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【社労士監修】企業型確定拠出年金とは?2024年12月からの変更を確認

【社労士監修】企業型確定拠出年金とは?2024年12月からの変更を確認

2024.08.07

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

企業型確定拠出年金とは、企業が拠出した掛金を従業員が自ら選んだ商品で運用する制度のことです。2024年12月からは拠出金限度額が変更になることも決まっています。これから導入を検討している企業や、12月からの変更に伴い拠出金を見直そうと計画している企業に役立つよう、企業型確定拠出年金について見ていきましょう。

企業型確定拠出年金とは

企業型確定拠出年金とは、企業が毎月掛金を積み立てていき、従業員が積み立てられた掛金の運用を行う制度です。企業型DCともいわれています。

日本の年金制度は全国民が加入する国民年金を1階部分としており、企業で働く従業員にはその上乗せ分として、2階部分の厚生年金があります。確定拠出年金はさらにその上の3階建て部分にあたる年金です。

加入対象者

企業型確定拠出年金へ加入できるのは、制度を導入している企業で働く従業員です。

制度を導入していない企業で働く従業員は利用できません。この場合に年金の上乗せをするときには、従業員が個人型確定拠出年金(iDeCo)へ加入することとなります。

拠出限度額

2024年7月時点の企業型確定拠出年金の拠出限度額は月5万5,000円です。ただし企業型確定拠出年金に加えて確定給付型企業年金を設けている企業では、拠出限度額は月2万7,500円となります。企業 型 確定 拠出 年金_1

出典:厚生労働省|確定拠出年金の拠出限度額

企業型確定拠出年金を導入している企業の中には、従業員が掛金を上乗せできるマッチング拠出を導入しているケースもあります。マッチング拠出の限度額は、企業の拠出額を超えず、企業の拠出額とマッチング拠出の合計額が拠出限度額を超えない範囲です。

例えば確定給付型企業年金を設けていない企業で、企業型確定拠出年金の掛金を月3万円拠出している場合、マッチング拠出の限度額は2万5,000円となります。

運用商品

拠出金を運用する商品は従業員が選びます。運用商品は金融機関といった運営管理機関が3以上35以下の選択肢を提示することになっており、従業員がこの中から選ぶ仕組みです。

運用商品は大きく分けて元本確保型と価格変動型の2種類に分類できます。元本確保型は定期預金と保険です。元本割れのリスクはありませんが、金利が低いときには年金資産を増やしにくいのがデメリットといえます。

価格変動型の運用商品で代表的な投資信託です。運用の仕方次第では資産を大きく増やせますが、タイミングによっては元本割れのリスクもあります。

運用商品は複数を選べるため、組み合わせてバランスを取るとよいでしょう。またスイッチングといって、今保有している運用商品を売却して別の運用商品に切り替えることも可能です。

この仕組みを利用すると、20~40代の間は価格変動型の運用商品で積極的な運用を行い、50代からは元本確保型の運用商品へスイッチングして、年金資産が減少するリスクを抑えるといった運用方法もあります。

給付の種類や要件

企業型確定拠出年金の給付は老齢給付金・障害給付金・死亡一時金・脱退一時金の4種類です。それぞれの受け取り方や受給要件を見ていきましょう。

老齢給付金の受け取り方は、5年以上20年以下の有期年金・終身年金・規約の規定がある場合には一時金の3種類です。受給開始年齢は原則60歳ですが、通算加入者等期間が10年未満の場合には段階的に引き上げられます。

障害給付金の受け取り方も老齢給付金と同じ3種類です。75歳に到達する前に傷病による障害が一定以上になり、その状態で1年6ヶ月を経過すると受給できます。

死亡一時金は、加入者の死亡時に遺族が資金残高を一時金として受給できる仕組みです。脱退一時金は一定の要件を満たす場合にのみ例外的に受給できます。

企業型確定拠出年金の特徴

従業員の年金を充実させられる企業型確定拠出年金は、給付額が運用次第である点と、確定拠出年金制度間で持ち運べる点が特徴です。ここではそれぞれの詳細を解説します。

給付額は運用の結果で決まる

企業型確定拠出年金で決まっているのは企業が毎月積み立てる拠出金の金額です。給付額は従業員の運用次第で変わります。

積極的な運用で拠出された年金資金を増やすこともできますし、タイミングによっては運用商品の価格が下がり年金資金が元本割れするかもしれません。

元本割れしない商品での運用もできますが、給付までに物価が上がれば、相対的に年金資産の価値が下がることも考えられるでしょう。

給付額は従業員の自己責任となる制度です。従業員には運用商品の特徴を理解した上で、自らの方針に合わせた資産運用を行うことが求められます。

確定拠出年金制度間で資産を持ち運びできる

企業型確定拠出年金は制度を導入している企業の従業員が加入できる制度です。転職前の職場で企業型確定拠出年金に加入していた人材を採用する場合、自社に企業型確定拠出年金があるなら、積み立てた年金資産を持ち運べます。

自社に企業型確定拠出年金があれば、他にも確定給付型企業年金・iDeCo・通算企業年金・中小企業退職金共済の持ち運びが可能です。

これまでに積み立てた掛金を無駄にすることがありません。転職前の勤務先でこれらの制度に加入していた人材であれば、企業型確定拠出年金の制度があることに魅力を感じて入社を決めることも考えられます。

企業型確定拠出年金で従業員が受けられる税制優遇

企業型確定拠出年金を利用すると、従業員は3つの税制優遇を受けられます。どのような優遇制度があるのかを見ていきましょう。

掛金が非課税

企業型確定拠出年金の掛金は非課税です。同額を給与として従業員へ支給すると、その分税金や社会保険料の負担が増えて手取り額が少なくなりますが、企業型確定拠出年金の掛金として拠出する場合にはそれらの負担が増えません。

同額の賃上げを行い従業員が自ら資産運用で老後資金を作ることも可能です。ただし運用益が同程度であっても、税金や社会保険の負担がない分、企業型確定拠出年金の方が従業員にとってお得と考えられます。

運用益が非課税

通常であれば金融商品による資産運用で得た資産には税金が課されます。ただし企業型確定拠出年金で運用すれば、利益が出ても課税されません。運用が順調で大きな利益が出たとしても、税負担が増えないメリットがあります。

給付時の各種控除

給付を受けるときには控除による税制優遇が受けられます。例えば老齢給付金の場合は一時金で受け取るときには退職所得として扱われるため退職所得控除の対象ですし、年金として受け取るときには雑所得として公的年金等控除の対象です。

控除により給付時に課される税額を抑えられます。

確定給付型企業年金についても解説

企業が掛金を拠出する年金の一種として、確定給付型企業年金(DB)についても解説します。企業型確定拠出年金とはどのような点が違うのでしょうか?

資産運用の責任を負うのは企業

企業型確定拠出年金では、企業が行うのは掛金の拠出のみで、運用の責任は従業員が負います。一方、確定給付型企業年金は、企業が掛金の拠出から給付まで責任を負う制度です。

従業員にとっては定年退職後の安定収入につながりやすいメリットの大きな制度ですが、企業にとっては負担が大きくなりやすい制度でもあります。

規約型と基金型の2種類

確定給付型企業年金は規約型と基金型の2種類です。

規約型では、企業が契約した生命保険会社や信託会社が、企業が拠出した掛金を管理・運用して年金給付を行います。一方、基金型は、企業が設立した企業年金基金で掛金を管理・運用し、給付を行う仕組みです。

またどちらの確定給付型企業年金であっても、運用状況の開示は必ず行わなければいけません。

企業の業績によっては給付減額の可能性

確定給付型企業年金は法律で積み立てが義務付けられています。また企業本体とは異なる、生命保険会社・信託会社・企業年金基金で運用するよう定められており、万が一企業が倒産しても、従業員の受給権が保護される仕組みです。

ただし企業の業績が大幅に悪化した場合や、年金資産の運用状況が悪化した場合には、給付額が減額される可能性もあります。

2024年12月からの企業型確定拠出年金の変更点

企業型確定拠出年金は2024年12月から掛金の上限額が変わります。この変更の対象となるのは、確定給付型企業年金を導入している企業です。

現時点では確定給付型企業年金を導入している場合、企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金の掛金上限額は、どちらも一律で2万7,500円と定められています。

これが2024年12月からは、企業型確定拠出年金の掛金は5万5,000円から確定給付型企業年金の掛金を差し引いた金額となります。例えば確定給付型企業年金の掛金が2万円なら、企業型確定拠出年金の掛金上限額は3万5,000円です。

また従業員がiDeCoによる運用も行いたいと考えている場合には、企業型確定拠出年金の掛金上限額から実際の掛金額を差し引いた金額を上限にiDeCoでの運用にも取り組めます。

例えば企業型確定拠出年金の掛金上限額が3万5,000円で、実際の掛金が2万円なら、iDeCoで1万5,000円まで運用可能です。

参考:厚生労働省|制度改正に関するチラシ|企業型DC加入者・事業主向け

企業型確定拠出年金を企業が導入するメリット

企業型確定拠出年金を導入するにはコストがかかります。制度を導入するには現行の制度との調整も必要です。コストと手間のかかる制度を導入するだけのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

退職金に関する心配がなくなる

退職金制度を導入している企業では、従業員を雇用すると退職金の積み立てを始めなければいけません。ただし退職金制度は企業ごとに独自に設けるもので、積み立てする義務がない制度です。

業績が悪化しているときには計画通りに積み立てができず、支給分が不足する可能性もあるでしょう。企業型確定拠出年金であれば、掛金の拠出で退職金の支給と同等の状態になるため、将来の積立金不足を避けられます。

退職給付会計が不要になるのも企業型確定拠出年金のメリットです。退職金制度では退職一時金と退職年金を退職給付債務に計上し、年金資産といった退職給付の原資が少ないときには退職給付引当金を計上しなければいけません。

企業型確定拠出年金であれば掛金を拠出した時点で退職金を支給したのと同じ状態になるため、退職給付会計の必要がなく、退職金関連の債務が発生しないメリットがあります。

掛金を損金算入できる

企業が拠出した企業型確定拠出年金の掛金は、全額を損金算入可能です。損金とは税額を計算するときに、益金から差し引ける金額のことをさします。

例えば法人税は「益金-損金」で課税標準を計算し、税率をかけて税額を算出可能です。損金が多いほど課税標準が低くなるため、税額も低くなります。

人材確保につながる

少子高齢化が進行する中、多くの業種で人手不足の状況となっています。厚生労働省の「労働経済動向調査(令和6年2月)の概況」で業種ごとの人手不足感を見ると、以下のように約半数の業種で人手不足を感じている企業が50%を超えている状況です。

順位

業界

正社員等労働者過不足判断D.I.

1位

学術研究、専門・技術サービ ス業

66%

2位

建設業

65%

3位

情報通信業

62%

4位

医療・福祉

59%

4位

運輸業・郵便業

59%

4位

サービス業(他に分類されないもの)

59%

7位

宿泊業・飲食サービス業

56%

8位

製造業

47%

9位

不動産業・物品賃貸業

46%

10位

生活関連サービス業・娯楽業

46%

11位

金融業・保険業

37%

12位

卸売業・小売業

30%

 

調査産業計

51%

全体に人手不足感が強くなっている中、自社に合う人材を採用するには、待遇の改善が役立ちます。企業型確定拠出年金は、非課税で掛金の拠出を受けられ、運用益は非課税になり、給付を受けるときにも控除があり、従業員にメリットの大きい制度です。

求職者が同程度の給与や仕事内容の他社と入社を迷っている場合には、企業型確定拠出年金が入社の決め手になるかもしれません。今いる従業員が他社への転職を考えて離職することも避けられる可能性があります。

参考:厚生労働省|労働経済動向調査(令和6年2月)の概況

企業型確定拠出年金を企業が導入するデメリット

メリットの多い企業型確定拠出年金ですが、導入にはデメリットもあります。制度の導入を検討しているなら、デメリットも知った上で決定しましょう。

運用にコストがかかる

企業型確定拠出年金を導入すると運用にコストがかかります。掛金は企業が負担するため、その分の資金を用意しなければいけません。

充実した制度にするべく拠出金の上限額まで掛金を出そうとすると、経営を圧迫することもあるでしょう。経営状況や用意できる資金を明確にした上で、適切な金額の設定が必要です。

必要なのは掛金だけではありません。運営管理機関への手数料や、制度構築のためのコンサルティングにかかる費用なども必要です。

全体でいくら費用がかかるのか、それらを確実に用意できるのかを見極めなければいけません。

制度を見直す必要がある

企業型確定拠出年金を導入するときには、今ある退職金制度や給与制度を見直した上で、就業規則を変更する必要があります。どのように変更すれば、従業員にとって不利益にならない制度になるかを検討しましょう。

制度を変更したら従業員への周知も必要です。企業型確定拠出年金がどのような制度なのか、従業員にとってどのようなメリット・デメリットがあるのか、などを正しく理解できるよう説明しましょう。

必要に応じて従業員が企業型確定拠出年金について相談や質問ができるよう、相談窓口や担当者を置くことも重要です。

従業員へ投資教育を行う必要がある

企業型確定拠出年金を導入すると、企業には従業員に投資教育を行う努力義務が発生します。企業型確定拠出年金では、企業が拠出した掛金を従業員が自らの責任で運用するためです。

年金制度や資産運用は専門知識が必要な分野で、正しく判断するには前提となる知識が欠かせません。中にはこれまでに資産運用に取り組んだことのない人もいるでしょう。苦手意識から積極的に調べようとしない従業員もいる可能性があります。

投資教育の実施は義務ではないため実施しなくても罰則はありません。ただし実施すれば、自ら情報収集をせずに拠出金を運用した従業員から、適切な投資教育が行われていなかったことに対する訴えを起こされるといったトラブルを避けられます。

投資教育を行うときには、自社へ講師をよび研修を実施する他、外部セミナーを受講できるよう案内を作成する、資産運用について基礎知識を把握できる資料を配布する、といった方法があります。

企業型確定拠出年金の導入による従業員のデメリット

企業型確定拠出年金は従業員にとってメリットの大きな制度ですが、デメリットもあります。企業が制度を導入するときには、従業員のデメリットも意識して制度設計しましょう。デメリットについて従業員へ説明することも重要です。

ここでは企業型確定拠出年金による従業員のデメリットを3つ紹介します。

原則60歳まで受け取れない

企業型確定拠出年金の給付を受け取れるのは、原則として60歳からです。途中で転職して脱退したとしても、給付金を受け取れるタイミングが原則60歳からという点は変わりません。

積み立てている金額を早いタイミングで現金化したいと考えている従業員にとっては、原則60歳まで受け取れない制度はデメリットに感じるでしょう。

元本割れの可能性がある

企業が拠出した掛金は従業員が運用します。運用の結果に責任を持つのは従業員です。

投資について勉強して運用商品を選んだり、経済状況に応じてスイッチングを行い運用商品を変更したりすることで、掛金を上回る給付を受けられる可能性があります。

その一方で、運用に失敗して元本割れを起こす可能性もゼロではありません。選んだ運用商品の価格が大幅に下がれば、その分受け取れる給付金は減ってしまいます。

選択する運用商品は従業員の自由です。どのような方針で運用するのか、運用できる期間はあと何年あるのかなど、最適な運用の仕方は従業員ごとに異なります。

受け取れる給付額が決まっていないことや、自分の運用次第でより多くの給付金を受け取れる可能性がある半面給付金が減る可能性もあることについて、あらかじめ理解を得られるよう説明することが重要です。

公的年金の受給額に影響を及ぼす

企業型確定拠出年金への加入を従業員が選べるよう、選択性で導入する方法もあります。この場合、公的年金の受給額が減る可能性について説明が必要です。

公的年金のうち厚生年金の受給額は、保険料の納付月数と平均標準報酬額で決まります。報酬額が多いほど年金の受給額も増える仕組みです。

選択性で企業型確定拠出年金を導入すると、企業型確定拠出年金で拠出金を運用する従業員と、拠出金分を給与として受け取る従業員に分かれます。

企業型確定拠出年金を選ぶと、その分の給与が減るため報酬額が少なくなり、老齢厚生年金の受給額が少なくなるでしょう。給与として受け取る方が報酬額が増えるため、将来の厚生年金の受給額が多くなる見込みです。

従業員が適切な選択をできるよう、企業は年金や受給額の仕組みについて解説しなければいけません。

個人型確定拠出年金とは

個人型確定拠出年金とは自分で拠出した掛金を自分で運用する制度のことです。iDeCoともよばれています。企業型確定拠出年金を導入している企業の従業員でも、企業の拠出額が上限に達していなければ加入可能です。

どのような特徴やメリットのある制度なのかを具体的に見ていきましょう。

iDeCoの加入対象者と拠出限度額

iDeCoに加入できる人のうち、自営業者を含む第1号被保険者は月6万8,000円まで、専業主婦(主夫)の第3号被保険者は月2万3,000円まで、掛金を拠出できます。また加入資格を満たす会社員・公務員の拠出限度額は以下の通りです。

加入資格

拠出限度額

勤務先に企業年金がない会社員

月2万3,000円

企業型確定拠出年金のみに加入している会社員

月2万円を上限に5万5,000円から企業掛金を差し引いた金額

企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金に加入している会社員

月1万2,000円を上限に2万7,500円から企業掛金を差し引いた金額

確定給付型企業年金のみに加入している会社員

月1万2,000円

公務員

月1万2,000円

掛金は拠出限度額を上限に月5,000円から1,000円単位で設定できるため、予算に合わせて運用できます。

また2024年12月の制度変更により、企業型確定拠出年金のみに加入している会社員・企業型確定拠出年金と確定給付型企業年金に加入している会社員・確定給付型企業年金のみに加入している会社員の掛金上限額の増額が決定済みです。現行の上限額から、月2万円を上限に「月5万5,000円-(企業型確定拠出年金の掛金額+確定給付型企業年金等の掛金)」で算出される金額に変わります。

受給方法は3種類

iDeCoを受給できるのは原則として60歳からです。60歳までに通算加入期間が10年に満たない場合には、加入期間に応じた受給開始年齢が設定されています。受給方法は以下の3種類です。

受給方法

詳細

一時金

・受給権が発生し75歳までの間に一括で受け取る

年金

・原則として5年以上20年以下の有期年金として受け取る
・受給開始は75歳までの間で選べる
・受給権が発生してから運営管理機関が定める方法で受け取る

一時金と年金の併用

・受給権が発生する年齢になった時点で年金資産の一部を一時金として受け取る
・残りの年金資金を年金として受け取る

運営管理機関によって取り扱っている受給方法は異なります。加入時には受給方法の選択肢も確認した上で、運営管理機関を選ぶとよいでしょう。

3つの税制優遇

iDeCoで掛金を運用すると、掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の税額が軽減されます。また運用益が非課税になるため、運用益を全て再投資可能です。

加えて受給開始のときにも、一時金は退職所得控除の、年金は公的年金等控除の対象になります。

勤務先や働き方が変わっても運用可能

iDeCoは持ち運びができるため、転職しても運用を継続できます。また会社員が独立して個人事業主になるときや、専業主婦(主夫)になるときにも、資産運用を続けられる制度です。

人材確保には他の福利厚生の充実度アップも重要

企業型確定拠出年金は従業員の待遇改善に役立つ制度です。他社と比べて待遇がよいことをアピールできれば、スムーズな採用や今いる従業員の定着につながります。人材確保への対策を行うには、企業型確定拠出年金以外にも福利厚生を充実させるのが有効です。

マイナビの「2025年卒大学生活動実態調査 (4月)」によると、大手企業の選考に参加した就活生のうち、福利厚生の手厚さが参加の決め手と回答している人の割合は51.5%です。さらに就職する企業にあったらうれしいと半数以上の就活生が回答している福利厚生には、以下があげられます。

  • フレックスタイム制
  • 休暇制度
  • 通勤費・通信費などの各種補助
  • 住宅手当・子ども手当・食事手当などの各種手当

ここではこれらの福利厚生について見ていきましょう。

参考:マイナビ|2025年卒大学生活動実態調査 (4月)

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フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、1週間や1カ月などの期間にあらかじめ定めている労働時間の範囲で勤務する働き方のことです。期間内の労働時間の定めが守られていれば、1日単位の始業時間・就業時間・労働時間は自由に決められます。

24時間いつ勤務してもよいと定めている企業もあれば、必ず出勤が必要なコアタイムを定めており、その前後は自由に勤務できる企業もあります。

時間の自由度が高まる制度のため、ライフスタイルに合わせた仕事の仕方が可能です。子育て中の従業員であれば、授業参観といった子どもの行事にも対応しやすい働き方といえます。

休暇制度

法律で定められている年次有給休暇の他に、企業独自の休暇制度を設けるのもよいでしょう。

家族が病気やけがで看護が必要なときに使える看護休暇、病気やけがで従業員に休みが必要なときに使える病気休暇、誕生日や記念日に使えるアニバーサリー休暇、慶事・弔事で使える慶弔休暇などです。

もしものときのための休暇制度があれば、年次有給休暇の消化が進みやすくなることも期待できます。

休暇制度を導入するときには、制度を作るのと同時に休みやすい雰囲気づくりの醸成も行いましょう。上司が率先して休暇を取る、上司から休暇の取得を促す、といった働きかけが有効です。

関連記事:【社労士監修】特別休暇とは?種類や給料の有無、法定有給休暇との違いを解説

通勤費・通信費などの各種補助

通勤費や通信費は従業員が仕事に従事するために必要な費用です。オフィスへの出社が必要なら、電車やバスなどの交通費がかかりますし、自宅でテレワークをしている場合や出先で使うスマホやポータブルタイプのWi-Fiを個人契約しているなら通信費がかかります。

これらの費用が企業の補助となれば、従業員が負担している仕事のための支出を減らせて、働きやすさアップを実現可能です。

関連記事:【税理士監修】通勤手当の課税・非課税はどう決まる?旅費交通費との違いもチェック

住宅手当・子ども手当・食事手当などの各種手当

住宅手当・子ども手当・食事手当などの各種手当も人気の福利厚生です。日常の支出を企業がサポートすることで、実質的な手取り額アップにつながります。

食事手当であれば、要件を満たして支給することで、従業員の税負担を増やすことがないのもメリットです。給与として同額の賃上げを行うより、従業員が手取り額の増加を実感しやすい方法といえます。

税負担を増やさずに食事手当を支給するには、エデンレッドジャパンが提供している食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。最小限の手間で従業員満足度の高い食事補助を提供できます。

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企業型確定拠出年金は待遇改善におすすめ

企業が掛金を拠出して、従業員が運用する制度を企業型確定拠出年金といいます。企業にとっては退職金に関する心配を解消できると同時に、掛金を損金算入できるメリットのある制度です。

従業員にとっても税制優遇を受けながら老後資金を充実させられるメリットがあるため、導入すると待遇改善につながります。スピーディーな採用や今いる従業員の定着など、人材確保にもつながる制度です。

待遇改善を行い人材確保へつなげたいと考えているなら、他の福利厚生の導入も検討しましょう。手間を抑えつつ従業員が喜ぶ福利厚生を導入したいと考えているなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。

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