近年、従業員の心身の健康に着目した「ウェルビーイング経営」が注目を集めています。本記事では、ウェルビーイング経営の概要から、注目される背景・具体的な実践法・実際に推進している企業の事例まで、企業が知っておきたい情報を網羅的に紹介します。
ウェルビーイング経営とは?
ウェルビーイング経営は、従業員の身体的・精神的・社会的な幸福を重視し、働きがいのある職場環境の実現を目指す経営手法です。まずは、その定義や目的・健康経営との違いなど、ウェルビーイング経営にまつわる基本的な情報から解説します。
ウェルビーイング経営の定義と目的
「ウェルビーイング(well-being)」とは、「身体」「精神」「社会との関わり」がすべての面で満たされ、良好な状態をいいます。
ウェルビーイングの概念が初めて認知されたのは、1946年7月22日のWHO(世界保健機関)設立時のことです。このとき採択された世界保健機関憲章の前文において、ウェルビーイングは以下のように言及されました。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
これらを踏まえ、ウェルビーイング経営は、従業員が身体的・精神的・社会的に満たされ、やりがいをもって生き生きと働ける職場環境の実現を目指す経営手法をいいます。広義には、自社の従業員に留まらず、ステークホルダー全体の幸福を目指す経営手法です。
ウェルビーイング経営の目的は、従業員のQOL(生活の質)を高めることにより、生産性や創造性の向上を実現し、結果として企業価値の向上につなげることにあります。
WHOが定義する「健康」の概念をベースに、単なる健康管理を超えて、従業員一人ひとりの幸福度向上を追求するのが「ウェルビーイング経営」なのです。
健康経営との違い
「ウェルビーイング経営」と「健康経営」は密接に関連していますが、その目的や範囲に違いがあります。
健康経営は、従業員の健康維持・増進を目的とした施策を中心に据え、定期健康診断の実施やメンタルヘルスケア、ストレスチェックの導入など、病気の予防や健康促進に重点を置いた取り組みです。
一方で、ウェルビーイング経営は、健康経営の枠を超え、働きがいやエンゲージメントの向上、組織風土の醸成といった広範な視点から、従業員の幸福度を高めることを目的としています。企業文化や職場環境の整備・柔軟な働き方の導入なども含まれるため、単なる健康施策ではなく、企業全体の在り方を問う経営戦略の一環として位置づけられています。
なお、HR総研が2024年10月に実施した「【HR総研】「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート」によると、ウェルビーイングが浸透している企業の84%が健康経営も実践しており、両者は相互補完的な関係にあることが再確認されました。
出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
健康経営を基盤としつつ、より包括的な従業員支援を実現するのが、ウェルビーイング経営といえそうです。
関連記事:健康経営のメリット・デメリット|健康経営優良法人認定を受けた中小企業の事例も
ウェルビーイング経営が注目される背景
近年、ウェルビーイング経営が企業経営の重要な要素として注目されています。ここでは、その背景について解説します。
労働環境の変化と社会的要請
深刻化する物価高やリモートワークの普及など、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
特に深刻なのが、少子高齢化にともなう人手不足です。労働人口が減少し、優秀な人材の確保が難しくなる中で、従業員の働きやすさを追求することは企業にとって重要な経営戦略となっています。
また「働き方改革」の推進により、単なる業務効率の追求だけでなく、従業員の健康や幸福度の向上が企業の社会的責任として認知されるようになりました。
こうした環境の変化を受け、従来の労務管理の枠を超えた包括的な従業員支援として、ウェルビーイングの重要性が増しているのです。
HR総研のデータから見る実態
近年、ウェルビーイング経営や健康経営の重要性の高まりを受け、多くの企業が何らかの形で取り組みを進めています。
HR総研の調査によると、健康経営に関して「実践している」と回答した企業は44%・さらに「導入を準備中・検討中」と回答した企業は20%でした。半数を超える64%の企業が健康経営の取り組みを進めている現状が明らかとなっています。
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出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
さらに、企業規模別で「実践している」「導入を準備中・検討中」を合わせた数字を見てみると、1,001名以上の企業が80%ともっとも多い結果となりました。
続いて、301〜1,000名が58%・300名以下が56%と、企業規模が大きいほど健康経営へ積極的に取り組んでいることが分かります。

出典:ProFuture株式会社/HR総研|「ウェルビーイングと健康経営」に関するアンケート【健康経営編】 結果報告
ウェルビーイング経営のメリット
ウェルビーイング経営は、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。ここでは、それぞれが得られるメリットについて詳しく紹介します。
企業が得られるメリット
| ●従業員のモチベーション・パフォーマンス向上 ●生産性向上 ●優秀な人材の採用・定着 ●企業価値向上 |
ウェルビーイング経営は、従業員の心身の健康を支援する取り組みです。この取り組みを推進する中で、従業員の仕事に対するモチベーションやパフォーマンスの向上、ひいては企業としての業績向上も期待できます。
また、ウェルビーイング経営を推進する企業は、従業員にとって働きやすい環境が整った企業です。これは求職者にとって大きな魅力となることから、優秀な人材の採用・定着にもつながります。人手不足が社会的な課題となる中で、これは大きなメリットです。
さらに、社会的責任(CSR)やESG(環境・社会・ガバナンス)への関心が高まる中、ウェルビーイングの推進は従業員の幸福を追求する企業姿勢のアピールとなり、投資家や取引先からの評価を高める要素にもなります。ウェルビーイング経営の実践を通じて、「働きがいのある企業」としての認知を広げ、長期的な企業価値の向上を目指すことができるのです。
関連記事:ウェルビーイングとは?健康経営との違いや経営上の役割を徹底解説!
従業員が得られるメリット
| ●ワークライフバランスの実現 ●ストレス軽減 ●キャリア形成サポート ●健康維持 |
ウェルビーイング経営は、従業員の働きやすさをサポートし、ワークライフバランスの向上に寄与する施策です。
たとえば、リモートワークやフレックスタイム制度の導入は、従業員が自身のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境を提供します。育児や介護などのライフイベントに柔軟に対応できることで、仕事とプライベートの両立がしやすくなり、ストレスの軽減にもつながります。
また、ウェルビーイング経営の施策のひとつとして提供されるスキルアップ支援やキャリア形成サポートは、個々のキャリア成長を促進し、働きがいの向上につながる施策です。さらに、健康促進施策の充実も、従業員のオンとオフをともに支える重要なメリットです。
ウェルビーイング経営の具体的な取り組み方
ウェルビーイング経営の成功には、経営層の理解と、従業員の視点に立った施策の展開が必要です。ここでは、企業がウェルビーイング経営に取り組むにあたり、実践したい取り組みを紹介します。
経営層の意識改革と全社的な推進
ウェルビーイング経営を成功させるには、まず経営層が「従業員の幸福度向上が企業の持続的成長につながる」という認識を持つことが必要です。
その上で、管理職への研修実施や推進体制の整備、施策の効果測定など、組織的な展開が求められます。
ウェルビーイングに関連する施策を「経営戦略」として位置づけ、人事部門だけでなく全社を挙げて取り組むことで、より大きな効果が期待できます。
労働環境の整備と柔軟な働き方の推進
ウェルビーイング経営を実現するには、従業員が心身ともに健康に働ける環境を整えることが欠かせません。労働環境の整備と柔軟な働き方の推進は、ウェルビーイングの根幹をなす重要な要素です。
職場環境の改善としては、まずオフィスの快適性の向上が挙げられます。適切な照明・空調の調整・リラックススペースの設置・集中力を高めるための防音設備の導入など、従業員が快適に働ける環境づくりを進めましょう。
また、独自の休暇制度や短時間勤務制度の導入も、従業員のワークライフバランスを支える重要な施策です。業務の属人化を避けるための仕組みづくりや、業務量の適正配分を行うことで、過重労働の防止効果も期待できます。
こうした労働環境の整備と柔軟な働き方を導入することで、従業員の負担が軽減され、より健康的で持続可能な働き方を実現できます。
福利厚生制度の充実
福利厚生制度は、従業員の健康と幸福をサポートする重要な要素です。ウェルビーイング経営を推進する具体的な福利厚生としては、以下のようなものが挙げられます。
- 健康診断
- オンライン診療
- ジム利用料の補助
- 家事代行サービスの補助
- 食事補助
福利厚生の導入にあたっては、従業員の声を取り入れながら、自社の状況に合った施策を選択することが大切です。
関連記事:【健康経営を叶える福利厚生11選】福利厚生の種類や健康経営に役立つ福利厚生サービスとは?
福利厚生の食事補助サービス「チケットレストラン」の導入事例
ウェルビーイング経営の実践に効果的な施策として注目されている食事補助の福利厚生ですが、中でも日本一の実績をもつ食事補助の福利厚生サービスが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。
「チケットレストラン」は、一定の条件下で加盟店25万店舗以上での食事を実質半額で利用できるサービスで、その利便性の高さからすでに4000社以上を超える企業に導入されています。
たとえば、情報通信企業の「鈴木商店」では、フルリモート環境下での福利厚生の充実策として「チケットレストラン」を導入しました。
導入の目的は、健康経営優良法人の認定要件である「食生活改善」への対応と、全従業員が平等に利用できる福利厚生の実現でした。「チケットレストラン」導入後、朝食を毎日摂取する従業員が40%から48%に増加し、健康を意識したドリンクの購入も68%から78%に上昇したそうです。
2023年と2024年には、念願だった健康経営優良法人の認定も取得しています。
参考:https://www.suzukishouten.co.jp/
導入事例:鈴木商店様
チケットレストランの導入をはじめとする施策により心身の健康状態を向上させた企業様事例:株式会社sumarch様
関連記事:福利厚生に迷ったら「チケット型食事補助」|仕組みやメリットを徹底解説!
日本企業のウェルビーイング成功事例
では、実際にウェルビーイング経営を実践するには、どのような取り組みを進めるのが正解なのでしょうか。ここでは、日本企業20社のウェルビーイング成功事例を紹介します。
楽天グループ株式会社
楽天グループは、「従業員と共に成長」を重点分野のひとつに掲げ、ウェルビーイングの実現を重視した経営を推進しています。
「グローバルイノベーションカンパニー」であり続けるためには、優秀な人材を惹きつけ、潜在能力の発揮を後押しする環境づくりが不可欠との考えのもと、従業員の安全・ダイバーシティ・公平性の確保・インクルージョンと帰属意識の向上に取り組んでいます。
2021年には、CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設立し、ESG戦略の意思決定を行う体制を構築しました。
ウェルビーイング度やエンゲージメント度などの指標も設定し、従業員一人ひとりが日々の業務で個性を発揮できる職場環境の実現を目指しています。
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車は、「トヨタで働くすべての人が心身共に健康で、安全な環境の下、生き生き活躍し続ける職場づくり」を掲げています。
2017年に発表した「トヨタ自動車 健康宣言」では、経営トップ自らが「健康第一の会社を目指す」と宣言し、「相互啓発型健康・安全文化の定着と深化」をグローバルに展開。生き生き元気で安全感性の豊かな人づくりに取り組んでいます。
また、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、性別・年齢・国籍などにかかわらず、一人ひとりが最大限の能力を発揮できる環境を整備しているのも大きな特徴です。
育児・介護との両立支援、LGBTQ+への理解促進など、多様な人材が活躍できる職場づくりを積極的に進めています。
参考:トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト|健康・安全衛生 | ESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく取り組み|サステナビリティ
参考:トヨタ自動車株式会社|ダイバーシティ&インクルージョン|トヨタの環境|採用情報
日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルドは、「働きがいをすべての人に」をビジョンに掲げ、サステナビリティの一環として従業員の健康と幸福を重視した取り組みを展開しています。
同社は多様な人材が活躍できるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進し、誰もが自分らしく働きながら成長できる職場環境の実現を目指しています。
具体的な成果として、従業員エンゲージメント90.1%・育児休業取得後の復帰率100%・男性の育児休業取得率61.5%を達成。年間約14,657人(2024年12月末時点)のハンバーガー大学での研修受講など、キャリア開発を支援しています。
外食産業の特性を踏まえた柔軟な働き方と充実した育成プログラムにより、従業員のウェルビーイング向上を実現しています。
日清食品ホールディングス株式会社
日清食品ホールディングスは、2018年8月に「日清食品グループ健康経営宣言」を策定し、「美健賢食-美しく健康な体は賢い食生活から-」をスローガンに掲げています。
同社では、健康経営戦略マップに基づき、ウェルビーイングとプレゼンティーイズムの向上を重視した施策を展開。具体的には、慶應義塾大学との共同研究によるプレゼンティーイズムの可視化や、Apple Watchを活用した運動による心理的不安軽減の実証、さらに有酸素運動と「脳年齢」の若返りの関係性を検証する独自企画 など、科学的エビデンスに基づく先進的な取り組みを実施しています。
また、女性の健康課題に特化した選択型プログラム「Plus One Option」の提供など、包括的な支援も行っています
2024年には「日清食品グループ健康保険組合」を設立し、従業員とその家族の健康医療情報を活用したコラボヘルスを推進。食品メーカーとしての専門性を活かした包括的な健康支援を行っています。
積水ハウス株式会社
積水ハウスは、"「わが家」を世界一幸せな場所にする"というビジョンの実現に向け、従業員の幸せを追求する姿勢を明確にしています。
2020年11月から約27,000名の全従業員を対象に、「幸せ度調査」を実施。従業員と職場の幸せを多面的に計測し、相関を分析する日本企業初の取り組みを進めています。
これにより、5回の調査結果において従業員の「幸福度診断Well-Being Circle」総合値は一般平均より毎年高く、5年連続で増加傾向です。
調査結果をもとに対話やワークショップを実施し、心理的安全性の高い職場風土づくりを推進。一人ひとりが主体的に幸せになるための行動につなげています。
参考:積水ハウス|従業員の幸せ度調査 | 多様な働き方の推進 | ダイバーシティ&インクルージョン
パナソニック コネクト株式会社
パナソニック コネクトは、「DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」を経営戦略の柱の一つとして位置づけ、心身共に健全に働くための環境作りに注力しています。
同社は「人権の尊重」と「企業競争力の向上」を根幹として、一人ひとりが活き活きと働きながら自分らしさを生かし、能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進。健康経営の実践によって組織全体のワーク・エンゲージメント向上を図り、経済産業省が認定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」において5年連続で「ホワイト500」の認定を取得しています。
社員の心身の健康と安全衛生を自律的なキャリア形成とパフォーマンス向上の基盤と捉え、包括的な取り組みを展開しています。
参考:ウェルビーイング 取り組み事例:心身共に健全に働くための環境作り
味の素株式会社
味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を志(パーパス)として掲げ、2030年までに10億人の健康寿命を延伸することを目指しています。
同社は、従業員やその家族の身体的・精神的な健康、経済的な豊かさの向上が人財資産の基盤であると位置づけ、「味の素グループで働いていると、自然に健康になる」を目指す姿として、セルフ・ケアの観点から社員の「こころとからだの健康」を維持・増進できる環境づくりを推進。
社内外のパートナーと一体となってウェルビーイング向上につながるさまざまなサポートを提供し、社員がイキイキと働きイノベーションを創造できる基盤を整備しています。
参考:味の素株式会社|健康経営|Well-beingについての取り組み|多様性(DE&I)についての取り組み|味の素グループの人財戦略
株式会社アシックス
アシックスは、創業哲学「Sound Mind, Sound Body(健全な身体に健全な精神があれかし)」を体現すべく、従業員とその家族のウェルビーイングをもっとも大切な要素と位置づけています。
同社は2018年から「ASICS Well-being Report」を毎年発行し、健康経営の進捗を公開。2023年度は「従業員一人ひとりのヘルスリテラシーの向上と定着」を方針に、①健康管理・増進体制の拡充②ヘルスリテラシーの向上支援③生活習慣の改善支援④メンタルヘルス対応の強化⑤多様な人財が活用できる職場環境の5つを重点項目として推進しています。
その結果、「自身のパフォーマンスが80%以上発揮できている」と回答した従業員が43.1%から44.6%に増加するなど、着実な成果を上げています。
サントリーグループ
サントリーグループは、「従業員・家族の健康がサントリーグループの挑戦・革新の源である」という考えのもと、すべての従業員が心身ともに健康でやる気に満ちて働いている状態を目指しています。
2016年に「健康経営宣言」を掲げると、Global Chief Health Officer(健康管理最高責任者)が中心となり、健康保険組合や労働組合と連携しながら多様な取り組みを推進。経営層との協議会・健康管理推進委員会・グループ会社人事担当者会議など、複数の健康会議を定期的に開催し、従業員の健康状態や施策の状況を確認・改善する体制を整備しています。
また、生産研究部門では労働災害ゼロを最優先課題とし、安全意識の向上と設備面・作業面のリスク低減活動を継続しています。
参考:健康経営 / 労働安全衛生 サントリーグループのサステナビリティ サントリー
花王株式会社
花王グループは「花王グループ健康宣言」を掲げ、すこやかでこころ豊かな暮らしの実現を目指しています。
同社は、社内外の健康基礎情報の解析とヘルスケア知見から生まれた商品やヘルスケアソリューションを自社の健康経営に取り入れ、社員と家族が参画する実践型の健康づくり活動を推進。
「生活者とともに」「地域・職域とともに」「社員・家族とともに」の3つの柱で取り組みを展開し、自社の優良事例を積極的に公開することで、広く社会への貢献を図っています。
健康経営優良法人の認定も取得し、心とからだの健康づくりに注力しています。
ANAホールディングス株式会社
ANAグループは、2016年4月に「ANAグループ健康経営」を宣言。「社員の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりは企業活動の基盤である」との考えのもと、健康管理・疾病予防・メンタルヘルス・安全衛生活動の4つを重点テーマに推進しています。
グループ健康経営推進責任者として役員を「チーフウェルネスオフィサー(CWO)」に任命し、社員・健康保険組合・会社が三位一体となって取り組む体制を構築。全国8カ所にグループ健康管理室を設置し、2030年3月末までに「喫煙率」「メタボ該当率」「BMI適正比率」「身体愁訴該当率」の4項目で目標達成を目指しています。
健康経営銘柄に複数回選定されるなど、外部からも高い評価を得ています。
株式会社丸井グループ
丸井グループは、1962年の健康保険組合設立以来、60年以上にわたり健康経営を推進。2014年にウェルビーイング推進部を新設し、産業医が部長に就任することで「Well-being経営」を本格展開しています。
2016年に発足した「Well-being経営推進プロジェクト」は公募制で、社員自らが企画・実践する点が特徴。「病気にならないこと(基盤)」だけでなく「今よりもっと活力高く、しあわせになること(活力)」を重視し、「活力×基盤のWell-being経営」を推進しています。
「2050年『わたし、健康!』と言える人を100%にする」をビジョンに掲げ、2018年からは健康経営銘柄に複数回選定されるなど高い評価を獲得しています。
参考:株式会社 丸井グループ MARUI GROUP CO., LTD.|丸井グループの健康経営|サステナビリティ
参考:けんぽれん[健康保険組合連合会]|株式会社丸井グループ|企業・健保訪問シリーズ|健康コラム
SCSK株式会社
SCSKは、2011年の経営統合時に掲げた経営理念「夢ある未来を、共に創る」の実現に向け、「人を大切にします」を第一の約束として健康経営を推進しています。
2015年に「健康経営の理念」を就業規則に明文化し、「社員一人ひとりの健康は、個々人やその家族の幸せと事業の発展の礎である」と位置づけました。
また、「健康リテラシー」「健康増進」「健康管理」「安心感・リスク対応」の4つの施策を中心に、「健康わくわくマイレージ」などのインセンティブ制度を導入。健康経営銘柄に11年連続選定(国内唯一)、健康経営優良法人ホワイト500に9年連続認定されるなど、業界を牽引する取り組みを継続しています。
ロート製薬株式会社
ロート製薬株式会社は、2014年に日本初となるCHO(最高健康責任者)を副社長に任命し、健康経営を推進しています。
2018年には「健康経営宣言」を制定し、2030年に向けて心身の健康のベースとなる12の指標を掲げて取り組んでいます。
特徴的な施策として、2019年から社内通貨「ARUCO」を導入。日々の歩数や運動、非喫煙といった健康的な生活習慣に応じてコインを付与し、社内レストラン・カフェやECサイトで利用でき、特別休暇の取得にも使える仕組みです。
こうした取り組みが評価され、2025年には「健康経営銘柄」に10年ぶり2度目の選定、「健康経営優良法人ホワイト500」には5年連続8度目の認定を受けています。
カゴメ株式会社
カゴメ株式会社は、2017年に「カゴメ健康経営宣言」および「カゴメ健康7ヶ条」を制定し、従業員の健康管理・健康増進に取り組んでいます。
2023年の企業方針には「健康経営の強化」を重点課題として追加しました。専任組織「健康経営推進室」が中心となり、カゴメ健康保険組合・各事業所の三位一体で健康施策を検討・実施する体制を構築。「カゴメ健康会議」「コラボヘルス推進会議」「健康推進委員会」を定期開催し、全社の健康課題を共有しています。
2017年からは「カゴメ健康レポート」を毎年発刊し、従業員の健康リテラシー向上に努めています。これらの取り組みが評価され、DBJ健康経営格付で最高ランクを5回連続取得し、健康経営優良法人2024(ホワイト500)にも認定されています。
リコージャパン株式会社
リコージャパン株式会社は、2019年度に「リコーグループ健康宣言」を制定し、「健康経営戦略マップ」で経営課題・社員の健康問題・解決施策を見える化して推進しています。
2006年から産業医・保健師の常勤化に着手し、2012年度にはリコー三愛グループ健康保険組合と連携して全国をカバーする産業保健体制を構築しました。全国約350拠点に産業保健スタッフを配置し、きめ細やかな健康サポートを提供しています。
2015年からは敷地内・就業時間内の全面禁煙を実施。2021年度には健康管理に関するグループ共通システムを刷新しました。これらの取り組みが評価され、健康経営優良法人(大規模法人部門)に8年連続で認定されています。
参考:リコーグループ 企業・IRサイト|健康経営|リコージャパン企業情報
参考:リコーグループ 企業・IR|リコー|「健康経営優良法人2024 ホワイト500」にリコーグループ2社が認定
ユニリーバ・ジャパン株式会社
ユニリーバ・ジャパン株式会社は、2016年7月から働く場所や時間を社員が自由に選べる新しい働き方「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」を導入しています。
上司に申請して業務上の支障がなければ、理由を問わず会社以外の場所で仕事ができ、平日5時から22時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決められます。
制度導入から10カ月後の社員アンケートでは、回答者の92%が一度でもWAAを実施しており、75%が「生産性が上がった」、33%が「幸福度が上がった」と回答。2019年には自治体と連携した「地域deWAA」も開始し、ワーケーションを通じた地域貢献活動にも取り組んでいます。
参考: Unilever|WAAについて
LINEヤフー株式会社
LINEヤフー株式会社は、「働く人の最高のコンディションが、働く人の最大のパフォーマンスにつながり、働く人とその家族の幸せにつながる」という健康経営の理念を就業規則に明記し、代表取締役社長CEOによる健康宣言のもと、健康経営を推進しています。
YG健康保険組合とグッドコンディションサポート部が連携し、生活習慣病やメンタルヘルスの予防対策を実施。ウォーキングの目標歩数達成と月1回の体重計測で翌月給与にインセンティブが支給される「グッドコンディションボーナス」を導入し、約6割の従業員が参加しています。
2025年には「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に9年連続で認定されました。
参考:LINEヤフー株式会社|DE&I、働き方、Well-being
参考:LINEヤフー株式会社|「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に9年連続で認定
カルビー株式会社
カルビー株式会社は、企業の成長には従業員とその家族の健康が不可欠との考えから、2016年より健康経営に本格的に着手しています。
健康推進部門を中心に、上司・職場、事業所担当者、産業医・産業保健師、カルビー健康保険組合が連携し、従業員一人ひとりがイキイキと活躍するための仕組みづくりを推進。2020年7月には「Calbee New Workstyle」として、モバイルワークの標準化とフルフレックスタイム制を導入しました。
2025年からは「カルビーハイブリッドワーク」へと進化し、モバイルワークと出社を自律的に組み合わせることで、労働時間の適正化と充実したライフ&ワークの実現を推進しています。
ソニーグループ
ソニーグループは、働くすべての人が心身ともに健康で、いきいきと活躍し続けられる職場の創出を目指しています。
製造基幹会社であるソニーセミコンダクタマニュファクチャリングでは、社長が責任者を務め、産業医やソニー健康保険組合と連携した推進体制を構築。2025年3月には「健康経営優良法人」に認定されました。
同社では、婦人科専門の産業医による相談窓口の設置や、2023年からの敷地内全面禁煙、家族も参加可能な「オールソニー歩きing」の開催など、不調の未然防止から健康増進まで多角的な施策を展開しています。
参考:ソニーセミコンダクタソリューションズグループ|安全衛生・健康|グループ情報
参考:ソニー健康保険組合|オールソニー歩きing大会|健康づくり
ウェルビーイング経営の重要性と今後の展望
従業員の健康と幸福を重視するウェルビーイング経営は、いまや企業の持続的成長に欠かせない経営戦略となっています。
導入にあたっては、大規模な投資や劇的な組織改革は必要ありません。「チケットレストラン」をはじめとする食事補助などの具体的な福利厚生から始め、段階的に取り組みを広げていくことで、着実な成果が期待できます。
健康経営との連携も視野に入れながら、企業全体で従業員の幸福度向上に取り組むことが、これからの企業経営には求められているといえそうです。
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