企業が「健康経営」を目指す際に重要なのが「福利厚生」です。福利厚生には2つの種類があり、健康経営優良法人を目標とするのなら、法定外福利厚生の充実が欠かせません。今回は、健康経営や健康経営優良法人の定義、健康経営と福利厚生の違い、福利厚生の種類、おすすめの福利厚生サービスと選び方などを紹介します。福利厚生を整備して、健康経営を実現させるメリットに今一度立ち返ってみましょう。
健康経営とは
健康経営とは、1990年代にアメリカで経済心理学者のロバート・H・ローゼン氏によって提唱され始めた「健康な従業員こそが収益性の高い企業を作る」という主張が基礎となっています。つまり「企業は有効な経営戦略の一つとして従業員の健康管理に務めるべき」という考え方です。
日本では深刻な少子高齢化を受け、今後人材不足があらゆる企業を円滑に経営・成長していくための大きな課題になると考えられています。企業が従業員の健康に配慮することは、経営戦略の重要な要素の一つです。
これを受け、2006年にNPO法人健康経営研究会(以下、健康経営研究会)が発足されました。同研究会では「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」という考えを基盤に「人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与すること」が今後の経営戦略に必要だという主張を行っています。
近年、地球の環境維持や発展途上国をはじめとする各国の成長のために人類が取り組むべき活動としてSDGsが注目を集めています。SDGs活動は、企業経営や成長とは、切っても切れない関係にあるとされており、日本国内の企業にとって健康経営は、SDGsの観点からも重要な取り組みです。日本企業や日本全体が、世界から取り残されないようにするためにも、健康経営に着目した企業づくりが必要です。
健康経営優良法人とは?
2015年より、経済産業省が主体となり、優れた健康経営を行う企業を健康経営優良法人として表彰する取り組みが始まっています。健康経営優良法人とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む企業のことです。
健康経営優良法人認定を受けるメリットは?
健康経営優良法人に認定されると、健康経営優良法人のロゴマークの使用が可能になります。このロゴマークの使用により「従業員の健康に配慮した経営に取り組む企業」であるとして、取引先や金融機関・求職者といった、さまざまなステークホルダーにアピールが可能です。
健康経営優良法人には、金融機関からの融資条件が有利になったり、採用活動で「従業員を大切にする企業」として印象づけられたりといったメリットがあります。すでに企業に在籍する従業員への健康管理や離職率の低下にも効果的です。健康経営優良法人に対しては、各地方自治体や法務省・厚生労働省なども補助金やインセンティブを設けています。
経済産業省では、東京証券取引所との共同で健康経営優良法人認定を受けた上場企業の株を「健康経営銘柄」として評価・選定しています。この取り組みは、長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に、健康経営優良法人を紹介するものです。
結果として、各企業が健康経営の取り組みに注力することにつながっています。第8回となる2022年度は、過去最多となる32業種・50社が選定されたと報じられました。
健康経営銘柄の選定は、企業のイメージアップに役立つと同時に、企業が社会的責任を果たすきっかけにもなっています。さらに、投資家にとっては安全で人材を大切にする経営を行う企業を見極めて投資するための目安の一つとなっています。
健康経営優良企業に欠かせない5つの指針
健康経営優良企業を目指すには、従業員の扱いに際し、重要視すべき5つの指針があります。それが「労働安全衛生(健康管理)」「心と体の健康づくり」「働きやすさ」「働きがい」「生きがい」です。
「労働安全衛生(健康管理)」は、企業活動を推進する上で当然、かつ最低限守られるべき基準であり、他の4つを支える重要な土台です。労働基準法や労働安全衛生法など「労働法令の遵守」を通じた従業員の健康管理に関する取り組みを意味します。
「心と体の健康づくり」も「労働安全衛生(健康管理)」と同じく「企業が活動するために最低限気をつけるべきこと」とされています。しかし、実現に向けた具体的な取り組みは「働きやすさ」「働きがい」「生きがい」と同じく、企業が独自の福利厚生を充実させることで叶えられると考えられています。
働きやすさの実現のための福利厚生とは、以前はコストと考える企業が多かったのですが、健康経営の観点では、人を資本として新しい企業価値を創造する投資と捉えられています。
働きがいとは、仕事に対するエンゲージメントを高めることで生まれるものです。健康経営における生きがいは、ワークライフバランスの実現が大きな尺度とみられています。
企業が健康経営を目指す場合、企業と従業員による価値観の統一、価値をともに作り上げることが重要です。また、企業は従業員にとって、仕事は生活の中心ではなく、あくまで一部であるとわきまえることも大切です。その上で福利厚生の力を借りながら、従業員一人ひとりの「ウェルビーイング」つまり「心身の良い状態」を実現するのが健康経営の意義といえます。
健康経営優良法人認定要件
健康経営優良法人の認定を受けるには、毎年申請が必要で、大企業・中小企業ともにさまざまな要件をクリアしている必要があります。企業の経営・成長戦略や人事・労務に関わる部署の人は健康経営優良法人認定に向けて、クリアできる評価項目と今後対応策を講じるべき評価項目をリストアップするところから始めましょう。
細かい評価項目は、大企業か中小企業かによって違いがありますが、健康経営を進めるにあたり
- 経営理念・方針発表
- 組織体制づくり
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令遵守・リスクマネジメント
の順に進める点では一致しています。経済産業省から発行されている企業の「健康経営」ハンドブックを参考に健康経営の具体的な進め方を紹介します。
①経営理念・方針発表
健康経営の手始めに企業の経営層が健康経営の意義と重要性を認識し、経営理念として社内外にアピールすることが重要です。いわゆる「健康経営宣言」として文書化し、取引先や従業員・顧客・投資家など営業活動に関係する、さまざまなステークフォルダーに示すことが求められます。
②組織体制づくり
従業員の健康保持・増進実現に向けて働きかける、組織体制を整えましょう。健康経営を促進するためには企画段階から役員会だけでなく、ときには外部組織を招くなどして体制を整えることも大事です。健康経営を実行するための組織には専門部署を設置したり、人事や労務・総務といったバックオフィスの部署に専門のポジションを創設したりするなどするのが望ましいとされています。また産業医や保険組合などと連携することも大切です。同時に、健康経営実現に向けて研修などの社内教育を施すことも重要だと求められます。
③制度・施策の実行
健康経営の制度・施策を実行する前に、現状を把握し、日頃のマネジメントに健康経営制度や施策をどう落とし込むかを決定します。従業員の現在の健康状態を把握するには、定期健診や産業保健スタッフとの対話はもちろん、社内外にアンケート調査を行うなどして全社が連携することが大切です。
現状の把握ができたら目標を設定し、そこまでの道のりに基づいた計画書を作成します。企業の職務規定の見直しや福利厚生を取り入れ施策を実行します。具体的な施策の内容としては、長時間労働の是正や休暇取得の奨励など働き方に関するものや、喫煙・禁煙ルールや運動の促進、社食などでの健康的な食事の提供などです。従業員に健康経営の価値観を共有・浸透させることも重要な取り組みの一つです。
④評価・改善
施策が実行されたら、定期的に取り組みを評価し結果を客観視できるよう文書化します。健康経営の施策についての評価はストラクチャー(構成)・プロセス(過程)・アウトカム(成果)を3つの指標として整理するのが重要だと考えられています。想定していたような結果が得られなかったり、参加する従業員が少なかったりする場合には、改善策を検討・実行することも大切なプロセスです。
⑤法令遵守・リスクマネジメント
健康経営に向けた取り組みを運用し始めたあとも、企業は労働法などの法令遵守とリスクマネジメントに注力する必要があります。健康経営の体制や運用はでき上がったら終わりではなく、今後も従業員が仕事中の事故・心身の不調などにかからないよう努力し続けることが大切です。
ただし、法令遵守・リスクマネジメントは、企業内部の働きかけだけでは、手が回らないのが正直なところでしょう。健康経営の推進・継続には、保険組合や取引先との連携や長期にわたって利用できる福利厚生の導入などが欠かせません。
健康経営と福利厚生の違い
健康経営と福利厚生は時折、同意語として扱われる場面があります。2つは深く関わり合うものの、異なります。
「健康経営」は企業が目指すべき企業運営の在り方です。一方「福利厚生」は、健康経営を実現するために、企業が従業員に提供すべきサービスです。福利厚生には、労働法などで定められた「法定福利厚生」と企業が従業員のために独自に整備する「法定外福利厚生」があります。
法定福利厚生と法定外福利厚生の違い
企業は、従業員の健康管理を徹底し、自社で働きながらより良い人生を送ってもらうために福利厚生を整える義務がありますが、法定福利厚生と法定外福利厚生には企業としての責任に大きな違いがあります。両者の定義やどのようなサービスが法定福利厚生や法定外福利厚生となるのか、詳しく見ていきましょう。
法定福利厚生
法定福利厚生とは、労働法など、法律で定められている福利厚生です。事業主が保険料や掛け金の一部を負担する福利厚生6種類が法定福利厚生に該当します。
6種類とは、健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・労災保険と、一般的にはあまり知られていませんが、児童を育成する家庭に給付される児童手当拠出金の納付も、法定福利厚生に該当します。
これらは企業が従業員を雇う上で最低限守るべき福利厚生であり、守られない場合は業務停止命令などが下る場合もあるため、注意が必要です。
法定外福利厚生
法定外福利厚生とは、法定福利厚生の6種類以外の福利厚生を指します。企業が自社の従業員に、より満足しながら働いてもらうために設けられた福利厚生です。企業によって違いがあり、福利厚生によって就職や転職を決める人もいるため、企業にとっては個性の出しどころでもあります。採用活動や従業員のエンゲージメントを高めるために重要視すべきと考える企業が増えています。
法定外福利厚生として代表的なのは、住宅手当や食事補助・健康診断の補助・通勤手当などでしょう。企業型確定拠出年金や財形なども法定外福利厚生の一種です。
家族手当や結婚・出産祝い金などを設ける企業もあります。従業員旅行や託児施設、スポーツジムや保育園の補助なども多くの人に支持され、社会的にも「従業員を大切にする企業」としてアピールできる法定外福利厚生です。
少し古いデータになりますが、2015年にマンパワーグループが行った福利厚生についての調査では「実際にあってよかった企業の福利厚生」の第1位が「食堂・昼食補助」という結果でした。「企業の福利厚生として良いと思うもの」では、「家賃・住宅補助」が首位で「食堂・昼食補助」は2位でしたが、法定外福利厚生として社食や昼食補助が従業員に支持されることは間違いないでしょう。
そこでおすすめなのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。「チケットレストラン」はICカード配布型の法定外福利厚生食事補助サービスです。全国25万店舗以上の大手飲食店、コンビニエンスストア、そして Uber Eats でも利用できます。
出社する従業員はもちろん、リモートワークやワーケーション、交代制シフトや出張などさまざまなスタイルで働く全国の従業員が利用できるため、平等で使い勝手が良いサービスだと好評を得ています。勤務に関わる食事であれば、昼食だけでなく、間食・夕食など、思い思いの時間に好きな店舗で利用できる点も自由度が高く、また導入にコストがかからないため従業員にも企業にもメリットが高いです。
出典:マンパワーグループ 「福利厚生の人気は「住宅手当・家賃補助」48.3%、「食堂、昼食補助」33.9%」
健康経営につながる人気の福利厚生サービス8選
健康経営につながる福利厚生サービスとはどのようなものでしょうか?企業にとって取り入れやすく、従業員にも人気の福利厚生サービスを紹介します。
チケットレストラン|株式会社エデンレッドジャパン
先ほど紹介した「チケットレストラン」は、ICカード配布型の食事補助サービスです。多様なワークスタイルの従業員が利用できるため、新型コロナウイルス感染症を発端としたリモートワークの普及により導入する企業が増えています。
特筆すべきなのは「チケットレストラン」の便利さです。導入企業での利用率98%・継続率99%・満足度93%と重宝している様子がうかがえます。「チケットレストラン」の加盟店は、2024年6月現在25万店舗以上です。さまざまな好みや食に関する特性がある人でも健康な食事を実現するために利用できます。
たとえば、普段の食事に「チケットレストラン」を利用して、コンビニやスーパーでプラス1品、健康食を取り入れるのもおすすめの利用方法です。さらに「チケットレストラン」には、ヘルシー志向のレストランやカフェも加盟しています。従業員の健康づくり、栄養管理に直結した食事補助サービスといえるでしょう。
RIZAPがつくった福利厚生サービス「chocoZAPステーション」|RIZAPグループ株式会社
RIZAPがつくった福利厚生サービス「chocoZAPステーション」は、chocoZAPをはじめとするRIZAPの8ブランドを利用できるサービスです。主となるサービスは全国にある1,500店舗(2024年5月15日時点)のchocoZAPが利用できることで、通勤前後やアポイントの隙間時間を有効活用できます。chocoZAPのコンセプトは「簡単!便利!楽しい」です。コンビニ感覚で気軽に立ち寄ってもらうことで、従業員の健康増進を後押しできます。
嬉しいことに、運動のついでに、エステ・ネイル・ホワイトニングなど自分磨きとなるサービスも利用可能です。エッジの効いたサービスで、採用力や定着率アップの効果も期待できます。気軽に通いやすいため利用率は70%を超えており、健康経営のサポートとしての効果も高いでしょう。なお、企業の担当者向けサービスとして、データヘルスを活用した利用状況の報告があるので、導入効果が可視化できる点も好評です。
ベネフィット・ステーション|株式会社ベネフィット・ワン
「ベネフィット・ステーション」は、加入企業の従業員が映画やショッピング、観光など全国各地140万件以上の施設の割引優待を受けられる総合福利厚生サービスです。業界トップシェアを誇るサービスで導入企業法人は、16,000社を超えています
ベネフィット・ステーションはレジャー施設などでの利用が知られていますが、健康経営に向けたサービスも多く取り扱っています。たとえば、フィットネス施設や介護サービスの利用割引や健診データと結びつけて従業員の健康状態を可視化する健康支援サービスです。健康支援サービスは、従業員の生活スタイルによって独自の健康ポイントが貯まるシステムとなっており、貯まったポイントはクーポンや商品に交換できます。
また、従業員教育の面にも力を入れており、1講座5~10分、PCやスマートフォンで受講できるeラーニングサービスも提供しています。内定者や新規従業員、リーダー向け研修など多様な講座内容です。人事や労務担当者は、各章ごとに設けられた理解度チェックテストのその結果を確認できるため、利用状況の把握もしやすいでしょう。従業員の健康増進だけでなく、エンゲージメントや自己啓発など活用の幅が広いのが魅力です。
参考:ベネフィット・ワン
オフィスおかん|株式会社OKAN
「オフィスおかん」は、オフィスに家庭的なお惣菜などのミールを常備する食事補助サービスです。企業に設置された専用の冷蔵庫や自動販売機から従業員が自分の好みや健康状態に合う商品を購入するシステムです。
メニューは全て、栄養管理士が監修し、可能なかぎり添加物を使わない新鮮なミールが揃っています。従業員が味に飽きないように、毎月複数の新メニューを考案するなどさまざまな工夫がされています。安いものだと1品100円から購入でき、主食・主菜から副菜まで幅広いバラエティが人気の理由といえるでしょう。
食事は健康に直結するものです。オフィスおかんのサービスを利用することで、簡単に健康的な食事が叶うと好評を得ています。また、オフィスおかんを提供する冷蔵庫、食事に必要なカトラリーは全て無料です。企業にとっても低コストで利用できる社食サービスとして認知が広がっています。
参考:株式会社OKAN
オフィスdeリラックス|株式会社イーヤス
株式会社イーヤスが提供する「オフィスdeリラックス」は、プロの施術師が企業の職場へ定期的に出張訪問し、従業員の心身の疲れやストレスを軽減・解消する、福利厚生サービスです。
現在は、東京・大阪・名古屋・札幌と都市部でのみ提供されているサービスですが、導入企業では、利用率90%以上を誇ります。メンタルとフィジカル、両方のヘルスケアには「疲れ」の解消が欠かせないことは多くの人が実感しているでしょう。「オフィスdeリラックス」は従業員の身体に蓄積した疲れに施術師が直接アプローチして、健康促進を手助けする福利厚生サービスといえるでしょう。
また、「オフィスdeリラックス」の利用によりコミュニケーションをはじめとした職場の環境づくりに役立ったという声もあります。従業員のセルフケア意識向上にもつながっているという声もあるそうです。
参考:株式会社イーヤス
HELPO|ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、発展・普及したものの一つにオンライン診療があります。「HELPO」はオンライン診療をはじめ、体調が悪くなり始めたときや、ちょっとした身体の不安があるときに医師・看護師・薬剤師の医療専門チームに気軽に相談できるヘルスケアアプリです。顔を合わせる機会が減った企業でも、HELPO導入により、従業員の健康に直接働きかけられる福利厚生サービスとして注目を集めています。
HELPOは、導入企業の従業員が受診を迷う程度の身体の不調やメンタルヘルスに関する相談や薬の飲み合わせについてなど、健康にまつわる相談に24時間365日、専門チームがチャットに応じるというサービスです。体調不良時の受診科の選定や健康診断の結果とも結びついた個人の健康相談などにも応じます。従業員本人だけでなく、家族の相談にも対応し、ホームドクターのような役割を果たします。
専用のECモールから、医薬品や日用品の買い物ができるサービスも利用可能です。リモートワークの際などに活用でき、大変心強いサービスといえるでしょう。
また、HELPOの導入は、企業にとっても健康経営優良法人認定の面で有効です。健康経営優良法人の認定を受けるには、毎年申請が必要ですが、HELPOを導入することで「食生活の改善に向けた取り組み」や「女性の健康保持・促進に向けた取り組み」といった要件に当てはまります。
WELBOX|株式会社イーウェル
株式会社イーウェルの「WELBOX」は、健康経営に着目した総合型福利厚生サービスです。サービスの内容は人間ドックの補助や訪問介護サービスの入会補助、フィットネス施設の利用料金補助などが代表的ですが、女性の社会進出や育児・介護による離職の回避に役立つサービスを多数、企画・提供しています。
ほかにも、総合福利厚生サービスとして、フィットネスやレジャー、買い物、エンタメ、自己啓発といった一般的な福利厚生サービスも利用可能です。健康だけでなく普段の生活や日常の楽しみなど、多様な面から従業員のエンゲージメントを高め、健康経営を実現したいと考えている企業にはおすすめのサービスです。
また、WELBOXはすでに所属している従業員だけでなく、内定者も同様のサービスを受けられます。早期退職の抑制や内定辞退を抑制し、採用活動にも一役買っています。
参考:株式会社イーウェル
ライフサポート倶楽部|リソルライフサポート株式会社
リソルライフサポートが提供する「ライフサポート倶楽部」は、「ウェルビーイング」を意識した健康支援福利厚生サービスに力を入れる、総合福利厚生代行サービスです。
健康支援サービスでは「従業員一人ひとりが、ライフイベントを経ても離職することなく仕事とプライベートの調和を図りながら定年まで元気に働き続けられる従業員を増やすこと」に重点を置きサービスの提供と充実を図っています。
とくに女性活躍支援に注力しており、出産・育児・介護にまつわるサービスを広く提供しています。保養やワーケーションに利用できる施設利用にまつわるサービスもあり、日々の健康管理や息抜きだけでなく、リフレッシュもサポート可能です。
健康経営につながる企業独自の福利厚生事例3選
前項で紹介したのは、福利厚生サービスを主幹事業とする企業のサービスです。しかし、中には独自の福利厚生制度を企画・運営することで、健康経営や従業員のワークエンゲージメントを高める企業もあります。健康経営につながる企業独自の福利厚生事例を3つ取り上げましょう。
参考記事:【社労士監修】中小企業も実践!健康経営のユニークな取り組み事例
ZOZO WORKSTYLE|株式会社ZOZO
ECモールZOZOTOWNを運営している株式会社ZOZOは、生産性とワークライフバランスを向上させる目的で働き方の選択肢などの福利厚生を充実させています。たとえば、毎月一律5万円の住宅リモート手当に加え、月額上限15万円の通勤手当(対象は正規・非正規従業員)があり、新幹線や飛行機での出社も可能です。
慶弔休暇(パートナーの性別によらず結婚と同等の手続き完了時に5日)、パートナーの出産時3日の休暇のほかに、子の看護休暇(中学校就学まで取得可)や介護休暇などもあり、ライフステージに応じて従業員のプライベート充実をサポートしています。
「1日の労働時間を6時間でもよい」とする制度「ろくじろう」制度は2019年に廃止されましたが、その後「コアタイムなしのフルフレックスタイム制度」としてパワーアップし、従業員の自由な働き方をより一層サポートしています。本業に影響がなければ、副業も可能です。
このような企業の全面的なサポートにより、従業員のワークライフバランスは向上し、それぞれが終業後はゆっくり休んだり、家族や自分のために思い思いの時間を過ごせたりしているようです。ワークライフバランスの調整や長時間労働の是正は、健康経営、ひいては日本のビジネスシーンにおいて重要な評価項目となっており、ZOZOの取り組みはさまざまな方面から称賛と注目を集めています。
親孝行支援補助金|大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業は、介護が必要な家族をもつ従業員のために、独自の福利厚生整備に注力しています。具体的には「親孝行支援補助金」として「年4回を上限とする帰省旅費の補助金」を支援します。さらに、要介護状態の家族の介護のため「無期限の介護休業」を取得したり、要介護状態にある家族の介護のため、無期限で所定労働時間を1〜2時間短縮したりも可能です。
とくに独自性の高い「親孝行支援補助金」は、従業員が介護にかける経済・体力・心理的なストレスの総合的な軽減につながります。従業員の介護離職を防げれば、人材確保の観点では企業にとっても大きな利益が見込めますが、企業の負担が大きく、今の日本ではなかなか耳にしない福利厚生です。この制度を企画・導入したことだけに着目しても、大和ハウス工業は従業員のワークエンゲージメントに対して、真摯に向き合う企業だといえるでしょう。
少子高齢化社会を見据え、介護に絡んだ福利厚生に取り組む企業は増えると見られています。大和ハウス工業の親孝行支援制度は、今後、健康経営や介護支援制度の観点からパイオニアとしての役割を果たすことになるでしょう。
参考:大和ハウス工業株式会社|生涯現役制度「アクティブ・エイジング制度」介護支援制度「親孝行支援制度」導入
参考:大和ハウス工業株式会社|福利厚生&キャリアパス
在宅勤務環境整備支援強化|株式会社はてな
株式会社はてなでは2020年から「フレキシブルワークスタイル制度」を導入し、従業員が在宅勤務と出社を自由に選択できる環境を整備してきました。多くの従業員が在宅勤務を選んでおり、はてなでは在宅勤務が一般的です。
そこではてなでは、業務効率や快適性に関わるPC、椅子、ディスプレイ、マウス、キーボード等の備品について、より自由に理想の勤務環境を作れるよう制度を見直しました。一定の基準を満たした品質の機種を推奨し、さらに従業員一人ひとりの好みに合わせた選択を可能にし、上限額内であれば支援する形に変更したのです。
入社時の一時金増額と制度変更に伴う準備として特別手当も支給するなど、環境設定支援も充実させ、フレキシブルな働き方を送りやすい環境づくりを後押ししています。
はてなは「働き方に捉われない企業」を目指し、今後も時代に合った柔軟な福利厚生の見直しを重ねていく方針です。フレキシブルワークを推進する先駆的な取り組みとして注目されています。
参考:Hatena|プレスリリース「はてな、在宅勤務環境構築に関わる福利厚生を更新」
健康経営を実現させる福利厚生の選び方
健康経営を実現させるためには、従業員の心身のケアに関連する福利厚生を設けることが大切です。健康診断や食事補助といった、健康に密接な福利厚生は健康経営に結びつくものとして想像しやすいですが、レジャーや買い物、旅行などのリフレッシュに使える福利厚生も広い意味では健康経営に役立ちます。
福利厚生には、代行企業1社とのみ、専属契約している企業も少なくないですが、ほかの企業のサービスと組み合わせたり、独自の視点で設置した福利厚生と併用したりする企業がほとんどです。導入済みの福利厚生は以下の3つのうちどれに含まれるか、今導入を迷うサービスはどれに当てはまるかを考えてみましょう。
- 心身のケア目的
- 食生活の改善目的
- 運動不足の解消目的
もし、導入済みの福利厚生が1〜3の種類のうち、どれかに偏っていたり、不十分な種類があったりする場合は目的を満たすために、新しい福利厚生を導入してみるのも一つの手です。
とくに、2.食生活の改善目的であれば、初期費用や設備投資がかからず、リモートワークや出張が多い従業員でも平等に使える食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。
福利厚生で健康経営を目指そう
健康経営は、今後あらゆる国内企業が成長・維持を続けるために必要な取り組みです。健康経営優良法人に認定されると、国や地方自治体からさまざまなインセンティブや補助金が受けられます。人材確保の観点からも健康経営優良法人はイメージが良く有利なため、多くの大企業や中小企業が認定を受けるために動き出しています。
健康経営には、従業員の心身のケアや運動機会創出に役立つ福利厚生を取り入れるのが早道です。食事補助や健康支援など、従業員の健康に直結する福利厚生サービスから導入してみるのがよいでしょう。エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のような食事補助の福利厚生サービスは、従業員の健康増進に有効です。