「健康経営の情報がまとめられていたらいいな」という要望を目にすること があります。そこで本記事では、健康経営の基礎情報やさまざまなステークフォルダーから見たメリット、実現可能な進め方や施策例などをまとめた記事を紹介します。さらに「健康経営優良法人2024」の新たな認定要件についての記事も必読です。健康経営の運営に迷ったとき、うまく進まないときに、必要な情報を見つけるヒントとなるでしょう。
健康経営とは?定義と基礎情報
健康経営に取り組む企業が増える一方で、健康経営に関する情報は常にアップデートされており「これから健康経営に乗り出そう」という企業には健康経営の基本がわかりにくい側面があるようです。「健康経営とは何か」「どういった経緯で広まったのか」などに迷ったときは、健康経営の定義と基礎情報にさかのぼって考えましょう。
健康経営とは、そもそも1990年にアメリカで経済心理学者のロバート・H・ローゼン氏によって提唱され始めた「健康な従業員こそが収益性の高い会社を作る」という主張が基盤です。日本でも2006年にNPO法人健康経営研究会が発足され、健康経営の意義について次のように示しています。
『企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても 大きな成果が期待できる』
この考えを基盤に、従業員の健康を経営的視点から考え、経営戦略の一つとして実践することを推奨しています。『人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与することがこれからの企業経営にとってますます重要になっていく』
さらに、同研究会では健康経営を上記のように位置付け、2013年健康経営会議を発足しました。経済産業省とともに、日本のビジネスシーンが健康経営による経済成長を遂げるためのさまざまな活動を行っています。
関連記事:健康経営とは?いつから?定義や取り組み方・施策例もわかりやすく解説
健康経営のメリット・デメリットとは?
現在、健康経営会議や経済産業省が一丸となり、あらゆる業界・企業に対し、健康経営を推奨しています。健康経営の取組は、今後、超少子高齢化社会を迎える日本のビジネスシーンやSDGsの指針から日本社会が取り残されないために、多くのメリットがあるからです。
また、健康経営は実践する企業の経営層・従業員・求職者・投資家・顧客など、さまざまステークフォルダーに恩恵を与えます。経済産業省が発表している「企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版)」を参考に健康経営のメリットについて紹介します。
参考:経済産業省 「企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版)」
関連記事:健康経営で得られるメリットは?具体的な対策や健康経営優良法人認定の手順もチェック
健康経営の大原則!従業員の健康改善
従業員の健康状態の改善こそが健康経営の原則的な目的であり、メリットのひとつです。
従業員の健康状態を改善することは「従業員本人のワークエンゲージメントや企業へのロイヤルティの向上」「社内の雰囲気が良くなる」など、労使双方にとってさらなるメリットを生み出します。従業員の健康と企業にとってのメリットが相互に好影響を与え、企業の成長に欠かせない好循環を起こす可能性も秘めています。
従業員の健康が改善され医療費負担が減れば、従業員はもちろんのこと、健康保険組合を有する企業では、医療費削減が多額のコストカットにつながる可能性もあります。
また、経済産業省は健康経営を『「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つ』と位置付けています。自社の従業員の健康寿命を伸ばし、国民全体の健康寿命の平均値をあげることは、日本企業として社会的責任を果たすうえでも意義やメリットがあります。
引用:経済産業省|健康経営
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健康経営で企業のブランドイメージ向上
健康経営には、2010年代半ばから導入された新しい経済戦略という側面もあります。当時から、健康経営が広まった現在においても、健康経営に取り組む企業は「従業員の健康を重要視する企業」というブランドイメージを持たれる傾向です。
「企業のブランドイメージ向上」はテレビやWeb・新聞など、さまざまな媒体を通して多くの企業が取り組んでおり、結果につながるのに時間がかかるものです。健康経営を通して、企業のブランドイメージ向上につながるのは、副産物の一つでしょう。相乗効果として売上アップや株価の高騰・企業成長も期待できます。
関連記事:今すぐ!健康経営に取り組む3つのメリットと実践事例
健康経営は離職率抑制と採用活動に好影響
「健康経営を実現したことで人材確保にメリットがあった」という企業は少なくありません。そもそも、日本で健康経営が注目され始めたのには、超少子高齢化社会における人材確保という課題解決の糸口となりうることが背景にあります。
実際に、求職者にとって企業が「健康経営に取り組んでいるかどうか」「離職率の高さや離職の理由」は気になるところでしょう。健康経営の取り組みにより、仕事に起因した従業員の体調不良が減ったり社内のコミュニケーションが活性化されたりすることで業務に集中しやすくなるからです。企業の離職率は、求職者にとってその企業に所属後の「明るい未来予測」に深く関わっています。
離職率を下げ、採用活動がスムーズになるという相乗効果を期待して健康経営に乗り出す企業は今後ますます増えるでしょう。
関連記事:【健康経営と離職率の関係性】背景や相関性を解説!健康経営で離職率激減に成功した事例や施策例とは
健康経営がメンタルヘルス改善にも
健康経営は、従業員のフィジカル面の健康だけでなくメンタルヘルスの維持・改善にも役立ちます。安全な労働環境と健康に配慮できる労働時間設定は、従業員のメンタルヘルスの維持・改善には欠かせません。そのため、近年はメンタルヘルスと健康経営には密接な関係性があると指摘されています。
メンタルヘルスの不調は身体の不調にも直結します。負担の多い労働環境や労働条件のせいで、身心の不調を訴え離職や休職に追い込まれる従業員が多い企業は、第二、第三の課題を抱えることになるでしょう。
企業のブランドイメージにも傷がつくため、顧客が離れ、企業成長が見込めない未来もあり得ます。こうした事態に陥らないためにも従業員のメンタルヘルスまで見越したリスク管理として健康経営に取り組む企業が増えています。
関連記事:【健康経営とメンタルヘルス】従業員のメンタルヘルスケアの成功事例や効果的な福利厚生とは?
健康経営で生産性向上にも
従業員の身心が健康で、体調不良や労働環境の悩みによる離職者が少ない状態であれば企業にはどのような未来が待ち受けているでしょうか?健康経営の取り組みにより、風通しの良い企業で働きがい・生きがいをもって業務に取り組む健康な従業員が増えれば、企業全体の生産性向上にもつながります。
企業の売り上げがあがり、出た利益を従業員に還元することで、多くの従業員はますます仕事に誇りを持ち、熱心に仕事に打ち込める状況となるでしょう。その状況がさらなる生産性アップ、企業成長を成し遂げるという好循環を生む可能性が高いです。
健康経営で働き方改革に寄与
健康経営は、2018年に国会で可決・2019年4月より施行された「働き方改革関連法案」にも深く関わっています。日本で働き方改革が提言されたのは、先に紹介した経済産業省とNPO日本健康会議が主体となって推進する「健康経営優良法人認定」「健康経営銘柄選定」より時期は遅いものの、両者はどちらも生産性や業績の向上、人材確保などにつながることを最終目的とし、その手立てとして従業員の心身の健康の確保と向上を最大のポイントとしています。
そのため、企業が健康経営に乗り出すことは、政府が進める働き方改革の基準を満たすことにもつながります。働き方改革のより、改定された労働安全衛生法や雇用機会均等法などの法案を守るという国内企業として、無視できない国の指針に寄与できるというのは、長い目で見ると企業にとって大きなメリットといえます。
参考:厚生労働省|働き方改革|~ 一億総活躍社会の実現に向けて ~
関連記事:健康経営と働き方改革!定義と関係性やメリットとは?成功事例も紹介
健康経営のデメリット
健康経営を推進していく際にデメリットとして捉えられていることもあります。健康経営施策を始める際には、施策成功後のメリットだけでなく、健康経営推進中に感じやすいネガティブな面も考慮する必要があるでしょう。
健康経営の課題としてあがるのが「成果が出るまでに時間がかかる」「データの収集や管理に手間がかかる」の2点です。これらの健康経営の課題は、自社内で解消しようとするのではなく、民間のサービスを活用することで効率アップが期待できます。
関連記事:「健康経営」の投資効果を得るには2年かかる!メリットや実践企業例を紹介
健康経営の進め方
出典:経済産業省 「企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版)」
健康経営を進めるにあたり、施策内容だけでなく、どのように健康経営を進めていくか、手順を重要視しましょう。健康経営に取り組む意義を経営層や従業員など社内外のあらゆるステークフォルダーに見せ、理解と協力を得る必要があるからです。
健康経営を進めるシンプルステップとしては下記のような手順が一般的です。
①経営理念・方針への位置づけ
②組織体制づくり
③制度・施策の実行
④取組を評価誌改善する
評価で得た結果を法令順守とリスクマネジメントに役立てつつ、継続的な健康経営を行います。初めから順調に健康経営を推し進めるのは容易ではありませんが、スモールステップで進めば着実な成功につながるでしょう。
出典:経済産業省 「企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版)」
関連記事:注目を集める健康経営のメリットと進め方
健康経営に取り組む企業への助成金も
健康経営施策に利用できる、助成金や補助金もあります。特に助成金は、原則として要件を満たし、所定の様式に従って申請すれば受給できるものです。健康経営に対して活用できる助成金のほとんどは、経営層や企業の人事規定に関する目標をクリアすることで受給対象となります。
「要件」が、企業によってはかなり厳しい内容だったり、「要件を満たしている」という証明にさまざまな書類が必要とされたりする場合もあります。しかし、助成金の要件を満たすための社内整備が、そのまま健康経営優良法人認定制度の認定基準を満たすケースもあるため、前向きに取り組むのがおすすめです。
関連記事:[社労士監修]健康経営の助成金とは?2023年版一覧と施策例
健康経営のヒント
健康経営を進めるにあたり、より具体的に健康経営を実現していくためには、アプローチしやすい施策をヒントとして始めるのが良いでしょう。どのような施策がどのような効果を生むのかご紹介します。
福利厚生の導入
現実的に健康経営を推進していくには、自社内のリソースだけでは限界が生じるものです。民間の福利厚生サービスを活用したり、順調に健康経営を実践する他社の例をまねたりすることも健康経営実現のヒントになるでしょう。
「健康経営=福利厚生」と誤解されるケースもあるようですが、福利厚生は健康経営を実践するための施策の一つにすぎません。自社がアプローチしたい課題解決に合う福利厚生を導入し、結果や評価を踏まえながら効果を図る必要があります。
健康経営実現のために導入する福利厚生は、従業員の希望を募ったりアンケートをしたりして決定する必要があります。多くの従業員が平等に利用でき、満足して継続的な利用ができる福利厚生でないと従業員の健康支援や働きやすい環境づくりに継続的な効果を示しづらいからです。
導入企業で「利用率98%・継続率99.6%」と非常に高い評価を受けている食事補助福利厚生サービスがエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。「チケットレストラン」はICカード配布型で全国25万店以上の大手飲食店・コンビニエンスストアで利用できます。
2023年3月より、 Uber Eats ともサービスを連携しているので、出社する従業員はもちろん、リモートワークやワーケーション、交代制シフトや出張などさまざまなスタイルで働く全国の従業員が利用できるため、平等で使い勝手が良いサービスだと好評を得ています。勤務に関わる食事であれば、昼食だけでなく、間食・夕食など、思い思いの時間に好きな店舗で利用できる点も自由度が高いです。
また「チケットレストラン」は、導入に高額なコストや面倒な手間がかかりません。「一人当たり毎月3,500円まで」「従業員が50パーセント以上負担すること」などの一定の条件を満たせば福利厚生費として経費計上ができるため、従業員にも企業にも大きなメリットがあります。
関連記事:【健康経営を叶える福利厚生10選】福利厚生の種類や健康経営に役立つ福利厚生サービスとは?
関連記事:健康経営と福利厚生の違いとは?おすすめのサービスと成功事例一覧
食生活への働きかけ
「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生や健康管理の一環として、従業員の食生活への働きかけを行うのも健康経営で欠かせない施策の一つです。食事は健康の基盤であり、健全な食生活を抜きにして健康経営は実現できません。
食生活から始める健康管理では、健康診断の結果をもとに、食事管理のセミナーや研修といった施策がおすすめです。忙しく、ランチを抜きがちな従業員がいる部署や企業では、シャッフルランチやランチミーティングなどを企画し、決まった時間に食事をとる習慣作りから始めるのもよいでしょう。また、コミュニケーションのきっかけにもなるので、風通しの良い社内環境作りにも効果的です。
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、会計時に専用のICカードを提示するだけで、利用者の飲食代の支払いが半額になるため、従業員の食生活への働きかけにぴったりです。もちろん、ランチミーティングやシャッフルランチだけでなく、普段のランチの誘い合いなどにも気軽に利用可能です。
関連記事:食事から始める健康経営!取り組むメリットや具体的な施策を紹介
健康経営に取り組む法人の指標
健康経営は長年継続して取り組むことで効果が上がるものですが、何らかの目標値=ゴールが見えないと、継続化はむずかしいものです。健康経営の指標となる「ウェルビーイング」「健康経営銘柄」「健康経営優良法人」「ホワイト500」について紹介します。
ウェルビーイング
ウェルビーイングは、NPO健康経営研究会が健康経営実現に欠かせない5つの指針の最終段階とされています。ウェルビーイングは、英語表記だと「well-being」となり、日本語に直訳すると「よく在る、よく居る」です。つまり、ウェルビーイングは「あらゆる面で満たされた状態」を表しています。
ウェルビーイングが指す「よい状態」とは、「身体」や「精神」に留まらず、心身の健康や安全に加え、社会的な側面からの健康や安全もかなえられた状態です。健康経営が実現した先には、企業・従業員の双方のウェルビーイングを目指しましょう。
ウェルビーイングが実現できているかどうかは、定期的な匿名のアンケート調査やストレスチェックを行うのがおすすめです。経営層と従業員のそれぞれが正直な気持ちや現状を答えられる形式で行うのが大切です。
関連記事:ウェルビーイングとは?健康経営との違いや経営上の役割を徹底解説!
関連記事:健康経営とウェルビーイングの違い】重要性や指標を解説!施策例と成功企業事例も
健康経営優良法人
健康経営の取り組みを始めるきっかけとして「健康経営優良法人認定制度」をあげる企業は少なくありません。健康経営優良法人認定制度は、2015年に誕生しました。経済産業省と健康経営会議が主体となり、従業員の健康に投資し、事業成長や従業員の健康状態の改善などに効果をあげている優れた健康経営を行う企業を認定する制度です。
健康経営優良法人は企業規模によって、大規模法人部門と中小規模法人部門があります。健康経営優良法人に認定された企業には行政や金融機関などから、さまざまなインセンティブを受け取れます。健康経営優良法人の認定要件には、2019年に施行された働き方改革法案の遵守につながるものがほとんどです。
また、健康宣言等の健康経営優良法人の認定要件を満たすことで、さらに名誉やメリットが多い「健康経営銘柄」「ホワイト500」「ブライト500」にエントリーできることから、健康経営優良法人認定制度の認定要件を企業運営の指針とする企業もあります。
関連記事:「健康企業宣言」と「健康優良企業認定制度」とは?メリットや定義について
健康経営銘柄
健康経営銘柄は、2013年から経済産業省と東京証券取引所との共同で、該当年度の健康経営優良法人の中から特に優れた取り組みと効果を示す、上場企業の株を「健康経営銘柄」として評価・選定する制度です。健康経営銘柄選定は、長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に、健康経営に優れた法人を紹介するという目的をもとに始まりました。
健康経営銘柄は、健康経営優良法人大規模法人部門に申請した東京証券取引所上場企業33業種に対して、1業種につき1社のみの選定が原則です。ただし「該当企業なし」とみなされた業種には、健康経営銘柄の称号が与えられない場合もあります。また、1業種1社という原則はあるものの、2022年度は50社、2023年度は49社が健康経営銘柄選定を受けました。
2024年度の健康経営銘柄選定申請については、日本経済新聞社が「Action!健康経営」サイトを運営し、健康経営優良法人認定制度の広報や申請に必要なID交付や申請から認定までの手続きを担っています。健康経営銘柄にエントリーするには、健康経営優良法人認定制度、大規模法人部門の認定要件のほとんどをクリアし、健康経営度調査とともに健康経営優良法人認定制度・大企業部門に申請します。上場企業の中から上位500社を候補として抽出し、財務指標スクリーニングや加点を行い、選出されます。
ちなみに先述した通り「33業種に対して1業種につき1社のみの選定が原則」ではありますが、健康経営に特に優良な上場企業が多い業種はこの限りではなく、1業種につき上限として5社が健康経営銘柄選出される可能性があります。健康経営銘柄に選定されると、企業のイメージアップや資金調達に役立つと同時に、企業が社会的責任を果たすきっかけにもなります。
参考:経済産業省 健康経営銘柄
関連記事:健康経営とは?メリットと導入事例、効果と導入プロセス
ホワイト500
「ホワイト500」は、2016年に新設されたカテゴリーで健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門で上位500社に選ばれた企業に与えられる称号です。
ホワイト500は、健康経営に対する取り組みを「見える化」するために創設されました。健康経営優良法人認定制度大規模法人部門の認定要件を高いレベルでクリアした企業500社がホワイト500に選ばれるため、企業イメージや外部からの評価は向上するでしょう。ホワイト500に選ばれた企業は翌年のホワイト500が選出されるまで、企業のホームページやプレスリリースなどへのホワイト500ロゴマークの使用や掲載が認められます。
関連記事:健康経営の指標「ホワイト500」!認定要件や取得のメリットを解説
ブライト500
「ブライト500」は、健康経営優良法人認定制度の中小規模法人部門で上位500社に選ばれた企業に与えられる称号です。当時すでに健康経営に取り組む大企業は増えていましたが、中小企業でも健康経営を浸透、推進させるために2021年に新設されました。
ブライト500に選出されると、ホワイト500同様、企業の健康経営に対する取り組みが優れていることを社内外にアピールでき、社会的な評価が得られます。
健康経営優良法人とは?
健康経営優良法人認定制度は、優れた健康経営を行う企業を社会的に評価するための制度で、認定を目標に健康経営に乗り出す企業も増えています。
2023年8月21日に健康経営優良法人2024の申請受付が始まりました。これから健康経営優良法人2024への申請を目指す企業に向けて、健康経営優良法人の基礎情報を解説します。
健康経営優良法人2024
「健康経営優良法人2024」と「健康経営銘柄2024」の申請受付が開始されました。認定要件は、前年と大きな違いはないものの「健康経営銘柄」「大規模法人部門」に選出されるには、健康経営度調査を今年度から追加・変更されたポイントを踏まえて記載する必要があります。
主な変更ポイントは下記のとおりです。
(1)情報開示の促進
(2)社会課題への対応
(3)健康経営の国際展開
また、中小規模法人の取組促進に向けて、本年度からブライト500申請企業に対して、各項目の取組状況を偏差値で表したフィードバックを行うことも発表されています。認定要件や評価項目、スケジュールについて理解を深めましょう。
関連記事:健康経営優良法人2024!変更された要件・認定基準とスケジュール
健康経営優良法人のメリット
健康経営優良法人に認定を目指す企業が多いのは、それだけ多くのメリットをもたらすからです。一般的に知られているのが、金融機関での金利の優遇など。法務省や厚生労働省なども健康経営優良法人認定企業に対し、インセンティブを設けています。
また、地方自治体によっては、健康経営優良法人に認定されていることが、応募条件の補助金や公共調達の落札の際に加点が得られる場合があります。企業が加入する保険プランの中にも、健康経営優良法人向けの割引プランも増えており、健康経営優良法人に認定されると資金調達やコストカット、新規公共事業案件の獲得などへのアドバンテージが与えられるということです。
そもそも、健康経営優良法人は、健康経営に取り組む企業を社会的に評価し、企業価値を高める取り組みのため、人材確保や従業員のエンゲージメント向上、ひいては生産性アップにより継続的かつ効果的に近づくとみられています。
関連記事:健康経営優良法人とは?認定基準やメリットについてわかりやすく解説
健康経営の成功事例
健康経営を効率よく、しかも自社らしく進めていくには、他社の成功事例を参考にするのが早道です。また、市場が国際的か国内市場のみか、大企業と中小企業、業種・業界によっても進め方や注力する評価項目は異なるものです。
下記の関連記事から自社の目標にあった健康経営の成功事例をピックアップし、参考にしましょう。
関連記事:健康経営と従業員の健康、両方を実現する福利厚生とは?日本と世界の変遷と事例も紹介
関連記事:健康経営の取り組み事例とは?中小企業での成功事例や国・自治体の支援事例を紹介
健康経営実現にはチケットレストランの活用を
健康経営優良法人2024の申請受付が始まり、認定要件や前年度との変更点を確認したうえで健康経営に乗り出した企業も多いでしょう。健康経営の実現には、健康経営銘柄・ホワイト500・ブライト500といった冠の付与だけでなく、有形・無形さまざまなメリットをもたらします。
しかし、自社内のリソースだけですべての認定基準を満たすのには負担が大きいので、民間の健康経営支援サービスや福利厚生サービスを導入しながら施策を行うのがおすすめです。健康経営には欠かせない健康的な食事へのアプローチをお考えなら、数々の健康経営優良法人認定企業を含め、全国で25万社も導入する食事補助サービス「チケットレストラン」を検討しましょう。