カフェテリアプランの課税は「2段階」で決まる
カフェテリアプランの課税・非課税判定には、順番があります。まず制度全体が「福利厚生」として成立しているかを確認し、その後にメニューごとの判定に進む、2段階の構造です。
国税庁の照会回答(所得税基本通達36-29)でも、「ポイントの付与時ではなく、従業員がそのポイントを利用してサービスを受けたときに、そのサービスの内容によって課税・非課税を判断する」と示されています。
出典:国税庁|カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合
第1段階の要件を満たさない場合、すべてのメニューが課税対象になります。
第1段階:制度全体が「福利厚生」として認められるか
第1段階では、次の2つの要件を満たしているかを確認します。どちらか1つでも欠けると、メニューの内容に関わらず全メニューが課税対象です。
要件①:ポイントが全従業員に均等に付与されていること
役員・従業員の職務上の地位や報酬額に比例してポイントを付与している場合、カフェテリアプラン全体が課税対象になります。
例えば、職位に連動した設計や、「基本給の10%をポイントにする」という報酬連動の設計は認められません。
ただし、以下のような加算は認められています。
- 勤続年数に応じた加算(永年勤続の表彰的な意味合い)
- 扶養家族数に応じた加算
役職や給与に比例しない形で設計することが前提です。
要件②:ポイントに換金性がないこと
ポイントを現金に換えられるカフェテリアプランは、そのすべてが課税対象です。「現物給付の形で支給されるもの」でなければ、福利厚生として認められません。
具体的に認められない例は次の通りです。
- 使い残したポイントを現金で支給する
- 福利厚生サービスを利用していないのに、ポイント相当額を申請できる
出典:国税庁|カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合
第2段階:メニューごとに課税・非課税を判定する
第1段階の2要件をクリアしてはじめて、メニューごとの判定に進みます。カフェテリアプランのメニューには非課税・課税が混在しているため、メニューごとに判定が必要です。
関連記事:カフェテリアプランとは?メリット・デメリットと費用をわかりやすく説明
非課税になるカフェテリアプランメニュー例
非課税扱いとなるメニューを見ていきます。
医療費補助
従業員本人・家族の治療費補助は非課税です。医療費控除の対象となる費用が範囲になります。
- 病院での治療費
- 市販薬
- 通院交通費
- 妊娠・出産に伴う検査費用
介護費補助
病気・怪我が原因で要介護状態になった際の費用補助は非課税です。介護保険の自己負担額や、保険適用外の介護サービス費用も対象になります。
疾病予防費補助(本人のみ)
人間ドックや予防接種などの疾病予防メニューは非課税ですが、対象は従業員本人のみです。
家族の人間ドック費用等は非課税対象外になります。
ただし、カフェテリアプランのメニューとして申請すること自体は可能で、その場合は課税扱いとして給与に算入されます。「申請できる=非課税」ではない点に注意が必要です。
食事補助メニュー
所定額以内の昼食費補助は非課税になります(所得税基本通達36-38-2)。非課税にするための要件は2つです。
- 従業員から実際に徴収している対価の額が、当該食事の価額の50%相当額以上であること。
- 当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円(税別)」以下であること。
2026年に食事補助の非課税上限が引き上げ予定
「令和8年度税制改正の大綱」では、非課税上限額を月額3,500円(税別) から7,500円(税別)に引き上げることが盛り込まれています。国税庁のページでも、令和8年4月1日以降に支給される食事について、引き上げ後の上限を適用する予定と明示しています。
出典:
財務省|令和8年度税制改正の大綱
国税庁|食事の現物支給等に係る所得税の非課税限度額の引上げについて
関連記事:
【税理士監修】食事補助の非課税上限が7500円へ!給与にしないための非課税の条件を解説
食事補助非課税枠上限アップについて
在宅勤務関連費用
在宅勤務に必要な物品の購入は非課税です。モニター、椅子、データ通信費、電気代(在宅勤務分のみ)などが対象になります。
勤続表彰(永年勤続)
一定の勤続年数に達した従業員への表彰ポイントは、所得税基本通達36-21の要件を満たせば非課税になります。おおむね10年以上の勤続者を対象とし、社会通念上相当な金額であることが要件です。
出典:国税庁|〔給与等に係る経済的利益〕
課税対象になるカフェテリアプランメニュー例
続いて、課税対象になるカフェテリアメニューを見ていきましょう。
リフレッシュ・レジャー系メニュー
リフレッシュ・レジャー関連のメニュー(旅行費用、レジャー用品、映画・スポーツ観戦チケットなど)は課税対象です。
国税庁の照会回答では、「使用者が企画・立案したレクリエーション行事のように従業員等に対して一律にサービスが供与されるものではなく、ポイントを利用する従業員等に限り供与されるもの」は、個人の趣味・娯楽の費用補填とみなされ、給与課税されると示されています。
出典:国税庁|カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合
自社製品の割引購入
カフェテリアプランのポイントを使って自社製品を割引購入した場合、そのポイント利用相当額が課税対象となります。
ただし、値引き販売が以下の要件をすべて満たしている場合は、非課税として扱えます(所得税基本通達36-23)。
- 販売価額が取得価額以上で、通常の販売価額の70%以上であること
- 値引き率が全従業員に対して一律または合理的な基準で設定されていること
- 購入数量が一般的な家事消費の範囲内であること
要件を満たさない場合(通常販売価額の70%未満での販売など)は、ポイント利用相当額ではなく経済的利益の全額が課税対象となる点に注意が必要です。
参考:国税庁|給与等に係る経済的利益
家族の人間ドック利用補助
従業員本人は非課税ですが、家族の人間ドック利用補助は課税対象となります。
課税対象メニューの給与明細・源泉徴収への影響
課税対象のメニューを利用した場合、そのポイント相当額は給与として扱われます。給与明細に反映され、源泉徴収の対象です。誤って非課税扱いで処理すると源泉所得税の徴収漏れとなり、不納付加算税が発生します。税務署指摘で10%、自己申告で5%です。
課税対象メニューを使うと実際いくら負担が増えるか
課税対象メニューを利用すると、その分が給与に上乗せされて税金(所得税・住民税)が計算されます。
例えば、月給35万円の人が1万円分の課税メニューを利用した場合、給与は36万円として扱われ、増えた1万円に対して税金がかかり、毎月の手取りがその分減ります。
月1万円分の課税メニューを利用した場合、税負担の目安(年収500万円前後・所得税率20%のケース)は以下の通りです。
| 項目 |
金額 |
| 課税対象となるポイント利用額 |
10,000円 |
| 所得税(税率20%の場合) |
約2,000円 |
| 住民税(税率10%) |
約1,000円 |
| 負担が増える目安 |
約3,000円 |
※社会保険料の計算基礎にも影響する場合があります。また、税率は年収により異なります。
つまり「1万円分のポイントを使っても、手取りの増加は約7,000円」という計算です。
課税メニューの利用は手取りに影響する可能性がありますが、メニューの内容と自己負担額のバランスが重要です。非課税メニューと組み合わせて設計することで、従業員の実質的な手取り増加につながります。
食事補助なら「チケットレストラン」という選択肢
「チケットレストラン」は、食事補助の非課税枠を活用したサービスです。企業負担分を非課税の範囲内に設定できるため、従業員は税負担なく手取りを増やせます。
雇用形態や勤務地を問わず全従業員が公平に利用でき、カフェテリアプランメニューの一つとして組み込む形での導入も可能です(導入事例:三菱鉛筆株式会社様)。店舗利用時に申請・精算が不要なため運用の手間もかかりません。
「チケットレストランの食事補助」は約20項目で構成されるカフェテリアプランの中でも最も重要な福利厚生の一つとして位置付けている
引用元:三菱鉛筆株式会社様導入事例
令和8年度中には非課税上限が7,500円に引き上げられる予定で、活用できる補助額の幅がさらに広がります。
関連記事:【チケットレストラン完全ガイド】メリット・コスト・導入事例まで徹底解説
カフェテリアプランは課税・非課税のバランスが大切
カフェテリアプランの課税・非課税判定は、制度設計とメニュー選定の2段階で決まります。ポイントが役職・報酬に連動していないこと、換金性がないことを押さえたうえで、メニューごとの判断を経理担当者と確認しておくことが導入後のスムーズな運用につながります。
食事補助の非課税枠を活かせるカフェテリアメニューとして、食の福利厚生サービス「チケットレストラン」も検討してみてください。
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