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エデンレッドブログ

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【社労士監修】地域企業経営人材確保支援事業給付金とは?活用事例も

2024.01.23

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

地域企業経営人材確保支援事業給付金は、大企業から人材を受け入れた地域の中堅・中小企業へと給付金が支給される制度です。本記事では、豊富な経験を持つ経営人材の確保を目指す中堅・中小企業にうれしい地域企業経営人材確保支援事業給付金について、制度の詳細や要件・申し込み方法など、知っておきたい情報をまとめて解説します。

「地域企業経営人材確保支援事業給付金」とは?

地域企業経営人材確保支援事業給付金は、政府が推進する「地域企業経営人材マッチング促進事業」の一環として創設された給付金制度です。まずは、給付対象となる企業の条件や給付金額など、制度の概要から確認していきましょう。

「地域企業経営人材マッチング促進事業」にもとづく給付金制度

地域企業経営人材確保支援事業給付金の背景となる「地域企業経営人材マッチング促進事業」について、金融庁は以下のように定義しています。

大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創出し、地域の中堅・中小企業の経営人材の確保を後押しすることにより、企業の経営革新・生産性向上を図り、地域経済を活性化することを目的とした事業です。

出典:金融庁|地域金融機関による人材仲介 特設サイト(人財コンシェルジュ)

つまり、地域企業経営人材マッチング促進事業は、地域での仕事を求める大企業人材※と、経験豊富な大企業人材を求める中堅・中小企業とをマッチングさせるための施策です。

なお、大企業人材と、中堅・中小企業とのマッチングをする上で、大きな課題となるのが賃金ギャップです。中堅・中小企業で働くことで年収が大きく減少する場合、大企業人材の抵抗感は大きく、マッチングは進みません。

この賃金ギャップを解消し、中堅・中小企業が大企業人材を獲得するためのサポートとして創設されたのが「地域企業経営人材確保支援事業給付金」です。

地域経済活性化支援機構(REVIC)が運営する人材プラットフォーム「REVICareer(レビキャリ)」を利用して、大企業人材を獲得した中堅・中小企業は、最高500万円の給付金を受給できます。これにより、地域中堅・中小企業は経験豊富な経営人材を獲得し、ひいては地域経済の活性化が期待されているのです。

※大企業とは、日本国内で本店の法人登記を行い、かつ 「資本金10億円以上」「常時使用する従業員数が2,000人以上」のいずれかを満たす法人を指します

参考:地域企業経営人材マッチング促進事業

地域金融機関等が仲介

地域企業経営人材マッチング促進事業において、大企業人材と、地域中堅・中小企業とのマッチングの仲介役となるのは、地域金融機関(子会社・提携人材派遣会社を含む)です。

これは、地域金融機関が、地域の中堅・中小企業との深い関わりを持ち、その経営課題や人材のニーズを熟知していることによるものです。

取引先企業の人材ニーズを把握した地域金融機関は、REVICareer上に求人情報を登録します。併せて、各企業の人材ニーズをもとに、REVICareerの登録者に対するスカウトをしたり、大企業に対して求人情報の伝達を行ったりもします。

地域の中堅・中小企業が抱える経営課題の把握から、マッチング後のフォローアップまで、大企業人材と中堅・中小企業とのマッチングをワンストップで行うのが、地域企業経営人材マッチング促進事業における地域金融機関の役割なのです。

2023年10月31日現在、REVICareerには地方銀行61社・第二地方銀行31社・信用金庫30社・信用組合2社、計124社の地方金融機関が登録しています。

参考:地域企業経営人材マッチング促進事業|登録金融機関

給付対象となる企業の条件

地域企業経営人材確保支援事業給付金の対象となるのは、以下の条件の「1」「2」をともに満たす、もしくは「3」に該当する地域中堅・中小企業です。

1:日本国内で本店の法人登記を行っている法人
2:規程第5条の給付申請時の資本金の額、または出資総額が10億円未満、かつ常時使用する従業員の数が2,000人以下の法人
3:①②以外の機構が適当と認めた法人

参考:給付対象企業・給付要件
参考:地域企業経営人材確保支援事業給付金給付規程

【雇用形態別】要件と給付金額

地域企業経営人材確保支援事業給付金は、大企業人材の地域中堅・中小企業における雇用形態が「転籍型」「兼業・副業型(雇用契約型・請負契約型)」「在籍出向型」のいずれに該当するかによって要件や給付金額が変わります。

雇用形態別の給付要件

出典:地域企業経営人材マッチング促進事業|給付金について

例えば経営人材(大企業人材)の要件を見てみると、「兼業・副業型」「在籍出向型」には特定の要件はありませんが、転籍型の場合には年収500万円以上と定められています。

また、給付金申請時期は基本的に「雇用期間または任期が開始したあと」ですが、(請負契約型)に限っては「契約が適正に履行されたことが確認された上で報酬額が決定・支払いが行われたあと」でなければなりません。

地域企業経営人材確保支援事業給付金の受給申請を行う際は、これらの違いを理解し、正しく申請手続きを進める必要があります。

申請にあたってのポイント

地域企業経営人材確保支援事業給付金の制度を利用するにあたっては、事前に知っておきたいいくつかのポイントがあります。順に見ていきましょう。

申請期間

地域企業経営人材確保支援事業給付金の申請受付は、2021年(令和3年)9月1日〜2024年(令和6年)1月31日までです。2024年1月10日時点において、期間の延長等は発表されていません。申請予定の企業は注意が必要です。

給付対象人数の上限

地域企業経営人材確保支援事業給付金の給付対象人数は、「転籍型」「兼業・副業型」「在籍出向型」の合計で1社あたり最大10人です。

併せて、同一の大企業からの人材確保は、「転籍型」「兼業・副業型」「在籍出向型」それぞれ2人までと定められています。

雇用形態の移行

「兼業・副業型」または「在籍出向型」として獲得した大企業人材が「転籍型」へ移行した場合、受け入れ側の地域中堅・中小企業は再度「地域企業経営人材確保支援事業給付金」の受給対象となります。

ただしこの場合、すでに受給している給付金額が新たに受給する給付金額から控除されます。

重複受給について

すでに他の給与等を対象とした補助金等を受給している場合、地域企業経営人材確保支援事業給付金は受給できません。

仮に、地域企業経営人材確保支援事業給付金の受給後に他の補助金等を受給していた事実が判明した場合、給付金は全額返還となります。

「地域企業経営人材確保支援事業給付金」の申請方法

地域企業経営人材確保支援事業給付金の申請には、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか。基本の手順や必要書類を紹介します。

申請の手順

1:給付申請書をダウンロードする
2:申請書を作成し、添付書類を用意する
3:地域経済活性化支援機構(REVIC)へ給付申請書類を提出する
4:REVICの審査により、給付金支給の可否が決定される
5:指定口座へ給付金が支払われる

申請に必要な書類

  • 法人登記簿謄本(登記事項証明書)
  • 直近の確定申告書の写し
  • 暴力団排除に関する誓約書
  • 給付対象企業が給付金の申請を行うこと、また、給付金の申請にまつわる個人情報を提供することについて、雇用者等・受託者等・出向者がそれぞれ同意したことを示す本人署名の同意書
  • 規程第3条第6項各号に該当しないこと、また、対象の大企業人材が給付対象企業の事業主や取締役の3親等以内の親族に該当しないことを誓約する書類

上記共通書類の他、雇用形態によって固有の必要書類があります。該当書類を確認しましょう。

参考:地域企業経営人材マッチング促進事業|申請方法等
参考:地域企業経営人材確保支援事業給付金給付規程

「地域企業経営人材確保支援事業給付金」の活用事例

地域企業経営人材確保支援事業給付金の主な活用方法は「採用者へ提示する待遇の改善」「人事制度や福利厚生の充実」「採用にまつわる諸費用」です。これにより、大企業と中堅・中小企業との賃金を中心とする待遇のギャップが解消され、人材の流れが促進されています。

REVICareerには、以下に挙げるような人材マッチングの具体的な事例が公開されています。自社が大企業人材の獲得に乗り出す際の参考としてチェックしておくのがおすすめです。

大企業人材の詳細   地域中堅・中小企業でのポジション
・商社出身
・首都圏在住
・50歳代
東北地方の小売・サービス業にて事業部長
・小売・サービス業出身
・北海道地方在住
・60歳代
北海道地方の放送・広告・出版・マスコミにて経営企画職
・金融機関出身
・首都圏在住
・50歳代
中国地方の食品メーカーにて財務部長

参考:マッチング事例|地域企業経営人材マッチング促進事業

「地域企業経営人材確保支援事業給付金」を活用し経営人材の獲得を

「地域企業経営人材確保支援事業給付金」は、地域経済の活性化を目的とし、「地域企業経営人材マッチング促進事業」にもとづいて創設された政府の施策です。

給付金を採用者へ提示する待遇の改善などに活用することで、中堅・中小企業が大企業でキャリアを積んだ経験豊富な人材を獲得するにあたり、課題となっていた賃金ギャップが解消され、人材獲得のハードルを下げることができます。

なお、魅力ある企業づくりとして、近年注目を集めているのが「福利厚生の充実」です。例えばエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、全国25万店舗以上もの加盟店での食事を半額で利用できる、食の福利厚生として日本一の実績を持つサービスです。

働く人にとって魅力的な企業づくりをすることで、より優秀な人材の獲得、ひいては企業としての安定した業績や成長が期待できるでしょう。

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