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エデンレッドブログ

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【税理士監修】扶養から外れる年収の壁をわかりやすく解説。期間限定の措置も確認

【税理士監修】扶養から外れる年収の壁をわかりやすく解説。期間限定の措置も確認

2024.05.24

監修者:舘野義和(税理士・1級ファイナンシャルプランニング技能士 舘野義和税理士事務所)

扶養範囲内を意識する場合、年収の壁を超えずに働く必要があります。年収の壁とはどのようなものなのでしょうか?段階的に存在している年収の壁についてチェックしましょう。年収の壁を超えて働く従業員のいる企業に対する期間限定の措置である、年収の壁・支援強化パッケージも紹介します。

年収の壁とは

「扶養範囲内で働く」という場合、年収いくらまで働けるかは、社会保険の扶養・税制上の扶養のどちらを考えているかで異なります。

「税金を負担せずに済む範囲で働きたい」「社会保険料がかからない範囲で働きたい」という場合、それぞれの年収の壁を超えないよう意識しなければいけません。

年収の壁は複数あるため、それぞれの壁を超えたときに何が変わるのかを見ていきましょう。

103万円の壁

103万円は所得税がかかり始める年収です。所得税がかからない範囲で働きたいと考えている場合、勤務時間を調整することがあるため、103万円の壁と表現されています。

この103万円は給与所得控除額55万円と基礎控除額48万円の合計額です。控除後の課税所得が0円になるため、所得税がかかりません。

106万円の壁

年収106万円を超えると、従業員数101人以上(2024年10月からは51人以上)の企業でパートやアルバイトで働く従業員は、配偶者や親の扶養を抜けて、勤務先の厚生年金や健康保険へ加入しなければいけません。

毎月の給与から社会保険料が差し引かれるため、これまでより額面の給与が増えていても、およそ125万円を超えるまで手取り額は少なくなります。

130万円の壁

年収130万円を超えると、従業員数100人以下(2024年10月からは50人以下)の企業でパートやアルバイトをしている従業員も、自身で国民年金や国民健康保険に加入しなければいけません。

106万円の壁と同様で、社会保険料の負担が増える分、手取り額が減ります。

150万円の壁

年収150万円を超えると、配偶者特別控除の控除額が減っていきます。配偶者の合計所得金額が900万円以下だと、パートやアルバイトの年収を150万円以下に抑えれば、配偶者特別控除は満額の38万円です。

この控除が段階的に少なくなり始める年収であることから、150万円の壁といわれています。

201万円の壁

パートやアルバイトが年収210万円を超えると、その配偶者は配偶者特別控除を受けられなくなります。控除を受けられる範囲内で働きたいと希望する場合には、年収201万円を超えないよう調整することもあるでしょう。

企業の制度による壁

企業では従業員に対する福利厚生として、配偶者手当や家族手当などを設けている場合があります。支給する要件は企業ごとに異なりますが、要件として従業員の配偶者の年収や雇用形態を設けているケースが多いでしょう。

例えば「年収106万円までの配偶者を持つ従業員に配偶者手当を月1万円支給する」と定めている場合、企業からの配偶者手当を受け取るために、年収が106万円以内に収まるよう調整することがあります。

ただし企業の制度による壁をなくそうと、単に配偶者手当を廃止するだけでは、不利益変更とみなされかねません。配偶者手当の廃止や縮小によって、制度が年収の壁とならないようにするには、基本給や子ども手当の増額などとセットで行いましょう。

厚生労働省の公開している「配偶者手当を見直して若い人材の確保や能力開発に取り組みませんか?」には、制度の見直しに役立つフローチャートが記載されており、参考になります。

参考:厚生労働省|配偶者手当を見直して若い人材の確保や能力開発に取り組みませんか?

年収の壁と賃上げ

賃上げは給与が増える点では歓迎する従業員が多いでしょう。ただし年収の壁を考えると、働き方を変えなければいけない人もいます。年収の壁と賃上げは、どのように影響し合っているのでしょうか?

2023年10月の最低賃金アップと、2024年春闘で行われた非正規雇用の賃上げについて見ていきましょう。

2023年10月の最低賃金アップの影響

厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」によると、2023年10月に行われた最低賃金アップでは、全国加重平均額が1,004円と初めて1,000円台となりました。またこれまでの961円と比べると43円上がっています。43円アップは過去最高の上がり幅です。

このように大きく最低賃金が上がった影響で、これまでと同じ時間数勤務すると、年収の壁を超えるケースも出てくるでしょう。社会保険料の負担を増やしたくないと考えるパートやアルバイトは、勤務時間をこれまでより少なく抑えている人もいます。

パートやアルバイトの働き控えにより、人手不足に陥る企業もあるでしょう。

参考:厚生労働省|地域別最低賃金の全国一覧

2024年春闘で行われた非正規雇用の賃上げの影響

2024年の春闘では、パートやアルバイトなどの非正規雇用の賃上げが実現したケースが多くありました。例えばイオングループでは7%、ウエルシアホールディングスでは7.95%の賃上げで妥結しています。

また個人が加盟できる労働組合(ユニオン)の連携による、非正規春闘の働きかけもあり、大手企業以外でも賃上げの動きが見られます。

非正規雇用と正社員の間に賃金格差があることや、インフレが続く経済状況から、賃上げは歓迎されています。ただし年収の壁を意識した働き方を希望しているパートやアルバイトは、時給が上がる分、働ける時間数が少なくなるケースもあるでしょう。

年収の壁・支援強化パッケージとは

106万円の壁・130万円の壁などの年収の壁を意識すると、賃上げによって働ける時間数が減るということがわかりました。そのような年収の壁に対策するために、厚生労働省では「年収の壁・支援強化パッケージ」を提供しています。

ここでは「年収の壁・支援強化パッケージ」の中から、106万円の壁・130万円の壁に対応するための制度をチェックしましょう。

106万円の壁に対応する「キャリアアップ助成金」

106万円の壁への対応として、キャリアアップ助成金の「社会保険適用時処遇改善コース」が2023年10月に設けられました。以下の要件を満たすよう、年収の壁対策を実施することで、従業員1人につき最大50万円の助成を受けられる制度です。

制度の概要を厚生労働省の「キャリアアップ助成金 社会保険適用時処遇改善コース」を参考に紹介します。

メニュー

要件

1人当たりの支給上限額

手当等支給メニュー

●1年目:社会保険適用促進手当などとして賃金の15%以上分を従業員へ追加支給すること

●2年目:社会保険適用促進手当などとして賃金の15%以上分を従業員へ追加支給するとともに、3年目以降に以下の取り組みを行うこと

●3年目:基本給を18%以上増額すること。 ※労働時間延長との組み合わせも可能

●1年目:10万円×2回

●2年目:10万円×2回

●3年目:10万円×1回

労働時間延長メニュー

以下のいずれかの取り組みを6カ月継続すること

●週所定労働時間の延長4時間以上

●週所定労働時間の延長3時間以上4時間未満・賃金5%以上増額

●週所定労働時間の延長3時間以上2時間未満・賃金10%以上増額

●週所定労働時間の延長1時間以上2時間未満・賃金15%以上増額

30万円

併用メニュー

●1年目:社会保険適用促進手当などとして賃金の15%以上分を従業員へ追加支給すること

●2年目:労働時間延長メニューの要件を満たすこと

50万円

また対象となる従業員の要件は以下の通りです。

メニュー

要件

手当等支給メニュー

・社会保険加入日から1年経過時点で労働時間の延長ができる見込みである

労働時間延長メニュー

・社会保険加入日から2カ月以内に週所定労働時間を一定時間延長できる

併用メニュー

・社会保険加入日から最長2年間の手当等の支給後の働き方について労使で話し合う予定がある
・社会保険加入日から1年経過時点で労働時間の延長ができる見込みである

この助成金を利用できるのは、2023年10月~2025年度末の期間のみです。定められた期間内に、年収の壁を意識せずに働ける環境づくりに取り組む必要があります。

参考:厚生労働省|キャリアアップ助成金 社会保険適用時処遇改善コース

関連記事:【社労士監修】年収の壁対策はキャリアアップ助成金を活用!待遇改善に役立つ福利厚生も

130万円の壁に対応する「被扶養者認定の円滑化」

社会保険の被扶養者の対象外となる年収130万円以上のパートやアルバイトは、従業員100人以下(2024年10月からは従業員50人以下)の企業で働いていても、自分で国民年金や国民健康保険へ加入しなければいけません。

2024年度の国民年金保険料は月1万6,980円です。国民健康保険料は自治体により異なるため、ここでは新宿区のケースを紹介します。前年の総所得金額等が25万円であれば、40~64歳以外は月5,467円、40~64歳は月6,842円です。

合計すると、40~64歳以外は月2万2,447円、40~64歳は月2万3,822円の負担増となります。

将来受け取れる自分自身の年金額を増やせる、保障が充実するなどのメリットもありますが、社会保険料が天引きされる分手取り額が減る点はデメリットです。

ただし社会保険料の負担を避ける目的で勤務を調整していても、繁忙期や人手不足によって年収130万円を超えることも出てくるでしょう。このようなときには被扶養者認定が活用できるかもしれません。

「急な注文が入り稼働が必要となった」というような突発的な出来事により、年収が130万円を超えたことを企業が証明すれば、年収130万円以上であっても期限付きで被扶養者認定を受けられる可能性があります。

また被扶養者認定は新たな「年収の壁」を作り出すことがないよう、上限額は設定されていません。

厚生労働省の「事業主の証明による被扶養者認定Q&A」によると、被扶養者の年収が配偶者や親などの被保険者の年収を上回ると、被扶養者が主に生計を維持しているとみなされて被扶養認定が削除されるとあります。

参考:日本年金機構|国民年金保険料
参考:新宿区|令和6年度 国民健康保険料 概算早見表(総所得金額等)
参考:厚生労働省|事業主の証明による被扶養者認定Q&A

福利厚生による待遇改善

時給を上げる賃上げは年収アップにつながる一方、年収の壁を意識して働いているパートやアルバイトの働き控えが発生する可能性があります。働き控えを避けつつ、パートやアルバイトの待遇を改善する方法として、福利厚生の活用方法をチェックしましょう。

給与とならない福利厚生がある

福利厚生として手当を支給する場合、原則として給与に含まれます。ただし住宅手当や食事手当など、一定の要件を満たすと給与に含まれず所得税が非課税となる福利厚生があります。

給与にならない福利厚生で待遇改善を行うと、パートやアルバイトの年収は上がらないため、年収の壁を意識する必要がありません。

これまで通りの働き方で、実質的な手取り金額を上げられる方法です。

関連記事:【税理士監修】所得税が非課税になる手当を一覧で確認!非課税となる要件も解説
関連記事:“福利厚生”で実質手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「#第3の賃上げアクション」プロジェクト

福利厚生による待遇改善は「チケットレストラン」がおすすめ

エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」は、給与として扱われない一定の要件を満たしている食事補助サービスです。導入するだけで、年収の壁に影響しない待遇改善がかないます。

全国にある25万店舗以上の加盟店で利用できる使い勝手の良さもポイントです。導入した企業では、従業員の98%が利用しており、満足度も93%と高い結果が出ています。

福利厚生が充実することで、従業員の採用や定着にもつながるサービスです。

扶養範囲内で働く従業員が多いなら「チケットレストラン」を検討しよう

パートやアルバイトで働く従業員が、年収の壁を意識しているようであれば、福利厚生による待遇改善がおすすめです。要件を満たすことで給与に含まれない住宅手当・食事手当などを支給すると、年収の壁に影響せず待遇改善ができます。

食事手当の支給を考えているなら、エデンレッドジャパンの「チケットレストラン」を検討してみませんか。使い勝手のよいサービスは、人材確保にも役立ちます。

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