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【税理士監修】通勤手当の課税・非課税はどう決まる?旅費交通費との違いもチェック

【税理士監修】通勤手当の課税・非課税はどう決まる?旅費交通費との違いもチェック

2024.01.12

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監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)

通勤手当は支給する金額によって、所得税の課税・非課税が異なります。企業が行う会計処理にも違いが出てくるため、基準をチェックしておきましょう。混同することもある旅費交通費についても、所得税の課税・非課税の基準を解説します。

通勤手当と旅費交通費はどう違う?

通勤手当と旅費交通費はどのように違うのでしょうか?企業にとってどのような費用なのかを解説します。

通勤手当は法定外福利の一種

通勤手当は従業員の通勤にかかる費用を補填するために、企業が支給する法定外福利の一種です。

福利厚生は法律で定められている「法定福利」と、企業が独自に定める「法定外福利」の2種類に分けられます。通勤手当は法定外福利のため、支給している企業もあれば支給していない企業もあるのが特徴です。

また支給している企業でも、かかった費用を全額支給する企業や、「月1万円まで」と上限を定めている企業、公共交通機関を使った場合の費用のみが対象の企業など、制度の内容は異なります。

旅費交通費には通勤手当も含まれる

旅費交通費は、従業員が業務・通勤・転勤などの目的で移動する場合にかかる費用を、経費として計上するときに用いる勘定科目です。通勤手当は通勤の目的でかかった費用のため、旅費交通費に含まれます。

他に外回りや出張など、業務のために必要な移動にかかる費用も旅費交通費です。具体的にはバス・電車・新幹線・飛行機などの公共交通機関にかかる費用を、旅費交通費として計上できます。

業務に必要と判断された場合には、レンタカー代・駐車場代・ガソリン代・有料道路の通行料など車で移動するときの費用、ホテルの宿泊費用も旅費交通費です。

また転勤するときに必要な交通費も旅費交通費として計上します。

通勤手当のうち一定金額以下は従業員の所得税が非課税

通勤手当は定められている金額以下であれば、所得税がかかりません。これは通勤手当に、従業員が通勤するために避けられない出費を、補填する役割があるためです。

仕事のために避けられない出費に対し、企業が支給している通勤手当に課税すれば、従業員が受け取れる金額は負担した金額より少なくなってしまいます。これでは補填の目的が損なわれるため、給与とともに支給した場合でも、一定金額以下は非課税となる決まりです。

非課税と課税の基準は、交通手段ごとに異なる点に注意が必要です。通勤手当が非課税となる1カ月あたりの限度額をそれぞれチェックしていきます。

公共交通機関のみで通勤している場合

バスや電車などの公共交通機関のみで通勤する場合、非課税となる限度額は最も経済的で合理的な経路で通勤した場合の通勤定期券の金額です。加えて1カ月の最高限度は15万円と定められています。

参考:国税庁|No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
参考:国税庁|通勤手当の非課税限度額の引上げについて

マイカー・自転車などで通勤している場合

マイカーや自転車で通勤している従業員へ支給する交通費の限度額は、片道の通勤距離に応じて以下の通り決まっています。

片道の通勤距離

1カ月あたりの限度額

2km未満

全額課税

2km以上10km未満

4,200円

10km以上15km未満

7,100円

15km以上25km未満

1万2,900円

25km以上35km未満

1万8,700円

35km以上45km未満

2万4,400円

45km以上55km未満

2万8,000円

55km以上

3万1,600円

参考:国税庁|No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

公共交通機関とマイカー・自転車などを併用している場合

バス・電車・マイカー・自転車など、複数の方法を併用して通勤している場合、公共交通機関の通勤定期券などと、マイカー・自転車などの1カ月あたりの限度額の合計額が、所得税の非課税限度額です。

ただし1カ月あたりの最高限度は15万円と定められています。

参考:国税庁|No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当

通勤手当が課税されているのはなぜ?

通勤手当は非課税限度額の範囲内であれば所得税がかからないため、全て非課税と認識している従業員もいるかもしれません。実際には非課税の限度額を超えて通勤手当を支給する場合、限度額を超える部分は給与とみなされ、所得税の課税対象となります。

通勤手当が所得税の対象となる場合、企業が実施すべき会計処理をチェックしましょう。「なぜ通勤手当に課税されているの?」と従業員から質問があったときに回答できるよう、通勤方法ごとの具体例も解説します。

一定金額を超えて通勤手当を支給すると所得税の課税対象

通勤方法ごとに定められている上限額を超えて、通勤手当を支給した場合、上限額を超える部分は給与所得として扱われます。給与所得には所得税が課されるため、通勤手当であっても課税対象です。

従業員の所得税は、企業が給与から天引きする源泉徴収で納めます。課税所得となるはずの通勤手当を、非課税の通勤手当として処理していることが税務調査などで分かると、源泉徴収漏れのとなりペナルティを負うため注意が必要です。

公共交通機関で通勤している場合の具体例

公共交通機関で通勤している従業員の通勤手当は、経済的かつ合理的な経路の通勤定期券などと同額までは非課税です。ただしこの金額が15万円を超える場合には、超えた部分がk税所得となります。

例えば新幹線通勤で浜松駅から東京駅へ出勤している従業員の1カ月の定期券は18万8,000円です。この場合、非課税になるのは15万円までで、最高限度を超える3万8,000円は給与として所得税の対象となります。

参考:JR東海|新幹線定期券「FREX(通勤用)」・「FREXパル(通学用)」

マイカー通勤の場合の具体例

マイカー通勤の従業員の通勤手当は、25km以上35km未満であれば1万8,700円というように、距離によって非課税限度額が決まっています。

例えばマイカーで毎日30kmの道のりを通勤している従業員に対し、2万円の通勤手当を支給すると、限度額の1万8,700円を超える1,300円は所得税の課税対象です。

公共交通機関とマイカーを併用している場合の具体例

公共交通機関とマイカーを使って通勤している従業員の勤務手当の具体例もチェックしましょう。例えば自宅から最寄り駅まで13kmの道のりでマイカーを使い、最寄り駅から勤務先までは公共交通機関を使っている従業員のケースについて考えます。

この従業員が静岡駅から東京駅まで新幹線通勤をしている場合、新幹線の通勤定期券は13万6,330円です。マイカーの通勤手当の非課税限度額は、10km以上15km未満であれば7,100円と定められています。

合計額の14万3,430円が通勤手当に課税されない限度額です。月15万円の最高限度を超えていないため、この場合は全額所得税がかかりません。

参考:JR東海|新幹線定期券「FREX(通勤用)」・「FREXパル(通学用)」

旅費交通費のうち通常必要と認められるものは所得税非課税

旅費交通費は都度精算だと手間がかかるため、従業員が立て替えて給与と合わせて振り込む仕組みの企業が多いでしょう。

このとき支給される旅費交通費が、本来の業務に通常必要と認められるものには所得税がかかりません。ただし通常必要な範囲を超えて支給されている場合には、給与所得とみなされ所得税の課税対象です。

例えば日帰りできる範囲で従業員が出張した場合、往復の交通費は旅費交通費に含まれます。このとき従業員がホテルへ一泊したとします。この宿泊費も旅費交通費として支給すると、その分は通常必要な範囲を超えていると判断され、課税対象の給与所得として扱われます。

参考:国税庁|No.2508 給与所得となるもの

旅費規程の活用で手間を減らせる

出張にかかる旅費交通費の個別精算の手間削減や、旅費交通費の抑制につなげるために「旅費規程」を設ける方法があります。出張先までの距離や、出張する従業員の役職に応じて、定められた日当や宿泊費を支給する方法です。

旅費規程で定められている日当や宿泊費が、通常必要と認められる範囲内の金額であれば、支給額と実際にかかった費用との間に差があっても、税務上ただしく処理されているとされます。

所得税非課税で支給できる「チケットレストラン」の食事補助

従業員の所得税を増やすことなく支給できる福利厚生サービスに、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」があります。導入することで、従業員に食事補助を提供可能です。従業員にはもちろん企業にもメリットがあるサービスについて紹介します。

全従業員が公平に使える

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は全国にある25万店舗以上の加盟店で使える食事補助サービスです。

全国展開しているコンビニやファミレスでも利用できるため、出社して働く従業員はもちろん、毎日異なる現場で働く従業員や、自宅でリモートワークをしている従業員でも使えます。

その使い勝手のよさから、従業員満足度は93%、継続率は99%以上です。全従業員へ公平に提供できる福利厚生サービスを探している場合に向いています。

企業にもメリットがある

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、食事補助を受けられる従業員にはもちろん、企業にもメリットがあります。

チケットレストラン」を導入すると、一定の条件下で費用を福利厚生費として計上可能です。福利厚生費は法人税を計算するとき損金算入できます。益金が同額であれば損金が多いほど法人税率をかける課税所得を減らせるため、その分法人税額も下がります。

また導入や維持管理に手間がかからないのもメリットです。導入時には届いたICカードを従業員へ配布すればすぐに使い始められますし、維持管理は月1回のチャージのみで、担当者の負担を抑えつつ満足度の高い福利厚生を提供できます。

通勤手当は課税・非課税の確認を

通勤手当は従業員が出勤するために必要な交通費を補填するために、企業が支給する手当のことです。企業によって支給の有無が異なる法定外福利に分類されています。

給与とともに支給されることの多い通勤手当には、非課税になる上限額が設定されている点に注意しましょう。上限額を超えた部分は、従業員の所得税の課税対象となるため、企業は源泉徴収を行わなければいけません。課税・非課税を確認し、正しく手続きをしましょう。

通勤手当と同様に、一定の条件下で所得税が非課税になる福利厚生サービスに「チケットレストラン」があります。従業員にも企業にもメリットのあるサービスについて、まずは問い合わせてみませんか。

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