省力化が求められています。

政府は2025年度から2029年度にかけて、理容業・美容業・クリーニング業では省力化支援施策に関するセミナー等を年250回開催し、伴走型の相談支援を年1,000件実施する目標を設定しました。また、冠婚葬祭業では、補助制度活用件数を年平均で110件以上としています。

5. その他サービス業(自動車整備業・ビルメンテナンス業)

自動車整備業では専門学校への入学者が20年で半減し、人手不足と高齢化が進展しています。システム導入による入庫・作業管理、スキャンツールによる故障探求の効率化等が急務となっており、政府は2029年度までにスキャンツール導入率100%を目標に設定しました。

ビルメンテナンス業では清掃作業を行う従事者が8割を占める労働集約型産業であり、心理的・肉体的負担から人手不足が続いています。ロビー等の平坦な区画での清掃ロボット活用や、現場作業者・パート従事者の勤怠管理システム導入が有効とされています。

政府は両業種で25%の生産性向上を目標とし、自動車整備業では柔軟な人材育成・配置を可能とするため整備士資格の実務要件見直し、ビルメンテナンス業では2025年度から2029年度までにオンラインセミナーの延べ接続数を年2,800達成する目標が設定されました。

▼「楽天ヴィッセル神戸株式会社」では、拠点によって異なる食事補助の不公平感解消を図り「チケットレストラン」を導入しました。導入後、精算処理をする従業員、人事・総務担当者の精算作業の負担が軽減し、DX化による生産性向上を実感されているそうです。

「楽天ヴィッセル神戸株式会社」の詳細な導入事例はこちら

6. 製造業

繊維工業、プラスチック製品製造業、食品製造業等では中小企業の割合が高く、労働集約的な業態のため全産業平均よりも労働生産性が低い状況です。ロボット導入による省力化やIoTシステム導入による稼働状況の見える化、会計システム導入による管理業務の効率化が求められています。

政府は2025年度から2029年度までにおいて、IT導入補助制度活用件数を年平均7,500件以上とする目標を掲げています。

▼「株式会社特殊金属エクセル」では、従業員の「働きやすさ」「働き甲斐」「食の満足」を向上させるための施策の一環として「チケットレストラン」を導入しました。導入後は「チケットレストラン」がモチベーション向上につながっているそうで、生産性向上にも寄与している様子がうかがえます。

「株式会社特殊金属エクセル」の詳細な導入事例はこちら

7. 運輸業

運輸業では全分野で人手不足が深刻化しており、特に自動車(物流・旅客運送)分野では中小企業が多く、帳簿等を紙で管理していたり、配車計画や運行ルートを手書きで作成するなどDX化が遅れているのが現状です。運行管理、乗務日報自動作成、勤務管理システムや配車アプリ、キャッシュレス決済の導入が求められています。

政府は各分野で18-26%の生産性向上を目標とし、全国各地でサポート体制を構築し、DX化支援を実施しています。

▼「共進運輸株式会社」では、新卒・中途採用強化や、ドライバーの方に食事をしっかりとってもらい健康に長く働いてもらいたいという想いから「チケットレストラン」を導入しました。勤務時間が不規則なドライバーでも各自が好きなタイミングで好きな食事を手軽にとれるようになるなど、健康経営の観点から生産性向上に寄与しています。

「共進運輸株式会社」の詳細な導入事例はこちら

8. 建設業

建設業は他産業と比較して労働生産性が低く、就業者の高齢化が進行しているため、将来的な人手不足を見込んだ労働生産性の向上が喫緊の課題です。ウェアラブルカメラを用いた遠隔監視による労務・安全管理、ドローンによる測量等の導入による現場業務の省力化が求められています。

政府は2029年度までに1人あたりの年間実労働時間を全産業平均並みまで減少させる目標を設定しています。

▼「ジビル調査設計株式会社」では、コロナ禍で廃止された社員旅行に代わる福利厚生として「チケットレストラン」を導入しました。導入後はより健康経営が推進されたほか、従業員間のランチコミュニケーションが活性化しているとのことです。

「ジビル調査設計株式会社」の詳細な導入事例はこちら

9. 医療

医療分野では2040年頃の高齢者数ピークまで増加が見込まれる一方、生産年齢人口の減少に伴い医療従事者の確保がさらに困難となります。これを踏まえ、看護業務の効率化に資する電子カルテへの音声入力、バイタルサイン値等の自動反映、インカム等の導入が推進されました。

政府は2030年までに概ねすべての医療機関において電子カルテの導入を目指し、2029年度までに長時間労働となる医療機関勤務医師の時間外労働を1,410時間に削減する目標を設定しています。

▼「株式会社ほねごり」では、従業員への還元と、優秀な人材確保策として「チケットレストラン」を導入しました。導入後、同社の従業員は以前よりも食事をしっかりとるようになり、健康意識や労働生産性が向上したとのことです。

「株式会社ほねごり」の詳細な導入事例はこちら

10. 介護・福祉

介護分野ではサービス需要が高まる一方、生産年齢人口が急速に減少していく中で、テクノロジー等を活用した職員の業務負担軽減やケアの質向上が重要です。インカムを活用したコミュニケーション効率化、音声入力による記録、見守りセンサー、移乗支援機器等の介護テクノロジーの活用が求められています。

政府は2029年までにICT・介護ロボット等の導入事業者割合を90%にする目標を設定しています。

▼「株式会社ハートコーポレーション」では、給与面で差別化しにくい介護業界における他社との差別化要因として「チケットレストラン」の導入を決めました。導入後の継続率は100%で、従業員の待遇改善に効果を上げているそうです。

「株式会社ハートコーポレーション」の詳細な導入事例はこちら

11. 保育

保育士の人手不足は深刻で、仕事量の多さや労働時間の長さ、非効率な事務作業や紙での業務によりこどもと向き合う時間が確保できない課題があります。保育に関する計画・記録、保護者との連絡、登降園管理、実費徴収等のキャッシュレス決済などの4機能のICT活用が推進されています。

政府は2026年度までに4機能すべてを導入している施設の割合を20%とし、2029年度までに事務作業等時間を2026年度比で10%減少させる目標を設定しました。

12. 農林水産業

農林水産業では就業者の急速な減少や高齢化が見込まれており、人手不足を解消し産業の持続的な発展を図るためには生産性向上が不可欠です。ロボット・AI・IoT等の先端技術やデータを活用したスマート技術の導入が推進されています。

政府は2030年までに農業分野でスマート農業技術を活用した面積の割合を50%とし、林業分野ではデジタル林業戦略拠点を25都道府県で展開する目標を設定しています。

「チケットレストラン」とは|3,000社以上が導入する食事補助の福利厚生

エデンレッドジャパンが運営する「チケットレストラン」は、従業員のランチを含めた飲食代を補助する福利厚生サービスです。導入した企業の従業員は、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できます。

加盟店のジャンルは幅広く、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど、利用する人の年代や嗜好を問いません。また、勤務時間中にとる食事の購入であれば、利用する場所や時間に制限がないのも魅力です。

さらに、一定の条件を満たすことによって所得税の非課税枠を活用できるため、従業員の実質的な手取りアップにも貢献します。

従業員のエンゲージメントやモチベーションアップによる生産性の向上も期待できることから、すでに3000社を超える企業に選ばれている福利厚生制度です。

チケットレストラン」の詳細は「こちら」からお問い合わせください。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

省力化投資促進プランで持続的な成長を実現しよう

「省力化投資促進プラン」は、中小企業が人手不足と賃金上昇の両方に対応しながら持続的な成長を実現するための重要な政策です。各業種で設定された生産性向上目標の達成には、政府の支援制度活用とともに、従業員満足度向上による人材定着も重要な要素となります。

自社の業種に応じた省力化投資を検討するとともに「チケットレストラン」のような福利厚生の導入も含めて、総合的な生産性向上策に取り組んでいきましょう。

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エデンレッドジャパンブログ編集部

福利厚生に関する情報を日々、ウォッチしながらお役に立ちそうなトピックで記事を制作しています。各メンバーの持ち寄ったトピックに対する思い入れが強く、編集会議が紛糾することも・・・今日も明日も書き続けます!

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