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【税理士監修】2025年秋|マイカー通勤手当の非課税限度額引き上げへ |企業の対応ポイント

【税理士監修】2025年秋|マイカー通勤手当の非課税限度額引き上げへ |企業の対応ポイント

2025.03.26

監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)

2025年2月、政府が同年秋よりマイカー通勤手当の非課税限度額を引き上げる方針を固めたとの報道がなされました。実現すれば、これは実に11年ぶりのことです。本記事では、企業の通勤手当制度に大きな影響を与える限度額引き上げについて、その背景や現行制度の解説に加え、企業が検討すべきポイントを解説します。従業員満足度向上や、採用競争力強化にもつながる対応策も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

マイカー通勤手当の非課税額引き上げの方針

日本経済新聞によると、政府は2025年秋にも、マイカー通勤手当(マイカー・自転車通勤者の通勤手当)の非課税額を引き上げる方針を固めました。まずは、その詳細から解説します。

参考:日本経済新聞|車通勤手当、非課税額上げ 11年ぶり、ガソリン上昇で

2025年秋に改正予定との報道

日本経済新聞によると、政府は2025年の秋を目途に、マイカー通勤手当の非課税限度枠の引き上げを予定しています。

実際に実施された場合、2014年10月以来、実に11年ぶりの引き上げです。通勤手当の非課税限度額の引き上げ自体は2016年にも行われていますが、同改正は交通機関の利用に限定され、マイカー通勤に関する改正は行われていません。

なお、自民・公明両党が2024年12月20日に決定した「令和7年度与党税制改正大綱」には、マイカー通勤手当について次のように記載されています。

エネルギー価格が上昇する中、人事院による新たな調査が行われる際には、その結果に基づき、通勤手当の非課税限度額について、迅速に見直しを行う。

出典:自由民主党|経済成長と豊かさが実感できる税制へ令和7年度与党税制改正大綱を決定 | 政策 | ニュース

参考:国税庁|通勤手当の非課税限度額の引上げについて

非課税額引き上げの背景

今回の非課税限度額引き上げの背景には、近年のガソリン価格の高騰があります。

資源エネルギー庁の調査によると、2025年3月3日調査におけるレギュラーガソリンの店頭価格は、全国平均で184.1円/Lでした。10年前の2015年3月2日調査では139.3円/Lだったことから、この10年でガソリン価格はおよそ1.3倍になっていることが分かります。

この間、非課税限度額は据え置かれていたため、マイカー通勤者の実質的な負担が増加していました。今回の引き上げは、こうした状況を改善するための物価高対策としての意義も持っています。

参考:資源エネルギー庁|調査の結果|石油製品価格調査

現行のマイカー通勤手当の非課税制度

マイカー通勤手当に関する現行の非課税制度は、所得税法において、通勤手当の一定額までを非課税とするよう定めています。ここでは、2025年3月におけるマイカー通勤手当の非課税限度額や、税制上の取扱いを詳しく解説します。

マイカー通勤手当の非課税限度額(現行制度)

片道の通勤距離 1カ月当たりの非課税限度額
2km未満 全額課税
2km以上10km未満 4,200円
10km以上15km未満 7,100円
15km以上25km未満 12,900円
25km以上35km未満 18,700円
35km以上45km未満 24,400円
45km以上55km未満 28,000円
55km以上 31,600円

マイカー通勤手当の非課税限度額は、2025年3月現在、片道の通勤距離によって8つの区分に分けられています。片道2km未満の場合は全額が課税対象となりますが、2km以上の場合は距離に応じた金額まで非課税となります。最高額は片道55km以上の場合の月額3万1,600円です。

限度額を超えて支給された通勤手当は課税対象となり、給与所得の一部として扱われます。

参考:国税庁|No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

関連記事:【税理士監修】通勤手当の課税・非課税はどう決まる?旅費交通費との違いもチェック

通勤手当の税制上の取り扱い

所得税法上、通勤手当は「給与のうち非課税とされる手当」のひとつです。限度額までの通勤手当は、所得税および住民税の計算において収入から除外されます。

具体的には、給与計算において、総支給額から通勤手当の非課税部分を差し引いた金額に対して所得税および住民税が課税されます。たとえば、月給25万円に加えて通勤手当2万円を受け取っている従業員の場合、通勤手当が全額非課税となる条件であれば、25万円に対してのみ所得税・住民税が課税される仕組みです。

一方で、社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料など)については、通勤手当を含めた総支給額をもとに計算されます。つまり、月給25万円に通勤手当2万円を受け取っている場合、27万円に対して社会保険料が算出されます。この点は所得税・住民税の取り扱いとは異なるため、給与計算の際には注意が必要です。

参考:日本年金機構|標準報酬月額の対象となる報酬に、通勤手当は含まれるのですか。

通勤手当の引き上げを検討するべき理由

マイカー通勤手当の非課税限度額が引き上げられるからといって、企業は必ずしも通勤手当を増額しなければならないわけではありません。しかし、この機会に通勤手当の引き上げを検討する価値はあります。以下、企業が通勤手当の増額を検討すべき理由について解説します。

従業員の経済的負担を軽減できる

近年のガソリン価格上昇により、マイカー通勤者の経済的負担は年々増加しています。

特に、長距離通勤を行っている従業員にとって、月に数千円の負担増は決して小さくありません。この負担を軽減する上で、非課税限度額の引き上げにともなう通勤手当の適正な引き上げは、効果的な施策といえます。

近年、物価の高騰により、通勤コストだけでなく、食費や光熱費など生活全般のコストが上昇しています。非課税枠の中で従業員の生活を直接的に支えることは、従業員を大切にする企業姿勢のアピールとしても有効です。

従業員の満足度・定着率が向上する

通勤手当をはじめとする福利厚生の充実度は、従業員の企業に対する満足度や帰属意識に影響を与える重要なポイントです。

少子高齢化が進む現代日本において、人材の確保は多くの企業にとって深刻な課題となっています。その点、非課税限度額の引き上げに合わせ、速やかに支給する通勤手当も引上る企業は、そうでない企業に比べて従業員の満足度や帰属意識がより高いことは想像に難くありません。

長期的な視点で見ると、非課税限度額の引き上げにともなう通勤手当の引き上げは、従業員の定着率向上につながる効果的な施策といえます。

採用競争力の強化につながる

通勤手当の充実は、採用市場における競争力強化につながります。

それというのも、求職者は、給与水準だけでなく、通勤手当を含めた福利厚生全体を見て企業を評価するのが一般的だからです。同業他社と基本給に大きな差がない場合には、通勤手当などの付加的な条件が企業選びの決め手となるケースも少なくありません。

「交通費をしっかり補助する企業」として求職者にアピールすることで、企業のブランドイメージ向上や、優秀な人材の獲得につながる可能性があります。特に、公共交通機関が充実していない地域では、マイカー通勤手当の充実度は重要な訴求ポイントです。

通勤手当以外にも検討したい「食事補助」

企業の福利厚生を考える上で、通勤手当の見直しと併せて検討したいのが「食事補助」です。

食事補助も、通勤手当と同様に、一定の条件下で所得税が非課税となる福利厚生のひとつで、従業員の日常的な負担軽減に直接貢献します。

たとえば、エデンレッドジャパンの提供する食の福利厚生「チケットレストラン」は、一定の条件のもと、全国25万店以上の加盟店での食事が実質半額で利用できるサービスです。加盟店のジャンルは、ファミレス・カフェ・コンビニなど幅広く、就業時間内にとる食事の購入であれば利用する時間や場所も制限がありません。

マイカー通勤手当と併用して提供することで、魅力的な福利厚生としての相乗効果が期待できます。

チケットレストラン」の詳しい利用条件や魅力については、下記関連記事をご参照ください。

関連記事:「チケットレストラン」の仕組みを分かりやすく解説!選ばれる理由も

マイカー通勤手当の非課税額引き上げで、企業の福利厚生も進化する

2025年秋にマイカー通勤手当の非課税限度額引き上げが行われた場合、11年ぶりの重要な改正となります。ガソリン価格高騰を背景としたこの改正は、企業にとって通勤手当制度の見直しを再検討する良い機会となるでしょう。

限度額の引き上げに合わせて通勤手当を増額することにより、従業員の経済的負担の軽減・満足度や定着率の向上・採用競争力の強化といった、さまざまなメリットが期待できます。また「チケットレストラン」のような食事補助サービスと組み合わせることで、通勤と食事の両面から従業員の負担を軽減する総合的な福利厚生の強化も可能です。

マイカー通勤手当非課税限度額引き上げを契機に、時代に合った福利厚生制度の見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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