厚生労働省が公表した最新調査によると、2022年3月に卒業した新卒者の就職後3年以内の離職率は、高校卒37.9%、大学卒33.8%でした。前年度と比べて高卒0.5ポイント、大卒1.1ポイント低下しており、改善の兆しが見られます。本記事では、学歴別・期間別・企業規模別・業界別の離職率データを取り上げつつ、新卒が離職する背景と効果的な防止策を解説します。
離職率の計算方法
離職率とはある時期に入社した従業員が、一定期間にどれだけ離職したかを示す指標です。計算式は「対象期間の離職者数÷起算日の在籍人数×100」となります。
例えば、2024年4月入社の新卒者について1年後の離職率を算出する場合、「2024年4月〜2025年3月の離職者数÷2024年4月の新卒者数×100」で計算します。2024年4月に10名を採用し、2025年3月までに2名が離職していれば「2÷10×100=20%」です。
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新卒の離職率を確認【2022年卒最新】
ここからは新卒の離職率を学歴別、期間別で複数の視点で紹介します。
学歴別新卒3年以内離職率:大卒では3人に一人が離職
まずは学歴別の離職率です。厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」から、2022年3月卒業者の就職後3年以内の離職率を確認しましょう。
| 学歴 | 離職率 | 前年比 |
| 中学卒 | 54.1% | +3.6ポイント |
| 高校卒 | 37.9% | -0.5ポイント |
| 短大等卒 | 44.5% | -0.1ポイント |
| 大学卒 | 33.8% | -1.1ポイント |
大学卒が最も離職率が低い傾向が継続しており、かつ、中学卒・短大等卒が高い傾向は続いています。ただし大学卒では近年では珍しく1.1ポイント低下し、改善傾向が見られます。
関連記事:若手社員の離職率は約3割。離職理由から見る離職防止策を解説
学歴別新卒3年以内離職率推移
2018年卒から2022年卒までについて、5年間の3年以内離職率推移を学歴別に整理しました。
| 学歴 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
| 中学卒 | 55.0% | 57.8% | 52.9% | 50.5% | 54.1% |
| 高校卒 | 36.9% | 35.9% | 37.0% | 38.4% | 37.9% |
| 短大等卒 | 41.4% | 41.9% | 42.6% | 44.6% | 44.5% |
| 大学卒 | 31.2% | 31.5% | 32.3% | 34.9% | 33.8% |
過去には入社後3年目までの離職率が中学卒70%、高校卒50%、大学卒30%だったことから「七五三現象」と呼ばれていました。現在は、中学卒で50%代、高校卒で30%代後半、短大卒で40%代前半、そして大学卒で30%代前半で推移しています。
関連記事:Z世代の離職率は本当に高い?最新データに見る離職理由と効果的な対策
学歴別新卒1年以内・2年以内の離職率
離職率は1年以内、2年以内それぞれで割合に変化があります。2022年3月卒業者の1年目・2年目までの離職率は以下の通りです。
| 学歴 | 1年目 | 2年目 | 2年以内累計 |
| 中学卒 | 32.9% | 13.0% | 45.9% |
| 高校卒 | 17.9% | 11.5% | 29.4% |
| 短大等卒 | 19.3% | 13.7% | 33.0% |
| 大学卒 | 12.1% | 11.9% | 24.0% |
新卒1年以内離職率:
ポイントとして、離職率が最も高いのは入社1年目です。大学卒は1〜3年目の離職率がほぼ同じですが、中学卒・高校卒・短大卒では1年目の離職率が最も高くなっています。過去10年間(2015〜2024年卒)のデータを見ても、ほぼ全ての年で1年目の離職率が2年目・3年目を上回っています。離職リスクが最も高い時期は入社直後です。
新卒2年以内離職率:
1年以内よりも離職する率は学歴によらず低くなります。また、入社2年以内では、中学卒の4割以上、高校卒の約4人に1人以上、短大卒の約3人に1人、大学卒の約4人に1人が離職している計算です。
【参考】学歴別3か月以内・半年以内の離職率
半年以内など、超早期離職するケースもあります。
リクルートワークス研究所の「11.8%が“半年未満”で離職する。「超早期離職」問題」によると、新卒入社後3年以内に離職した中で、6か月未満の超早期離職の割合は以下の通りです。
| 離職までの期間 | 高校卒 | 短大等卒 | 大学卒 | 全体 |
| 1か月未満 | 6.8% | 4.3% | 4.3% | 5.2% |
| 1か月以上3か月未満 | 12.1% | 9.5% | 8.4% | 9.9% |
| 3か月以上6か月未満 | 11.2% | 10.2% | 10.7% | 10.8% |
この結果をもとに離職率を計算します。
- 3か月以内の離職率:高校卒18.9%・短大卒13.8%・大学卒12.7%
- 6か月以内の離職率:高校卒30.1%、短大卒24%、大学卒23.4%
1か月、3か月、6か月以内の離職率を比較すると、高校卒、短大卒、大学卒の順に離職可能性が高く、半年以内に4人に一人程度は離職する傾向です。
出典:リクルートワークス研究所|11.8%が“半年未満”で離職する。「超早期離職」問題
大学卒の企業規模別離職率【2022年卒最新】
離職率は企業の規模によっても異なります。3年目までの離職率が分かっている2022年3月卒の離職率を企業規模別に見てみましょう。
| 企業規模 | 離職率 | 前年比 |
| 5人未満 | 57.5% | -1.6ポイント |
| 5~29人 | 52.0% | -0.7ポイント |
| 30~99人 | 41.9% | -0.5ポイント |
| 100~499人 | 33.9% | -1.3ポイント |
| 500~999人 | 31.5% | -1.4ポイント |
| 1,000人以上 | 27.0% | -1.2ポイント |
5人未満の小規模企業では、大卒の5割以上が3年以内に離職しています。一方で1,000人以上の大企業では、大卒3年以内離職率が27.0%と、小規模企業の半分以下の水準です。
企業規模が大きいほど離職率が低い傾向が明白で、この構造は継続的に続いています。
業界ごとの離職率ランキング
離職率は業界ごとに異なります。厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査結果の概要」から、一般労働者について離職率が高い業界も捉えます。
| 順位 | 業界 | 離職率 |
| 1位 | 宿泊業・飲食サービス業 | 25.1% |
| 2位 | サービス業(他に分類されないもの) | 20.3% |
| 3位 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 19.0% |
| 4位 | 卸売業・小売業 | 15.1% |
| 5位 | 医療・福祉 | 13.8% |
| - | 合計(平均離職率) | 14.2% |
全体の離職率を合計すると14.2%です。平均よりも離職率が高いのは、宿泊業・サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、卸売業・小売業となります。
一方で離職率が低い業界は、複合サービス事業(7.8%)、金融業・保険業(8.0%)、電気・ガス・熱供給・水産業(8.8%)が該当します。インフラ系業界、金融業は離職率が低く、人材が定着しやすい環境といえるでしょう。
出典:厚生労働省|令和6年 雇用動向調査結果の概要 産業別の入職と離職
新卒の離職理由
「新規学卒者の離職状況」で2022年3月卒の新卒離職率を見ると、入社から3年目までに中学卒54.1%・高校卒37.9%・短大卒44.5%・大学卒33.8%が離職しています。なぜ3年目までに離職する新卒が多いのでしょうか?
人間関係がうまくいかない
社内の人間関係にストレスを感じて離職につながるケースが多いようです。例えば「上司から理不尽な理由で怒られた」「先輩の言葉遣いや態度がきつく相談しにくい」「同僚と相性が悪くコミュニケーションを取りにくい」などの理由が考えられます。
また通常の業務が忙しく、上司や先輩従業員が新卒者の教育に十分な時間を割けておらず「職場で歓迎されていないようだ」と感じて離職につながることもあるそうです。
関連記事:採用ミスマッチはどう防止する?企業と人材のギャップを埋める戦略
思っていた仕事ができない
入社前に思っていた仕事と実際に担当する仕事が違うことも、離職理由の一つです。企業説明会や企業の資料から考えていた仕事との違いに戸惑うことや、いざやってみて自分に向いているのか悩むこともあります。
新卒者を募る求人広告でアピールしている内容が、職場の実態とは少し異なって感じられる可能性もあります。
関連記事:インターンシップの企業側のメリットは?新卒採用につながるポイントも
社風が合わなかった
スタッフサービス・ホールディングスの「新卒3年未満で正社員を退職した若年層の意識調査」では、新卒3年未満の離職について、人間関係や業務のミスマッチ以外の理由が示されています。
- 1位:上司や同僚との人間関係が悪かった(26.3%)
- 2位:社風が合わなかった(26.1%)
- 3位:会社の将来に不安を感じた(21.1%)
人間関係以外にも、社風が合わなかったり、企業の将来性を視野に入れたりした結果、離職に至ることがあります。
関連記事:若手社員の離職を防止!早期離職を回避したい企業ができる9つの対策
新卒の離職率が低い企業ランキング
東洋経済オンラインの「新卒社員の3年後定着率が高い300社ランキング」によると、定着率100%(離職率0%)を達成している企業が92社あります。以下に、ランキング1位の92社のうち、2019年の入社人数が20人以上の企業20社を紹介します。
| 社名 | 2019年の入社人数 |
| 四国電力 | 92 |
| ISID | 39 |
| 三菱地所 | 37 |
| 森永製菓 | 33 |
| 高砂香料工業 | 33 |
| アドバンテスト | 30 |
| アズワン | 28 |
| りらいあコミュニケーションズ | 26 |
| 神鋼商事 | 25 |
| 参天製薬 | 24 |
| エスペック | 23 |
| スカパーJSATホールディングス | 22 |
| イワキ | 21 |
| 東洋エンジニアリング | 21 |
| タムロン | 21 |
| 八洲電機 | 20 |
| あすか製薬ホールディングス | 20 |
| 長谷川香料 | 20 |
| IDEC | 20 |
| 日本タングステン | 20 |
参考:東洋経済オンライン|「新卒社員の3年後定着率」が高い300社ランキング
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新卒の離職防止に向けた対策
新卒の離職率が低い企業では、どのような取り組みを行っているのでしょうか?「「新卒社員の3年後定着率」が高い300社ランキング」の上位にランクインしている企業の取り組みを参考に、新卒の離職防止に役立つ対策を紹介します。
ミスマッチの予防
新卒が入社後数か月で離職する場合、採用時点でミスマッチが起こっている可能性があります。企業説明会やパンフレット・求人広告などに掲載する内容を見直すことで、ミスマッチを回避しましょう。
例えば、先輩従業員にインタビューをして実際の仕事内容や職場の雰囲気が伝わる内容にしたり、職場見学の機会を設けたりすると、学生が「こんな仕事だとは思わなかった」というギャップを感じにくくなります。
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教育制度の充実アップ
入社後の教育制度も重要です。離職率の低い企業では、経営戦略を実現するために必要なスキルを持つ人材育成に向けて、教育にも力を入れています。
内定後から複数回にわたり研修を実施することで、同期とのつながりの強化が可能です。良好な人間関係が構築できていれば、離職を考えても踏みとどまるケースもあります。
また実際に仕事が始まってからは、担当する仕事に合わせたスキルアップのための研修や、教育担当の先輩従業員によるOJT、メンター制度なども有効です。
教育制度を整えれば、新卒者に早いタイミングで仕事を任せられるようになることも期待できます。「役に立っている」といった実感を得ることで、仕事にやりがいを感じられる新卒者が増えれば、離職防止につながります。
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働きやすい制度づくり
制度を整えて働きやすい環境をつくることも、新卒者の離職対策に有効です。その際、新卒者が何を求めているのかをリサーチする必要があります。
例えば、学情の実施した新社会人アンケート(2022年12月公表)によると、テレワークの制度があれば利用したいと考えている新卒者は約70%に上る結果でした。
他にも、フレックスタイム制や休暇制度などを充実させることで、プライベートとのバランスを取りやすくなり、働きやすさを高められます。単に制度をつくるだけでなく、実際に制度を利用しやすい環境づくりを行うことも重要です。
住宅手当や食事補助など、生活に必要な費用を企業がサポートする制度もあります。従業員の生活費の負担が少なくなり、自由に使える給与を増やせるのがメリットです。
関連記事:若手社員の離職防止に必要な取り組みは?新卒の離職率もチェック
メディアで話題の「チケットレストラン」
食事補助を導入する場合には、全国25万店舗以上の加盟店で使えるエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。導入や運営の手間を抑えつつ、全従業員が公平に全国で食事補助を非課税枠を使って提供できます。
主なメリット:
- 固定費0円で開始
- 直接雇用で希望する従業員なら公平に提供
- 食事補助非課税枠の活用
- 簡単導入・簡単運用
- 全国で24時間利用可能
関連記事:【2026年最新】福利厚生で食事券が選ばれるのはなぜ?非課税枠7,500円時代へ
新卒の離職率低下に向けた制度づくりを
新卒の入社3年目までの離職率は、2022年大学卒で33.8%です。ただし企業によっては新卒の離職率が0%といったケースもあります。
新卒を採用してもすぐに辞めてしまうなら、離職防止の対策を実施するのが有効です。
「思っていた仕事と違った」、「社風が合わなかった」という理由での離職は、募集時点でミスマッチが生じている可能性があります。働きにくさからの離職防止には、テレワークやフレックスタイム制などの制度を整え、利用しやすい環境づくりを進めましょう。
従業員の生活費をサポートする食事補助制度の導入も役立ちます。中でも、管理の手間を抑えつつ効果的な制度を取り入れられるのがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。食事補助の非課税枠が使えるため、従業員のランチは充実し、実質的な手取りアップにも貢献します。
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