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【2025年最新】法定福利費と福利厚生費の違いとは?課税・実務のポイントをわかりやすく解説

【2025年最新】法定福利費と福利厚生費の違いとは?課税・実務のポイントをわかりやすく解説

2021.07.19

「法定福利費」と「福利厚生費」は、どちらも企業が従業員のために負担する費用ですが、会計処理や税務上の扱いが大きく異なります。企業にとって、この2つを正しく区別することは、適正な経理処理と税務リスクの回避につながる重要なポイント。そこで本記事では、法定福利費と福利厚生費の違いを明確にし、課税・非課税の判断基準や実務、さらには2025年最新の保険料率情報まで、現場で役立つ知識を網羅的に解説します。

「法定福利費」と「福利厚生費」|それぞれの概要をチェック

「法定福利費」と「福利厚生費」は、名前こそ似ているものの、会計上も税務上も扱いが大きく異なる費用です。まずは、それぞれの概要から整理していきましょう。

「法定福利費」とは|社会保険料など企業負担の義務的コスト

法定福利費とは、法律で企業が負担を義務づけられている社会保険料などの費用です。主な内訳と保険料率は以下の通りです。

項目 保険料率(合計) 事業主負担 従業員負担 備考
健康保険料 都道府県・組合により異なる 約半分 約半分 労使折半。協会けんぽは都道府県別、健康保険組合は組合別に料率設定
厚生年金保険料 18.3% 9.15% 9.15% 労使折半。平成29年9月以降固定
介護保険料(40歳以上) 都道府県・組合により異なる 約半分 約半分 労使折半。協会けんぽは1.59%(令和7年3月分から)、健康保険組合は組合ごとに異なる
雇用保険料(一般事業) 1.45% 0.90% 0.55% 令和7年4月1日から料率引き下げ
労災保険料 業種により異なる 全額 なし 全額事業主負担
子ども・子育て拠出金 0.36% 全額 なし 全額事業主負担

経団連の調査(2020年公表の最新調査)によると、2019年度の企業の法定福利費は従業員1人あたり月平均84,392円でした。

法定福利費は企業にとって必須の支出であり、給与や賞与の額、従業員数に応じて金額が変動します。企業の人件費総額の中でも大きな割合を占めるため、経営計画において正確に把握しておくことが重要です。

参考:協会けんぽ|全国健康保険協会|令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます
参考:日本年金機構|厚生年金保険料額表
参考:厚生労働省|令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内
参考:子ども家庭庁|子ども・子育て拠出金事業について
参考:一般社団法人 日本経済団体連合会|2019 年度福利厚生費調査結果の概要

「福利厚生費」とは|従業員の働きやすさ・満足度を高めるための費用

福利厚生費とは、法律上の義務ではなく、企業が任意に負担する従業員向けの費用です。法定福利費が法令で義務づけられているのに対し、福利厚生費(法定外福利費)は法令による定めがありません。具体的には、次のようなものが該当します。

  • 社宅や家賃補助
  • 食事補助
  • 慶弔見舞金
  • 社内イベント
  • 法定外の健康診断
  • 資格取得支援
  • レクリエーション費用

福利厚生費の目的は、従業員の生活支援やモチベーション向上、さらには採用・定着効果の強化にあります。近年では、働き方改革やワークライフバランスへの関心の高まりから、福利厚生の充実が企業の魅力向上につながるケースも増えています。

経団連の調査によると、2019年度の企業の法定外福利費は従業員1人あたり月平均24,125円でした。企業規模や業種によって金額は異なりますが、従業員の満足度向上と税務リスクのバランスを考慮しつつ、自社に合った福利厚生制度を設計することが求められます。

なお、後述しますが、一定の要件を満たさない場合は給与として課税される可能性があるため注意が必要です。

参考:一般社団法人 日本経済団体連合会|2019 年度福利厚生費調査結果の概要

「法定福利費」と「福利厚生費」の違いを整理

法定福利費と福利厚生費は、どちらも従業員のための費用ですが、その性質は大きく異なります。ここでは、それぞれの違いを3つの視点から分かりやすく解説します。

「目的」の違い

法定福利費の目的は、従業員とその家族の生活を保障し、病気や失業、老後などのリスクに備えることです。健康保険や厚生年金保険、雇用保険、労災保険といった社会保障制度を通じて、国民の最低限の生活を守る仕組みの一部を担っています。

一方、福利厚生費の目的は、従業員の生活をより豊かにし、働きやすい環境を整えることです。社宅、食事補助、社内イベント、慶弔見舞金など、企業独自の施策を通じて従業員満足度を高めることが主な狙いです。

このように、法定福利費は「社会保障による生活の安定」、福利厚生費は「企業独自の施策による満足度向上」という、明確な目的の違いがあります。

「義務の有無」の違い

法定福利費は、労働基準法や健康保険法、厚生年金保険法、雇用保険法などの法律に基づいて、企業が必ず負担しなければならない費用です。

従業員を雇用する以上、健康保険、厚生年金保険などの法定福利厚生の加入は義務であり、企業が保険料の一部または全額を負担する必要があります。この義務を怠ると、罰則の対象となる可能性もあります。

一方、福利厚生費は、企業が裁量で決定できる費用です。導入するかどうか、どのような内容にするか、予算をいくらにするかは、すべて企業の判断に委ねられています。経営状況や従業員のニーズに応じて、制度を新設したり、内容を変更したり、場合によっては廃止することも可能です。

この「義務の有無」の違いは、会計処理や経営判断において重要なポイントです。法定福利費は固定的なコストとして予算に組み込む必要がありますが、福利厚生費は経営状況に応じて柔軟に調整できるという特徴があります。

関連記事:福利厚生をまとめてチェック!導入メリットから課税についてまで網羅

「課税・非課税」の違い

法定福利費は、企業が負担する社会保険料であり、全額が非課税扱いとなります。従業員側は、企業が負担した保険料分について給与として課税されることはありません。また、企業側についても全額を損金として計上できるため、法人税の課税所得を軽減する効果があります。

一方、福利厚生費は、一定の要件を満たせば非課税として扱われるものの、条件を外れると給与として課税される可能性がある費用です。福利厚生費として認められるための要件は、主に以下の3つです。

  • すべての従業員が利用できること
  • 社会通念上、妥当な金額であること
  • 現物支給であること(換金性がないこと)

つまり、特定の職種や役職の従業員しか使えなかったり、あまりにも高額だったり、現金で支給されたりする福利厚生にまつわる費用は基本的に課税対象になります。

「法定福利費」の実務ポイント

法定福利費は、企業が必ず負担しなければならない費用ですが、実際の経理処理や計上タイミング、コスト管理の方法については、担当者によって理解が曖昧なケースもあります。ここでは、法定福利費について実務で押さえておくべきポイントを解説します。

「法定福利費」はいつ計上する?勘定科目と処理方法を解説

法定福利費の計上タイミングには、次のように「給与支給時」と「納付時」の2つの方法があります。

給与支給時に計上する方法:給与計算の際に企業負担分を「法定福利費」として計上する方法です。例えば、4月分の給与を5月に支給する場合、5月の会計処理として法定福利費を計上します。発生主義に基づく処理で、多くの企業がこの方法を採用しています。

納付時に計上する方法:実際に年金事務所や労働局に社会保険料を納付した時点で法定福利費を計上する方法です。現金主義に基づく処理で、中小企業などで採用されるケースがあります。

いずれの方法でも、勘定科目は「法定福利費」で一括処理します。

年度末処理では、未払いの法定福利費がある場合「未払費用」として計上し、翌期に精算する処理が必要になることもあります。給与計算ソフトと連携して自動計算・計上する仕組みを整えると、ミスを減らし業務効率を高めることが可能です。

「法定福利費」の企業負担はいくら?

法定福利費の企業負担額は、保険の種類によって異なります。健康保険と厚生年金保険は労使折半(企業と従業員が半分ずつ負担)、雇用保険は企業負担分と従業員負担分の割合が決まっています。労災保険は全額企業負担です。

具体的な金額は、従業員の給与額や年齢、都道府県によって変動しますが、一般的に法定福利費は人件費総額の約15%前後を占めるとされています。先に述べた通り、経団連の調査によると2019年度の法定福利費は従業員1人あたり月平均84,392円で、対現金給与総額比率は15.4%と過去最高率を記録しました。

企業にとって、法定福利費は人件費の中でも大きな固定費です。特に保険料率の上昇が続いている近年では、人件費管理において法定福利費を正確に把握し、予算計画に反映させることが重要になっています。

「福利厚生費」の実務ポイント

福利厚生費は、企業が任意で導入できる費用ですが、どこまでが「福利厚生費」として認められるのか線引きが難しい部分もあります。ここでは、実務で注意すべきポイントを解説します。

「福利厚生費」と「給与」のボーダーラインは?

福利厚生費として認められるためには、国税庁の定める一定の要件を満たす必要があります。主な要件は、前述の通り「すべての従業員が利用できること」「社会通念上、妥当な金額であること」
「現物支給であること(換金性がないこと)」の3つです。

これらの要件を満たさない場合、福利厚生費ではなく「給与」として扱われ、所得税や社会保険料の課税対象となります。

税務署から指摘を受けやすい例としては、社宅の家賃補助(現金支給の場合)、社員旅行(参加者が従業員の50%未満、または4泊5日を超える場合)、金券やギフト券の配布などが挙げられます。これらは、条件次第では給与として課税されるため、事前に税務上の取扱いを確認しておくことが大切です。

参考:国税庁|No.2594 食事を支給したとき
参考:国税庁|No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行

「福利厚生費」を適正に管理するには?

福利厚生費の判断ミスを防ぐには、制度の対象範囲・上限金額・申請手順を明文化しておくことが重要です。具体的には、「福利厚生規程」を作成し、どのような福利厚生制度があるのか、誰が対象なのか、上限金額はいくらか、どのように申請するのかを明確に定めます。

また、経理・人事・現場部門の連携体制を整えることも大切です。福利厚生費の支出が発生する際には、事前に人事部門で承認を得て、経理部門が税務上の取扱いを確認する、といったフローを確立することで、課税リスクを下げることができます。

さらに、税務調査に備えて福利厚生費の支出内容を記録し、根拠資料を保管しておくことも重要です。万が一、税務署から指摘を受けた場合でも、適切な対応ができる体制を整えておきましょう。

関連記事:福利厚生に関する調査を元に利用率・満足度の高い制度をチェック

福利厚生費を見直すなら|コスパと従業員満足度に注目

物価高や人材定着率の低下を背景に、福利厚生の「費用対効果」に注目する企業が増えています。限られた予算の中で、従業員満足度を最大化するためにはどうするべきなのか、福利厚生費見直しのヒントを紹介します。

非課税で導入できるおすすめの福利厚生は?

非課税で導入できる福利厚生にはさまざまな種類があります。代表的なものとして、通勤費・法定外の健康診断・慶弔見舞金・食事補助・社宅や寮の提供・レクリエーション費用などが挙げられます。

例えば、通勤費は最大月額15万円が非課税です。法定外の健康診断や人間ドックは、全従業員を対象として実施し、社会通念上妥当な金額であれば非課税です。

また、慶弔見舞金は社内規程に基づく一定金額であれば非課税となります。さらに食事補助は、従業員が食事代の半分以上を負担し、企業負担が月額3,500円(税抜)以内であれば非課税での処理が可能です。

これらの制度は、税制上のメリットを享受しながら従業員の生活をサポートできる、費用対効果の高い福利厚生です。特に食事補助は、毎日利用できる実用性の高さから、従業員へのアピール度の高い福利厚生として注目を集めています。

参考:国税庁|No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
参考:国税庁|No.2594 食事を支給したとき

食事補助を支援するサービス例|3,000社以上が導入する「チケットレストラン」

エデンレッドジャパンが提供する「チケットレストラン」は、企業と従業員との折半により、全国25万店舗を超える加盟店での食事を実質半額で利用できる食事補助の福利厚生サービスです。

加盟店のジャンルは、コンビニ・ファミレス・三大牛丼チェーン店・カフェなど幅広く、利用する人の年代や嗜好を問いません。 Uber Eats を通じ、マクドナルドやスターバックスなどの人気ファストフードも利用可能です。

内勤の従業員はもちろんのこと、出張中やリモートワークの従業員も平等に利用できる柔軟性やコスパの良さが高く評価され、利用率98%・継続率99%を誇る人気のサービスとなっています。

▼「チケットレストラン」公式サイトは「こちら

関連記事:【税理士監修】食事補助は非課税?福利厚生の仕組みと注意点を解説!

「法定福利費」と「福利厚生費」の違いを理解して、自社に最適な福利厚生を設計しよう

法定福利費と福利厚生費の違いを正しく理解することは、経費の適正管理と従業員満足度向上の両立につながります。

特に重要なのは、任意で運用できる福利厚生費の税務上の取扱いを正しく理解し、積極的に運用することです。例えば「チケットレストラン」のようなニーズの高い福利厚生は、従業員満足度の向上や採用力の強化、法人税の節税効果まで同時に得ることができる、企業にとって非常にメリットの大きい施策です。

法定福利費の正確な把握と福利厚生費の戦略的な活用を通じ、自社に最適な福利厚生制度を設計しましょう。

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エデンレッドジャパンブログ編集部

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