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中小企業のインターンシップ事例!メリットと効果的な運営方法も解説

中小企業のインターンシップ事例!メリットと効果的な運営方法も解説

2025.09.18

「応募が集まらない」「せっかく採用しても早期退職してしまう」
こうした新卒採用の悩みを抱える中小企業の人事担当者は多いのではないでしょうか。少子高齢化が進み、企業間の人材獲得競争がますます激化する中、優秀な人材を確保するためには戦略が必要となっています。
そこで注目されているのが「インターンシップ」です。本記事では、中小企業がインターンシップを成功させるためのポイント、事例、運営方法について解説します。

中小企業を取り巻く採用環境の変化

中小企業が置かれている採用環境の現状を把握することから始めましょう。データを見ると、厳しい現実が浮き彫りになります。

「売り手市場」が継続する新卒採用

近年の新卒採用市場は、引き続き「売り手市場」の状況が続いています。リクルートワークス研究所の調査によると、全体的に採用意欲は高い状況です。2026年卒採用では、採用数を「増やす」企業が13.2%、「減らす」企業が5.4%となっています。

一方で、採用予定数の充足率は課題です。2025年卒採用における10月1日時点での採用予定達成率は全体で76.8%にとどまっており、300人未満の中小企業では62.3%とより人材獲得が厳しい状況です。

中小企業 インターンシップ 事例01出典:リクルートワークス|ワークス採用見通し調査(2026年卒)

学生のインターンシップ参加動向の変化

売り手市場が続く今、学生側のインターンシップに対する意識が変化しています。新卒学生向けスカウトサービス「iroots」が2027年卒業予定の学生77名を対象に実施した「サマーインターンに関する最新意識調査」から、以下の傾向が明らかになりました。

  • 回答者の8割以上がすでに「インターンやイベント等へ応募・参加」
  • 回答者の6割は、大学3年生/修士1年生に進級したタイミングで就活を開始
  • サマーインターンの参加予定は平均3.32社
  • サマーインターンの参加理由では「本選考直結」を意図した傾向

回答者の8割以上がインターンシップ等イベントへ参加することから、インターンシップは就職活動で一般化していることが分かります。学生は「参加するかどうか」ではなく「どこに参加するか」を考える段階に入っているのです。

また、平均3.32社という参加社数は、学生が慎重に参加企業を選んでいることを示唆します。「本選考直結」を重視する傾向もあわせて考えると、学生のインターンシップに対する捉え方が、企業理解から戦略的な就職活動の一環へと変化していると言えるでしょう。

中小企業にとってのチャンスとなる「インターンシップ」

知名度や認知度で大手企業に劣りがちな中小企業こそ、インターンシップを通じて学生に自社の魅力を直接伝える機会が必要です。実際の職場を体験してもらうことで、入社後のミスマッチを防ぎ、早期離職率を下げる効果も期待できます。

中小企業がインターンシップを実施する5つのメリット

現状の厳しさを理解した上で、なぜインターンシップが解決策となり得るのでしょうか。中小企業がインターンシップを実施することで得られるメリットを見ていきましょう。

メリット1.自社の魅力を直接アピールできる

中小企業には大企業では体験できない独自の魅力があります。経営者との距離の近さは、その代表例です。学生にとって、経営者の生の声を聞き、企業の理念や将来への想いを直接感じられる体験は印象深いものとなります。

また、一人ひとりの裁量権の大きさも中小企業ならではの魅力です。「自分の意見が企業方針に関わっていく」「自分のアイデアを聞いてもらえる」といった体験は、成長意欲の高い学生にとって魅力的に映るでしょう。

メリット2.入社後のミスマッチを防止

リクルートマネジメントソリューションズの調査では、就業体験を伴うインターンシップに参加した学生(入社企業は問わない)は、不参加の学生と比較して「キャリア選択への納得感」が約2倍高く、入社企業での働くイメージも持ちやすいという結果が出ています。

実際の業務を体験することで、入社前に企業やその業界に対する認識のズレを解消でき、結果として早期離職防止による採用コスト削減効果が期待できます。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ|学生のキャリア選択と入社後の状態に関する意識調査

メリット3.優秀な人材の発掘

書類選考や面接だけでは見えづらい「仕事へ取り組む姿勢」「チームワーク」「成長意欲」などを総合的に評価できるのは大きなメリットです。これらは入社後の活躍を左右する重要な要素だからです。

実際の業務を通じて学生の本質的な能力や適性を見極めることで、企業側が求める優秀な人材を発掘できる可能性が高まります。

メリット4.社内の人材育成力が向上

インターンシップ生を指導することは、担当する従業員にとって教育スキルを磨く機会です。「どのように説明すれば学生が理解できるのか」「どうすればモチベーションを高められるか」といったマネジメントスキルを実践的に学ぶ場となります。

指導経験により、人材の受け入れや育成のノウハウが企業に蓄積され、組織全体の人材育成力を高めます。

メリット5.新しい視点とアイデアを獲得できる

学生は既存の常識にとらわれることなく、純粋な疑問や素朴な改善提案を投げかけてきます。特にデジタルネイティブ世代である現在の学生は、ITツールの活用やSNSマーケティングといった分野で、既存従業員よりも優れた発想を持っていることが少なくありません。

中小企業のインターンシップ3つの事例

中小企業ではどういったインターンシップ事例があるのかを見ていきましょう。業界の特性や企業の強みを活かした3つの事例を紹介します。

事例1.社長直々の指導でビジネスで伝える力を養成

テント膜構造物の企画から施工まで一貫して行う丸八テント商会では、2012年から大学生の長期インターンを実施しています。同社では海外留学生も一緒に働く国際的な職場環境が特徴で、学生は社長の右腕として経営者目線のビジネスを学びながら、実践的な英語スキルも身につけられます。

約6か月間で活動支援金月5万円、交通費上限月1万5千円が支給され、学業と両立しながらWebマーケティングなどの実務スキルを習得可能です。LINEのお友達登録から応募でき、一人ひとりに合わせたプログラムが提案されます。

出典:丸八テント商会|インターンシップ

事例2.金属加工の技術を活かしたアルミ名刺の製作

兵庫県尼崎にある株式会社ミナミテックでは、産業技術短期大学から企業研修(インターンシップ)を受け入れています。同社のInstagramでは、学生がワイヤーカットやレーザーマーカーの技術を学び、実際にアルミで名刺を作る様子が紹介されています。製造業ならではの専門技術を体験できる、ものづくりインターンシップの好事例と言えるでしょう。

出典:産業技術短期大学|就職
出典:Instagram|株式会社ミナミテック(minamitech373)

事例3.SNSを活用した書籍PR

「本を読まない人のための出版社」と掲げるユニークさが特徴のサンクチュアリ出版では、有給学生インターンとしてSNSで書籍をPRしてくれる人材を募集しています。InstagramやTikTokなどのSNSに精通した学生の強みを活用することで、学生も企業も共に成長できる仕組みです。

出典:サンクチュアリ出版|SNSが得意な有給学生インターン募集

調査が示す「インターンシップ」5つの設計ポイント

実際にどのようなインターンシップを設計すれば効果的なのでしょうか。2つの調査結果から、学生のニーズを踏まえた設計ポイントを紹介します。

一つ目として「サマーインターンに関する最新意識調査」から、学生のニーズを踏まえた設計ポイントを紹介します。

  • サマーインターンの希望開催日数は「2〜3日」が最多(50.6%)
  • 開催形式については約9割(89.6%)の学生が対面を希望
  • エントリー時に最も重視するのは「本選考への優遇がある」こと(72.7%)

ポイント1.効果的な実施期間

「2〜3日」が最多(50.6%)となっており、短期集中型のプログラムが好まれていることが分かります。企業としては、この期間で効果的な体験を提供できるプログラム設計を検討することが重要です。

ポイント2.ニーズを満たす開催形式

約9割(89.6%)の学生が対面開催を希望しており、オンライン形式よりも対面での実施が学生ニーズに合致します。対面開催では、実際の職場環境を体験できる機会を提供することが可能です。

ポイント3.インターンシップと採用との関係を明示

72.7%の学生が「本選考への優遇」を最重視していることも見逃せません。学生の関心を集めるためには、採用優遇制度についてどう取り扱うかを定めておくことが重要です。

ポイント4.インターンシップ後の継続的な関係構築

「サマーインターンに関する最新意識調査」では、サマーインターンシップ後に参加したいコンテンツとして以下が示されました。

  • 早期の本選考:44.2%
  • 秋・冬の業務体験型インターン:23.4%
  • 本選考を兼ねた企業説明会:16.9%
  • 人事との個別面談:7.8%
  • 少人数座談会:3.9%

選考に関連するコンテンツ(早期本選考や本選考を兼ねた説明会)の合計は約6割となっており、インターンシップを採用プロセスの一部として捉えたい学生の意向が見えます。そのため、インターンシップ終了後の選考プロセスを事前に設計し、学生に明示することが効果的です。

ポイント5.学生満足度を最優先に考えたプログラム設計

2つ目の調査として株式会社ディスコの「インターンシップ等に関する特別調査レポート」によると、学生満足度を高める要因は「従業員との接点の多さ」と「成長実感」です。学生を「お客様扱い」ではなく「チームの一員」として受け入れ、実際の業務に携わってもらい、責任を持って取り組める環境を整えるように努めましょう。

業務時間中だけでなく、ランチタイムや休憩時間での従業員との自然な交流機会も、企業理解を深める要素となります。

出典:株式会社ディスコ|インターンシップ等に関する特別調査レポート

採用直結型のインターンシップ制度も活用

2025年から本格運用されている新しいインターンシップ制度では、インターンシップの定義が4つのタイプに明確に分類されました。

  • タイプ1:オープン・カンパニー
  • タイプ2:キャリア教育
  • タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ

特にタイプ3(汎用的能力・専門活用型インターンシップ)では、5日間以上の実施期間、就業体験が期間の半分以上、職場従業員による指導とフィードバックといった一定の要件を満たすことで、学生情報の採用活用が正式に認められるようになっています。

採用直結型のインターンシップは、学生の本選考直結ニーズとも合致しています。中小企業側としても、本格的な就業体験を通じて学生の適性を見極め、優秀な人材を早期に発掘・確保することが可能になり、積極的に取り入れたい制度です。

中小企業 インターンシップ 事例02出典:厚生労働省|令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります

中小企業のインターンシップ 5つの差別化戦略

大企業には知名度で劣ってしまう点をカバーすべく、中小企業にフォーカスしてインターンシップを成功させるポイントを紹介します。

1.中小企業らしい魅力を反映した「成長実感」プログラム

学生満足度を高める重要な要素である「成長実感」を提供するために、中小企業ならではの強みを活かしたプログラムを設計しましょう。

経営者との直接対話機会、幅広い業務への関与、個人の成長に合わせたカスタマイズなど、大企業では体験できない濃密な成長体験を提供します。また、業界特有の専門性や地域との関わりを活かした実践的なプロジェクトに参加してもらうことで、学生にとって他では得られない学びの機会となります。

参加した学生が「ここでしか得られない経験ができた」「自分の成長を実感できた」と感じられることが大切です。企業への志望度向上と他社との差別化を同時に実現できます。

2.複数の募集チャネルを活用

中小企業は、限られた予算の中で効率的に学生にアプローチすることが大切です。情報豊富な就活サイトでの掲載は基本ですが、大手企業に埋もれがちという課題があります。

地元大学のキャリアセンターとの連携、業界特化型の求人媒体、SNS(Instagram、TikTok、X(旧Twitter))での情報発信など、複数のチャネルを組み合わせることで、より多くの学生の目に留まる機会を増やせます。 特に、地域密着型の中小企業であれば、地元大学との関係性を活かすことで効率的なアプローチができるでしょう。

3.応募しやすい選考プロセスの設計

優秀な学生との接点を増やすには、応募のハードルを下げることも重要です。効果的な取り組みを紹介します。

  • エントリーシートの内容をシンプルにする
  • オンライン面談を導入する
  • 面接は一方的な評価ではなく相互理解の場として活用する
  • 選考期間を短くする

学生にとって応募しやすい環境を作ることで、より多くの優秀な学生との接点を創出できます。

4.規模感を活かした質問しやすい環境作り

インターンシップの成功には、学生が積極的に質問し、学べる環境が不可欠です。しかし、学生は実務経験がないため、「こんなことを聞いても大丈夫か」と遠慮してしまいがちです。

中小企業の強みである少人数制を活かし、学生一人ひとりに手厚いサポートを提供しましょう。年齢の近い若手従業員を配置することで、学生との心理的距離を縮め、気軽に相談できる関係性を築きやすくなります。

また、多くの従業員が学生の名前を覚えて積極的に声をかける、経営陣との距離が近いからこそ可能な社長との直接対話の機会を設けるなども効果的です。大企業では難しいアットホームな環境の良さを伝えられます。

実際に、リクナビの調査によると、学生がインターンシップで質問する内容は「仕事内容」「社風・雰囲気」「事業内容」など、企業選択に直結する重要な項目が上位を占めています。これらの質問に丁寧に答えることで、学生の企業理解を深め、志望度向上につなげることができるでしょう。

中小企業 インターンシップ 事例03出典:リクナビ|インターンシップではどんなことを質問したらいいの?質問例公開

5.学生にアピールする福利厚生の重要性

インターンシップを通じて学生が企業を選ぶ際、福利厚生の充実度は重要な判断材料の一つです。特に中小企業にとって、他社と差別化できる魅力的な福利厚生の存在が強力な武器になります。

中小企業でも導入しやすい福利厚生として、「チケットレストラン」のような食の福利厚生サービスがあります。入社初日から毎日の食事に利用でき、食事代が軽減されるメリットがあるため、学生にとってイメージしやすく印象に残りやすい制度です。コスト面で負担が大きな福利厚生を用意できなくても、学生の日常生活に直結する実用的な食事補助の福利厚生サービスで差別化を図れます。

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

採用成功に向けてインターンシップを活用

中小企業におけるインターンシップでは、学生のニーズを深く理解し、自社ならではの強みを活かしたプログラムを設計することで、優秀な人材の確保と組織力向上の両方を実現できます。

成功に向けて、学生満足度を最優先に考えたプログラム設計、対面での実践的な体験提供、そして新しいインターンシップ制度の効果的な活用を組み合わせてみましょう。

なお、学生にアピールする魅力的な職場環境作りには、食の福利厚生サービス「チケットレストラン」のような日常的にありがたさを実感できる制度の導入も効果的です。

こちらの「導入事例」も参考に、「チケットレストラン」を検討してみませんか。

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エデンレッドジャパンブログ編集部

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