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経済産業省が補助金を交付するリスキリングとは?定義やメリットも

経済産業省が補助金を交付するリスキリングとは?定義やメリットも

2024.02.02

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リスキリングとは変化に対応するための学び直しのことで、経済産業省にも注目されています。なぜ今、企業は従業員のリスキリングに取り組まなければならないのでしょうか?リスキリングが注目されている理由やメリットを知り、自社に有効な取り組みができるように解説します。

経済産業省が注目するリスキリングとは?

経済産業省では「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に取り組んでいます。キャリア相談を受け、講座の受講でリスキリングに取り組み、実際に転職して1年間継続的に働き続けた受講者に対して、最大56万円を補助する制度です。

このように経済産業省が積極的に支援するリスキリングとは、どのような取り組みなのでしょうか?まずはリスキリングの基礎知識を見ていきましょう。

リスキリングは変化に対応するために行う勉強

IoTによりさまざまな情報をデータとして扱い、AIにこのデータを与えて学習させたことによる技術革新は、第4次産業革命につながっています。実際に自動化や効率化などを目指し、これまで従業員が担ってきた単純作業をシステムに置き換えている企業が増加中です。

例えば商品の製造ラインを自動でコントロールするシステムや、倉庫内の荷物の出し入れを行うロボット、出勤・退勤・休憩時間などを記録し給与計算や労務管理を行うシステムなどが当てはまります。

これまで行ってきた業務がシステムやロボットに置き換わっても、新たな業務に携われるよう、今後必要な新しい知識やスキルを身につけるのがリスキリングです。

技術革新によって人材が不足している、プログラミングやシステム管理などのスキルを身につけると役立ちます。これらの従業員をマネジメントできるスキルも重要です。

アップスキリングとの違い

リスキリングと似た言葉にアップスキリングがあります。どちらも個人のスキルを伸ばすことを意味しますが、学ぶ内容が異なります。

リスキリングでは職種やキャリアパスの変化に対応できるよう新たなスキルを学習するのに対し、アップスキリングでは今持っているスキルを深めるのが特徴です。職種やキャリアパスが変わることはなく、このままの方向性でキャリアアップしていくときに必要なことを学びます。

リスキリングが注目される理由

今このタイミングでリスキリングに注目が集まっているのは以下の理由があるためです。

  • 必要なスキルが変化してきている
  • 人材が不足している
  • 国が支援を表明している

それぞれの理由を解説します。

必要なスキルが変化してきている

第4次産業革命によって、仕事に必要なスキルが変化し始めています。技術革新が進み、これまで人が行ってきた業務をシステムやロボットが行うようになりました。代わりに必要になっているのが、システムの保守管理やプログラミングなどの業務です。

デジタル技術を活用することでビジネスモデルを変化させるDXが浸透した結果、これまでパソコンの使用頻度が低かった分野でも、パソコンを使いシステムを駆使して業務を進めるようになってきています。

これに伴い「パソコンで文字入力ができる」といったことは必須スキルになってきていますし、今後はAIを活用した業務効率化や、業務の自動化に向けたアプリの構築などのスキルも求められるようになるでしょう。

このような変化の中で仕事をするには、リスキリングによって新たな知識やスキルを身につけなければいけません。

人材が不足している

国内の人材不足は進行しています。内閣府の「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、15~64歳の生産年齢人口はピーク時の1995年には8,716万人でしたが、2022年には7,421万人です。今後も減少の一途をたどると予測されており、2065年には4,809万人とピーク時の半数以下になると考えられています。

飲食店 人手不足参照:内閣府|令和5年版高齢社会白書(全体版)

第4次産業革命によってデジタルに関する知識やスキルを持つ人材は不足中です。このまま生産年齢人口が減っていけば、さらに人材不足は加速していきます。

リスキリングによって今いる従業員が新たな業務に必要なスキルを身につけたり、プログラミングやデータサイエンスなどを習得した人材が転職したりすることで、人材不足の解消につながると期待できます。

国が支援を表明している

国をあげて支援を実施していることも、リスキリングに注目が集まっている理由のひとつです。2023年6月には経済財政運営と改革の基本方針2023について」で、リスキリングによる能力向上支援を行うことに言及しています。

経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」や、厚生労働省の「人材開発支援助成金」、文部科学省が運営している社会人の学びを応援するサイト「マナパス」などはその一環として行われている事業です。

参考:内閣府|経済財政運営と改革の基本方針2023について

関連記事:人材開発とは?人材開発の進め方や人材開発支援助成金についても解説

中小企業におすすめのリスキリング

リスキリングではプログラミングやデータ分析・クラウドコンピューティングなどのスキルが注目されますが、多額の予算がかかる点やすぐに利益につながらない点は中小企業向きとはいえません。

中小企業がリスキリングを行うときには、すぐに取り組めて即効性のあるスキルから始めるのがおすすめです。スモールスタートで結果を出し、徐々に規模を大きくしていくために、おすすめのリスキリングを紹介します。

デジタルコミュニケーションスキル

オンライン上でやり取りするデジタルコミュニケーションが増加中です。対面での会議がオンライン会議になるといったことはもちろん、電話を使わずオンラインツールを使うことも増えています。

メールやチャットツールでのスピーディーなやり取りが求められるシーンもあるでしょう。

デジタルコミュニケーションで注意が必要なのはニュアンスです。対面では何となく伝わっているものが、デジタルコミュニケーションでは伝わりにくくなるため、正確に伝えるスキルが欠かせません。

社内での円滑な人間関係の構築や、取引先とのスムーズなコミュニケーションにつながります。

デジタルマーケティングスキル

Instagram・Facebook・YouTubeなどのSNSを使い、商品やサービスを広めて販売することをデジタルマーケティングといいます。スキルを持つ従業員がいれば、高額な広告費を出さなくても自社の商品やサービスをより多くの人に伝えられるかもしれません。

これまでデジタルマーケティングを行っていなかった企業では、一気に認知度を上げられる可能性もあります。認知度アップは商品やサービスの販売にはもちろん人材採用にもプラスです。

プロジェクト管理スキル

業務の多くをデジタルで行うようになってきている今、プロジェクトの管理の仕方も以前とは変わってきています。新しいプロジェクト管理スキルを身につけるには、デジタルコミュニケーションやAIの活用などを含む、広範囲の知識を学ばなければいけません。

プロジェクト管理スキルを身につけ、リーダーが適切にチームを牽引できるようになれば、成果が高まりますし、参画している従業員のモチベーションアップにもつながります。

リスキリングのメリット

技術革新による変化に対応するには、従業員のリスキリングが必要と分かりました。ただしリスキリングを実施するには費用がかかります。負担を増やしても取り組むべきなのでしょうか?正しく判断できるよう、ここではリスキリングによるメリットを紹介します。

業務効率化

リスキリングで新たにデジタルスキルを従業員が身につけると、社内の業務効率化につながります。全従業員がパソコンを操作できれば、システムを導入して自動化できる業務があるかもしれません。

システムに任せられる仕事が増えれば、残業時間を減らすことや、配置する人材を減らすことも可能です。その分企業本来の事業に注力しやすくなります。

コストカット

コストカットにつながるのもリスキリングのメリットです。業務効率化で残業時間が減れば、その分支給する残業代を減らせます。

また従業員がデジタルスキルを身につければ、新たにデジタル人材を採用する必要がありません。デジタル人材は不足しているため、採用コストが高くなりがちです。また採用しても自社の事業への理解が不十分な状態では、うまくスキルを生かせない可能性もあります。

採用コストを減らしつつ、採用後のリスクも回避可能です。

人材不足の解消

今いる従業員が必要なスキルを習得すれば、人材不足が解消されるケースもあります。デジタルスキルを活用した業務効率化によって、必要な人材の数が減るためです。

またシステムやAIの活用によって、これまで5人で行っていた業務を3人で滞りなく進められるようになれば、2人を人材が不足している別の部署へ配置できます。このとき異動する従業員にリスキリングを実施すれば、スムーズな異動が可能です。

新規事業への挑戦

新たなスキルを身につけると、従業員の視野が広がりこれまでになかったアイデアが出てきやすくなります。中には新規事業につながる革新的なアイデアもあるかもしれません。

自社の事業に精通している従業員ならではの、既存事業とデジタルスキルの組み合わせによる新規事業が生まれることも期待できます。

エンゲージメントの向上

リスキリングは従業員のキャリア形成をサポートする取り組みでもあります。学ぶ機会を提供し、学んだ内容を実践に生かせる環境を整えることで、企業に対する思い入れであるエンゲージメントを高められるのも、リスキリングのメリットです。

エンゲージメントの向上は自ら考え行動する従業員の育成につながり、生産性や業績アップにも役立ちます。

変化への対応するにはリスキリングが有効

リスキリングは第4次産業革命の変化に対応するために必要不可欠な取り組みです。コストや手間はかかりますが、その分業務効率化やコストカット・人材不足の解消など企業へのメリットも多くあります。

またリスキリングは従業員のキャリア支援の一環でもあり、エンゲージメントの向上にも役立つものです。自律的な従業員を育成したいと考えている場合には積極的に取り組むとプラスに働きます。

エンゲージメントを上げるには福利厚生の充実度アップも効果的です。働きやすい環境整備が従業員の企業に報いようとする気持ちにつながります。

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