若手人材の確保が年々難しくなる中、企業の新たな人事戦略として注目されているのが、第二新卒の採用です。社会人経験がありながら柔軟性を備えた第二新卒は、早期戦力化や教育コストの削減など、企業にさまざまなメリットをもたらします。本記事では、第二新卒の定義や他の人材との違い、採用によるメリットとデメリット、さらには待遇改善による定着支援策まで、企業が押さえておきたいポイントを網羅的に解説します。
第二新卒とは
出典:マイナビキャリアリサーチLab|企業人材ニーズ調査2024年版
人材の流動性が高まる近年、採用市場では「第二新卒」を若手人材の選択肢として積極的に獲得する動きが広がっています。
「第二新卒」に法的な定義はありませんが、大学・専門学校などを卒業後に一度企業へ就職し、入社からおおむね3年以内に離職した若手人材を指すのが一般的です。
20代前半〜半ばが中心で、再就職の際に「新卒枠」とは異なる扱いになるものの、キャリア的には新卒に近いポテンシャル枠として扱われる傾向にあります。
マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、第二新卒採用を実施している企業の割合は52.6%と、半数を超える結果となりました。これは、若手人材の採用において「第二新卒」という選択肢が一般的になりつつあることを示すものです。
第二新卒が注目されるのはなぜ?
第二新卒の注目度が高まっているのはなぜなのでしょうか。ここでは、その主な理由を2つの視点から解説します。
若手人材の確保が困難になっているから
出典:マイナビキャリアリサーチLab|企業人材ニーズ調査2024年版
少子化や都市部への人材集中により、企業間の新卒採用競争は激化の一途をたどっています。
特に中小企業では「そもそも応募がこない」「内定を出しても辞退が相次ぐ」といった課題に直面し、従来の採用手法だけでは十分な人材確保が難しくなっているのが現状です。
マイナビキャリアリサーチLabの調査でも、第二新卒を採用する理由としてもっとも多かったのは「新卒人材が充足できない」(53.4%)でした。新卒採用の補完的な位置づけとして、第二新卒への期待が高まっていることがわかります。
早期離職が増加しているから
厚生労働省の調査によると、新規大卒就職者のうち、およそ3人に1人にあたる34.9%が3年以内に離職しています。この流動化によって、市場に多くの第二新卒層が登場することも、第二新卒に対する企業の注目度が高まっている理由のひとつです。
新卒者の離職が多いということは、同時に「採り直し」を迫られる企業が多いことを意味します。補充要員となる新たな若手人材を求める企業が、第二新卒者に注目するのはごく自然なことといえるでしょう。
参考:厚生労働省|新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します
関連記事:若手社員の離職はなぜ起きる?よくある理由と効果的な対策まとめ
第二新卒を採用するメリット
マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、企業の採用担当者に「第二新卒の人材についてどのようなイメージを持っているか」と尋ねたところ、74.7%がよいイメージ(「よいイメージ」16.2%+「どちらかと言えばよいイメージ」58.5%)と回答しました。
ここでは、第二新卒の魅力について、採用するメリットに焦点を当てて解説します。
参考:マイナビキャリアリサーチLab|企業人材ニーズ調査2024年版
教育コストを抑えられる|早期戦力化が期待できる
第二新卒は、前職でビジネスマナーや基本的な業務フローを経験しているため、新卒と比べて育成にかかる時間とコストを抑えやすいというメリットがあります。
初期研修を省略できることで、現場への早期投入が可能となり、人材不足が深刻な職場では即戦力としての活躍も期待できます。
最小限のコストで戦力になる第二新卒は、企業にとって魅力的な採用対象となるのです。
柔軟性と吸収力が高く、環境適応が早い
柔軟性と学習意欲の高さも、第二新卒の大きな魅力です。
すでに社会経験がある第二新卒は、新卒と比べて基本的な職業観を備えています。一方で、キャリアはいまだ浅いため、一般的な中途採用よりも自社の文化になじみやすい傾向があります。
また、前職での反省や気づきを生かそうとする姿勢が見られるのも、第二新卒ならではのメリットです。一度離職を経験しているからこその積極性と落ち着きで、自社の環境や社風へのスムーズな適応が期待できます。
関連記事:第二新卒の採用がトレンド。スムーズな採用や定着につなげる取り組みも
職場のミスマッチリスクが低い
一度就職・離職を経験している第二新卒は、自分に合った働き方や職場環境に対する基本的な理解が深まっています。志望企業への期待値と現実のギャップが小さい傾向にあるため、入社後の早期離職リスクが低く、長期的な定着を見込めることもメリットのひとつです。
また、応募時点で職場選びに対し「自分なりの軸」を持っていることが多く、価値観のマッチ度を面接時に見極めやすいという採用側の利点もあります。
結果として、企業は採用の質や定着率が向上するという大きなメリットを得られるのです。
第二新卒の採用を成功させるポイント
マイナビキャリアリサーチLabの調査によると、今後の第二新卒の採用予定について、80.9%の採用担当者が「採用する予定」(「積極的に採用する予定」33.7%+「積極的ではないが採用する予定」47.2%)と回答しました。
第二新卒の採用が一般的になる中で、具体的な成功のポイントを整理していきましょう。
参考:マイナビキャリアリサーチLab|企業人材ニーズ調査2024年版
求める人材像を明確にする
第二新卒は、新卒よりも多様な経歴や職業観を持っています。そのため「なんとなく若手がほしい」というあいまいな方針では、採用後のミスマッチにつながるリスクがあります。
これを踏まえ、採用活動においては、業務に必要なスキルや経験だけでなく、自社で活躍している従業員の人物像をもとに「どのような志向・価値観を持った人材を求めているのか」を具体的に言語化することが重要です。
評価基準が明確になれば、面接官間での判断のブレも減り、選考の質が向上します。
退職理由を丁寧にヒアリングする
前職を短期間で辞めた理由は、第二新卒採用における最重要チェックポイントのひとつです。「前の職場が合わなかった」といった回答では、リスクを見抜くことはできません。
そこで、面接では「何が合わなかったのか」「その経験から何を学んだのか」「今回はどんな職場を求めているのか」といった視点で深掘りすることが大切です。本人の反省や改善意識が伝わってくる場合は、成長意欲や柔軟性の高さを評価できます。
本質的な転職理由を聞き出すという点において、面接官の質問力が問われます。
定着を意識したオンボーディングをおこなう
第二新卒の定着には、入社後のフォロー体制が重要です。社会人経験があるとはいえ、前職で十分な教育を受けていない可能性もあり、自社流のやり方とのギャップを埋める支援が欠かせません。
第二新卒人材が入社初日から安心して業務に入れるようにするためには、担当メンターの設定や定期的な振り返り面談、キャリア相談の機会を設けることが有効です。
人間関係の不安や期待とのギャップを早期に解消することで当人の不安を解消し、長期的な戦力として育成しやすくなります。
関連記事:【社労士監修】離職防止につながるコミュニケーションのコツと心理的安全性
待遇を改善する
第二新卒の採用を成功させるには、自社が人材にとって魅力的な職場であることが欠かせません。人手不足で人材の獲得競争が激化している近年では、他社との差別化を図るため、待遇の改善を進める企業が増えています。
帝国データバンクの調査によると、2025年に賃上げを予定している企業は過去最高の61.9%にのぼり、そのうち74.9%が「労働力の定着・確保」を目的としています。
賃上げを中心とした待遇改善は、優秀な人材の獲得を目指す企業にとって必要不可欠な施策といえそうです。
参考:株式会社 帝国データバンク[TDB]|2025年度の賃金動向に関する企業の意識調査|(2025年2月20日)
食事補助の福利厚生で採用力アップ「チケットレストラン」
第二新卒の採用を成功させるために欠かせない待遇改善ですが、すべての企業が賃上げを実施できるわけではありません。特に原資に制限がある中小企業にとって、賃上げは現実的に不可能なのが実情です。そんな中、近年注目度を高めているのが、福利厚生を通じた待遇改善です。ここでは、食事補助の福利厚生として日本一の実績を持つエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」をピックアップし、その魅力や実際の事例を紹介します。
「チケットレストラン」とは
「チケットレストラン」は、従業員のランチ代を企業が補助する食の福利厚生サービスです。導入企業の従業員は、全国25万店以上の加盟店での食事を実質半額で利用できます。
加盟店のジャンルは、ファミレス・コンビニ・三大牛丼チェーンなど幅広く、勤務時間中にとる食事の購入であれば、利用時間や場所の制限もありません。
また、一定の条件を満たす福利厚生は所得税の非課税枠を活用できるため、給与として同額を支給するよりも従業員の実質的な手取りを増やす効果が期待できます。
業種や勤務体系を問わず柔軟に利用できる福利厚生として、すでに3,000社を超える企業に導入され、数々の有名メディアでも取り上げられているサービスです。
「チケットレストラン」の詳細は「こちら」からお問い合わせください。
関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も
事例① 株式会社sumarch
「株式会社sumarch」では、賃上げ以外の手法で従業員の手取り額を増やすとともに、採用力を強化する手段として「チケットレストラン」を導入しました。
導入後は「福利厚生が充実している企業」として、自社の魅力をアピールするひとつの要因になっているそうです。さらに、転職を考えていた従業員が制度の充実を理由に思いとどまったというケースもあり、定着率向上にも効果が見られているとのことでした。
株式会社sumarchの詳細な導入事例は「こちら」
事例② 共進運輸株式会社
「共進運輸株式会社」では、シフト制で働くトラックドライバーが使いやすい福利厚生として「チケットレストラン」を導入しました。
導入後は、時間や場所を問わず利用できる点が評価され、ドライバーの満足度が向上したそうです。また、人材不足が深刻化する運送業界において、魅力的な福利厚生として他社との差別化になっているとのことでした。
共進運輸株式会社の詳細な導入事例は「こちら」
事例③ 関西エアポートオペレーションサービス株式会社
「関西エアポートオペレーションサービス株式会社」では、勤務形態や雇用形態を問わず利用できる福利厚生として「チケットレストラン」を導入しました。
利用する従業員からは「空港内で利用可能な店舗が多い」「現金を持ち歩く必要がないので便利」といったうれしい声が寄せられているそうです。同社の「チケットレストラン」の利用率と継続率はほぼ100%とのことでした。
関西エアポートオペレーションサービス株式会社の詳細な導入事例は「こちら」
まとめ
第二新卒の採用は、新卒でも中途でもない独自のメリットを持つ採用手段として、多くの企業で注目されています。柔軟性・ポテンシャル・社会経験を兼ね備えた第二新卒人材は、適切な見極めと受け入れ体制によって、将来の中核人材となり得ます。
そんな第二新卒の採用を成功させるには「待遇改善」や「働きやすい制度」の整備が欠かせません。「チケットレストラン」のような福利厚生の導入もそのひとつです。
第二新卒の採用を単なる「採り直し」ではなく、未来を見据えた戦略として捉え、環境整備を進めることが、企業の持続的成長につながります。
参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
:「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!
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