人的資本経営とは事例を用いて理解を深める必要があります。人的資本経営の概念やメリットを詳しく解説します。また、実際に人的資本経営に成功し、投資家や政府から評価を得ている事例、人的資本経営導入のステップや施策例、従業員のエンゲージメント強化のために導入すべき福利厚生サービスも紹介します。
人的資本経営とは
少子高齢化や新型コロナウイルスによるパンデミックなどの影響により、人的資本経営が注目を集めています。経済産業省のホームページによると
人的資本経営とは、人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です
と明記されています。
つまり、企業に所属する従業員に関わる経費を単なるコストとしてではなく、企業成長や生産率を向上させる投資対象と捉え、投資することで企業価値を高める経営戦略と言い換えるとわかりやすいでしょう。
あらゆる分野でDX、GXが推進されている現在、人的リソースを軽視する側面もありますが、IT化が進む今だからこそ、ESGやSDGs、健康経営などの側面からも人的資本経営が重要だと考えられています。
投資家なども、以前は投資先企業に対し、利益率や経営成績などを重視する傾向がありましたが、近年はそれに加えて「どれだけ従業員を大切にしているか」も投資先の選定にあたり重要なチェック項目だと捉えています。「従業員への投資を行っているか」「従業員に対して行った投資により利益は上がっているか」などが投資家が重要視する基本的なチェック項目といえるでしょう。
人的資本経営の成功事例
人的資本経営を理解するには、実際に人的資本経営に成功している企業の事例を例にすると本質をつかむ早道になりそうです。経済産業省が2022年5月に発表した「人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書 ~人材版伊藤レポート2.0~実践事例集」を参考に、人的資本経営に取り組む代表的な国内企業5社の事例を紹介します。
旭化成株式会社
旭化成株式会社(以下、旭化成)は、国内企業では一足早く、事業を通じて持続可能(サステナブル)な社会の実現への貢献をMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に掲げた企業です。旭化成では、人材を人財と設定し、経営戦略の実現に必要な人財のポートフォリオを構築しています。
採用すべき人財の質と量を事業軸と機能軸の両面から洗い出しているため、新卒採用や中途採用、育成に役立っているそうです。必要とする人財が確保ができない場合は、M&Aを通じた人材獲得やコーポレートベンチャーキャピタルや少額投資を通じた企業とのコネクション強化で対応しているそうです。
さらに、2023年1月16日、旭化成は従業員の学びのプラットフォーム「CLAP(Co-Learning Adventure Place)」の運用を2022年12月より開始したと発表しました。同プラットフォームでは、従業員が個々のニーズに合わせ、社内外の教育コンテンツをいつでも受講できます。この取り組みにより、従業員のリスキングを促進するとともに、人事戦略の実現を目指しています。
参考:https://www.asahi-kasei.com/jp/
伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠)では、人的資産は伊藤忠が目指すビジネスモデルが機能するための原動力と捉え、「三方よし」を経営理念とし顧客、社会、従業員などのステークホルダーへの価値提供実現を目指しています。
その上でサステナブルな経営成長に必要とされる人材を企業行動基準である「『ひとりの商人、無数の使命』を体現できる人材」と位置づけ戦略を構築し、成果の開示も行っています。また、労働生産性に着目し、具体的な取り組みやKPIを重視して、労働生産性が着実に向上している点を学生をはじめ社外へ積極的に発信しています。
出典:https://www.itochu.co.jp/ja/files/ar2019J_36.pdf
参照:https://www.itochu.co.jp/ja/
オムロン株式会社
オムロン株式会社(以下、オムロン)は国内における人的資本経営をリードする企業として知られています。オムロンでは、企業理念の実践における価値の一つとして「人間性の尊重」を掲げています。
人材を人財と捉え「ダイバーシティ&インクルージョン」の加速や社会的課題解決の成果を分かち合う取り組みや制度を設けるなど企業人としてだけでなく、従業員が自ら企業理念を体現した実例をグローバルに全社で共有し合い、理念を浸透させているそうです。
また、2022年にはオムロンは今後3年間、従来比3倍となる60億円を人財能力開発に投資すると大々的に発表しました。人事が積極的に「企業の付加価値に責任を持つ」姿勢で、人財育成やエンゲージメント向上を実施しています。
参照:https://www.omron.com/jp/ja/
花王株式会社
花王株式会社(以下、花王)では、社員が自ら掲げる大きな目標への挑戦を通じて、一人一人が成長し、結果的に会社の成長や社会に貢献することを目指しています。花王では、以前取り組んでいたKPIに基づいた目標管理と評価制度を改め「ありたい姿や理想に近づくための高く挑戦的な目標」とし てOKR(Objectives & Key Results)という独自の取り組みを採用しています。
また、花王は「社員との対話」の体制作り、運用に注力しています。「花王フォーラム」として花王グループ会社の代表社員が一堂に会し、グループの方針、戦略、目標の情報を共有する場を設けています。厚生委員会や社員による懇親会を通してつながり、対話する場を頻繁に設けています。
出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000384492.pdf
参照:https://www.kao.com/jp/
ソニーグループ
ソニーグループ(以下、ソニー)は、グループ全体の成長に向けて多様な個を活かすため、「Special You, Diverse Sony」という人材理念をもとに、取り組みを体系化しています。事業特性や課題に応じた「支援する人事」が迅速に行えるように、人事責任を各社CHROに委任しています。従業員の学びやグループ内で異動する権利をグループ全体で支えているのです。
その上で、グループ経営の「求心力」を最終目標と定義しています。従業員のエンゲージメント向上への責任は、経営陣の報酬に反映させていることもソニーらしい取り組みの特徴といえるでしょう。
参照: https://www.sony.co.jp/
人的資本経営が注目される背景
事例から人材を育てたり、働きやすい環境を整えたり、採用したい人材を効率的に確保するための体制を整えたりする人的資本経営の具体的な取り組みを紹介しました。
こうした人的資本経営が注目を集めるようになった背景には、リモートワークやフレックス、成果型、都市部企業に勤めながらの移住など、場所や労働時間にとらわれない多様な働き方が急速に広まったことや新型コロナウイルス感染症の流行などが関係しています。この動きは、終身雇用の概念が薄まった現在、採用や転職活動だけでなく、企業価値にも大きな影響を及ぼしています。
少子高齢化が進む現在、人材確保は全ての企業の懸念事項ともいわれています。投資家たちにとっても従業員を大切にし、人材確保、育成への投資状況やそれによる利益が可視化できる企業、つまり中長期的に人的資本経営に対して真剣に取り組む企業に、良い評価を与えるようになりました。
言い換えれば、人的資本への投資が企業価値や今後の成長も左右するといっても過言ではないでしょう。現在のビジネスシーンで人的資本経営戦略が活発化したのには、2022年に発起人7名で設立された人的資本経営コンソーシアムの影響もあります。
人的資本経営コンソーシアムとは
「人的資本経営コンソーシアム」は、日本企業及び投資家等により「人的資本経営の実践」「先進事例の共有」「企業との協力体制」を通じて、日本企業における人的資本経営を実践と開示の両面からの促進を目的として設立されました。経済産業省や金融庁がオブザーバーとして、人的資本経営コンソーシアムに参加するなど、官民一体となって人的資本経営を推進しようとしている、現在の日本経済界の姿勢が垣間見れる組織といえるでしょう。
人的資本経営コンソーシアムは、総会と企画委員会、実践委員会、開示委員会を運営する団体で、以前はコストとして捉えられがちだった「人への投資」を資本と捉え、積極的に改善に取り組む企業が増えることを期待しています。人的資本経営コンソーシアムでは、人的資本経営には、以下の3つの視点と5つの要素から取り組むことが重要だと呼びかけています。
(3つの視点)
- 経営戦略と人材戦略の連動
- As is‐To beギャップの定量把握
- 企業文化への定着
(5つの要素)
- 動的な人材ポートフォリオ
- 知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
- リスキル・学び直し
- 従業員エンゲージメント
- 時間や場所にとらわれない働き方
人的資本経営のメリット
人的資本経営コンソーシアムの設立や注目を集めるようになった背景には、人的資本経営のメリットが関係しているでしょう。人的資本経営のメリットを整理します。
採用活動への効果
人的資本経営に注力する企業は育成、教育制度の整備、労働環境や条件の改善など、従業員にとってメリットのある取り組みを行う企業として社外的なアピールができます。結果として「従業員を大切にする企業」として認知される傾向があります。新卒者や求職者などへの採用活動ではポジティブな効果を発揮するでしょう。
従業員のエンゲージメント強化
企業が人的資本経営に取り組むことで、従業員の勤務先企業へのロイヤリティやワークエンゲージメント向上につながります。エンゲージメントが高い従業員が多い企業では、顧客や取引先への態度に現れるものです。社会的な企業のイメージが上がり、さらなる企業成長につながるという好循環が生まれやすいです。
生産性アップ
人間はスキルやモチベーションアップを常に図れる環境では、前向きに業務に取り組めるものです。従業員一人ひとりの生産性が上がり、ひいては企業全体の生産性向上につながります。企業の生産性が上がると企業価値が高まり、多くの出資金や優秀な人材、安定した取引先が自然と集まってくるものです。こうして集まった資本がさらなる企業成長を導くという良いサイクルを生み出します。
株価への好影響
優秀な人材が集まりやすい企業は、人材確保にネガティブな要素がない企業として投資家からも注目を集めやすい傾向です。人的資本への取り組みを強化する企業に投資すること自体が投資家の社会的なイメージを向上させることにつながり、さらなる投資家を呼ぶことになります。最終的には株価が上がる、安定するなど好影響を及ぼします。
人的資本経営導入のステップ
人的資本経営の導入は、慎重にステップを踏んで進めるのがよいでしょう。ポイントとなる人的資本経営のステップを順に見ていきましょう。
①企業理念を明確にする
人的資本経営の実現には、企業が社会的、人道的に目指すべき姿を見定める作業が必要です。そのうえで「ビジョン、ミッション、バリュー」といった明確な理念を設定しましょう。
人的資本経営に向かう企業の姿勢や考えを従業員や社外と共有することで企業の理念に賛同を得られたり、理念に賛同する人材を獲得できたりする可能性が高く、人的資本経営の概念が企業内で浸透するスピードも早まるでしょう。
また、企業が前向きに目指すゴールを設定することで「リスキングにチャレンジしやすい」「ゴール到達のための新しいアイデアを忌憚なく上司に伝えられる」といった従業員にとってのメリットも期待できます。企業が成長する過程にある場合、施策に期待するほどの効果が生じない時期や経営層の意見が割れる時期などがあるものです。こうした状況でも明確で具体的な企業理念がある限り、立ち返る一助となるでしょう。
②目標と現状を受け止める
受験勉強などと同様に企業が何かの目標に向かうときには、現状や課題を知ることがとても重要です。現状の経営課題が、実は人材資本経営を目指すうえでも障害となる可能性もあります。現実を受け止め、前向きに解消に向けて取り組むことが組織や従業員の成長につながりますし、人材資本経営実践に必要な施策や取り組みも明確になるでしょう。
人的資本経営において、ギャップを可視化するには、数字ばかりを追うのではなく、従業員にアンケートを取ったり、専門家に企業内の成長を妨げている要因を調査、分析してもらったりすることも大事です。企業が真に目指すべき姿とそこまでの道のりが見えてくるでしょう。
③CHROの設置
人的資本経営を実践するにはCHROの存在が不可欠だといわれています。CHROとは、Chief Human Resource Officerの頭文字を取ったもので「最高人事責任者」を意味します。つまり、人事に関する業務を経営戦略の視点で統括、戦略実行を担う立場にあり、人事領域に関して投資家をはじめとするステークホルダーと対峙するのがCHROです。
CHROの存在は、人的資本経営戦略を「ぶれることなく推進していく」という社内外へのアピールになります。人的資本を大切にし投資するという一大プロジェクトに対して、責任と権利を行使できる立場です。「本気で人的資本経営を実行する」という企業のシンボル的扱いを受けるポジションでもあります。
人的資本経営に向けた具体的な取り組み例
人的資本経営を具体的に進めるには、新しい取り組みや施策を打ち出す必要があります。人的資本経営に向けた具体的な取り組みの中で、効果を実感しやすく、従業員のエンゲージメント強化につながる施策を解説します。それぞれの強みについて理解を深めましょう。
多様性の尊重を徹底
企業は、所属する従業員の性質や属性、性別、特性、バックグラウンドなど個性を尊重できる環境を整える必要性に迫られています。企業は今や、求職者に選ばれる存在であり「自分らしさ」を叶えられない企業には優秀な人材が集まらないケースも多々見られます。また、働き方改革の中でも触れられている「同一労働、同一賃金」を確立しない限り、離職やエンゲージメントの揺らぎが起こりやすいでしょう。
あらゆる事業がグローバル化する現代、ダイバーシティを受け入れる体制を整えていない企業は取り残されると見られています。人材不足やパワハラの横行など、事業を揺るがしかねない事態に追い込まれる未来が待ち受ける可能性もあります。まずは経営層がダイバーシティとインクルージョンについて学び、社内教育に役立てるところから始めましょう。
多様な働き方の推進
ITツールの発展や働き方改革の推進、新型コロナウイルス感染拡大などの影響により、時間や場所にとらわれない働き方が一般的になりました。多様な働き方を企業が認めることにより、今まで女性の社会進出の妨げや少子高齢化の余波として、大きな話題となっていた仕事と育児、介護の両立についても一定の解決策となった側面があります。
多様な働き方は「病気療養しながらも仕事を続けること」「都市部にいながら地方企業で働く」反対に「地方に移住した後も都市部の企業で働く」など、従業員の働きやすさを後押ししています。事情がある人でもキャリアを断絶することなく一つの企業で長く勤めることを可能にしました。
こうした労働条件の緩和も人的資本経営を推進する上で無視できない項目です。人材を大切にし、それぞれの事情を尊重した働き方を選べるようにするために企業が多様な労働条件や労働環境を整えることが喫緊の課題といえます。また、職種上、こうした自由度の高い働き方が難しいポジションに関しては「リモートやフレックス可能な部署の従業員より多い有休を与える」「手当を出す」などの施策もあわせて検討する必要があります。
ワークライフバランスの見直し
長年、日本では従業員の長時間労働が当たり前とされ、むしろ定時出社、定時退社が多い従業員はやる気がないといった見方が優勢でした。しかし、働き方改革や健康経営の論点から仕事とプライベートの両立、つまり良いワークライフバランスが働きがい、生きがいに欠かせないという考え方が一般的になっています。
プライベートを充実させられない働き方を強いる企業では、仕事のモチベーションや生産性、ワークエンゲージメントが下がる傾向があり、離職も多発する傾向です。企業は人的資本経営の実現のためにも、従業員一人ひとりが自分なりのワークライフバランス充実を叶えられる労働環境づくりに取り組む必要があります。
社内教育とキャリアアップ制度の整備
人的資本経営の肝となるのは「従業員に投資し、定着と成長を促すこと」です。従業員の学び直しを後押しし、意欲ある従業員にはキャリアチェンジやキャリアアップの道を開くことも人的資本経営の大事な施策の一つです。
学習や研修ツールの選定や制度の整備も大切ですが、従業員それぞれが成長のために必要とする時間を企業が提供することも大事な役割の一つです。業務の見直しや必要なときは特別休暇、特別手当などの提供も視野に入れましょう。
給与や福利厚生などの待遇の充実
人的資本経営を実現するには、従業員が満足して働けるよう待遇を見直すことも大切です。分かりやすい評価制度や昇給なども検討、整備しましょう。ただし、評価制度や給与の見直しは一朝一夕に推進できるものではありません。
そこで税制措置でも優遇される福利厚生を充実させ、待遇を改善させるのが企業と従業員の双方にとって早急に取り組みやすくモチベーションやロイヤリティの向上につながりやすい施策といえるでしょう。
少し古いデータになりますが、2015年にマンパワーグループが行った調査では「実際にあってよかった会社の福利厚生」の第一位が「食堂・昼食補助」でした。「会社の福利厚生として良いと思うもの」では2位でしたが、社食や昼食補助が従業員に喜ばれる福利厚生であることは疑う余地がなさそうです。また、食事は健康に直結するため、人的資本経営や健康経営の神髄に叶った取り組みとしても有効です。
エデンレッドジャパンが高校生以下の子どもがいるビジネスパーソンを対象に行った「コロナ共存時代における家計と生活支援に関する調査」をみると「今後導入を望む福利厚生・手当とその導入率」という設問の中でも食事補助を希望する割合は46.9%と最も多いという結果が出ています。食費は今や家計を圧迫する要因の一つとなっているので、何らかの社食サービスを導入してほしいと望む声が高まるのは当然のことといえるでしょう。
現代のビジネスシーンでおすすめなのが、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」です。「チケットレストラン」は、電子カード配布型の食事補助サービスです。導入企業では「利用率99%、継続率98%、満足度90%」と重宝されていることが伺えます。「チケットレストラン」への加盟店は、2023年1月現在、7万店舗を超え、ヘルシー志向のレストランやカフェも加盟しています。さまざまな好みや食に関する特性、規制がある人にも平等に健康な食事を提供できます。資料請求はこちら
人的資本経営につながる福利厚生サービス例
人的資本経営につながる取り組みの中では、福利厚生の充実が早道で、人的資本経営に乗り出す企業の意気込みが従業員に伝わりやすい施策といえるでしょう。人的資本経営の実現につながりやすく、また人的資本経営の観点から見ても、企業と従業員の双方にメリットが高い福利厚生サービスをいくつか紹介します。
チケットレストラン|エデンレッドジャパン
エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、普段から飲食や食品の買い物に利用するお店で専用の電子カードを清算の際に提示すると、自動的に半額を企業が支払ってくれるというものです。業務中に口にする飲食物であれば、昼食だけでなく朝食や間食、夕食にも利用できます。
また、全国に広がる7万店舗の加盟店のほかUber Eatsデリバリーでも利用可能なため、出社する従業員はもちろん、リモートワークやワーケーション、交代制シフトや出張など多様なワークスタイルの全国の従業員が対象となります。公平で使い勝手が良いサービスだと好評を得ています。資料請求はこちら
ベネフィット・ステーション|株式会社ベネフィット・ワン
「ベネフィット・ステーション」は、加入企業の従業員が映画やショッピング、観光など全国各地140万件以上の施設の割引優待を受けられる総合福利厚生サービスです。業界トップシェアを誇るサービスで導入企業法人は、16,000社を超えています。
ベネフィット・ステーションはレジャー施設などでの利用が知られていますが、フィットネス施設や介護サービスの利用割引や健診データと結びつけて従業員の健康状態を可視化する健康支援サービスも整っています。
人的資本経営に向けたサービスとして、従業員教育の面にも力を入れているのがベネフィットステーションの強みです。英会話やビジネススキルなど384もの講座や研修を開講しており、人事や労務は、従業員一人ひとりのベネフィットステーション利用頻度も管理できるシステムになっています。従業員それぞれが、自己啓発にどれだけ注力しているかも把握できます。
参照:https://bs.benefit-one.co.jp/bs/pages/bs/top/top.faces
ライフサポート倶楽部|リソルライフサポート株式会社
リソルライフサポート株式会社が提供する「ライフサポート倶楽部」は、「ウェルビーイング」を意識した総合福利厚生代行サービスです。ライフサポート倶楽部は、特に、女性活躍支援に注力しており、出産、育児、介護にまつわるサービスを広く提供しています。保養やワーケーションに利用できる施設利用にまつわるサービスもあり、日々の健康管理や息抜きだけでなく、リフレッシュもサポートします。
健康を意識した福利厚生は、企業が「従業員の健康や幸せに配慮している」と示しやすいでしょう。企業への満足度やエンゲージメントにつながりやすい福利厚生サービスとして注目されています。
参照:https://www.fukuri-resol.jp/fukuri.html#section02
オフィスおかん|株式会社OKAN
「オフィスおかん」も従業員からの支持が高い食事補助サービスで社食代わりに導入する企業が増えています。オフィスおかんは、オフィスに家庭的なお惣菜などのミールを常備する食事補助サービスです。
メニューは全て、栄養管理士が監修し、可能なかぎり添加物を使わない新鮮なミールが揃っています。従業員が味に飽きないように、毎月複数の新メニューを考案するなどさまざまな工夫がされています。安いものだと1品100円から購入でき、主食と主菜から副菜まで幅広いバラエティが人気の理由といえるでしょう。
WELBOX|株式会社イーウェル
「WELBOX」は、株式会社イーウェルが提携契約している全国各地の施設やサービスを組み合わせ自由で利用可能なパッケージ型福利厚生サービスです。専用Webサイトやスマホアプリ、ガイドブックから提携先の施設やサービスを検索し、いつでも自由に会員価格で利用できます。
WELBOXの特徴は企業ごとにカスタマイズが可能なことです。自治体の補助金制度などを運用することにより、子育てや介護、特定地域の宿泊施設などの利用に手厚い割引を加えられます。企業から従業員への想いが伝わりやすいサービスとして注目されています。
参照:https://www.ewel.co.jp/category/service/welbox
人的資本経営は企業と従業員の未来を守る戦略
人的資本経営は簡単にまとめると「従業員を大切にする」経営戦略です。経済産業省が中心となり政府も後押ししています。今後、多くの業界や事業で懸念材料とされている人材確保や日本の社会問題である少子高齢化を迎えても企業が生き残っていくために、重要な戦略の一つです。
しかし、戦略を語る前に、人間の尊厳を守り、よりグローバル化されたビジネスの中で世界的に日本のビジネスシーンが取り残されないためにもすべての企業が意識すべき概念といえるでしょう。今回紹介した事例を参考に、福利厚生サービスをうまく利用しながら人的資本経営を推し進めていきましょう。