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【2025年問題】とは?企業に迫る危機と対策をかんたんに解説!

【2025年問題】とは?企業に迫る危機と対策をかんたんに解説!

2024.03.27

「2025年問題」が取り沙汰される中で、「できるだけ簡単に内容を理解したい」と考える人が増えています。「2025年問題」が社会や企業にもたらすリスクとはどのようなものなのか、具体的な対策とともに整理していきましょう。「2025年問題」と並んで話題となりがちな「2025年の壁」や「2040年問題」との違いについても解説しています。

2025年問題とは

2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年前後に直面するさまざまな社会問題の総称です。まずは、2025年問題の概要から解説します。

【2025年問題】何が問題なのか

SMBC日興証券が公開している「初めてでもわかりやすい用語集」では、2025年問題について以下のように解説しています。

日本の人口の年齢別比率が劇的に変化して「超高齢化社会」となり、社会構造や体制が大きな分岐点を迎え、雇用、医療、福祉など、さまざまな分野に影響を与えることが予想されることを指します。

出典:SMBC日興証券|2025年問題|初めてでもわかりやすい用語集

2025年問題の大きな背景となっているのが、第一次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」が、75歳以上のいわゆる「後期高齢者」となることです。この世代は約800万人にものぼるため、2025年を機に、日本人口の実に1/4が後期高齢者となります。

後期高齢者の割合が多い社会では、医療や介護のニーズが溜まる一方で、それを支える生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が不足します。アンバランスな年齢分布が引き起こす諸問題を、総称として2025年問題と呼んでいるのです。

【2025年問題】と【2025年の崖】の違い

「2025年問題」と「2025年の崖」は、ともに2025年前後に起こりうる社会問題を指しますが、その内容は大きく異なります。

「2025年の崖」が知られるきっかけとなったのが、2018年に経済産業省が公開した「DXレポート」と呼ばれる資料です。「DXレポート」では、企業のレガシーシステム(既存のシステム)の肥大化・複雑化・ブラックボックス化がDXの推進を妨げる場合、2025年以降、1年あたり最大12兆円の経済的損失が生じる可能性について触れています。

つまり、「2025年問題」が、年齢分布のアンバランスさがもたらす社会的な諸問題を指すのに対し、企業のDX化が停滞することで引き起こされる経済損失を指すのが「2025年の壁」なのです。

参考:経済産業省|DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~

2025年問題と2040年問題の違い

「2025年問題」は、団塊の世代が後期高齢者になることで予想される危機をいいます。これに対し、団塊ジュニア世代が高齢者(65歳以上)となることで予想される危機を指すのが「2040年問題」です。

厚生労働省の推計によると、2040年の日本では、65歳以上の占める割合が約35%になります。人口の中で高齢者が占める割合がピークを迎え、生産年齢人口はさらに減少します。社会保障制度の維持はますます困難なものとなり、経済活動も縮小していくでしょう。

いずれも少子高齢化がもたらす社会問題ですが、過渡期にあたる問題が「2025年問題」、深刻さのピークにあたるのが「2040年問題」といえそうです。

2025年問題が社会にもたらすリスク

2025年問題がもたらすリスクは、一企業から社会全体まで広範囲に及びます。つまり、日本で生活をする以上、2025年問題の影響から逃れることはできません。まずは、2025年問題が社会にもたらすリスクについて解説します。

ふくれ上がる社会保障費

「2025年問題」では、団塊の世代の高齢化に伴い、医療費や介護費などの社会保障費が急増すると予測されています。

以下に示すのは、厚生労働省が2019年に公開した『今後の社会保障改革について ー 2040年を見据えてー』内の『社会保障給付費の見通し』をもとに、求められる社会保障費の推移についてまとめたものです。

  2018年度 2025年度
(計画ベース)
2040年度
(計画ベース)
年金 56.7 59.9 73.2
医療 39.2 47.8/47.4 66.7/68.5
介護 10.7 15.3 25.8
社会保障給付金総額 121.3 140.2~140.6 188.2~190.0

*単位:兆円
*医療は2種類の試算があるため、2通りの計算で示している

求められる社会保障費が急増していく一方で、それを負担する生産年齢人口は減少していきます。2025年はあくまでも過渡期ではありますが、日本の社会保障制度そのものが危機に瀕していることに違いはありません。

医療|介護現場の逼迫

高齢者と生産年齢人口との比率のアンバランスさは、医療・介護現場にも大きなリスクをもたらします。

高齢者が増加すると、医療や介護のニーズが高まります。しかし、生産年齢人口が減少している状況では、必要なサービスを十分に提供できません。医療・介護ともに、現場の逼迫が予想されているのです。

特に介護職は、もともと離職率が高い業界でもあり、人材の確保が深刻な課題となっています。

労働力不足の加速

少子高齢化による生産年齢人口の減少は、さまざまな業界で人手不足を引き起こします。労働力が不足すると、従来通りのモノやサービスの提供が困難となり、人々の生活レベルも低下することになるでしょう。

特に高リスクとされているのが、医療・介護・運輸・建設業界です。医療・介護業界が労働力不足に陥った場合「必要な医療や介護を受けられない」リスクがあります。運輸業界では「荷物が届かない」「(原材料の輸送が滞るため)モノが作られない」リスクがあります。また、建設業界では、インフラの整備に問題が生じるリスクが考えられるでしょう。

労働力不足が社会にもたらす悪影響は、非常に深刻なものといえます。

2025年問題が企業にもたらすリスク

2025年問題は、企業にも様々なリスクをもたらします。中でも、あらかじめ知っておきたい重大なリスクについて解説します。

深刻化する人材不足

生産年齢人口の減少は、企業の人材不足を加速させます。優秀な人材の確保がより困難なものとなり、採用コストの増大や、人材流出のリスクも高まるでしょう。

特に、従業員数が比較的少ない中小企業では、優秀人材の確保・育成が経営の鍵を握ることになります。多様な人材の活用や、人材定着に向けた取り組みを行わなければ、安定した人材の確保はできません。人材不足への戦略的な対応は、2025年以降の企業の生産性や競争力に直結する重要な課題です。

レガシーシステムの老朽化によるDXの停滞

「2025年の崖」が示すように、企業のデジタル化の遅れは、大きな経済損失を招く可能性があります。具体的には、次のようなリスクです。

  • レガシーシステムの維持コストの増大
  • 顧客のDX化に対応できないことによる顧客ニーズへの対応の遅れ・ビジネスチャンスの逸失
  • 競合他社に後れをとることによるシェアの喪失・収益性の悪化

DXの遅れは、企業にとって大きなリスクです。2025年以降も競争力のある企業でありつづけるためには、システムの刷新や、IT人材の育成・確保が急務です。

事業存続の危機

少子高齢化は、企業の後継者問題にも大きな影を落としています。

事業を引き継ぐ人材が不在の企業は、事業を存続できません。生産年齢人口の減少に伴い、従業員の獲得や定着もますます難しくなることから、廃業を選択せざるを得ないケースも生じることが予想されます。

特に、比較的企業体力の弱い中小企業では、事業承継問題が喫緊の課題といえるでしょう。

人材不足への対策は?

人材不足は、2025年問題が企業にもたらす最大のリスクです。企業にできる具体的な対策を見ていきましょう。

女性人材・シニア人材の活用

人材不足への対応として、まず注目したいのが、女性やシニア人材の活用です。

今後ますます深刻化していくことが予想される人材不足ですが、育児や介護に携わっているために十分な時間の確保が難しい女性や、年齢制限で希望の仕事に就けないシニア層など、潜在的な求職者は少なくありません。これらの層を活用することは、人手不足解消の効果的な一手となります。

具体的には、フレックス制の導入・リモートワークの推進・機械化による身体的負担の軽減といった施策が有効です。

DXの推進

DXの推進は、2025年の壁を乗り越える重要な要素であると同時に、人材確保の有効な手段です。

DXが進めば、生産性が高まるのはもちろんのこと、業務の効率化が図れます。人の手が必要な工程を削減できるため、少ない人員でも問題なく業務に対応できます。DXの推進により、人材不足を補うことが可能となるのです。

また、DXの推進によって業務の負荷が軽減すれば、より多様な人材に業務を任せられます。限られた人材をターゲットにするよりも、人材の獲得が容易になるでしょう。

他社との差別化

優秀な人材を確保する上で、重要な要素となるのが他社との差別化です。数ある同業他社の中から、優秀な人材に自社を選んでもらうためには、「この企業で働きたい」と思わせるメリットを提示しなければなりません。

具体的には、働きやすい環境の整備・多様な働き方の導入・充実した福利厚生の提供などが挙げられます。

中でも福利厚生は、選択肢が豊富なために「従業員を大切にする」企業としてのスタンスを表明しやすく、他社との差別化に有効です。特に、2025年問題によって深刻化が予想される人材不足への対策として、福利厚生の充実は欠かせません。魅力的な福利厚生を提供することで、優秀な人材の確保や定着率の向上につなげられるでしょう。

なお、福利厚生の中でも注目されているのが、食事補助です。従業員の日々の生活を支援することで、企業への満足度や帰属意識を高める効果が期待できます。食事補助として日本一の実績を持つエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、すでに2,000社を超える企業に選ばれており、2025年問題への対策としても有効なサービスといえます。

2025年問題のリスクを理解して万全の備えを!

2025年問題は、社会全体にも、企業にも大きな影響を及ぼす喫緊のリスクです。人材不足や事業継続の問題など、さまざまなリスクを正しく理解し、早めに対策を講じることが重要です。

福利厚生の充実をはじめとする総合的な取り組みを進めることで、2025年問題を乗り越え、持続的な成長を実現していきましょう。

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