近年、従業員の心身の健康に着目した「ウェルビーイング経営」が注目を集めています。本記事では、ウェルビーイング経営の概要から、注目される背景・具体的な実践法等を、HR総研の調査結果を参照しながら分かりやすく解説。また、ウェルビーイング経営と並び注目されている「健康経営」にも焦点をあて、企業が実践したい環境整備や効果的な施策を包括的に紹介します。
ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営は、従業員の身体的・精神的・社会的な幸福を重視し、働きがいのある職場環境の実現を目指す経営手法です。まずは、その定義や目的・健康経営との違いなど、ウェルビーイング経営にまつわる基本的な情報から解説します。
ウェルビーイング経営の定義と目的
「ウェルビーイング(well-being)」とは、「身体」「精神」「社会との関わり」がすべての面で満たされ、良好な状態をいいます。
ウェルビーイングの概念が初めて認知されたのは、1946年7月22日のWHO(世界保健機関)設立時のことです。このとき採択された世界保健機関憲章の前文において、ウェルビーイングは以下のように言及されました。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
これらを踏まえ、ウェルビーイング経営は、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされ、やりがいをもって生き生きと働ける職場環境の実現を目指す経営手法をいいます。広義には、自社の従業員に留まらず、ステークホルダー全体の幸福を目指す経営手法です。
ウェルビーイング経営の目的は、従業員のQOL(生活の質)を高めることにより、生産性や創造性の向上を実現し、結果として企業価値の向上につなげることにあります。
WHOが定義する「健康」の概念をベースに、単なる健康管理を超えて、従業員一人ひとりの幸福度向上を追求するのが「ウェルビーイング経営」なのです。
関連記事:ウェルビーイングとは?健康経営との違いや経営上の役割を徹底解説!
健康経営との違い
「ウェルビーイング経営」と「健康経営」は密接に関連していますが、その目的や範囲に違いがあります。
健康経営は、従業員の健康維持・増進を目的とした施策を中心に据え、定期健康診断の実施やメンタルヘルスケア、ストレスチェックの導入など、病気の予防や健康促進に重点を置いた取り組みです。
一方で、ウェルビーイング経営は、健康経営の枠を超え、働きがいやエンゲージメントの向上、組織風土の醸成といった広範な視点から、従業員の幸福度を高めることを目的としています。企業文化や職場環境の整備・柔軟な働き方の導入なども含まれるため、単なる健康施策ではなく、企業全体の在り方を問う経営戦略の一環として位置づけられています。
なお、HR総研が2024年10月に実施した「【HR総研】「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート」によると、ウェルビーイングが浸透している企業の84%が健康経営も実践しており、両者は相互補完的な関係にあることが再確認されました。
出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
健康経営を基盤としつつ、より包括的な従業員支援を実現するのが、ウェルビーイング経営といえそうです。
ウェルビーイング経営が注目される背景
近年、ウェルビーイング経営が企業経営の重要な要素として注目されています。ここでは、その背景について解説します。
労働環境の変化と社会的要請
深刻化する物価高やリモートワークの普及など、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
特に深刻なのが、少子高齢化にともなう人手不足です。労働人口が減少し、優秀な人材の確保が難しくなる中で、従業員の働きやすさを追求することは企業にとって重要な経営戦略となっています。
また「働き方改革」の推進により、単なる業務効率の追求だけでなく、従業員の健康や幸福度の向上が企業の社会的責任として認知されるようになりました。
こうした環境の変化を受け、従来の労務管理の枠を超えた包括的な従業員支援として、ウェルビーイングの重要性が増しているのです。
HR総研のデータから見る実態
近年、ウェルビーイング経営や健康経営の重要性の高まりを受け、多くの企業が何らかの形で取り組みを進めています。
HR総研の調査によると、健康経営に関して「実践している」と回答した企業は44%・さらに「導入を準備中・検討中」と回答した企業は20%でした。半数を超える64%の企業が健康経営の取り組みを進めている現状が明らかとなっています。
出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
さらに、企業規模別で「実践している」「導入を準備中・検討中」を合わせた数字を見てみると、1,001名以上の企業が80%ともっとも多い結果となりました。
続いて、301〜1,000名が58%・300名以下が56%と、企業規模が大きいほど健康経営へ積極的に取り組んでいることが分かります。
出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
ウェルビーイング経営のメリット
ウェルビーイング経営は、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。ここでは、それぞれが得られるメリットについて詳しく紹介します。
企業が得られるメリット
●従業員のモチベーション・パフォーマンス向上 ●生産性向上 ●優秀な人材の採用・定着 ●企業価値向上 |
ウェルビーイング経営は、従業員の心身の健康を支援する取り組みです。この取り組みを推進する中で、従業員の仕事に対するモチベーションやパフォーマンスの向上、ひいては企業としての業績向上も期待できます。
また、ウェルビーイング経営を推進する企業は、従業員にとって働きやすい環境が整った企業です。これは求職者にとって大きな魅力となることから、優秀な人材の採用・定着にもつながります。人手不足が社会的な課題となる中で、これは大きなメリットです。
さらに、社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)への関心が高まる中、ウェルビーイングの推進は従業員の幸福を追求する企業姿勢のアピールとなり、投資家や取引先からの評価を高める要素にもなります。ウェルビーイング経営の実践を通じて、「働きがいのある企業」としての認知を広げ、長期的な企業価値の向上を目指すことができるのです。
従業員が得られるメリット
●ワークライフバランスの実現 ●ストレス軽減 ●キャリア形成サポート ●健康維持 |
ウェルビーイング経営は、従業員の働きやすさをサポートし、ワークライフバランスの向上に寄与する施策です。
たとえば、リモートワークやフレックスタイム制度の導入は、従業員が自身のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境を提供します。育児や介護などのライフイベントに柔軟に対応できることで、仕事とプライベートの両立がしやすくなり、ストレスの軽減にもつながります。
また、ウェルビーイング経営の施策のひとつとして提供されるスキルアップ支援やキャリア形成サポートは、個々のキャリア成長を促進し、働きがいの向上につながる施策です。さらに、健康促進施策の充実も、従業員のオンとオフをともに支える重要なメリットです。
ウェルビーイング経営の具体的な取り組み方
ウェルビーイング経営の成功には、経営層の理解と、従業員の視点に立った施策の展開が必要です。ここでは、企業がウェルビーイング経営に取り組むにあたり、実践したい取り組みを紹介します。
経営層の意識改革と全社的な推進
ウェルビーイング経営を成功させるには、まず経営層が「従業員の幸福度向上が企業の持続的成長につながる」という認識を持つことが必要です。
その上で、管理職への研修実施や推進体制の整備、施策の効果測定など、組織的な展開が求められます。
ウェルビーイングに関連する施策を「経営戦略」として位置づけ、人事部門だけでなく全社を挙げて取り組むことで、より大きな効果が期待できます。
労働環境の整備と柔軟な働き方の推進
ウェルビーイング経営を実現するには、従業員が心身ともに健康に働ける環境を整えることが欠かせません。労働環境の整備と柔軟な働き方の推進は、ウェルビーイングの根幹をなす重要な要素です。
職場環境の改善としては、まずオフィスの快適性の向上が挙げられます。適切な照明・空調の調整・リラックススペースの設置・集中力を高めるための防音設備の導入など、従業員が快適に働ける環境づくりを進めましょう。
また、独自の休暇制度や短時間勤務制度の導入も、従業員のワークライフバランスを支える重要な施策です。業務の属人化を避けるための仕組みづくりや、業務量の適正配分を行うことで、過重労働の防止効果も期待できます。
こうした労働環境の整備と柔軟な働き方を導入することで、従業員の負担が軽減され、より健康的で持続可能な働き方を実現できます。
福利厚生制度の充実
福利厚生制度は、従業員の健康と幸福をサポートする重要な要素です。ウェルビーイング経営を推進する具体的な福利厚生としては、以下のようなものが挙げられます。
- 健康診断
- オンライン診療
- ジム利用料の補助
- 家事代行サービスの補助
- 食事補助
福利厚生の導入にあたっては、従業員の声を取り入れながら、自社の状況に合った施策を選択することが大切です。
関連記事:【健康経営を叶える福利厚生11選】福利厚生の種類や健康経営に役立つ福利厚生サービスとは?
福利厚生の食事補助サービス「チケットレストラン」の導入事例
ウェルビーイング経営の実践に効果的な施策として注目されている食事補助の福利厚生ですが、中でも日本一の実績をもつ食事補助の福利厚生サービスが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」は、一定の条件下で全国25万店舗もの加盟店での食事を実質半額で利用できるサービスで、その利便性の高さからすでに3,000社を超える企業に導入されています。
たとえば、情報通信企業の「鈴木商店」では、フルリモート環境下での福利厚生の充実策として「チケットレストラン」を導入しました。
導入の目的は、健康経営優良法人の認定要件である「食生活改善」への対応と、全従業員が平等に利用できる福利厚生の実現でした。「チケットレストラン」導入後、朝食を毎日摂取する従業員が40%から48%に増加し、健康を意識したドリンクの購入も68%から78%に上昇したそうです。
2023年と2024年には、念願だった健康経営優良法人の認定も取得しています。
参考:https://www.suzukishouten.co.jp/
導入事例:鈴木商店様
チケットレストランの導入により心身の健康状態を向上させた企業様事例:株式会社sumarch様
関連記事:【ウェビナー】健康経営優良法人2024パーフェクトガイド 〜スケジュール感、準備物等を解説!〜
ウェルビーイング経営の重要性と今後の展望
従業員の健康と幸福を重視するウェルビーイング経営は、いまや企業の持続的成長に欠かせない経営戦略となっています。
導入にあたっては、大規模な投資や劇的な組織改革は必要ありません。「チケットレストラン」をはじめとする食事補助などの具体的な福利厚生から始め、段階的に取り組みを広げていくことで、着実な成果が期待できます。
健康経営との連携も視野に入れながら、企業全体で従業員の幸福度向上に取り組むことが、これからの企業経営には求められているといえそうです。
参考記事:「#第3の賃上げアクション2025」始動、ベアーズが新たに参画~中小企業にこそ“福利厚生”による賃上げを! “福利厚生”で、より働きやすく、暮らしやすい社会へ~
:「賃上げ実態調査2025」を公開~歴史的賃上げだった2024年も“家計負担が軽減していない”は7割以上!
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