「第3の賃上げ」は、サンデーステーションをはじめ、さまざまなメディアが取り上げている注目のトピックです。
本記事では、そもそも「第3の賃上げ」とは何なのか、その詳細について詳しく解説しています。「第3の賃上げ」をテーマに新たに発足した革新的なプロジェクトや、実際に「第3の賃上げ」に取り組んでいる企業の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
「第3の賃上げ」とは?
「第3の賃上げ」は、福利厚生を活用し、従業員の実質手取りを増やす賃上げ方法をいいます。従来の一般的な賃上げ方法である「定期昇給」と「ベースアップ」を第1・第2の賃上げと位置づけ、それらに連なる新たな賃上げとして「第3の賃上げ」と定義されました。
【第3の賃上げとは】
・第1:勤続年数、年齢、従業員の成績など企業が定めた基準で行われる定期昇給。
・第2:基本給が引き上げられるベースアップ。
・第3:“実質手取りを増やす”ことができる、福利厚生サービスを活用した“賃上げ”のこと。
参考:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト
例えば、食事補助の福利厚生として人気のエデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を従業員へ提供した場合、企業側は会計処理上「経費」として損金計上が可能です。企業は法人税の節税効果が期待でき、従業員の所得税や住民税の負担も増えません。これは通常の賃上げでは得られない大きなメリットです。
つまり、従来の賃上げに加え、従業員の実質手取りをさらに増やす方法として提唱されたのが「第3の賃上げ」なのです。
「第3の賃上げ」が求められる背景
「第3の賃上げ」が注目されるのは、どういった理由からなのでしょうか。以下「第3の賃上げ」が広く求められているその背景について解説します。
物価上昇に賃上げが追いつかない現状
厚生労働省が2024年2月に発表した「毎月勤労統計調査 令和5年12月分結果速報」によると、労働者の現金給与総額は573,313円(就業形態計)で、前年比1.0%の増加となりました。
一方で、同月の消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は前年比+3.0%と上昇しているため、実質賃金は前年比で1.9%のマイナスです。
物価の上昇に賃上げが追いついていないということは、賃金の額面はさておき、労働者の実質賃金が低下していることを意味します。
減ってしまった実質賃金を補填し、労働者の暮らしを支える手段として、強く求められているのが賃上げ(=実質賃金の増加)なのです。
参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和5年12月分結果速報
参考:統計局ホームページ|消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)
深刻な人手不足
少子高齢化を背景に、日本の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。今後、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に、団塊ジュニア世代が高齢者(65歳以上)となるなかで、この問題はますます深刻化していくでしょう。
生産年齢人口の減少にともない、同時に深刻化するのが企業の人材獲得・定着です。慢性的な人手不足へと陥った企業は、職場環境の悪化や生産性の低下、ひいてはさらなる離職へつながるリスクが高まります。
その点、賃上げに積極的に取り組む企業は、求職者にとって非常に魅力的です。採用力を高める上でも、賃上げは効果的な手段といえます。
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エンゲージメントの課題
エンゲージメントとは、従業員が勤務先企業に対して抱く愛着や貢献意欲をいいます。エンゲージメントの高低は、従業員のパフォーマンスやモチベーションを左右するため、経営的視点からも無視できません。
そんな従業員エンゲージメントですが、その高低に大きな影響を及ぼすのが、企業の従業員に対する貢献度です。多くの人間関係がそうであるように、企業と従業員との関係も、相手から受け取る貢献が大きいほどに相手への好感度が高まるのが一般的だからです。
その点、賃上げは、従業員を大切にし、サポートしようとする企業姿勢の表れにほかなりません。賃上げを通じた従業員への貢献により、企業は従業員エンゲージメントの向上が期待できるのです。
賃上げを求める社会的な気運
物価高による実質賃金の低下にともない、社会の賃金上昇圧力が高まっています。
2024年の春闘を見てみると、連合(日本労働組合総連合会)は「賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上の賃上げを目安とする」方針をプレスリリースにて明らかにしました。
経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)も同様に「来年以降も各企業に対し積極的に賃上げの検討・実施を求めていく」と、賃上げを推進する姿勢を明確にしています。
なお、賃上げの推進を図るのは民間だけではありません。国内の状況を踏まえ、政府も「賃金引き上げ特設ページ」を開設するなど、企業の賃上げを積極的に後押ししています。
賃上げの検討・実施は、いまや企業にとって最優先に向き合うべき重要なタスクといっても過言ではないのです。
「♯第3の賃上げアクション」プロジェクトの発足
福利厚生を活用し、従業員の実質手取りを増やす「第3の賃上げ」が求められる現状に鑑み、2024年2月に発足したのが「♯第3の賃上げアクション」プロジェクトです。
同プロジェクトは、「食事の福利厚生サービス」として日本一の実績を持つ株式会社エデンレッドジャパンと、借り上げ社宅の仕組みを利用した「住まいの福利厚生サービス」を提供するfreee株式会社によって立ち上げられました。
福利厚生に精通した2社が共同発起人となり、「♯第3の賃上げアクション」プロジェクトを通じた「実質手取りを増やすことができる福利厚生サービスの活用」の推進、ならびにより働きやすく従業員エンゲージメントの高い企業の増加を目指しています。
プロジェクトへの注目度は高く、サンデーステーションをはじめ、数々のメディアが取り上げて話題となっています。
「第3の賃上げ」実際の取り組み事例
「第3の賃上げ」に取り組んだ場合、企業には具体的にどのような変化やメリットがあるのでしょうか。
以下、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を通じて「第3の賃上げ」に取り組んでいるアイシーティーリンク株式会社様(以下:アイシーティーリンク)の事例について、サンデーステーションにて放送された取締役副社長 吉野真吾 様のインタビュー内容をもとに紹介します。
「第3の賃上げ」に取り組んだ経緯
アイシーティーリンクが「チケットレストラン」を導入したきっかけは、従業員の「節約のためにご飯の量を減らしている」という何気ないひとことでした。
いつもオフィスでもりもりと昼食を食べている従業員が、金銭的な問題で食事量を減らしている状況に食事補助の必要性を感じ「少しでも補助額(手取り)を増やす方法はないか」と模索されていたそうです。
そんななか、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」のサービスを知り、ひと目で即決したとのことでした。
「第3の賃上げ」に取り組んで得られた効果
「第3の賃上げ」に取り組むことで、アイシーティーリンクでは、従業員の手取り増額・企業側の税負担軽減を実現しました。これにより、「チケットレストラン」による「第3の賃上げ」は、従業員・企業双方にとってメリットのある取り組みと実感されているそうです。
なお、「チケットレストラン」のような福利厚生を通じた食事補助サービスは、福利厚生として計上するための条件として、「従業員1人当たりの1カ月の支給上限額が7,000円」かつ「そのうち50%以上を従業員が負担している」必要があります。
アイシーティーリンクでは「上限MAXプラン」と「お試しプラン」次の二つのプランを用意し、従業員の選択制としました。
- 月7,000円プラン:会社負担3,500円×従業員負担3,500円(税抜き)
- 月3,000円プラン:会社負担1,500円×従業員負担1,500円(税抜き)
プランに選択肢を設けることで、新たな取り組みに対する従業員の心理的なハードルも下がり、より利用しやすい環境が整えられているそうです。
サンデーステーションで話題の「第3の賃上げ」をチェック!
「第3の賃上げ」は、福利厚生を活用し、従業員の実質手取りを増やす賃上げ方法のことです。現金での賃上げとは異なり、企業は法人税の節税効果が期待でき、従業員側の所得税や住民税の負担も増えません。
物価高による賃上げ気運が高まる中、「第3の賃上げ」に対する注目度は高く、「♯第3の賃上げアクション」プロジェクトのローンチは、サンデーステーションをはじめ多くのメディアに取り上げられました。
時流をつかみ、従業員に貢献する魅力ある企業として、ぜひ「第3の賃上げ」に挑戦してみてはいかがでしょうか。