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離職率が低い業界は?特徴を把握して自社の離職率低下に役立てよう

離職率が低い業界は?特徴を把握して自社の離職率低下に役立てよう

2024.01.31

離職率が低い業界にはどのような特徴があるのでしょうか?離職率が高く従業員がなかなか定着しない状況では、人材不足の状況が続きます。離職率が低い業界の特徴を知ることで、自社の離職率低下につながるヒントを得られるかもしれません。離職率が高い場合におすすめの対策と併せて見ていきましょう。

離職率が低い業界

厚生労働省の「令和4年 雇用動向調査結果の概要」によると、各業界を離職率の低い順に並べると以下の通りです。

順位

業界

離職率

1

鉱業、採石業、砂利採取業

6.30%

2

金融業、保険業

8.30%

3

学術研究、専門・技術サービス業

10.00%

4

製造業

10.20%

5

建設業

10.50%

6

電気・ガス・熱供給・水道業

10.70%

7

複合サービス事業

11.00%

8

情報通信業

11.90%

9

運輸業、郵便業

12.30%

10

不動産業、物品賃貸業

13.80%

11

卸売業、小売業

14.60%

12

教育、学習支援業

15.20%

13

医療、福祉

15.30%

14

生活関連サービス業、娯楽業

18.70%

15

サービス業(他に分類されないもの)

19.40%

16

宿泊業、飲食サービス業

26.80%

全ての業界の平均離職率は15.0%のため、11位の「卸売業、小売業」以上は平均より低い離職率です。ここでは離職率の低い上位5位の業界の特徴を紹介します。

参考:厚生労働省|令和4年 雇用動向調査結果の概要

鉱業、採石業、砂利採取業

個体・液体・ガスの鉱物を掘採したり採石したりするのが「鉱業、採石業、砂利採取業」です。例えば金・銀・鉄などの「金属鉱業」や「原油・天然ガス鉱業」、花こう岩や大理石などを採石する「採石業、砂・砂利・玉石採取業」などが分類されています。

業務を行うには高い専門性が必要な業界です。1度スキルを身につけると、長く働き続ける従業員が多いことが考えられます。

企業間の取り引きが多くイレギュラーが起こりにくいことも、働きやすさにつながり低い離職率を実現している要因と考えられます。

金融業、保険業

貸手・借手の間で資金の融通や仲介を行うのが「金融業」です。銀行や協同組合・貸金業・クレジットカード業などが該当します。

「保険業」は万が一に備えたいと考えている人から保険料の払い込みを受け、事故が起こったときに契約内容に応じて保険金を支払う事業者です。生命保険や損害保険の代理店や保険料率算出団体などのことをさします。

金融業や保険業は目に見える数字で成果を求められる傾向のある業界です。数字が明確な分プレッシャーとなることもありますが、その一方で成果に応じて給与やボーナスが上乗せされるケースもあり、やりがいにつながっていると考えられます。

学術研究、専門・技術サービス業

「学術研究、専門・技術サービス業」には以下の事業所が分類されています。

  • 理学研究所や工学研究所などの学術的な研究を行う事業所
  • 弁護士や税理士などの専門知識をもとにしたサービスを提供する事業所
  • 広告についてのサービスを提供する事業所
  • 商品検査や計量証明などの専門的な技術サービスを提供する事業所

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると「学術研究、専門・技術サービス業」の賃金は月38万5,500円で産業の16分類中2位です。受け取る給与が高いことが、低い離職率につながる理由といえます。

参考:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査

製造業

製品を作って卸売するのが「製造業」です。作っている製品の種類は多岐にわたります。総務省の「日本標準産業分類」によると、食料品・飲料・繊維・家具・化学工業などの製品を作っている事業所を製造業としています。

製造業の離職率が低い理由は待遇のよさです。大企業も多い製造業は、給与はもちろん福利厚生の充実度も高い傾向があります。

また卸売りで取引先が企業のため、土日や祝日の対応が発生しにくく休みやすいことも、低い離職率の理由のひとつです。工場勤務の従業員はシフト制で仕事を進めるケースが多く、残業が少ないこともポイントといえます。

参考:総務省|日本標準産業分類

建設業

「建設業」に分類されるのは、建築物や工作物の新設・改造・修繕・解体・除去・移設を行う事業所の他、土地や航路・流路の改良や造成、機械装置の据え付けや解体を行う事業所です。

大手ゼネコンといった大企業は給与が高く福利厚生も充実していることから、離職率が低い傾向にあると考えられます。

ただし全ての企業で十分な待遇が整っており離職率が低いとはいえません。小規模な企業では大企業ほど待遇がよくないことから、離職が多いケースもあるようです。

関連記事:離職率ランキングを業界・都道府県・企業ごとに確認 対策方法も解説

離職率が低い業界の特徴

離職率の低い「鉱業、採石業、砂利採取業」「金融業、保険業」「学術研究、専門・技術サービス業」「製造業」「建設業」について解説しました。これらの業界にはどのような特徴があるのでしょうか?5つの特徴を紹介します。

安定性の高い業界

業界の安定性は離職率の低さにつながっています。離職率の低い業界上位5位はいつの時代にも常に必要とされている業界です。

従業員にとっては経済状況に左右されることなく、常に安定した給与を受け取れる可能性が高いですし、企業が突然倒産するリスクも低いため安心して働けます。

業界が安定していれば企業の評価も高くなりやすいため、信用面でプラスに働くこともあるでしょう。

高い給与

給与が高いのも離職率の低い業界の特徴です。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」で、離職率の低い5つの業界の賃金を見てみましょう。

業界

賃金

鉱業、採石業、砂利採取業

34万7,400円

金融業、保険業

37万4,000円

学術研究、専門・技術サービス業

38万5,500円

製造業

30万1,500円

建設業

33万5,400円

全体

31万1,800円

5つの業界の賃金のうち、全体より低いのは製造業のみです。他は全体より高く、高い給与を受け取っている従業員が多いと考えられます。

参考:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査

少ない残業

残業が少ないのも離職率が低い業界の特徴です。繁忙期は残業が発生することもあるかもしれませんが、一時的なものでずっとは続きません。勤務時間が8:00~17:00と決まっている職場であれば、時間通りの出退勤が可能です。

毎日定時で帰宅できれば、プライベートの時間をゆっくり過ごす余裕が生まれます。友達や恋人と待ち合わせて仕事帰りに食事に行く、習い事や趣味に打ち込む、家族と夕食を食べてリラックスタイムを過ごすなど、充実した時間を過ごせるでしょう。

プライベートが充実することでストレス解消や気力の回復も期待できます。従業員のコンディションが整えば仕事に集中しやすくなるため、効率アップや業績アップにもつながりやすい状態です。

整った教育制度

教育制度も離職率と関係しています。新たに入社した従業員に対する教育がOJTのみの場合、現場の状態によっては仕事が分からないまま放置されてしまうこともあるでしょう。

この状態が続くと新しい従業員に「受け入れられていない」「大切にされていない」という印象を与えてしまいます。そのまま離職する可能性もある状態です。

離職率の低い業界では、丁寧で分かりやすい教育を用意しています。OJTで教育を進める場合にも、教育担当者をつけて1対1で指導する体制の整備や、マニュアルを作って教育担当者が自分の仕事で手が離せないときにもできることを用意する工夫が必要です。

丁寧に教育することで、先輩社員とのコミュニケーションが増えることは、信頼関係の構築にもつながっていきます。

充実した福利厚生

福利厚生が充実しているのも離職率の低い業界の特徴です。休暇制度や手当の充実は働きやすさにつながります。

例えば子どもが急に高熱を出したとき、すぐに使える休暇制度があれば、従業員は休んで子どもの通院や看病が可能です。加えて職場に急な休みを受け入れる風土があれば、気兼ねなく休みの連絡を入れられます。

子育てと仕事の両立が難しく離職を選ぶといったケースは、福利厚生の充実で避けられます。

離職率が高いなら何をすべき?

「採用してもすぐに辞めてしまう」と悩んでいるとき、何から始めればよいのでしょうか?15~64歳の生産年齢人口が減っている今、離職率が高いままでは人材不足で事業が立ち行かない状況も予想されます。ここでは離職率を下げるためにできる取り組みの具体例を見ていきましょう。

退職理由を知る

従業員がなぜ退職を選ぶか正しく把握していますか?「何をしても離職率が下がらない」と感じているなら、適切な対策ができるよう退職理由を確認することから始めましょう。

例えば「イメージしていた仕事と違った」という退職者が多い場合には、求人の仕方を変える必要があるかもしれません。仕事内容や職場の雰囲気を伝えるときに、ミスマッチが起こらないようにすることが重要です。

退職者へじかに退職理由をヒアリングするときにはタイミングに注意しなければいけません。本音で理由を語ってもらうには、退職手続きが全て終わってから質問するのがおすすめです。

コミュニケーションを活性化させる

従業員同士が良好な関係性を構築し、活発なコミュニケーションを取れる状態は、離職率の低下につながります。日ごろからコミュニケーションを取っていれば、仕事に関する話がスムーズに進みやすくなりますし、ちょっとした困りごとの相談も雑談のついでに可能です。

コミュニケーションを活性化させるには、従業員同士がお互いを知る機会を設けるとよいでしょう。食事会や交流会などのイベントの他、社内SNSの導入も役立ちます。

新しく入社した従業員と今いる従業員のコミュニケーションを活性化させるには、メンター制度も効果的です。他部署の先輩従業員がメンターになりサポートすることで、社内で良好な関係性を築きやすくなります。

定期的な面談を行う

従業員の希望や不満を知る面談を実施するのもポイントです。面談で知った希望をかなえたり不満を解消したりするための制度を整えれば、従業員のモチベーション向上が期待できます。

面談を実施するときには、上司のマネジメントスキル向上に向けた取り組みも同時に行うと効果的です。従業員の不満をうまくくみ取りサポートできるスキルが身に付くよう管理者向けのプログラムを用意します。

自社のキャリアパスを明確にする

企業で働き続けることで、将来的にどのようなキャリアパスを描けるかを明確にすることも、離職率を下げる取り組みとして有効です。

従業員の希望しているキャリアパスと企業が提供できるキャリアパスに合致する部分があれば、継続して頑張ろうという意欲につながることが期待できます。

離職率低下には福利厚生の充実度アップも役立つ

離職率の低い業界では、福利厚生の充実度が高いと解説しました。自社の離職率が高いなら、福利厚生の充実度アップで従業員の働きやすさを高めるのもひとつの方法です。ここでは福利厚生で離職率が下がる理由や、従業員に喜ばれる福利厚生を紹介します。

福利厚生の充実度アップで従業員満足度を高める

福利厚生は従業員満足度と関連しています。どれだけ従業員が頑張っても、給与や待遇の向上といった目に見える形で企業が評価しなければ、従業員満足度は下がり仕事へのやる気は失われ、よりよい待遇で働ける企業へ転職する従業員が出てくるでしょう。

従業員満足度を高め離職率を下げるには、福利厚生で働きやすい環境を提供するのが有効です。休暇制度を整備しプライベートとのバランスを取りやすくすることや、手当の支給で経済的な負担を軽減することで、従業員を大切にする企業という印象のアピールにつながります。

福利厚生による従業員満足度向上は、離職率低下に加えて、生産性や顧客満足度の向上にもつながる取り組みです。費用や手間はかかりますが、その分業績が上がることも期待できます。

関連記事:【従業員満足度(ES)を上げるには】従業員満足度向上に向けたステップや福利厚生例

従業員に喜ばれる福利厚生をチェック

福利厚生を充実させると従業員満足度向上につながります。ただし従業員が求めていない福利厚生では、導入しても利用されません。効果的に福利厚生を導入するには、従業員に喜ばれる制度を知っている必要があります。

従業員満足度向上に福利厚生を活用するには、ビズヒッツが働く男女501人を対象に実施した「あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査」が役立ちます。調査をもとに作成されたあったら嬉しい福利厚生ランキングが以下です。

ランキング

あったら嬉しい福利厚生

1位

家賃補助・住宅手当

2位

特別休暇

3位

旅行・レジャーの優待

4位

社員食堂・食事補助

5位

スポーツクラブの利用補助

6位

資格取得・教育支援

7位

保養所

8位

生理休暇

9位

慶弔金の支給

10位

通勤手当

経済的な負担の軽減につながる「家賃補助・住宅手当」「社員食堂・食事補助」が上位にランクインしています。その他にはプライベートとの両立につながる「特別休暇」や、休暇を充実させる「旅行・レジャーの優待」、健康に役立つ「スポーツクラブの利用補助」が人気です。

参考:ビズヒッツ|あったら嬉しい福利厚生に関する意識調査

食事補助は「チケットレストラン」がおすすめ

従業員に喜ばれる福利厚生として「社員食堂・食事補助」を導入するなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」がおすすめです。

導入すると全国にある25万店舗以上の加盟店で食事ができます。全国展開しているコンビニやファミレスなどで使えるため、勤務場所や働き方によらず従業員全員が公平に使える制度です。

食費をサポートすることで、従業員が自由に使える給与を増やせる働きもあります。物価上昇が続く中、賃上げに代わるサポートとして取り入れている企業が増えているサービスです。

導入や運営の手間が少ないメリットもあります。ソフトウエアのインストールは不要で、月1回のチャージ作業のみで継続可能です。

導入やチャージにかかった費用は一定の条件を満たすと福利厚生費として計上できます。福利厚生費は法人税の税率をかける課税所得を計算するときに、益金から差し引く損金にできる費用です。益金が同額であれば損金が増えるほど税額は下がります。

従業員の働く環境を整えつつ、企業にとってもメリットのあるサービスです。

離職率の低い業界を研究し自社に役立てよう

離職率の低い業界は安定性があり、給与が高く、残業は少なく、教育が丁寧で、福利厚生が充実しているのが特徴です。自社の離職率が高いなら、離職率の低い業界を参考にしつつ制度を整えると、効果が期待できます。

中でも福利厚生の充実度アップは従業員の働きやすさに直結し、従業員満足度の向上にもつながる取り組みです。制度を整えることで離職率低下に役立ちます。

従業員に喜ばれる福利厚生を離職率低下に活用したいなら「チケットレストラン」を検討してみてはいかがでしょうか。手間を抑えつつ導入できる福利厚生サービスで、離職率の低下に向けた取り組みを始めませんか。

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