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人手不足倒産が急増⁉業種ごとの傾向や中小企業の割合をチェック

人手不足倒産が急増⁉業種ごとの傾向や中小企業の割合をチェック

2024.12.10

人手不足倒産が増えています。2024年度上半期の傾向を、業種ごとや企業規模ごとに、帝国データバンクと東京商工リサーチの調査をもとに見ていきましょう。併せて人手不足倒産を避けるために、人材定着のポイントも紹介します。

帝国データバンクの調査で見る人手不足倒産

帝国データバンクの実施した「人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」によると、2024年度上半期の人手不足倒産件数は過去最多となりました。これまでの人手不足倒産の推移をチェックしましょう。

年度

上半期の人手不足倒産件数

1年間の人手不足倒産件数

2014年度

40件

65件

2015年度

35件

68件

2016年度

32件

79件

2017年度

57件

108件

2018年度

80件

175件

2019年度

92件

199件

2020年度

69件

130件

2021年度

53件

118件

2022年度

66件

146件

2023年度

135件

313件

2024年度

163件

1年間の人手不足倒産件数が過去最多となった2023年度と比べても、2024年度上半期の人手不足倒産件数は増えています。2023年度を上回るペースで人手不足倒産する企業が発生すれば、人手不足倒産件数は2023年度に引き続き過去最多となるかもしれません。

参考:帝国データバンク|人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)

2024年度上半期【業種別】人手不足倒産の割合

人手不足倒産の動向調査(2024年度上半期)」で人手不足倒産した企業の業種別の件数を見ると、建設が55件、物流が19件で、全体の45.4%を占めています。どちらも2024年問題が話題となっていた業種です。

2024年問題とは、働き方改革関連法に基づいて設けられた「時間外労働の上限規制」の適用によって引き起こされる、さまざまな課題の総称です。

建設業・物流業は人手不足を長時間労働で補ってきた業種でもあります。2024年4月から「時間外労働の上限規制」が適用され、実質無制限だった時間外労働に明確な上限ができた結果、2つの業種の人手不足割合は約70%と全業種平均の51.5%を上回っています。

また他の業種と比べて、人材定着につながる賃上げを行う資金の価格転嫁が進んでいないのも特徴です。2024年7月の全業種の価格転嫁率が44.9%であるのに対して、建設業は43.7%、物流業は34.5%でした。

人手不足であるにもかかわらず、人材確保のための賃上げを実施するのも難しい状況の中、人手不足倒産に至る企業が増えていると考えられます。

関連記事:2024年問題とは何?働き方改革関連法のおさらい。運送・物流、建設業に与える影響と対策もチェック

2024年度上半期【中小企業】人手不足倒産の割合

また業種を問わず、中小企業や小規模企業といった、規模の小さな企業が人手不足倒産に至る傾向があります。

2024年度上半期に人手不足倒産した163件のうち、従業員数10人未満の企業は134件と全体の82.2%でした。残り29件も従業員数10~49人の企業です。

東京商工リサーチの調査で見る人手不足倒産

東京商工リサーチも「2024年度上半期「人手不足」関連倒産」に関する調査を行っています。この調査によると、2024年度上半期の人手不足関連倒産は148件でした。2013年度からの人手不足関連倒産の推移は以下の通りです。

年度

上半期の人手不足倒産件数

人手不足関連倒産の要因の内訳

人件費高騰

従業員退職

求人難

2013年度

21件

4件

9件

8件

2014年度

33件

11件

7件

15件

2015年度

23件

11件

5件

7件

2016年度

27件

10件

10件

7件

2017年度

30件

7件

7件

16件

2018年度

60件

13件

12件

35件

2019年度

81件

14件

28件

39件

2020年度

42件

7件

20件

15件

2021年度

26件

4件

13件

9件

2022年度

31件

5件

13件

13件

2023年度

82件

30件

18件

34件

2024年度

148件

56件

35件

57件

同調査では人手不足関連倒産に至った要因として「人件費高騰」「従業員退職」「求人難」を設定しており、2024年度上半期は全てが前年度より増加しています。賃上げの動きが広がる中、特に「人件費高騰」による資金繰りの悪化が深刻さを増しているようです。

参考:東京商工リサーチ|2024年度上半期「人手不足」関連倒産 148件 上半期で初の100件超、収益改善が早急な課題に

2024年度上半期【業種別】人手不足倒産の件数

東京商工リサーチの「2024年度上半期「人手不足」関連倒産」に関する調査では、2024年上半期の人手不足関連倒産148件の業種別件数も発表しています。

特に多くの人手不足関連倒産が起こったのは、建設業・サービス業他・運輸業といった労働集約型産業でした。建設業が47件、サービス業他が43件、運輸業が28件で、全体の約80%です。

その他の業種も、金融・保険業と不動産業以外の8業種で前年度上半期を上回る件数となっています。

2024年度上半期【中小企業】人手不足倒産の件数

企業規模ごとの人手不足関連倒産件数も、東京商工リサーチの「2024年度上半期「人手不足」関連倒産」で見ていきましょう。

148件の人手不足関連倒産した企業のうち、資本金1,000万円未満の企業は90件と約60%でした。また人不足関連倒産した企業のうち143件が破産を選択しており、資金や人材の確保が難しい状況が垣間見えます。

人手不足倒産とは

人手不足倒産とは、企業が事業の運営に必要な人材を確保できず倒産することです。十分な仕事や資金があったとしても、従業員がいなければ企業は商品やサービスを提供できません。黒字であったとしても、事業を行えなくなり倒産することもあるでしょう。

国内では少子高齢化が進行しており、15~64歳の生産年齢人口は減少し続けているのが現状です。今後も人材確保がしやすくなるとは考えにくいでしょう。

また2022年後半ごろから経済活動が回復し始め、従業員が転職しやすくなったことも、人手不足倒産につながっています。自分の希望に合う職場を探し転職する従業員が増えることは、競争力の低い企業に人材が集まりにくくなることを意味しています。

加えて人材定着のために、自社の持つ資金力を超えた賃上げを行い、人件費高騰から人手不足倒産に至るケースもあるようです。賃上げの動きが広がる中、自社の経営状況が悪化しない範囲でできることは何か検討する必要があります。

関連記事:人手不足の原因は?中小企業の現状や今からできる対策をチェック

人手不足倒産は4種類

人手不足倒産は理由によって「後継者不足」「求人難」「従業員退職」「人件費高騰」の4種類に分類できます。

後継者不足による人手不足倒産は、経営者や幹部層が退職するタイミングで、次世代を担う人材が十分育っていないために起こるものです。後継者がおらず人手不足倒産に至るケースでは、企業や事業の売却を検討するのもひとつの方法です。

求人難による人手不足倒産では、求人を出しても人材が集まらないことで起こります。人材市場は求職者の売り手市場のため、他社より給与や福利厚生などの充実度が低い場合に起こりやすい人手不足倒産です。

従業員退職で従業員が少なくなれば人手不足倒産につながります。特に代わりの人材がいないポジションの従業員が退職すると、事業全体に影響が出て倒産に至るでしょう。

従業員の定着を目指して賃上げを行うと、人件費が高騰して企業の資金繰りが悪化しかねません。予算内で満足度の高い支給をできるよう、制度を整えていく必要があります。

人手不足倒産を避ける人材定着の方法

急激に人手不足倒産が増えた2023年度を超えるペースで、2024年度上半期は人手不足倒産が発生しています。人手不足倒産を避けるには人材定着につながる取り組みが有効です。具体的に対策となる取り組みを解説します。

求人を工夫する

人手不足倒産に至るときには、求人を出しても応募が集まりにくいでしょう。このようなときには、求人の出し方を変えると応募が集まりやすくなるかもしれません。

求人の掲載先を自社に興味を持ちそうな人材が利用している求人サイトへ変更する、自社サイトに求人ページをつくる、SNSで求人について発信するなど、さまざまな求人の出し方の中から自社の状況に合うものを選びます。

職種によってはインターネットへ掲載するより、地元の求人誌や新聞などの方が反応が集まりやすいケースもあるでしょう。

併せて検討すべきなのが、求人でアピールする内容です。求職者を集めるために自社のよい部分のみを掲載していると、実際の職場や仕事内容とのギャップにより、早期離職が増えることもあります。

魅力をアピールしつつ、仕事に取り組む上で大変なことや、社内の雰囲気などについても触れると、イメージと現実とのギャップが縮まりやすいでしょう。先輩従業員へのインタビューを掲載するのも有効です。

また実際に職場の様子や雰囲気を見られる職場見学の機会を設けてもよいでしょう。気軽に参加できる職場見学を実施すれば、それを機に就職を検討する求職者が出てくる可能性もあります。

関連記事:人材採用の戦略は3ステップで立案!役立つフレームワークもチェック

入社後のフォロー体制を整える

入社後のフォロー体制の見直しや整備も、人材定着を考える上で欠かせません。採用した従業員の教育を現場に一任していると、フォローが手薄になりがちです。忙しい現場では、新しく入った従業員の教育が後回しにされることもあるでしょう。

新しく入った従業員はなかなか仕事を覚えられず「役に立っていない」「先輩たちに迷惑をかけている」と無力感を覚えるかもしれません。

相談できる人間関係が構築されていれば課題が明確になり改善されていく可能性もありますが、相談できる人がいなければ誰にも気持ちを伝えることなく離職を選ぶ従業員もいるでしょう。

このような事態を避けるには、入社時研修の実施や、現場への教育担当者の設置、定期的な面談によるフォローアップなどが有効です。現場任せにすることなく、連携してフォローする必要があります。

関連記事:中小企業における人材育成・人材定着の重要性と課題解決策

業務効率化に取り組む

人手不足倒産を回避するには、業務効率化により従業員が働きやすい環境を整えることも重要です。今ある業務を見直すことで、重複している業務や省いても問題のない業務を見つけられるかもしれません。

不要な業務をなくしていくことで、従業員が今より効率よく働きやすくなれば、残業時間や休日出勤を減らせるでしょう。

また業務効率化を実施すると、これまで5人で行っていた業務を3人でできるようになる可能性もあります。ひとつの業務に必要な人数が3人に減れば、2人には他の業務を任せることも可能です。新たな人材を採用することなく、人手不足を解消できるかもしれません。

良好なコミュニケーションを取れる関係性をつくる

人材定着を促すには、良好なコミュニケーションを取れる人間関係の構築が必要です。従業員にあいさつや会話が気軽にできる関係性があれば、仕事の相談も早いタイミングでできるでしょう。トラブルが発生したときにも、素早い報告があれば早期対応が可能です。

また仕事に関して悩みが出てきたときも、他の従業員に相談することで、悩みを解消できるかもしれません。

良好なコミュニケーションをサポートするには、職場内に従業員が集まりやすい休憩スペースを設置するとよいでしょう。コーヒーメーカーやフリードリンクを用意すれば、従業員が自然と集まりやすくなります。

従業員同士に交流が生まれるよう促すには、食事会やレクリエーションなどのイベントが有効です。部署内のコミュニケーションはもちろん、異なる部署の従業員とのコミュニケーションにもつながります。

関連記事:職場コミュニケーションの成功法則!活性化させる具体的な方法と事例

賃上げを行う

従業員の離職を防ぎ自社への定着を目指すには、賃上げの取り組みが欠かせません。2024年春闘では歴史的な賃上げが行われ、大企業はもちろん中小企業にも賃上げの動きが広がっています。

賃上げを行わなければ、他社と比べて相対的に待遇が悪化した状態になってしまいます。物価高が続く中、待遇がいつまでも昔のままで変わらないようであれば、従業員はよりよい待遇を求めて離職を選びかねません。

また待遇改善には、給与に加えて福利厚生も重要です。要件を満たすと従業員の税負担を増やすことなく支給できる「社宅」や「食事補助」などの福利厚生を支給すれば、従業員の実質的な手取り額アップを実現できます。

福利厚生の支給により、働きやすさの向上にもプラスに働くでしょう。

関連記事:賃上げ率の見通しは?2025年春闘の予想や第3の賃上げについて解説

人材定着につなげる福利厚生は「チケットレストラン」がおすすめ

人手不足倒産を防ぐには人材定着が重要です。今いる従業員の離職を防ぎ、新たな従業員の採用をスムーズに進めるには、実質的な手取り額アップや働きやすさの向上につながる福利厚生の拡充を進めるとよいでしょう。

従業員満足度の高い福利厚生サービスの導入を検討しているなら、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」がおすすめです。

一定の要件を満たしている場合、非課税運用ができるため同額の賃上げを実施するより従業員は手取り額アップを実感しやすいでしょう。

またエデンレッドジャパンの実施した「ビジネスパーソンのランチ実態調査2024」によると、歴史的な賃上げが行われているにもかかわらず「家計が苦しい」と回答した人の割合は80%を超えています。

賃上げを超える物価高の影響から、節約目的でランチ代を減らしている人や欠食する人も2023年調査より増えている状況です。

食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」の支給は、従業員の健康的な食事のサポートが働きやすさにつながり、人材定着にプラスに働く取り組みといえます。

関連記事:
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人手不足倒産への対策に「チケットレストラン」

2024年度上半期の人手不足倒産件数が過去最多を記録しています。仕事や資金があっても従業員がいなければ、企業は継続できません。黒字であるにもかかわらず倒産せざるを得ないケースも出てくるでしょう。

人手不足倒産を避けるには、待遇改善や制度の整備による働きやすい環境づくりがポイントです。業務効率化や賃上げに加えて、福利厚生の充実度アップも検討するとよいでしょう。充実した福利厚生が、同業他社との差別化につながります。

手間を抑えつつ満足度の高い福利厚生を導入するなら、エデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利サービス「チケットレストラン」が向いています。従業員の健康サポートにもつながる福利厚生の導入を検討してみませんか。

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