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【社労士監修】業務改善助成金は車両購入に使える?2025年度の制度を解説

【社労士監修】業務改善助成金は車両購入に使える?2025年度の制度を解説

2025.12.25

監修者:吉川明日香(社会保険労務士・ 吉川社会保険労務士事務所)

業務改善助成金とは、賃上げや設備投資を行うときに活用できる助成金のことです。業務改善助成金は車両を購入するときにも使えるのでしょうか?車両購入できる要件をチェックしましょう。実際に業務改善助成金を活用して車両購入した企業の事例も紹介します。

業務改善助成金での車両購入に関するQ&A

業務改善助成金を活用した車両購入について、まずはQ&A形式で概要を確認していきましょう。

関連記事:【社労士監修】業務改善助成金についてわかりやすく解説!対象事業の具体例もチェック

業務改善助成金で車両購入できる?

業務改善助成金では、業務改善に明確に必要と判断できる場合、車両購入もできます。また原則としては対象にならない定員7人以上の車両や、200万円以下の乗用車・貨物自動車なども、物価高騰要件を満たす特例事業者であれば助成金の活用が可能です。

業務改善助成金を車両購入に使える企業は?

業務改善に明確に必要な車両の購入に業務改善助成金を使う場合には、「資本金または出資額」か「常時使用する労働者」に関する要件を満たしている中小企業や小規模企業で、以下を満たしている必要があります。

  • 事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金未満までであること
  • 解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

また特例事業者として業務改善助成金を使って車両を購入するなら、物価高騰等要件を満たしていなければいけません。

業務改善助成金で車両購入した事例は?

業務改善助成金で車両購入した事例には、福祉介護事業を営む企業が送迎業務の効率化のために送迎用車両を導入するケースや、建設業を営む企業が積み下ろしの負担軽減のためにパワーゲート付き中古車を導入する事例、水産加工品卸業を営む企業が大型冷蔵保冷車を導入して業務効率化につながった事例などがあります。

参考
厚生労働省|最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業|生産性向上のヒント集(令和6年3月作成)
厚生労働省|業務改善助成金 助成事例

業務改善助成金とは

業務改善助成金とは、対象となる中小企業や小規模事業者が、賃上げと設備投資などを実施したときに利用できる助成金です。

事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金未満までで、解雇や賃金引き下げなどの不交付事由のない、「資本金または出資額」か「常時使用する労働者」に関する要件を満たしている中小企業や小規模事業者が利用できます。

関連記事:【社労士監修】令和7年度の業務改善助成金はいつまでに実施する?申請方法も解説

参考:厚生労働省|業務改善助成金

業務改善助成金の助成額

生産性向上のために行った設備投資などの費用のうち、賃上げ後の事業場内最低賃金が1,000円未満なら4/5(80%)、1,000円以上なら3/4(75%)が助成金として支払われる仕組みです。

また助成額の上限は、事業場内最低賃金の引き上げ額・引き上げる従業員数・事業場の規模によって以下のように決まっており、事業主ごとに最大で600万円となっています。

コース区分

事業場内最低賃金の引き上げ額

引き上げる労働者数

助成上限額

事業場規模30人以上

事業場規模30人未満

30円コース

30円以上

1人

30万円

60万円

2~3人

50万円

90万円

4~6人

70万円

100万円

7人以上

100万円

120万円

10人以上※

120万円

130万円

45円コース

45円以上

1人

45万円

80万円

2~3人

70万円

110万円

4~6人

100万円

140万円

7人以上

150万円

160万円

10人以上※

180万円

180万円

60円コース

60円以上

1人

60万円

110万円

2~3人

90万円

160万円

4~6人

150万円

190万円

7人以上

230万円

230万円

10人以上※

300万円

300万円

90円コース

90円以上

1人

90万円

170万円

2~3人

150万円

240万円

4~6人

270万円

290万円

7人以上

450万円

450万円

10人以上※

600万円

600万円

※10人以上の上限額区分は、事業場内最低賃金が1,000未満の事業場か、物価高騰などの影響で申請前3カ月のうちいずれか1カ月分の利益率が前年同期より3%ポイント以上低下している事業場(=特例事業者)が該当します。

業務改善助成金で車両購入できるケース

業務改善助成金の対象となるのは、生産性向上や働き方改善につながる設備投資などです。例えば、POSレジ・受発注システム・自動釣銭機・厨房機器の自動化・物流効率化機器などが対象となります。

車両購入も助成金の対象となるケースがありますが限定的です。ここでは業務改善助成金の対象となる車両購入について見ていきましょう。

業務改善のために必要な車両を購入する場合

購入する車両が業務改善のために明確に必要と判断できる場合には、業務改善助成金の対象となります。例えば、介護・福祉業を営む企業がリフト付き車両を購入する場合には、業務改善のために必要といえるため、対象となるでしょう。

一方、社用車として使う乗用車の購入は汎用性が高く、業務改善のために明確に必要とはいいきれないため、対象とならない可能性が高いといえます。

物価高騰要件を満たす特例事業者である場合

業務改善のために明確に必要と判断できない車両は、業務改善助成金の対象にならないのが原則です。ただし以下の物価高騰等要件を満たす特例事業者の場合には、車両も助成金の対象となります。

原材料費の高騰など社会的・経済的慣行の変化等の外的要因により、申請前3カ月間のうち任意の1月の利益率(売上高総利益率又は売上高営業利益率)が、前年同期に比べ、3%ポイント以上低下している事業者

※「%ポイント(パーセントポイント)」とは、パーセントで表された2つの数値の差を表す単位です

出展:厚生労働省|業務改善助成金

定員7人以上の車両や、200万円以下の乗用車・貨物自動車などの購入に、業務改善助成金を使用可能です。

業務改善助成金で車両購入した事例

業務改善助成金では、要件を満たしていると車両の購入も可能です。ここでは「生産性向上のヒント集(令和6年3月作成)」や「業務改善助成金 助成事例」を元に、実際に業務改善助成金を活用して車両を購入した事例を紹介します。

参考
厚生労働省|最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援事業|生産性向上のヒント集(令和6年3月作成)
厚生労働省|業務改善助成金 助成事例

送迎業務の効率化のために送迎用車両を導入した事例

社会保険・社会福祉・介護事業を営む大分県の企業では、就労支援者を農作業を行うハウスまで送迎する車両が小さいことから、複数回の送迎が必要で業務効率が悪い状態でした。

この送迎業務の効率化と送迎可能人数の増加を図るため、7人以上乗車可能な大型の送迎用車両を2台追加導入しました。これにより送迎回数が減った結果、送迎業務に必要な人員が4名から3名に減少しています。

また送迎希望者を新たに2名受け入れられるようになり、売上の向上にもつながっています。

パワーゲート付き中古車を導入した建設業の事例

建設業を営むある企業では、資材の積み下ろしを複数人で行っていました。パワーゲート付き中古車の導入により、1人で積み下ろしができるようになった上、30~60分の時間短縮も実現したそうです。あわせて従業員の身体的負担軽減にもつながっています。

大型冷蔵保冷車を導入した水産加工品卸業者の事例

水産加工品卸売業を営む企業では、これまで積載量の小さな軽トラックを使っていました。大型冷蔵保冷車を導入してからは、仕入れ量は3倍に、配送は1日2回から1回になりました。配送の効率化で空いた時間を、加工に充てられるようになったそうです。

電動高所用作業車を導入した農業の事例

農業を営むある事業者は、これまで高所の整枝作業に脚立を使っていました。脚立を持って移動し昇り降りしながら整枝しなければならず、時間と手間のかかる作業だったそうです。電動高所用作業車を導入すると、この手間がなくなりました。連続で作業ができるようになり、業務効率が改善したそうです。

レッカー車を導入した自動車整備業の事例

自動車整備業を営むある企業では、事故車の引き揚げに車積載車とウインチを使っていました。この方法では人手と時間がかかることからクレーン付きのレッカー車を導入すると、作業時間が1時間ほど短くなり、従業員の負担が軽減したそうです。

従業員の働きやすさ改善には福利厚生の拡充もポイント

業務改善助成金を活用した、業務効率化は従業員の働きやすさ改善につながります。従業員がより働きやすい環境を整えるには、福利厚生の拡充も検討するとよいでしょう。

例えばエデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」は、全国に25万店舗以上ある加盟店で食事を購入できるサービスです。

毎日異なる現場で働く従業員や、常駐先で働く従業員、リモートワークで働く従業員なども利用しやすく、多様な働き方に対応できます。対象となる従業員に公平に提供できる福利厚生の導入を検討している場合におすすめです。

チケットレストラン」の詳細はこちらの「資料請求」からお問い合わせください。

業務改善助成金は要件を満たせば車両購入も可能

業務改善のために明確に必要である場合や、物価高騰要件を満たす特例事業者が車両購入する場合には、業務改善助成金の対象になります。業務改善助成金での車両購入を検討しているなら、事例をチェックしておくとよいでしょう。

また従業員の働きやすい環境の整備には、福利厚生の拡充も有効です。例えばエデンレッドジャパンの提供する食事補助の福利厚生サービス「チケットレストラン」なら、対象となる従業員に公平に提供できます。

業務改善による働きやすい環境の整備とあわせて、導入を検討してみませんか。

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社会保険労務士 吉川明日香

社労士と民間企業の人事部で働くハイブリッド型社労士。労働者、経営者、人事担当者それぞれの視点から、バランスのとれたサポートを心がけています。子育て世代の生活環境や就業環境の課題を探るために保育士の資格を取得し、特定の専門分野を作らず、給与計算、手続き業務、労務相談、助成金等、幅広く実践的なアドバイスを行っています。
吉川社会保険労務士事務所
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