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東京都の最低賃金は全国最高の1,163円!推移と2024年最新情報

東京都の最低賃金は全国最高の1,163円!推移と2024年最新情報

2024.10.07

2024年10月、東京都の最低賃金が1,163円に改定されました。本記事では、東京都の最低賃金の推移をはじめ、最低賃金制度の概要や企業が対応すべきポイントなど、東京都を中心とした最低賃金制度について分かりやすく網羅しています。最低賃金の引き上げに伴う人件費高騰への対策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

東京都の最低賃金の推移

東京都の最低賃金は、日本の経済動向を反映する重要な指標です。2024年の改定では、1,163円という過去最高額を記録し、大きな注目を集めました。まずは、東京都の最低賃金の推移と、全国への影響から見ていきましょう。

【2024年10月〜】東京都の最低賃金

2024年10月1日、東京都の最低賃金は1,163円に改定されました。前年改定額の1,113円からは50円の増額で、引き上げ率は4.5%です。この改定は、従業員の生活水準向上を目指すとともに、企業に対してより高い生産性と効率性を求める動きの表れといえます。

最低賃金の引き上げは、特に企業体力に不安を抱えがちな中小企業にとって大きな課題です。しかし、同時に従業員の満足度向上や優秀な人材の確保・定着を進める絶好の機会でもあります。各企業は、この変化に適応するための戦略を練る必要があります。

過去10年の推移

東京都の最低賃金は、過去10年間で着実に上昇を続けています。2014年の869円から2024年の1,163円まで、10年間で294円(33.8%)も上昇しました。この上昇率は、物価上昇率を大きく上回っており、労働者の実質賃金向上に寄与しています。

以下に、過去10年間の東京都最低賃金の推移を示します。

最低賃金(円) 引き上げ額(円) 引き上げ率(%)
2024 1,163 50 4.5
2023 1,113 41 3.8
2022 1,072 31 3.0
2021 1,041 28 2.8
2020 1,013 0 0.0
2019 1,013 28 2.8
2018 985 27 2.8
2017 958 26 2.8
2016 932 25 2.8
2015 907 19 2.1
2014 888 19 2.2

厚生労働省|平成14年度から令和6年度までの地域別最低賃金改定状況」をもとに作成

この表からは、東京都の最低賃金が一貫して上昇傾向にあること、特に近年は、年間の引き上げ幅が大きくなっていることが分かります。

東京都の最低賃金が全国に与える影響

東京都の最低賃金は、常に全国最高額を記録し続けています。2024年改定での全国平均最低賃金は1,055円ですが、東京都はこれを108円も上回りました。

東京都の最低賃金は、全国の最低賃金の基準としての側面を持つものでもあります。東京都の最低賃金引き上げが全国水準の底上げにつながり、結果として全国の労働者の待遇改善に寄与しているのです。

関連記事:2024年の最低賃金引き上げの動向は?企業への影響や対策をチェック

最低賃金の概要

最低賃金は、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額です。最低賃金制度は、労働者の生活を守り、公正な労働市場を維持するための重要な仕組みです。日本の最低賃金制度には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があります。それぞれの詳細を解説します。

参考:厚生労働省|最低賃金制度

「地域別最低賃金」

「地域別最低賃金」は、都道府県ごとに設定される最低賃金です。この賃金は、以下の3点を総合的に加味して定められています。

  • 労働者の生計費
  • 労働者の賃金
  • 通常の事業の賃金支払能力

地域別最低賃金は、労働者の生活を安定させるセーフティネットの役割も果たすものです。そのため、パートタイマー・アルバイト・臨時、嘱託など、雇用形態を問わずその地域で働くすべての労働者に適用されます。合わせて生活保護との整合性にも配慮されています。

最低賃金の遵守は使用者の義務です。仮に使用者が最低賃金未満の賃金しか支払わない場合、最低賃金法により50万円以下の罰金が科される可能性があります。

例外として、以下のケースに当たる場合には、都道府県労働局長の許可のもと、最低賃金の減額が認められています。これは、最低賃金を一律に適用することにより、かえって雇用機会を狭める可能性があるためです。

  1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人
  2. 試の使用期間中の人
  3. 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める人
  4. 軽易な業務に従事する人
  5. 断続的労働に従事する人

「特定(産業別)最低賃金」

「特定(産業別)最低賃金」は、特定の産業において、地域別最低賃金よりも高い水準で設定される最低賃金です。熟練労働者の確保や産業の健全な発展を促進することを目的とした制度で、2024年3月末現在、全国で224件の特定最低賃金が定められています。

地域別と特定(産業別)の両方の最低賃金が適用される場合、使用者は高い方の最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。企業は、自社が属する産業に特定最低賃金が設定されているかどうかを確認し、適切な賃金管理を行わなければなりません。

なお、地域別最低賃金が、一部の例外を除きすべての労働者に適用されるのに対し、特定(産業別)最低賃金が適用されるのは、その産業の基幹的労働者(その産業に特有の主要な業務に従事する労働者)のみです。18歳未満や65歳以上の労働者、技能習得中の労働者などには適用されません。

【最低賃金】よくある質問

企業が最低賃金制度へ適切に対応するためには、最低賃金について正確に理解することが必要です。ここでは、最低賃金についてよくある質問とその回答を紹介します。

派遣労働者の最低賃金の基準は「派遣先」と「派遣元」どちらになりますか

派遣労働者の最低賃金は、派遣先に適用される最低賃金が基準となります。つまり、派遣元の所在地ではなく、実際に労働者が働く派遣先の地域の最低賃金が適用されます。

この規定は、同じ職場で働く労働者間の公平性を確保するためのものです。たとえば、東京の派遣会社から大阪の企業に派遣される労働者の場合、大阪府の最低賃金が適用されます。

最低賃金はこれからも上がり続けますか?

政府は最低賃金の引き上げを重要な政策課題として位置づけています。

2024年10月1日の就任会見で、石破茂首相は2020年代に最低賃金の全国平均を1,500円に引き上げる目標を表明しました。この方針に基づけば、今後も最低賃金は継続的に上昇していく可能性が高いといえます。

参考:NHK|物価高騰|石破茂首相 経済政策の焦点は?物価高対策 賃上げ デフレ脱却

最低賃金の引き上げによる負担を軽減する方法はありますか?

厚生労働省と中小企業庁は、最低賃金引き上げに伴う企業負担を軽減するためのさまざまな支援策を用意しています。主な支援策には以下のようなものがあります。

  • 業務改善助成金:生産性向上のための設備投資等を行う中小企業・小規模事業者を支援します。事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合、その費用の一部が助成されます
  • キャリアアップ助成金:非正規雇用労働者の処遇改善を行う事業主を支援します。賃金規定等の改定による賃金引き上げやその他の処遇改善を実施した場合に助成金が支給されます
  • ものづくり補助金:革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善を行う中小企業を支援します。賃上げに取り組む事業者には優先的に採択される仕組みがあります
  • IT導入補助金:IT機器やソフトウェアの導入を支援し、業務効率化を促進します

これらの支援策を活用することで、最低賃金引き上げに伴う負担を軽減しつつ、企業の生産性向上や競争力強化を図ることができます。

参考:中小企業庁|最低賃金引き上げに伴う支援を強化しています

関連記事:【社労士監修】賃上げで最大600万円の業務改善助成金とは?その他の支援制度も解説

最低賃金対応と従業員満足度向上の両立

2024年の最低賃金改定により、東京都の最低賃金は1,163円になりました。これは例年通り国内最高値で、一種の基準値ともなっています。

最低賃金の引き上げは、企業にとって大きな課題となりますが、同時に従業員の満足度向上や優秀な人材の確保・定着をかなえる機会でもあります。大幅な賃金アップが難しい場合でも、福利厚生の充実によって従業員の満足度や企業価値を向上させることが可能です。

たとえば、食事補助の福利厚生サービスとして日本一の実績を持つエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を導入することにより、従業員の実質的な収入増加を図りつつ、企業の負担を抑えることができます。このようなサービスは、従業員の健康管理や生活の質の向上にも寄与し、結果として生産性の向上にもつながります。

最低賃金の引き上げを単なるコスト増ではなく、企業価値向上の機会と捉え、適切な対応策を講じることが、これからの企業経営には不可欠です。政府の支援策も積極的に活用しながら、従業員と企業がともに成長できる環境づくりを目指してはいかがでしょうか。

関連記事:チケットレストランの魅力を徹底解説!ランチ費用の負担軽減◎賃上げ支援も

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